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番外編(と言いつつ番号順)
68 マリーベル・スザク(3)※
しおりを挟む発情を消すために、僕は秘薬を飲まされた。それは、マリーベル姫から『何かあったら』と渡されていた、媚薬中和剤。
とても高い割に、2日ほどしか保存出来ない、贅沢なお薬だ。マリーベル姫、ありがとうございます。素晴らしいことに、それを飲んですぐ、発情のデバフはかき消えた。
でも、これ、興奮を鎮め過ぎるのかな。むしろなんだか、気分が落ち込みすらしてきた。女装なんてしてしまったことや、それがバレてしまったこと、騎士様たちの前ではしたなくグレイを求めてしまったこと。
なんて情けないんだ……ってどよーんと落ち込む僕を、グレイは優しく抱きしめてくれて、疲れ果てていたこともあって、気絶するように寝た。
深夜に喉の渇きを覚えて、起きてしまった。グレイを起こさないよう、そうっと抜け出す。
「う、何か……」
寝台から出ようとしたところでガシッ!と腕を掴まれて、ひょっ、と変な声が出た。ぐ、グレイじゃないか!びっくりした……。
「ごめんね、起こしちゃった?」
「……いや、むしろ起こしてくれ。水か?」
「あ、自分で……」
言い終わらないうちに、グレイはさっと水を持ってきてくれた。さっきは強張っていた顔も、優しい表情になっていて安心する。悪い夢でも見ちゃったのかな。
すっきりとした水を飲んで喉を潤した。ぷはぁ。うん、もう落ち込んで無い。大丈夫だ。満ち足りた気分になったら、グレイに抱きつく。
「グレイも、眠り浅かったのかな。よしよし」
「……すまない。またロローツィアを守れなくて、自己嫌悪していたら……」
「えっ?グレイは守ってくれたよ!」
「俺は……不甲斐ないな。一番近くにいたのに」
もしかして、裸を見られてしまったのを気にしているのかな。そうだよね、怖い顔で『忘れろ』って言っていたくらいだし。
でも、もしグレイがいなかったら、ろくに知らない騎士さんに服を引っ剥がされ、お尻に手を突っ込まれていたのかもしれないんだ。そう思うと、やっぱりグレイがいてくれて助かった。
「グレイが思うより、僕は頑丈で強いんだよ。オメガでも男なんだからね。それに、マリーベル姫の役に立てたから、誇らしいんだよ?」
「ロローツィア……」
「ありがとう、グレイ。大切にしてくれて。でも、グレイも知っていると思うけど、僕を一人前の男扱いしてくれると、嬉しい……」
「……もちろん。君のように芯の強い人など、男にもそういない」
グレイの艶のある黒髪をよしよししていると、苦しいくらいにぎゅうっと抱きしめられた。僕以上に僕のことを考えて気を病んでしまっているグレイが愛しくて、髪にちゅ、ちゅ、と口付けを降らせる。
グレイの手はあんまりにも自然に寝巻きの中へ入っていくものだから、僕は気付かなかった。いつの間にか、グレイのスイッチが入っていることに。
「んぅ……んっ、んっ、あっ、ちょっと待って!?」
今日はしないと思っていたのに、なんてこった……!
