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青の村にて 三体のさらなる成長と不穏な感じ
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朝日に染まる青の村が見えてきた。あー、三体の様子から魔力や負担の発散するには時間がかかるとは思ってたけど、まさか歓迎の宴が終わった後から三体が一晩中走るとは思わなかったな。
「戻ってきた。それと疲れた……」
「ガァ……」
「ブォ……」
「大丈夫デスカ……?」
僕のつぶやきに三体から、やってしまったっていう雰囲気が伝わってくる。
「さすがに身体が強張ってギシギシしてるけど寝れば治る程度だから大丈夫」
「ハシャギ過ギマシタ……」
「お前ら三体が何も考えずに全力で走る事ができるのなんて、そうある事じゃないから夢中になってもしょうがないよ」
「ガァ……」
「ブォ……」
大霊湖の水を飲みすぎて身体に溜まった魔力を発散するために、ひらけた大霊湖の近くを運動がてら走るはずが途中から走る事自体が楽しくなった三体の競争に変わっていき、その夢中で爆走している三体の身体に驚くべき事が起きた。
「お前ら走ってる間も状態を確認してたけど、発散して身体が小さくなるかと思ったら逆に走ってる間に身体が成長するとは思わなかったよ」
「ガア」
「ブオ」
「私達モ意外デス」
実は青の村を出発した時よりも三体の身体は、さらに一回り大きくなっている。しかも、ただ身体が大きくなっただけじゃなくて内側がみっちりと詰まった感じになっていた。どうやら大量に溜め込んだ大霊湖の魔力と、夜通しの爆走という名の運動が合わさって超成長したみたいで、これには三体も驚いていた。
昨日、僕達がハインネルフさんとイーリリスさんにあいさつをした門の近くまで来たら、ラカムタさんとリンリーと水守達が出迎えてくれた。……あれ? あ、あいさつが先か。
「ラカムタさん、ただいま。それとおはよう」
「おう、無事に戻ってこれて何よりだ。それにしても……」
「また三体が大きくなったでしょ? 僕も驚いてる」
「話は後で聞くから、ヤートはとにかく休め」
「わかった。破壊猪、降りるね」
「ブオ」
「それじゃあ僕は休んでくるから、お前らも休んで。……お腹減ってるなら食事が先か」
「ヤート、俺達がやっておく。リンリー、ヤートを部屋に案内してやってくれ」
「わかりました。ヤート君、行きましょう」
「また後で」
三体と別れてリンリーの後をついていく。気になった事を聞いておこう。
「リンリー、兄さんと姉さんは?」
「二人は部屋で寝込んでます」
「寝込む? 兄さんと姉さんが? ……そんなにラカムタさんの説教が厳しかったの?」
「いえ、あいさつの時の事での説教は終わったのですが、その後に少し……」
リンリーが立ち止まり僕の方に振り向くと、微妙な表情をして何かを言いにくそうにしていた。
「何があったの?」
「私達が寝静まった夜にガル君とマイネさんが、大霊湖に入っていったんです」
「え?」
「夜に部屋を抜け出す二人に気づいて止めようとしたんですが、私じゃ無理だったのでラカムタさんに知らせて大霊湖の浅瀬で止めてもらいました。二人が寝込んでいるのはその時の二人の抵抗がすごかったので、ラカムタが二人を仕方なく動かなくなるまで打ち倒したためです」
兄さんと姉さんは何でそんな無茶をしたんだろ? いや、考えるより二人の無事を確認する方が先だ。僕とリンリーは少し早足になって部屋に向かった。
部屋に着いて中に入ると、兄さんと姉さんが寝ているのが見えた。身体の状態を同調で確認したら擦り傷と打撲だけで他に異常は無い。どうやらラカムタさんの手加減が絶妙で二人は、ケガよりもラカムタさんと戦った疲労が激しかったせいで寝込んでるみたいだ。とりあえず二人が軽傷で良かったって安心したら一気に眠気が来たのをリンリーが察してくれて寝床に案内してくれた。
「ヤート君の寝床はここです」
「ありがとう。それじゃあ、おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
パチッと目が覚める。黒の村や赤の村の木材を組んで作った寝台と違って、青の村のは乾燥させた水草を山盛りにしたものだ。匂いとかは気にならず水草に埋もれるように寝たら、けっこう温かかくて寝ごごちが良かったおかげで体調も上々だ。身体をほぐす為に起きると、横で兄さんと姉さんが身体についた水草を払っていた。
「ヤート、帰ってきてたんだな」
「うん。兄さん、ケガの具合を確認しようか?」
「これぐらいの擦り傷と打撲なら食べればすぐに治るから良いわよ」
「姉さんも大丈夫みたいで良かった。というかリンリーに聞いたけど二人とも泳げないのに無茶しすぎだよ」
「そうなんだが、今考えても何で大霊湖に入ろうとしたのかわからねえ。マイネはどうだ?」
