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番外編(と言いつつ番号順)
71 小さなロローツィアの冒険(1)
しおりを挟む「ロローツィア、一人で浄化をしていた時、大変ではなかったか?仲間は?」
「あ~……そうだね。昔は仲間がいたんだけど……」
グレイと【聖なるオアシス】で寛いでいると、突如として聞かれた。グレイの膝枕にふくふく幸せを感じていたのに、一気に仄暗い思い出が蘇って眉を顰めた。
***
12歳の頃だった。一通り神聖属性の魔術を覚えた僕だったけれど、攻撃魔術は一つも覚えられずにいて、何を思ったか、『レベル上げが必要だ!』と魔物を倒すことにした。ほら、転生モノの小説でもよくあるでしょう?それと同じだと思って。
それは結果として正解だった。魔物を倒すほど、生命力は強く、魔力は多くなる。それに、魔物の素材は売れるから、家計の足しになった。
ただし、体力はあるけど腕力の無い僕は、最初は木の棒を使って一角兎を倒していた。折れないよう【結晶化】させてね。
駆逐する勢いで倒していたのだけど、そこで一回、湖に木の棒を落としてしまって、精霊さんが拾い上げてくれたのが、ミスリルの杖だった。
明らかに値の張る逸品は、僕のでは無かった。
『違うよ!それじゃないよ!木のやつ、無かった?』
『……』
『弟が見つけてくれた木の棒なんだ!あ、そうか他の木の枝と見分けがつかないかも……あのね、ちょっと持ち手が曲がっていて、いい感じにフィットする……』
『……』
僕の目の前で、そのミスリルの杖の持ち手が少し曲がった。それを見て僕は悟る。これは誰かの持ち物ではないこと。精霊さんは、僕にコレをどうしても持たせたいのだと。
弟がくれた木の棒は諦めて、そのミスリルの杖を使うと、ポカポカ魔物を倒せるようになった。それはそれで有難い。男爵領に魔物が居なくなってしまったので、【聖なる越境】でぽちぽちワープし、魔物を倒し、浄化をしていくと、しばらくして僕はちょっとした有名人になっていた。
年齢とか、見た目の割にそこそこ強い、と言うのが良かったみたいで、僕より先に冒険者をやり始めた3つくらい年上の少年たちに、『一緒に冒険しよう!』って誘われて、嬉しかったんだ。
僕は彼らに、一般的な野営の仕方や、天幕の張り方とか、そういったものを教わった。神殿のお師匠とは全く違う、手間のかかる方法だけど、彼らが一生懸命教えてくれるのが“ともだち”っぽくて凄く心地よかった。
男の子たちは二人だった。テトくんは剣士で、イヴァンくんは斥候。僕ら三人とも冒険者としてはまだまだで、Dランクだった。
でも、すぐに困ったことに気づいた。
僕って、万能すぎたんだ。
『ロロ、回復!』
『はい』
イヴァンくんがしくじって腕を捥がれても、僕が居れば再生出来る。仲間だからもちろん無償でね。
『ロロ、防御!』
『はい』
僕の防御魔術を使えば、盾士は要らない。テトくんは僕の出した光の盾の陰に潜み、いいタイミングを見計らって飛び出せばいい。
『ロロ、飯!』
『はい』
僕の聖ポケットから、ほかほかの屋台飯を出す。屋台飯でなくとも、お米やお野菜なんかも萎びることはないし、【聖なる調理器具】や【聖火】を使えば即席野外飯も作れる。弟たちのご飯も作っていた僕には、お手のものだった。
『ロロ、金』
『ロロ、これ持ってて』
『ロロ、キレイにして』
僕が神聖属性魔力持ちだってことは、彼らとギルドにだけは教えていたから、別にいい。でも、次第にもやもやが溜まっていった。
いや、確かに僕の魔術は便利だ。彼らは仲間なのだから、惜しみなく使って問題ないはず。でも、もやもやする……。
まだ【聖域】を覚えていなかった僕は、彼らと一緒の天幕で野営をしていた。魔物避けという香草束をしっかり吊るして、交代で見張もしながら。
なんだかんだ思いながらも、一緒に旅をするのは楽しかったのだけど……。
ある晩のこと。ゴソゴソ、ガサガサ、なんだかもぞもぞするなぁと、ふっと意識が浮上した。
魔物避けはネズミさんや虫さんなんかにも効く、鼻の曲がる匂いがするから、違うはず。
眠い瞼を擦って起きてみると、テトくんとイヴァンくんが、僕の衣服を剥がしている所だった。
『え、どうしたの……?ふたりとも』
『いや、なんかムラムラして。付き合ってくれ』
『……?』
『ロロは、オメガなんだろ?』
『それはそうだけど、なんで?』
全く良くわからない状況に困惑している間にも、二人は僕の装備を脱がしにかかっている。いくら魔物避けを付けているとは言っても、もし何かあった時にはすぐに飛び出していけるようにしていたのに。
彼らは僕を裸にして、ハァハァと息を荒くして、レロレロと肌を舐め出したのだ!
『どっ、どうしたの!?なにか!?取り憑かれたのっ!?』
パニックになった僕は【浄化】をかけるけれど、効果はない。それどころか、一層興奮したように、自らの下着を脱いでしまった。
カチカチになったソレは、僕のものとは大きく違っていて、なんだか気味の悪いものに刺されたんじゃないかって、心配して、……損をした。
【治癒】をしても治らない。それは、体の正常な反応なんだって、気付いた。そんな僕を見て、二人はバカにしたようにくすくす笑った。
『違うよ、ロロ。これを、ここにいれるとね、気持ちいいんだって』
『ここ?』
『うん。オメガのここ、普通の人とちがうらしい。ね、試してみたい。いいでしょ?』
『う……』
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