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第18話 建国祭と守られた約束②
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アランが乗って来た馬車にエスコートされて乗り込むと、ぴったりと隣り合って座る。
アランがシャルロットの指を絡めとり手を繋いだ。
恋人になってすぐに会えなくなってしまった為、手を繋ぐだけでドキドキと胸が高鳴る。
触れ合う肌が少しむずむずとこそばゆいが、シャルロットは決して嫌ではなかった。
「王都にはいつ帰ってきたの?」
「早朝です」
「あら、それはお疲れね」
「仮眠を取ったので大丈夫ですよ」
手を繋いでいるアランの腕に反対の手を添える。
「急いで帰ってきてくれたのね、ありがとう」
「仕事と同等にあなたとの約束が大切ですから」
「いいのよ、今回がダメになっていたら、また次の楽しみができるもの」
「……あなたと話していると、全ては考え方次第だとよくわかる」
「褒めてくれてるの?」
「ええ、もちろん」
「誰もが憧れるあなたに褒めてもらえるなんて光栄だわ」
「私よりも、あなたのほうが魅力的ですよ。あなたと話せば誰もが魅了される」
「それは言い過ぎじゃない?……でもあなたは魅了されてくれたのね?」
「はい、それはもう。あなたの虜ですよ」
ほんの少し微笑みながらも、きっぱりと告げるアラン。
護衛をしてくれていた時は職務の一環ですから、とばかり返事されていたのに。
直球な愛情表現にときめいてしまうシャルロットだった。
ーーー
王城の大ホールに入ると、既にたくさんの人で溢れかえっていた。
このような賑やかな場に現れることのないアランが登場したため、少し会場がザワついた。
そのザワつきに気がついた同僚らしい騎士達が二人のもとに集まってきた。
みな一様に正装のため中々に存在感がすごい。
「こんなところで珍しいじゃないかアラン!」
「どんな風の吹き回し?あのアランがエスコートなんて」
「可愛いご令嬢だね、こんな堅物やめて、俺にしない?」
好き好きに話してかけてくる騎士達が面白く、くすくすとシャルロットが笑う。
「スラットレイ伯爵家のシャルロット嬢だ」
アランが紹介してくれたのでシャルロットはカーテシーで挨拶した。
「名家のスラットレイ伯爵家の!それはそれはいいお嬢さんを見つけたね、アラン」
「……アランって女性に興味あったんだ?」
「なになに、アランの彼女?」
わらわらと騎士達が増えてくる。
「はじめまして、シャルロットと申します」
騎士達がシャルロットをにこやかに見つめる。
「僕は近衛騎士のニールだよ」
「同じく、近衛騎士のロイです」
「俺は……」
次々とシャルロットに挨拶をする騎士仲間達に対して、アランがずいとシャルロットの前に出てシャルロットを隠す。
「近づくな、見るな」
ヒュー!と口笛が響く。
「なんだよアラン~~!見るくらいいいじゃないか」
「誰にも靡かなかったアランがねえ……」
「……シャルロット、行こう」
シャルロットは会釈すると、二人でその場を離れた。
まだ何も聞けてないぞー!という声が後ろから聞こえてくる。
シャルロットはアランが照れていることが伝わってきたが、それでも同僚の騎士達に自分を紹介してくれたのが嬉しかった。
それも束の間。
「アラン様!」
振り向くと可愛らしい令嬢が立っている。
「こんな場所でお会いできるなんて嬉しいですわ!……後ほど、ご一緒にダンスでも」
「いえ、結構です」
「え」
給仕の元に向かうまでに何人もの令嬢に声を掛けられた。
なんとかたどり着いて発泡酒と果実水を受け取る。
シャルロットは果実水で喉を潤すとアランに尋ねた。
「よろしいの?」
先ほどの令嬢達のことだ。
「一人と踊ると、キリがないので」
「まあ……!アランって本当に人気者なのね」
剣術大会で人気を知ったが、護衛騎士の時はあまり実感する機会がなかった。
少しヤキモチを妬くことはあったが。
ここまで人気だとは。
「あなたにだけ人気でありたい」
「ふふふ、私に大人気よ」
ダンスタイムになると、アランが片膝をつきながらシャルロットをダンスに誘った。
周りから騎士達の冷やかしと女性達の悲鳴のような声が上がったが、アランに釘付けだったシャルロットには聞こえていなかった。
アランの手に引かれてホールの中央まで歩く。
ホールドを合わせると久しぶりのダンスが始まった。
体に染みついたステップのおかげで足に気を取られることなく、二人は軽快に足を滑らせた。
繋がった手から、次にしたい動きがありありと伝わってくる。
シャルロットがくるりと回れば、優しくも力強く引き寄せられる。
凛々しく勇ましいアランと、ずっと焦がれ続けたアランと今踊っている。
世界で一番幸せかもしれない。
そんな高揚感に包まれて、シャルロットは体中が喜びで満ちた。
二人のダンスはたくさんの人の目を奪った。
可憐に軽快に踊るシャルロットの可愛さはもちろんだったが、あの普段は無表情のアランが熱くシャルロットを見つめては嬉しそうに踊るので、入る余地無しと、アランを狙っていた令嬢達はアランに興味を失った。
同僚の騎士達はアランが本気の恋を手に入れたのだと、お似合いの二人を嬉しそうに見守った。
踊り終えるとシャルロットがうっとりとアランを見上げる。
