6 / 17
オリヴィア・エヴァンス嬢の場合
6
しおりを挟む
えーと…どうして私はこんなところにいるんでしょうかね!?
半刻後、私はサットン侯爵邸にいた。
あのあと、私が連れていたメイドに彼が家に帰るように言いつけ、自分が送るから大丈夫だとエヴァンス侯爵に伝えてくれと言いながらも彼の馬車に押し込まれる。いやいや先触れなしに訪れていいわけ!?とか、これじゃあ両親が完全に勘違いするじゃん!!とかぐるっぐる頭の中を色んな思いがよぎったが、彼があまりにも沈鬱な表情をしているので、声に出すのは控えておきました…。うん、イケメンはどんな表情してもイケメンだね…。
それで連れてこられた彼の生家、サットン侯爵邸のあまりの豪華さに私は開いた口が塞がらなかった。かなり躊躇して、重くなる足取りに気付いた彼が否応なしに家の中に連れてきて、応接間で待ってろ!と押し込まれたので、えーとソファーに座っているのが今の状況です。
(思いっきり流されてない!?私ってば…)
ほどほど令嬢すぎて、現世での経験が足りないのが足を引っ張ってる、絶対にー。貴族令嬢はどうやってこういう誘いをかわしてるんだろう?前世での私はそれなりに恋愛経験がございまして…死んだのは確か39歳の時、交通事故でした。涙なくては語れない事故でした。
まぁ何が言いたいかというと、思いっきり流されてるけど、多分本当の貴族令嬢に比べると貞操観念が緩いってこと。まぁあれだけイケメンの貴公子が好きって感情をだだ漏れにしてくれると、こっちも気になるっていうか…私ってば最高にちょろい!ちょろいのは分かってる!言わないでくれ!私みたいに自己肯定感が低い女は、好きだ好きだって言ってくれる男に心が傾きがちなんだ!しかも話が合ってイケメンでどうして断る必要があるのだ!ちょ、ちょろいのは分かってる、言わないでくれ!(2回目)
いや、なんだかんだ理屈を並べているけど、正直に言えば…彼に惹かれている自分がいるってことを認めないといけないってことですね。
自分でも頭がこんがらがってきたので、先ほどこの屋敷のメイドが出してくれた紅茶をぐびっと飲んだ。さすがお金持ち侯爵家…美味しい紅茶でございます。
そうこうしている間に、がちゃっとドアが開いて、私をこの悩みの渦に招待してくれた美貌の貴公子が登場した。
「待たせて申し訳なかった。これを見てくれないか」
目の前に歩いてきた彼に示されたのはーーーー見たことのある、白っぽい色の、刺繍入りの、リボン。しかも私はこのリボンの色がもともとは薄ピンクだったことを知っている。
「こ、これは…」
ぱっと彼を見上げると、彼がうん、と頷いた。
「これは10年以上前に、ある少女がつけていたリボンで、俺はこの持ち主をずっと探していたんだ」
あの日は、両親がある公爵家のお茶会に家族で招待されて、私もミアも行くことになった。とても広い公爵邸の庭園で貴族の子供たちがたくさん集まって遊んでいたので、これは珍しいと私たちもそこに行ってみると、小さな男の子ー名前も顔も覚えていないーが身体の大きな男の子に突き飛ばされて泣いていたのだった。私はこの頃はまだ前世の記憶は取り戻していなくて、それこそほどほど令嬢のオリヴィア・エヴァンスなわけなのだが、その小さな男の子が可哀想になり、手をひっぱって屋敷まで連れて行ったのである。それから庭園に戻ると、大きな男の子が私の前に立ち塞がって、お前余計なことを言ってないだろうなぁ?と凄んできた。今から思うと、その公爵家のゆかりのある家の子息だったのかもしれない。
『何も言ってないわよ、でも弱いものいじめはよくないわ』
私はその男の子の態度に腹が立って、はっきりとそう言った。するとその男の子はさすがに女の子には手を出さなかったのだが、代わりに私のリボンをするっとといて、そのまま走って逃げてしまったのである。私は呆れてものもいえずに、リボンをそのままにして、心配そうにハラハラしていたミアに笑顔を向けて、女の子たちの集まりへと歩いていった。
(でもあの男の子は絶対に、サットン様ではなかったわ)
さすがにあまり記憶はないものの、彼とは顔立ちが違いすぎた。
「俺もあの場にいたんだ。最初にあいつがジュリアンに手を出した時に、止めたら良かったんだが、あいつと関わり合いになりたくて怯んだ。そしたら君がやってきて、颯爽とジュリアンを助けた上に、あいつが君を脅すようなことを言っても一歩もひかなかったのをみて、ただただ驚嘆したんだ」
どうやら彼はあの小さな男の子とは顔見知りだったようだ。そして、あの大きな男の子がリボンをくしゃくしゃに丸めて捨てたのを、彼がそっと拾って、そのまま持っていた、ということらしい。
「君の名前を知りたかったんだが、誰に聞いても知らなくて…それからずっと…その探していたんだ」
(ええええ!?)