「私も同じよ。大霊湖見て、すごいとは思ったけど入りたいなんて欠片も思わなかったのに、なんでかしら?」
「……変な話だね。まあ、ラカムタさんが止めてくれたんだから良かったって思おうよ」
「……そうだな」
「……そうね」
モヤモヤしたものを感じながら僕達がそろって部屋を出たら、ちょうどラカムタさんとリンリーに出会った。
「お前ら目が覚めたか……」
「ラカムタのおっさん、リンリー、おはよう……じゃねえな。今は昼頃だろ? こんにちはか?」
「起きたんだから、おはようで良いと思うわ。ラカムタさん、リンリー、おはよう」
「それもそうか。ラカムタのおっさん、リンリー、おはよう」
「ラカムタさん、リンリー、おはよう」
「おう、おはよう」
「おはようございます」
ラカムタさんは僕達にあいさつを返してくれた後、兄さんと姉さんに顔を向ける。
「ガル、マイネ、腹が減ってるなら顔を洗って飯食って来い。リンリー悪いが、また案内を頼む」
「わかりました」
「ヤートは三体の事で伝えておきたい事があるから少し残ってくれ」
「わかった」
「ガル君、マイネさん、行きましょう」
ラカムタさんがリンリーに着いて行く兄さんと姉さんを鋭い目で見ていたから、二人が離れたところでラカムタさんに昨日の事を聞いてみた。
「ラカムタさん、昨日の夜の兄さんと姉さんの様子は変だった?」
「……ああ、目は虚ろだったが何が何でも大霊湖に入ろうとしていた。確実におかしかったぞ。ヤート、二人はどうだ?」
「寝る前に同調で確認したけど擦り傷と打撲以外は異常なかったし、起きてからも見た感じは普通だったよ。他のみんなは?」
ラカムタさんは少し考えた後に答えてくれた。
「……リンリーは普通で青にも違和感はなかったな」
「そうなると昨日の兄さんと姉さんだけおかしかったのか……」
「青にも言っておくが、俺の方でも注意はしておく」
「お願い。僕も異常が無いか同調で確認しておくね」
「頼む。……チッ、何かが起こってるかもしれんが、はっきりしな……おっと、すまん。子供のお前の前で舌打ちなんてするべきじゃなかったな」
「僕もモヤモヤしてるから気にしないで」
「……よし、まずは食事だ。食べて力を蓄えない事には始まらない」
「うん、そうだね」
ラカムタさんの言った通り何かが起こってるのかもしれない。しかも、それはもしかしたら世界樹が言ってた事に関係があるのかもしれない。早めに対応できたら良いんだけど、どうしても後手に回るのは仕方ないから注意だけはしておこう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
「戻ってきた。それと疲れた……」
「ガァ……」
「ブォ……」
「大丈夫デスカ……?」
僕のつぶやきに三体から、やってしまったっていう雰囲気が伝わってくる。
「さすがに身体が強張ってギシギシしてるけど寝れば治る程度だから大丈夫」
「ハシャギ過ギマシタ……」
「お前ら三体が何も考えずに全力で走る事ができるのなんて、そうある事じゃないから夢中になってもしょうがないよ」
「ガァ……」
「ブォ……」
大霊湖の水を飲みすぎて身体に溜まった魔力を発散するために、ひらけた大霊湖の近くを運動がてら走るはずが途中から走る事自体が楽しくなった三体の競争に変わっていき、その夢中で爆走している三体の身体に驚くべき事が起きた。
「お前ら走ってる間も状態を確認してたけど、発散して身体が小さくなるかと思ったら逆に走ってる間に身体が成長するとは思わなかったよ」
「ガア」
「ブオ」
「私達モ意外デス」
実は青の村を出発した時よりも三体の身体は、さらに一回り大きくなっている。しかも、ただ身体が大きくなっただけじゃなくて内側がみっちりと詰まった感じになっていた。どうやら大量に溜め込んだ大霊湖の魔力と、夜通しの爆走という名の運動が合わさって超成長したみたいで、これには三体も驚いていた。
昨日、僕達がハインネルフさんとイーリリスさんにあいさつをした門の近くまで来たら、ラカムタさんとリンリーと水守達が出迎えてくれた。……あれ? あ、あいさつが先か。
「ラカムタさん、ただいま。それとおはよう」
「おう、無事に戻ってこれて何よりだ。それにしても……」
「また三体が大きくなったでしょ? 僕も驚いてる」
「話は後で聞くから、ヤートはとにかく休め」
「わかった。破壊猪、降りるね」
「ブオ」
「それじゃあ僕は休んでくるから、お前らも休んで。……お腹減ってるなら食事が先か」
「ヤート、俺達がやっておく。リンリー、ヤートを部屋に案内してやってくれ」
「わかりました。ヤート君、行きましょう」
「また後で」
三体と別れてリンリーの後をついていく。気になった事を聞いておこう。
「リンリー、兄さんと姉さんは?」
「二人は部屋で寝込んでます」
「寝込む? 兄さんと姉さんが? ……そんなにラカムタさんの説教が厳しかったの?」
