僕は人畜無害の男爵子息なので、放っておいてもらっていいですか

カシナシ

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番外編(と言いつつ番号順)

64 ショーン(3) ※

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「ロローツィア、元気がないな。どうした?」

「あっ……グレイ。元気がない訳じゃないんだ。ちょっと、腹立たしいというか、そんな感じ」


 ぱったりとユーストスからの連絡が途絶えて、しばらくして。
 なぜか、『聖者にはセフレがいる』『パートナーに不満がある』という、大変訳の分からない噂が流れ出した。貴族ではなく平民たちから流れたことで、すぐに対処出来て良かった。

 もちろんグレイは怒って、アレキウス様もマリーベル姫も怒ってくれて、すぐに噂を上書きしてくれた。その内容までは、僕は知らないけれど、やっぱりなんだかイライラしてしまう。

 僕がグレイに不満?ある訳がない。強いて言えば最近後光が眩しいので光量を落として欲しいくらい。それだって嬉しい悲鳴。

 それに、セフレって言葉を覚えたてな僕に、セフレがいるってどういうことなの?“セミ取りフレンド”の方がまだ現実味があるくらいだよ。


「……君の憂いは、俺が解消したい。どいつを潰せばいい?」

「もう、グレイったら物騒なんだから。ううん、もうアレキウス様たちがどうにかしてくれたみたいだから、大丈夫。ただ、まだ気持ちが切り替えられなくて、ムカムカしているだけなんだ」

「それなら、俺と……」


 そうっと顔を上げさせられて、期待をして目を閉じた時だった。


「ロローッ!聞いてくれよ~!セフレが既婚者だったんだけど!マジ騙された!」

「ショーン様!?」


 ぎゃっ。み、見られたかな!?恥ずかしくてグレイの影に隠れると、頭上で呆れたようなため息が聞こえた。


「ショーン。セフレを調べると言っていたな?その結果が届いたのか?」

「そうそう!はぁ~最悪。知らずに不倫の片棒担がされていたなんてな。セフレ、かなりヤバいやつだったんだよ」

「え……、ショーン様、セフレさんのことお好きだったのでは……?」


 僕が問いかけると、ショーン様ははて?と言わんばかりに首を傾げた。えっ?


「好きじゃないけど嫌いでもないから、セフレなんだろ?まあもう終わりだけどさぁ。次からは慎重になるぜ……」

「次……」


 ショーン様は雑に報告書を投げて寄越した。そこにユーストスの名前があって二度見する。

 えっ、ショーン様のセフレさんって、ユーストスだったの……?

 報告書には、ユーストスはよく市井に降りてはアルファを漁っており、危なげな仲間も多いらしい。遊ぶお金欲しさに美人局のようなことを繰り返していて、ショーン様からも引き出そうとした。『世間知らずの坊ちゃんは簡単だった』と仲間に話していた証言もある、と……。

 失敗した後は、ショーン様の身体の相性が良かったらしく、続けようと付き纏うようになった。ユーストスの旦那様は何をしているかというと、奔放なユーストスに呆れていて、前々から離縁の準備をしていたみたい。


「すごい修羅場じゃないですか……」

「だろ?おれ、反省した。次こそはフリーだと確認してからセフレ作る!」

「そこは、恋人……か、婚約者、で良いんじゃないですか?」

「嫌だ!デートとか面倒くさい!」


 なんてこった……。デート、って面倒くさいの!?
 グレイをチラリと見ると、憐憫れんびんの表情だ。『こいつ、分かってないな』と顔に書いてあるようだ。

 僕もそう思う。本当に、好きじゃないのに、えっちって出来るものなの?僕は、無理だよ。グレイじゃないおともだちに?あんな恥ずかしいことを?むりむりむりむり、絶対、無理。


「ショーン様、デートが面倒だと思うようなお人と、セッ……スは出来るんですか?」

「あ?もちろん」

「何のために……」

「そりゃ、性欲解消だろ。自分でするより気持ちいいし」


 ガーン。話せば話すほど異次元だ。これは、破天荒という言葉では収まりきれない気がする。言わなきゃいいのに、僕はまた余計なことを言ってしまう。


「でも、いつか好きになった人が『セフレがいたような人は無理』って言うかもしれませんよ?」

「何でだっ!?ロロも、童貞より経験豊富なアルファがいいだろ!?」

「え……嫌です……」

「なんでだっ!おれ、自信もついたし、誰でも気持ち良くさせられるぞ!」

「ええ……グレイは、十分良くしてくれま……」


 おっと。ストップ。僕は慌てて自分の口を抑えた。つられて何を口走っているんだか。顔が火照ってきてしまったので、もう何も言わずにグレイの背中に隠れた。


「……はぁ~、ショックだ。ロロ……」

「見るな。俺のロローツィアだぞ」

「横暴だッ!」


 グレイはショーン様を部屋から追い出した。『愛の無いセックスしか知らないんだろ、お子様だから』と言って、僕を膝に乗せてくれる。


「お子様……?僕には、むしろ逆な気がするけど……」

「いいや。ロローツィアは知らなくていい。俺に愛されていればいいんだ」

「……うぅ」


 そんなの、ズルい。
『愛のないセックスがどんなものか、知らなくていい』って、つまり、グレイはずっと愛してくれる、ってことでしょ……?もう、この人は!

 たまらなくなって、ぽすんとグレイに寄りかかった。僕だって、ずっと愛している自信がある。グレイにも、もう二度と愛の無い行為なんてさせない。もちろん、僕以外ともね。

 もぞもぞと座る位置を調整しているうちにお尻の下のものがどんどん硬くなってきて、欲しくなってきた僕は下履きを脱ぐ。シャツを脱ぐよりも先に満たされたくて、グレイの陰茎を取り出して、上へ乗った。


「……んぅ、うっ、難しい……っ」

「いい眺めだ」

「はぁっ、も、手伝って……」

「もどかしいな……」


 自分で入れるのは位置が良く分からなくて、やっとソコに押し当てられたと思っても、まだ蕾が硬くてなかなか入らない。

 こんなに濡れているのに、こんなに欲しているのに。グレイの大きな熱杭は、聳り立つほど準備万端なのに。


「ロローツィア」


 名前を呼ばれて、口付けを交わす。両手で挟まれた頬は熱くて、このままとろけそう。下へ降りて行ったグレイの手でするするとシャツの前ボタンを外されて、無駄に白い肌が曝け出された。

 もうすっかり胸の先は性感帯になっていて、ぽってりと桃色に熟れている。グレイが指で挟んだり、押し込んだり、コリコリと転がすから、身体の内側まで弄られているみたいに感じる。


「ふ、ああっ……、んん……」

「舌、出せ」

「んぁっ」


 ああ、もう、たまらない。舌を扱かれ、胸の先をピンと弾かれ、お尻には入りそうで入らない、長大な熱いものがスリスリしているの。じゅくじゅくと愛液が出て、グレイのものを濡らしていく。はっ、はっ、と浅く息をして、グレイに夢中でしがみついた。入ってないのに、興奮と快感で力が抜けていっちゃう。


「グレ、イ……っ、あ、ん、もっと、くっつきたい……」

「ん……」


 深く口付けられて、くらくらと腑抜けていく僕を目覚めさせるかの如く、突然剛直に貫かれた。


「……かっ、は……」

「~ッ、はぁ……」


 この、深紅の瞳が大好きだ。僕が欲しくてすっかり平らげようとしている獰猛な強い光が、美しい。絶頂してトんでいるけれど、グレイの目だけは見つめている。

 そんな僕の様子で煽られたグレイに、何度も求められるのは…………満更でも、無かった。
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