今やレオナルドは頬を染めて、リボンを握りしめている。
「大人になってから色んな集まりや夜会に出向いてずっとあの少女を探していたんだが、なかなか見つけられず、もう無理かもしれないと諦めた時に…君に出会ったんだ。すぐにあの時の少女だと分かったよ」
私がぽかんとして彼を見ると、彼の顔はますます真っ赤になっていった。
「そう…だったの?」
思わず敬語がするりと落ちてしまったが彼は気にしなかったようだ。
「ああ、やっと君を見つけたんだから、逃げられると困る」
呆然として彼を見上げているうちに、不思議な気持ちになって、彼に言い聞かせるように言葉を紡いだ。
「サットン様、思い出は美化されるものです。貴方はきっとその時の私に恋されたかもしれませんが、本当に私を知ったらきっと幻滅なさいます」
しかし彼はきっぱりと首を横に振った。
「いや、それは違うぞ、オリヴィア・エヴァンス。俺は再会した瞬間から君をずっと見ているが、一切飽きることがない。君の外見の美しさについては前に言ったから今は省くが、生き生きとした表情で毎日を楽しんでいる。夜会で会う度に胸がときめいたもんだ。俺は今の君に恋をした」
(ちょ、ちょっと待って…)
信じられないことが私の身に起こっている…
レオナルド・サットン侯爵子息が話していている内容の方がよっぽど、物語より物語みたいで、彼がそうやって恋心を伝えているのが…《悪役令嬢その2》に過ぎない私って一体これどういうこと!?
私はそっと彼に手を伸ばして、リボンを渡してくれるように示した。すると彼は一瞬渡したくないというようにリボンをぎゅっと握ったが、やがて諦めたように私にそのリボンを渡してくれる。
懐かしい絹のリボン。私のイニシャルが刺繍されている。そうしてつるつるした絹のリボンを眺めているうちに、そのリボンの色褪せた部分が一定ではないことに気づく。
(そうか…)
彼はきっとこのリボンを本当に大切にして、きっと時折優しく撫でていたに違いない。
「ふふっ…」
思わず笑みが漏れる。
《悪役令嬢その2》が幸せになってはいけないルールなんてどこにもないよね?
「サットン様、このリボンはお返しします」
このリボンはもう彼のものだ。
私がそっとそのリボンを渡すと、彼がその真意をはかるように私の顔を不安げに見つめた。
「きっといつか貴方様に飽きられるような気がしますけど、それまではどうかお側に置いてください」
「飽きるわけ、ないじゃないかっ!」
彼が破顔して、私をソファから立たせると、ぎゅっと抱きしめたのだった。
半刻後、私はサットン侯爵邸にいた。
あのあと、私が連れていたメイドに彼が家に帰るように言いつけ、自分が送るから大丈夫だとエヴァンス侯爵に伝えてくれと言いながらも彼の馬車に押し込まれる。いやいや先触れなしに訪れていいわけ!?とか、これじゃあ両親が完全に勘違いするじゃん!!とかぐるっぐる頭の中を色んな思いがよぎったが、彼があまりにも沈鬱な表情をしているので、声に出すのは控えておきました…。うん、イケメンはどんな表情してもイケメンだね…。
それで連れてこられた彼の生家、サットン侯爵邸のあまりの豪華さに私は開いた口が塞がらなかった。かなり躊躇して、重くなる足取りに気付いた彼が否応なしに家の中に連れてきて、応接間で待ってろ!と押し込まれたので、えーとソファーに座っているのが今の状況です。
(思いっきり流されてない!?私ってば…)
ほどほど令嬢すぎて、現世での経験が足りないのが足を引っ張ってる、絶対にー。貴族令嬢はどうやってこういう誘いをかわしてるんだろう?前世での私はそれなりに恋愛経験がございまして…死んだのは確か39歳の時、交通事故でした。涙なくては語れない事故でした。
