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第23話『残念ですが、ずっと一緒にいる事は出来ません』②
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どれほど時間が経っただろうか。
レーニちゃんは泣き止み、落ち着いて話が出来る様になっていた。
私は落ち着いたレーニちゃんに旅の目的を話す。
大切な妹を危険な場所へ送りたくないのだと。
「リリィは、レーニより大事なの?」
「……」
「アメリア?」
「どう、なんでしょうか。私にとってはレーニちゃんも、リリィもそう大きくは変わりません。愛すべき家族、そして護るべくこの世界に生きている人です。同じ様な存在だと思います」
「それは、聖人として世界を護るために頑張ってるアメリアの言葉でしょ? 私は、アメリアの気持ちが知りたいの」
「私の、気持ち」
私は自分の胸に手を当てて、考える。
しかし答えは出ない。
当然だ。今考えただけで答えが出るのならば、長い間考えてはいないのだ。
「アメリアはさ。普通の人間じゃないんだよね」
「そう、ですね」
「なら、レーニと同じ様に、ずっと生きてる?」
「多分、そうなります」
「分かった。なら、全部終わったら聞かせて」
「全部終わったら、ですか?」
「うん。今のアメリアは世界とか、リリィとかが大事なんだよね。それを優先したいって思ってる。だから、レーニと一緒に来る事は出来ないんでしょ?」
「そうなります」
「だから、今アメリアが持ってる物がぜーんぶ終わったら、レーニと一緒になって欲しい」
真剣に、私を見ながら紡がれた未来の姿は、私の心に僅かな波紋を作った。
そして、その波紋がいくつかの波紋を起こし、心に広がってゆく。
「そうですね。それも良いかもしれません」
「っ! ホント!?」
「はい」
「やったぁ!!」
レーニちゃんは勢いよく私に抱き着いて、そのまま湖に押し倒した。
空には満面の笑みを浮かべるレーニちゃんの姿でいっぱいになる。
「アメリア……アメリア」
「レーニちゃん。落ち着いてください。レーニちゃんの所へ行くとは言いましたが、すぐに行けるとは限らないですよ? 少なくともリリィが大人になって独り立ちするまでは一緒にいるつもりですし」
「良いの。それで良い。だって、最後はレーニの所にくるから」
スリスリと顔を寄せながら嬉しそうな声で話すレーニちゃんに私は苦笑しながら、水の流れに乗って、湖を中を進んでゆく。
そして、嬉しそうなレーニちゃんと抱き合いながら湖の中心部付近まで流された時、それは起こった。
『はい、尊いー!!!』
「わっ」
「きゃっ!?」
「アメリア!!」
湖の中央から巨大な人の形をした何かがいくつも現れ、それが両手を広げながら叫び始めたのだ。
レーニちゃんは泣き止み、落ち着いて話が出来る様になっていた。
私は落ち着いたレーニちゃんに旅の目的を話す。
大切な妹を危険な場所へ送りたくないのだと。
「リリィは、レーニより大事なの?」
「……」
「アメリア?」
「どう、なんでしょうか。私にとってはレーニちゃんも、リリィもそう大きくは変わりません。愛すべき家族、そして護るべくこの世界に生きている人です。同じ様な存在だと思います」
「それは、聖人として世界を護るために頑張ってるアメリアの言葉でしょ? 私は、アメリアの気持ちが知りたいの」
「私の、気持ち」
私は自分の胸に手を当てて、考える。
しかし答えは出ない。
当然だ。今考えただけで答えが出るのならば、長い間考えてはいないのだ。
「アメリアはさ。普通の人間じゃないんだよね」
「そう、ですね」
「なら、レーニと同じ様に、ずっと生きてる?」
「多分、そうなります」
「分かった。なら、全部終わったら聞かせて」
「全部終わったら、ですか?」
「うん。今のアメリアは世界とか、リリィとかが大事なんだよね。それを優先したいって思ってる。だから、レーニと一緒に来る事は出来ないんでしょ?」
「そうなります」
「だから、今アメリアが持ってる物がぜーんぶ終わったら、レーニと一緒になって欲しい」
真剣に、私を見ながら紡がれた未来の姿は、私の心に僅かな波紋を作った。
そして、その波紋がいくつかの波紋を起こし、心に広がってゆく。
「そうですね。それも良いかもしれません」
「っ! ホント!?」
「はい」
「やったぁ!!」
レーニちゃんは勢いよく私に抱き着いて、そのまま湖に押し倒した。
空には満面の笑みを浮かべるレーニちゃんの姿でいっぱいになる。
「アメリア……アメリア」
「レーニちゃん。落ち着いてください。レーニちゃんの所へ行くとは言いましたが、すぐに行けるとは限らないですよ? 少なくともリリィが大人になって独り立ちするまでは一緒にいるつもりですし」
「良いの。それで良い。だって、最後はレーニの所にくるから」
スリスリと顔を寄せながら嬉しそうな声で話すレーニちゃんに私は苦笑しながら、水の流れに乗って、湖を中を進んでゆく。
そして、嬉しそうなレーニちゃんと抱き合いながら湖の中心部付近まで流された時、それは起こった。
『はい、尊いー!!!』
「わっ」
「きゃっ!?」
「アメリア!!」
湖の中央から巨大な人の形をした何かがいくつも現れ、それが両手を広げながら叫び始めたのだ。
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