動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョンを探索する 配信中にレッドドラゴンを手懐けたら大バズりしました!

海夏世もみじ

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連載

第100話(改訂版)

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改定前の先の展開がどうしても思いつかなかったので変更させてもらいます。すみません!
妹登場回は先延ばしです……ごめんよ……。

~前回までのざっくりあらすじ~
 Xランク探索者になるため電脳世界で試験を受けていたサクたん。
 超悪者(笑)の彩芭に電脳世界のダンジョン(RPGダンジョン)に連れ去られたが、協力してなんとか脱出!


  #  # 本編 #  #


 僕こと藍堂咲太、通称サクたんはほどほどに品行方正に生きてきたと思う。
 黒岩牙狼がろうさんという悪い人のダンジョンに無断で侵入したり、すごい犯罪者さんと協力したりしたけれど、そこまでアウトローには生きていないと思ってた。
 けれど、今の自分を見てもそう言えるか怪しくなってきちゃったんだよね……。

「囚人番号3910! 面会したいとい女性が来ている。出るんだ」
「は~~い」

 〝囚人番号3910〟。
 そう呼ばれた人物は雑居房の扉から出る。これはいったい誰のことを言っているのだろう? その答えは簡単だ。

「面会人は……天宮城美玲だそうだぞ――
「わぁ! 天宮城さん会いに来てくれたんだ‼ 嬉しいな~♪」

 そう、現在、僕はなんとのだ。
 なぜ僕が捕まってしまったのかというと、数日前のRPGダンジョンからの脱出まで日を遡ることとなる……。


  #  #  #


「だ、脱出できたー!」

 Xランク探索者になるために黒狐と電脳世界で試験を行っていたけれど、超電脳狂詩曲スーパーサイバーラプソディーというすごい悪党(自称)に電脳世界の迷宮ダンジョンに連れられていた僕とルハ。みんなで力を合わせて、なんとか脱出することができた。
 二度も劇物(ピーマン)を見せられてあまりいい気分じゃなけど……。

「咲太ーー! よく無事に戻ってきたのじゃ~~っ‼」
「わたしもなんとか脱出できた……。電脳世界はもう行きたくない」
「お、二人とも戻ってきたか。無事で何よりだ」
「わっ、黒狐にルハ、駆動さんも! いや~、ご迷惑かけました。……え、えーっと、いつの間にか賑やかになってますね?」

 目を開けるとそこには、心配から安堵の瞳へと変わる駆動さんが目に映る。
 その次には、僕を隣で覗き込むハシビロコウやお腹に乗っているハムスターをはじめとした大量の動物さんたち。そして、制服に身を包んだ大勢の警察の人たちも確認できた。物々しい雰囲気に、少したじろぐ。

「その動物どもは勝手に来たが……実はだな。お前を連れ戻すために色々試行錯誤してたら、見つけちまったんだよ」
「なっ⁉ そ、それは……っ‼」
「コレを作ったやつのセキュリティが格段に下がって、見つけられた」

 そこに映し出されているのは、であった。
 なんでバレてるの⁉ はっ、これを作ったのって一緒に閉じ込められてた彩芭さんだから、そのせいでセキュリティが下がったとかなのかも……。ってそんなこと考察してる場合じゃない!

「あ、あばばばばば! そ、それはですね……えっと、えっとぉ。ルハどーしよう⁉」
「は、はばばばば……」
「ルハもショートしてる!」

 隣にいるルハにも助けを求めるが、完全に脳がショートして何もできなさそうだ。いつもぶんぶん振っている尻尾も垂れ下がっているし。

「まぁなんだ。心配するこたぁねぇぞ、咲太」
「駆動さん……! うぅ、ありがとうございま――」
「詳しい話は、署で聞くそうだからよ」
「…………へっ?」

 ――ガチャリ。

 刹那、僕の手首あたりからそんな音が聞こえる。
 ギギギと軋む音を立てながら視線を底に向けると、テレビ越しでしか見たことがない手錠がかけられていた。

「そ、そんなぁああーーっ‼‼」
「達者でな、咲太……」
「えっ、えっ。儂置いてきぼりなんじゃが⁉ 一体全体どういうことかまず説明してくれんかのう⁉」

 こうして、僕は初めて逮捕されるのであった。


  #  #  #


「――……と、いうわけで。なんと僕、逮捕されちゃったんですよねぇ。ぴーすぴーす!」

:んんんんんん???
:はいいいいい⁉
:サクたんさん⁉⁉
:理解できぬ
:マジの囚人服やんけ‼ww
:日本のストリーマーは牢屋から配信するんだね。エキサイティング!(英語)
:ピースしとる場合かァーーッ‼
:【超悲報】サクたん、前科もんになる(泣)
:【超速報】サクたん、獄中配信を始める(笑)
:これダンチューブに載せていいん?w
:どーゆー理由で豚箱ぶち込まれたんですかねぇ……
:いや待て待て、なんで刑務所で配信できてんだよ⁉www
:↑それはそう
:オイオイオイオイ、日本終わったな
あまみやch:は? はい? えっ、はい⁉
:今頃暴れまわる幻獣が……