「最高に幸せ……」
「俺も幸せです」
踊り終えて軽食スペースまで移動すると、すぐに見知った顔に気づいた。
アランがシャルロットの指を絡めとり手を繋いだ。
恋人になってすぐに会えなくなってしまった為、手を繋ぐだけでドキドキと胸が高鳴る。
触れ合う肌が少しむずむずとこそばゆいが、シャルロットは決して嫌ではなかった。
「王都にはいつ帰ってきたの?」
「早朝です」
「あら、それはお疲れね」
「仮眠を取ったので大丈夫ですよ」
手を繋いでいるアランの腕に反対の手を添える。
「急いで帰ってきてくれたのね、ありがとう」
「仕事と同等にあなたとの約束が大切ですから」
「いいのよ、今回がダメになっていたら、また次の楽しみができるもの」
「……あなたと話していると、全ては考え方次第だとよくわかる」
「褒めてくれてるの?」
「ええ、もちろん」
「誰もが憧れるあなたに褒めてもらえるなんて光栄だわ」
「私よりも、あなたのほうが魅力的ですよ。あなたと話せば誰もが魅了される」
「それは言い過ぎじゃない?……でもあなたは魅了されてくれたのね?」
「はい、それはもう。あなたの虜ですよ」
ほんの少し微笑みながらも、きっぱりと告げるアラン。
護衛をしてくれていた時は職務の一環ですから、とばかり返事されていたのに。
直球な愛情表現にときめいてしまうシャルロットだった。
ーーー
王城の大ホールに入ると、既にたくさんの人で溢れかえっていた。
このような賑やかな場に現れることのないアランが登場したため、少し会場がザワついた。
そのザワつきに気がついた同僚らしい騎士達が二人のもとに集まってきた。
みな一様に正装のため中々に存在感がすごい。
「こんなところで珍しいじゃないかアラン!」
「どんな風の吹き回し?あのアランがエスコートなんて」
「可愛いご令嬢だね、こんな堅物やめて、俺にしない?」
好き好きに話してかけてくる騎士達が面白く、くすくすとシャルロットが笑う。
「スラットレイ伯爵家のシャルロット嬢だ」
アランが紹介してくれたのでシャルロットはカーテシーで挨拶した。
「名家のスラットレイ伯爵家の!それはそれはいいお嬢さんを見つけたね、アラン」
「……アランって女性に興味あったんだ?」
「なになに、アランの彼女?」
わらわらと騎士達が増えてくる。
「はじめまして、シャルロットと申します」
騎士達がシャルロットをにこやかに見つめる。
「僕は近衛騎士のニールだよ」
「同じく、近衛騎士のロイです」
「俺は……」
次々とシャルロットに挨拶をする騎士仲間達に対して、アランがずいとシャルロットの前に出てシャルロットを隠す。
「近づくな、見るな」
ヒュー!と口笛が響く。
「なんだよアラン~~!見るくらいいいじゃないか」
「誰にも靡かなかったアランがねえ……」
「……シャルロット、行こう」
シャルロットは会釈すると、二人でその場を離れた。
まだ何も聞けてないぞー!という声が後ろから聞こえてくる。
シャルロットはアランが照れていることが伝わってきたが、それでも同僚の騎士達に自分を紹介してくれたのが嬉しかった。
それも束の間。
「アラン様!」
振り向くと可愛らしい令嬢が立っている。
「こんな場所でお会いできるなんて嬉しいですわ!……後ほど、ご一緒にダンスでも」
「いえ、結構です」
「え」
給仕の元に向かうまでに何人もの令嬢に声を掛けられた。
なんとかたどり着いて発泡酒と果実水を受け取る。
シャルロットは果実水で喉を潤すとアランに尋ねた。
「よろしいの?」
先ほどの令嬢達のことだ。
「一人と踊ると、キリがないので」
「まあ……!アランって本当に人気者なのね」
剣術大会で人気を知ったが、護衛騎士の時はあまり実感する機会がなかった。
少しヤキモチを妬くことはあったが。
ここまで人気だとは。
「あなたにだけ人気でありたい」
「ふふふ、私に大人気よ」
ダンスタイムになると、アランが片膝をつきながらシャルロットをダンスに誘った。
周りから騎士達の冷やかしと女性達の悲鳴のような声が上がったが、アランに釘付けだったシャルロットには聞こえていなかった。
アランの手に引かれてホールの中央まで歩く。
ホールドを合わせると久しぶりのダンスが始まった。
体に染みついたステップのおかげで足に気を取られることなく、二人は軽快に足を滑らせた。
繋がった手から、次にしたい動きがありありと伝わってくる。
シャルロットがくるりと回れば、優しくも力強く引き寄せられる。
凛々しく勇ましいアランと、ずっと焦がれ続けたアランと今踊っている。
世界で一番幸せかもしれない。
そんな高揚感に包まれて、シャルロットは体中が喜びで満ちた。
二人のダンスはたくさんの人の目を奪った。
可憐に軽快に踊るシャルロットの可愛さはもちろんだったが、あの普段は無表情のアランが熱くシャルロットを見つめては嬉しそうに踊るので、入る余地無しと、アランを狙っていた令嬢達はアランに興味を失った。
同僚の騎士達はアランが本気の恋を手に入れたのだと、お似合いの二人を嬉しそうに見守った。
踊り終えるとシャルロットがうっとりとアランを見上げる。
「最高に幸せ……」
「俺も幸せです」
踊り終えて軽食スペースまで移動すると、すぐに見知った顔に気づいた。
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