まぁ何が言いたいかというと、思いっきり流されてるけど、多分本当の貴族令嬢に比べると貞操観念が緩いってこと。まぁあれだけイケメンの貴公子が好きって感情をだだ漏れにしてくれると、こっちも気になるっていうか…私ってば最高にちょろい!ちょろいのは分かってる!言わないでくれ!私みたいに自己肯定感が低い女は、好きだ好きだって言ってくれる男に心が傾きがちなんだ!しかも話が合ってイケメンでどうして断る必要があるのだ!ちょ、ちょろいのは分かってる、言わないでくれ!(2回目)
いや、なんだかんだ理屈を並べているけど、正直に言えば…彼に惹かれている自分がいるってことを認めないといけないってことですね。
自分でも頭がこんがらがってきたので、先ほどこの屋敷のメイドが出してくれた紅茶をぐびっと飲んだ。さすがお金持ち侯爵家…美味しい紅茶でございます。
そうこうしている間に、がちゃっとドアが開いて、私をこの悩みの渦に招待してくれた美貌の貴公子が登場した。
「待たせて申し訳なかった。これを見てくれないか」
目の前に歩いてきた彼に示されたのはーーーー見たことのある、白っぽい色の、刺繍入りの、リボン。しかも私はこのリボンの色がもともとは薄ピンクだったことを知っている。
「こ、これは…」
ぱっと彼を見上げると、彼がうん、と頷いた。
「これは10年以上前に、ある少女がつけていたリボンで、俺はこの持ち主をずっと探していたんだ」
あの日は、両親がある公爵家のお茶会に家族で招待されて、私もミアも行くことになった。とても広い公爵邸の庭園で貴族の子供たちがたくさん集まって遊んでいたので、これは珍しいと私たちもそこに行ってみると、小さな男の子ー名前も顔も覚えていないーが身体の大きな男の子に突き飛ばされて泣いていたのだった。私はこの頃はまだ前世の記憶は取り戻していなくて、それこそほどほど令嬢のオリヴィア・エヴァンスなわけなのだが、その小さな男の子が可哀想になり、手をひっぱって屋敷まで連れて行ったのである。それから庭園に戻ると、大きな男の子が私の前に立ち塞がって、お前余計なことを言ってないだろうなぁ?と凄んできた。今から思うと、その公爵家のゆかりのある家の子息だったのかもしれない。
『何も言ってないわよ、でも弱いものいじめはよくないわ』
私はその男の子の態度に腹が立って、はっきりとそう言った。するとその男の子はさすがに女の子には手を出さなかったのだが、代わりに私のリボンをするっとといて、そのまま走って逃げてしまったのである。私は呆れてものもいえずに、リボンをそのままにして、心配そうにハラハラしていたミアに笑顔を向けて、女の子たちの集まりへと歩いていった。
(でもあの男の子は絶対に、サットン様ではなかったわ)
さすがにあまり記憶はないものの、彼とは顔立ちが違いすぎた。
「俺もあの場にいたんだ。最初にあいつがジュリアンに手を出した時に、止めたら良かったんだが、あいつと関わり合いになりたくて怯んだ。そしたら君がやってきて、颯爽とジュリアンを助けた上に、あいつが君を脅すようなことを言っても一歩もひかなかったのをみて、ただただ驚嘆したんだ」
どうやら彼はあの小さな男の子とは顔見知りだったようだ。そして、あの大きな男の子がリボンをくしゃくしゃに丸めて捨てたのを、彼がそっと拾って、そのまま持っていた、ということらしい。
「君の名前を知りたかったんだが、誰に聞いても知らなくて…それからずっと…その探していたんだ」
(ええええ!?)