「いえ、あいさつの時の事での説教は終わったのですが、その後に少し……」
リンリーが立ち止まり僕の方に振り向くと、微妙な表情をして何かを言いにくそうにしていた。
「何があったの?」
「私達が寝静まった夜にガル君とマイネさんが、大霊湖に入っていったんです」
「え?」
「夜に部屋を抜け出す二人に気づいて止めようとしたんですが、私じゃ無理だったのでラカムタさんに知らせて大霊湖の浅瀬で止めてもらいました。二人が寝込んでいるのはその時の二人の抵抗がすごかったので、ラカムタが二人を仕方なく動かなくなるまで打ち倒したためです」
兄さんと姉さんは何でそんな無茶をしたんだろ? いや、考えるより二人の無事を確認する方が先だ。僕とリンリーは少し早足になって部屋に向かった。
部屋に着いて中に入ると、兄さんと姉さんが寝ているのが見えた。身体の状態を同調で確認したら擦り傷と打撲だけで他に異常は無い。どうやらラカムタさんの手加減が絶妙で二人は、ケガよりもラカムタさんと戦った疲労が激しかったせいで寝込んでるみたいだ。とりあえず二人が軽傷で良かったって安心したら一気に眠気が来たのをリンリーが察してくれて寝床に案内してくれた。
「ヤート君の寝床はここです」
「ありがとう。それじゃあ、おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
パチッと目が覚める。黒の村や赤の村の木材を組んで作った寝台と違って、青の村のは乾燥させた水草を山盛りにしたものだ。匂いとかは気にならず水草に埋もれるように寝たら、けっこう温かかくて寝ごごちが良かったおかげで体調も上々だ。身体をほぐす為に起きると、横で兄さんと姉さんが身体についた水草を払っていた。
「ヤート、帰ってきてたんだな」
「うん。兄さん、ケガの具合を確認しようか?」
「これぐらいの擦り傷と打撲なら食べればすぐに治るから良いわよ」
「姉さんも大丈夫みたいで良かった。というかリンリーに聞いたけど二人とも泳げないのに無茶しすぎだよ」
「そうなんだが、今考えても何で大霊湖に入ろうとしたのかわからねえ。マイネはどうだ?」
「私も同じよ。大霊湖見て、すごいとは思ったけど入りたいなんて欠片も思わなかったのに、なんでかしら?」
「……変な話だね。まあ、ラカムタさんが止めてくれたんだから良かったって思おうよ」
「……そうだな」
「……そうね」
モヤモヤしたものを感じながら僕達がそろって部屋を出たら、ちょうどラカムタさんとリンリーに出会った。
「お前ら目が覚めたか……」
「ラカムタのおっさん、リンリー、おはよう……じゃねえな。今は昼頃だろ? こんにちはか?」
「起きたんだから、おはようで良いと思うわ。ラカムタさん、リンリー、おはよう」
「それもそうか。ラカムタのおっさん、リンリー、おはよう」
「ラカムタさん、リンリー、おはよう」
「おう、おはよう」
「おはようございます」
ラカムタさんは僕達にあいさつを返してくれた後、兄さんと姉さんに顔を向ける。
「ガル、マイネ、腹が減ってるなら顔を洗って飯食って来い。リンリー悪いが、また案内を頼む」
「わかりました」
「ヤートは三体の事で伝えておきたい事があるから少し残ってくれ」
「わかった」
「ガル君、マイネさん、行きましょう」
ラカムタさんがリンリーに着いて行く兄さんと姉さんを鋭い目で見ていたから、二人が離れたところでラカムタさんに昨日の事を聞いてみた。
「ラカムタさん、昨日の夜の兄さんと姉さんの様子は変だった?」
「……ああ、目は虚ろだったが何が何でも大霊湖に入ろうとしていた。確実におかしかったぞ。ヤート、二人はどうだ?」
「寝る前に同調で確認したけど擦り傷と打撲以外は異常なかったし、起きてからも見た感じは普通だったよ。他のみんなは?」
ラカムタさんは少し考えた後に答えてくれた。
「……リンリーは普通で青にも違和感はなかったな」
「そうなると昨日の兄さんと姉さんだけおかしかったのか……」
「青にも言っておくが、俺の方でも注意はしておく」
「お願い。僕も異常が無いか同調で確認しておくね」
「頼む。……チッ、何かが起こってるかもしれんが、はっきりしな……おっと、すまん。子供のお前の前で舌打ちなんてするべきじゃなかったな」
「僕もモヤモヤしてるから気にしないで」
「……よし、まずは食事だ。食べて力を蓄えない事には始まらない」
「うん、そうだね」
ラカムタさんの言った通り何かが起こってるのかもしれない。しかも、それはもしかしたら世界樹が言ってた事に関係があるのかもしれない。早めに対応できたら良いんだけど、どうしても後手に回るのは仕方ないから注意だけはしておこう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
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