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プロローグ
プロローグ
しおりを挟む女はアパートの自室で人を待っていた。ソワソワと落ち着きなく部屋の中を動き回る。掃除はきちんと行っているのに、いろいろな場所が気になって仕方がない。
彼を待つときはいつもこうだ。ため息をつくと、ピンポーンというチャイムが部屋に鳴り響いた。
待ち人がきたようだ。期待と罪悪感の狭間で揺れながら、女は玄関に向かう。
ドアを開けると、非常に見目麗しい長身の男が立っていた。中に招き入れると、男は慣れたように鞄を置いてスーツを脱ぎ捨てた。
「シャワー、浴びてないよね?」
ネクタイを緩めながらそう聞かれ、女はコクリと頷いた。満足気な笑みを浮かべた男が我が物顔で部屋の奥へ進んでいく。そして外したネクタイで目元を覆い、床に寝転がった。
「さあ、おいで」
ペロリと唇を舐めた男の姿を見て、キュンと下腹部が疼く。女は自らショーツを脱ぎ、スカートをたくし上げて男の顔に跨った。
そのまま腰を落とし、すでにぐっしょりと濡れている秘部を口元に押し当てる。
「……んん、はあっ……ああ、すごくいい香りだ。もう濡れてるね。部屋に入ったときから、エッチな匂いがしてたよ。お待たせしてごめんね」
ちゅうっと敏感な芽に吸いつかれ、背中が弓なりに反る。待ち佗びていた刺激に喜びで秘奥から更に蜜が溢れた。
それをじゅるじゅると飲み干して、花芽を舌で上下に弾かれると電流が走ったように全身が甘く痺れる。
「あっ、ああぁっ、はっ、ああっ」
口から次々に漏れてしまう喘ぎ声を抑えようと、自分の口元を手で押さえる。このアパートの壁はそう厚くはない。
顔を合わせれば挨拶をする程度ではあるが、隣人にみだらな喘ぎ声を聞かせるなど御免である。
はあはあと息を乱しながら、自分の足の間にいる男を見つめる。
ほんの一週間前までただの同僚でしかなかった男の顔の上に跨って腰を振る自分がひどく浅ましく思えて、女は快感に震えながら唇を噛んだ。
「はあ、愛液おいし……。クリトリスもうパンパンだね。ああ、この匂い堪らないよ。ずっと嗅いでいたい」
社内の高嶺の花であり、品行方正で通っている彼の口から出ているとは思えない卑猥な言葉に耳を塞ぎたくなる。彼のこんな一面なんて、知りたくなかった。
どうしてこんなことになったのかと考えながら、限界が近いのを知らせるように女は男の顔を太股でぎゅっと挟んだ。
あのとき、食事の誘いにのったのが間違いだったのかもしれない。しかし、彼の相談がこんな状況を招くなんて数日前の彼女は想像もしていなかった。
男の事情は同情できるものであり、不幸だと思うが鋼の意思で彼の提案を拒むべきだった。だが、もう時は戻らない。
『最後の希望』という言葉に絆された。
そして己の好奇心に負けて彼の提案を受け入れてしまったのは、紛れもなく自分なのだ。
「ああぁっ、もう、イク、イッちゃいます。ん、ふぅ、ああ、あああああぁっ」
ビクビクと全身を震わせながら、女は絶頂に達した。しかし、男は舌の動きを止めることはない。逃げようとする女の腰をがっちりと掴み、敏感な蕾から吸いついて離れない。
すぐに次の快感の波に襲われて、女はポロリと涙を溢した。
「ダメ、吸っちゃ……はあ、んんんっ、あ、あ、また、きちゃう。きちゃうから」
「いいよ、何度でもイッて。あぁ、また溢れてきた。おっぱいも触ってあげるから、自分で出して」
胸を突かれて、女はプルプルと震えながらブラウスのボタンを外す。自ら下着から豊満な乳房を取り出し、男の手を誘導する。
すでに勃ち上がった乳首を指で捏ねられると、また秘奥から蜜が溢れ男が股の下から喜びの声を上げた。
気持ちが良すぎて、脳が溶けそうだ。
もう達することしか考えられず、秘部を自ら男の唇に擦りつける。そして先程浮かんだ後悔も、強烈な快楽に一瞬で霧散してしまうのだった。
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