 今現在、僕は雑居房から
 なぜこんなことをしているのかと、リスナーのみんなは当然の疑問をぶつけてきていた。

「まあ言ってしまえば、逮捕ってのは建前なんです。この刑務所がダンジョン化しつつあって、が住み着いているとのこで調査です。さっきのはどっきりです‼ えへへ。あ、ちなみにかつ丼美味しかったです」

 アンチューブでの配信の件は……まあ、駆動さんが何とかしてくれた。
 本当にありがとうございます……!

【公式】WDO日本支部:サクたん様への正式な依頼での調査ですので、サク民の皆様方はご安心を。
:よかったあああああああ‼
:ワイはサクたんのこと信じてたで
:ちゃっかり取り調べ受けてるの草
:【¥50000】今日は豚箱記念日だね☆
:↑クソみてぇな記念日作んな
:サクたんはそんなことしないもんね。もし本当だったらそれは条例が悪いw
:俺が、そのドグサレ条例をぶっ潰す‼
あまみやch:今からカチコミ行こうか迷ってたから安心したわ……
:あまみやちゃんサクたんのこと好きすぎじゃんよww
:「獄中配信をしてサク民を怖がらせましょう!」ってことか
:でも普通配信しちゃダメでは?

「そうなんです。でも今回は〝映像媒体で異常が確認できる〟って言ってたので、特別らしいです」

 愛知県の沖合に浮かぶ無人島に建設された、この〝迷宮犯罪者専用刑務所〟。
 最近、ここの囚人さんや看守さんが神隠しの被害に遭うという事件が多発しているとのこと。そのナニカは幻獣である可能性が高いので、僕がここに囚人として派遣されたということだ。

「実は一人で調査するのは心細いので、助っ人を用意してまーす! 自己紹介どーぞっ‼」

 その人物はチッ、と舌打ちをした後ポケットに手を突っ込みながら風を切るように歩き、カメラの前までやってくる。
 そして、不愛想に自己紹介を始めた。

「クソッたれ……、元シャドウファングのリーダーだ。……なんでオレがテメェなんかに協りょ――むぐぅ⁉」
「はいはーい、そんなカリカリしないでにバナナもぐもぐしましょうね~。 なんと、僕のデマ情報を流した人が助っ人です!」
「もがぐががァ‼(殺すぞゴラァ‼)

:草ァ!
:昨日の敵はなんとやらか
:おい、羨ましいぞ……
:サクたんに無理やり突っ込まれてるだって⁉ ふぅ
:そこを代われ牙狼!
:やはりバナナこそ世界平和の鍵ってか

 この〝刑務所の迷宮ダンジョン(仮)〟を調査するにあたって、WDOは僕一人で行動するのは危険と判断したため、この牙狼さんを付添人にしたとのこと。
 理由は償いもかねてらしいけど……面白そうだったからとのこと。そんなのでいいのかな? まあもうすでに面白いからオッケー!

「他の囚人さんたちには内緒で動いているので隠密に行動します。このカメラも特別仕様で透明になってて見えないらしいです。それじゃ、刑務所の迷宮の調査、レッツゴー!」
「チッ、クソめんどくせぇ。刑期が短くなるから仕方なくだ」
「刑務所のごはん楽しみですね! バナナ出るかな~」
「馬鹿かテメェ。イラつくんだよ」

 かくして、僕たちは一囚人として刑務所に潜入し、神隠しの謎を解明すべく調査を始めるのであった。


  #  #  #


 ――咲太らがそう意気込む中、この刑務所内は普段より格段にざわめきを増していた。
 この刑務所にも定期的に外の情報が入ってくるため、超がつくほどの有名人となった咲太のことは耳に入っているからだ。

「おい聞いたか? サクたんって野郎がここに来たらしいぜ」
「おいまじかよ! 俺ファンなんだよな~」
「あれ、てっきり最近来たアイツがそうだったのかと……」
「とりまを浴びせてやろうか!」
「ここにゃあ娯楽が少ねェからなぁ。アイツ男だが顔は女みてぇだから楽しめそうだぜ……‼」

 各々が咲太しんじんをどう調理してやろうかと息巻いている。その眼光は飢えたハイエナがまだかまだかと肉を持っているようだ。
 しかしながら、この刑務所内で蠢く動物がいるということは、彼らはまだ知らない。
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