グレイを止めようとしたけれど手遅れで、上達してきた手腕によりぺらりとはだけさせられてしまっていた。そして露わになった、僕の秘密。
「……えっちだな」
「ち、違っ!これっ、ま、間違いでっ!」
グレイが凝視しているのは、僕の下履き。マリーベル姫に頂いた、ヒモヒモぱんつである。こっそり好奇心で履いてみた僕は、それが存外具合の良いことに気付いてしまったのだ。
熱の篭りやすい部分に風通しをもたらし、かつ、必要最小限は守られている。高級品なのか伸びが良くて動きやすいし、冒険者生活でも使えそう。
ただ唯一にして最大の欠点は、見られると恥ずかしい。だから、今日みたいなお仕事の日や、お疲れの時には見られないだろうしいいかな、と思っていた。快適なんだもの。
「間違っていない。正しい。とてもいい」
「僕っ、その、違うの!動きやすいから穿いてただけで、こういう趣味があるって訳じゃ……」
「分かっている。マリーベル姫殿下には礼を言わないと」
グレイは僕のおへその下に顔を寄せて、舌でなぞっていく。ヒモヒモの部分を手でかきわけるようにして、僕のペニスを口に含んだ。大きなグレイのお口に僕の生っ白いペニスは簡単に吸い込まれて、じゅぷじゅぷと扱かれると、とんでもない快楽の暴力に晒される。
「ああっ!?あ、あああッ、ぁン………っ!!」
細っこい足を大きく開いた間抜けな格好で、精を放った。恥ずかしくてたまらないのに、グレイが白濁を飲み干し、笑う。息苦しい程の色気だった。
「は……っ、あ……、ああ……」
「君の、体が柔らかいところも好きだ。赤子みたいで」
「あ、あかご!?」
「可愛い」
くったりとした僕の片足を持ち上げたグレイは、それを肩へ乗せた。確かに僕は柔軟を日課にしているから、柔らかい方だと思う。こんな体勢でも苦はない。でも、まさかそれを可愛いと言われるとは……グレイ、ちょっと狂ってないかな、と心配になるよ。
ぬるぬるになっている僕の後孔へ、ヒモヒモの隙間から指を挿入された。潤んでヒクついてすらいる蕾は簡単にグレイの指を受け入れ、きゅうきゅう取り込もうとしている。
「あふ……ううっ、はぁ、はぁ……グレイ……」
もう、ぱんつ、邪魔だよね?恥ずかしいから取っていいかな?早く来て?
とは言わず、そろりそろりと脱ごうとすると、ガッチリと拘束された。え?
戸惑う僕をひっくり返し、抱き上げると、グレイはそのままシャワールームへと進む。嫌な予感がする。まだ射精の余韻に浸っていた僕は、目の前にきた鏡を見て息を止めた。
僕がいる。星屑が揺れる程に瞳を潤ませ、肌を桃色に熱らせて、身につけているのは頼りないヒモヒモだけ。『どうぞお召し上がり下さい』と言わんばかりの破廉恥な姿に、何の罰なのかとグレイを睨んだ。
「うっ、いやだぁ、恥ずかしい……っ!こんな、ああっ、」
「前を向け」
鏡に手をつかせられると、僕の泣き顔が至近距離にあってしんどい。ああ、でもその奥に、ギラギラと雄の顔をしたグレイが見える。格好良い……。
ほう、と嘆息した時、グレイは後ろからグッと押し込んできた。待ち望んだ快感に、ぽろりと涙が溢れる。もっともっとと蕾は蠢いて、グレイの剛直を飲み込んでいった。
「あっ……あっ……ああ……っ」
「はぁ……」
「あ…………ッ、いく……!」
「きっついな……!」
みっちりと押し込まれているだけ。それだけなのに、たまらなくなって絶頂した。ガクガクと膝が笑って立っていられない。グレイも耐えられなかったのか、どくどくとおなかが温かいもので満たされていく。その脈動ですら気持ちよくて、グレイの腕に支えられながら快楽の波に翻弄されていた。
「ハッ……はぁ、ああ……っ、」
「ロローツィア。綺麗だ」
「……ひゃっ、ああっ!」
耳をざらりと舐められると共に、低くてえっちな声に犯された。太ももの間には入りきれなかったグレイの熱い雫が垂れて、僕をゾクゾクさせる。そこを再び復活したグレイの熱杭が、飛沫を泡立てながら僕の弱い所を擦って、突き上げて、揺さぶって。
とろんと恍惚した目で翻弄される僕が、鏡に映し出されていた。きっとこれは、ヒモヒモぱんつを内緒で履いていた罰なのだ。次からは、絶対にバレないようにしよう。
何度目かの絶頂で意識を失う前、そう心に決めたのだった。
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