愛され転生エルフの救済日記

とーふ(代理カナタ)

文字の大きさ
224 / 246

第73話『天国と地獄』(レナ視点)②

しおりを挟む
女の魔法は嵐の様であり、密林の様であり、流星の様であった。

故に、私は避けられず、直撃しそうに……。

「んにゅ。さわがしい、ですねぇ」

なったが、寝惚け眼のシーラちゃんが腕を横に振るうだけで全ての魔法をかき消してしまうのだった。

「……す、すごい」

シーラちゃんは私の腕から離れて空を飛びながら、魔法を放った女を見据える。

素っ裸で。

学園の上空で飛んでいる。

「もう! 悪い事しないって約束したじゃないですか」

「いや、先輩その」

「なんですか。私は今お説教をしているんですよ」

「……はい」

女はシーラちゃんの裸をマジマジと見ながら、シーラちゃんのお説教を聞いている。

変態め。

シーラちゃんの全ては私だけの物だというのに。

「……シーラちゃん!」

「ん? 何ですか。レナちゃん。今大事な話をしてるので、後にしてください」

「いや、でも早くした方が良いと思うけど」

「はい?」

「ほら、今シーラちゃん。裸だし」

「……え」

シーラちゃんは私の指摘にゆっくりと下を見て、声にならない声を上げた。

そして、次の瞬間には私たちの前から完全に消え失せるのだった。



危機。

危機である。

世界的な危機である。

私は今、ヤスミンの前で姿勢を正しながらこれまでの事情を全て話し、全力で怒られていた。

「レナ。私はアンタがいつかやらかすと思ってたけどね。本当に最悪で最悪のやらかしをしたわね」

「面目次第もありません」

「それで? どうするのかな。聖女様」

「えーっと……どうしよっか」

私は冷や汗を流しながら、世界に襲い掛かった危機に思考を寄せた。

そう。

あの全裸飛行説教事件の後、シーラちゃんが十日ほど部屋に引きこもり、みんなを心配させた後に、実家へ帰ると出て行ってしまったのだ。

大事件である。

実家。ってどこ? って話だが、まぁエルフの里ですね。

という訳で世界中大騒ぎになってしまったという訳だ。

「でも、本当にどうにかしないと」

「そうだよね。もう世界中大混乱って感じだもんね」

私は自分のやらかした事を思い返しながら、これからどうするべきか考える。

いや、考えるまでもないよ。

答えは一つだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~

みつまめ つぼみ
ファンタジー
 17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。  記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。  そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。 「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」  恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!

女王様は十五歳 お忍び世直し奮闘記

佐倉じゅうがつ
ファンタジー
十五歳を迎えた女王が初めてのお忍び。 よりよい君主になるため、そして自らの好奇心のため各地を歩いて悪を絶つ! 剣を取ったらクライマックス! お好きな処刑用BGMをご用意ください。

【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません

ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。 文化が違う? 慣れてます。 命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。 NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。 いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。 スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。 今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。 「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」 ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。 そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。

乙女ゲームのヒロインに転生したのに、ストーリーが始まる前になぜかウチの従者が全部終わらせてたんですが

侑子
恋愛
 十歳の時、自分が乙女ゲームのヒロインに転生していたと気づいたアリス。幼なじみで従者のジェイドと準備をしながら、ハッピーエンドを目指してゲームスタートの魔法学園入学までの日々を過ごす。  しかし、いざ入学してみれば、攻略対象たちはなぜか皆他の令嬢たちとラブラブで、アリスの入る隙間はこれっぽっちもない。 「どうして!? 一体どうしてなの~!?」  いつの間にか従者に外堀を埋められ、乙女ゲームが始まらないようにされていたヒロインのお話。

幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない

ラム猫
恋愛
 幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。  その後、十年以上彼と再会することはなかった。  三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。  しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。  それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。 「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」 「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」 ※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。 ※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた

夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。 そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。 婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

処理中です...