今やレオナルドは頬を染めて、リボンを握りしめている。
「大人になってから色んな集まりや夜会に出向いてずっとあの少女を探していたんだが、なかなか見つけられず、もう無理かもしれないと諦めた時に…君に出会ったんだ。すぐにあの時の少女だと分かったよ」
私がぽかんとして彼を見ると、彼の顔はますます真っ赤になっていった。
「そう…だったの?」
思わず敬語がするりと落ちてしまったが彼は気にしなかったようだ。
「ああ、やっと君を見つけたんだから、逃げられると困る」
呆然として彼を見上げているうちに、不思議な気持ちになって、彼に言い聞かせるように言葉を紡いだ。
「サットン様、思い出は美化されるものです。貴方はきっとその時の私に恋されたかもしれませんが、本当に私を知ったらきっと幻滅なさいます」
しかし彼はきっぱりと首を横に振った。
「いや、それは違うぞ、オリヴィア・エヴァンス。俺は再会した瞬間から君をずっと見ているが、一切飽きることがない。君の外見の美しさについては前に言ったから今は省くが、生き生きとした表情で毎日を楽しんでいる。夜会で会う度に胸がときめいたもんだ。俺は今の君に恋をした」
(ちょ、ちょっと待って…)
信じられないことが私の身に起こっている…
レオナルド・サットン侯爵子息が話していている内容の方がよっぽど、物語より物語みたいで、彼がそうやって恋心を伝えているのが…《悪役令嬢その2》に過ぎない私って一体これどういうこと!?
私はそっと彼に手を伸ばして、リボンを渡してくれるように示した。すると彼は一瞬渡したくないというようにリボンをぎゅっと握ったが、やがて諦めたように私にそのリボンを渡してくれる。
懐かしい絹のリボン。私のイニシャルが刺繍されている。そうしてつるつるした絹のリボンを眺めているうちに、そのリボンの色褪せた部分が一定ではないことに気づく。
(そうか…)
彼はきっとこのリボンを本当に大切にして、きっと時折優しく撫でていたに違いない。
「ふふっ…」
思わず笑みが漏れる。
《悪役令嬢その2》が幸せになってはいけないルールなんてどこにもないよね?
「サットン様、このリボンはお返しします」
このリボンはもう彼のものだ。
私がそっとそのリボンを渡すと、彼がその真意をはかるように私の顔を不安げに見つめた。
「きっといつか貴方様に飽きられるような気がしますけど、それまではどうかお側に置いてください」
「飽きるわけ、ないじゃないかっ!」
彼が破顔して、私をソファから立たせると、ぎゅっと抱きしめたのだった。
66
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢が睨んでくるので、理由を聞いてみた
ちくわ食べます
恋愛
転生したのは馴染みのない乙女ゲームの世界だった。
シナリオは分からず、登場人物もうろ覚え、タイトルなんて覚えてすらいない。
そんな世界でモブ男『トリスタン』として暮らす主人公。
恋愛至上主義な学園で大人しく、モブらしく、学園生活を送っていたはずなのに、なぜか悪役令嬢から睨まれていて。
気になったトリスタンは、悪役令嬢のセリスに理由を聞いてみることにした。
【完結】元悪役令嬢は、最推しの旦那様と離縁したい
うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
「アルフレッド様、離縁してください!!」
この言葉を婚約者の時から、優に100回は超えて伝えてきた。
けれど、今日も受け入れてもらえることはない。
私の夫であるアルフレッド様は、前世から大好きな私の最推しだ。 推しの幸せが私の幸せ。
本当なら私が幸せにしたかった。
けれど、残念ながら悪役令嬢だった私では、アルフレッド様を幸せにできない。
既に乙女ゲームのエンディングを迎えてしまったけれど、現実はその先も続いていて、ヒロインちゃんがまだ結婚をしていない今なら、十二分に割り込むチャンスがあるはずだ。
アルフレッド様がその気にさえなれば、逆転以外あり得ない。
その時のためにも、私と離縁する必要がある。
アルフレッド様の幸せのために、絶対に離縁してみせるんだから!!
推しである夫が大好きすぎる元悪役令嬢のカタリナと、妻を愛しているのにまったく伝わっていないアルフレッドのラブコメです。
全4話+番外編が1話となっております。
※苦手な方は、ブラウザバックを推奨しております。
「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)
透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。
有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。
「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」
そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて――
しかも、彼との“政略結婚”が目前!?
婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。
“報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
転生賢妻は最高のスパダリ辺境伯の愛を独占し、やがて王国を救う〜現代知識で悪女と王都の陰謀を打ち砕く溺愛新婚記〜
紅葉山参
恋愛
ブラック企業から辺境伯夫人アナスタシアとして転生した私は、愛する完璧な夫マクナル様と溺愛の新婚生活を送っていた。私は前世の「合理的常識」と「科学知識」を駆使し、元公爵令嬢ローナのあらゆる悪意を打ち破り、彼女を辺境の落ちぶれた貴族の元へ追放した。
第一の試練を乗り越えた辺境伯領は、私の導入した投資戦略とシンプルな経営手法により、瞬く間に王国一の経済力を確立する。この成功は、王都の中央貴族、特に王弟公爵とその腹心である奸猾な財務大臣の強烈な嫉妬と警戒を引き寄せる。彼らは、辺境伯領の富を「危険な独立勢力」と見なし、マクナル様を王都へ召喚し、アナスタシアを孤立させる第二の試練を仕掛けてきた。
夫が不在となる中、アナスタシアは辺境領の全ての重責を一人で背負うことになる。王都からの横暴な監査団の干渉、領地の資源を狙う裏切り者、そして辺境ならではの飢饉と疫病の発生。アナスタシアは「現代のインフラ技術」と「危機管理広報」を駆使し、夫の留守を完璧に守り抜くだけでなく、王都の監査団を論破し、辺境領の半独立的な経済圏を確立する。
第三の試練として、隣国との緊張が高まり、王国全体が未曽有の財政危機に瀕する。マクナル様は王国の窮地を救うため王都へ戻るが、保守派の貴族に阻まれ無力化される。この時、アナスタシアは辺境伯夫人として王都へ乗り込むことを決意する。彼女は前世の「国家予算の再建理論」や「国際金融の知識」を武器に、王国の経済再建計画を提案する。
最終的に、アナスタシアとマクナル様は、王国の腐敗した権力構造と対峙し、愛と知恵、そして辺境の強大な経済力を背景に、全ての敵対勢力を打ち砕く。王国の危機を救った二人は、辺境伯としての地位を王国の基盤として確立し、二人の愛の結晶と共に、永遠に続く溺愛と繁栄の歴史を築き上げる。 予定です……
悪役令嬢のはずですが、年上王子が幼い頃から私を甘やかす気でいました
ria_alphapolis
恋愛
私は、悪役令嬢なのかもしれない。
王子の婚約者としては少し我儘で、周囲からは気が強いと思われている――
そんな自分に気づいた日から、私は“断罪される未来”を恐れるようになった。
婚約者である年上の王子は、今日も変わらず優しい。
けれどその優しさが、義務なのか、同情なのか、私にはわからない。
距離を取ろうとする私と、何も言わずに見守る王子。
両思いなのに、想いはすれ違っていく。
けれど彼は知っている。
五歳下の婚約者が「我儘だ」と言われていた幼い頃から、
そのすべてが可愛くて仕方なかったことを。
――我儘でいい。
そう決めたのは、ずっと昔のことだった。
悪役令嬢だと勘違いしている少女と、
溺愛を隠し続ける年上王子の、すれ違い恋愛ファンタジー。
※溺愛保証/王子視点あり/幼少期エピソードあり
目覚めたら大好きなアニメの悪役令嬢でしたが、嫌われないようにしただけなのに全員から溺愛されています
月影みるく
恋愛
目を覚ましたら、大好きだったアニメの世界。
しかも私は、未来で断罪される運命の悪役令嬢になっていた。
破滅を回避するために決めたことはただ一つ――
嫌われないように生きること。
原作知識を頼りに穏やかに過ごしていたはずなのに、
なぜか王族や騎士、同年代の男女から次々と好意を向けられ、
気づけば全員から溺愛される状況に……?
世界に一人しかいない光属性を持つ悪役令嬢が、
無自覚のまま運命と恋を変えていく、
溺愛必至の異世界転生ラブファンタジー。
王子好きすぎ拗らせ転生悪役令嬢は、王子の溺愛に気づかない
エヌ
恋愛
私の前世の記憶によると、どうやら私は悪役令嬢ポジションにいるらしい
最後はもしかしたら全財産を失ってどこかに飛ばされるかもしれない。
でも大好きな王子には、幸せになってほしいと思う。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる