番探しにやって来た王子様に見初められました。逃げたらだめですか?

ゆきりん(安室 雪)

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 スミレも残りの桃のシャーベットを食べながら、今ガイナに嵌めてもらった指輪を見る。中央に大きくブリリアントカットされたドラゴンの涙があり、リング部分には小さなドラゴンの涙が嵌め込んである。

 「ドラゴンの涙、綺麗だな」

 「ああ、スミレのイメージになった。そのドラゴンの涙は一緒に倒した時のものだ」

 「えっ!?作るの早くないか?まだ、戻って来て数日だろ?」

 「王家の本気だ。初めて発揮して作らせたが。準備しておいて良かったよ。残りはシンプルな結婚指輪に入れ込むか」

 「結婚指輪・・・」

 そうか、ガイナと結婚・・・。

 「ぷっ!!スミレ、顔を赤くして可愛いな。またキスしたくなったぞ」

 「今日はもういいからっ!!」




 夕食後は部屋まで送ってもらう。

 「しばらくは王宮に泊まれよ、スミレ。部屋はいっぱい部屋は余ってるし。毎日スミレに会いたい」

 ガイナは優しくスミレを抱き寄せ、おでこにキスをした。

 愛の花がフワフワ舞い落ち、ガイナは拾い何本かをスミレに渡し、1本は自分が持った。

 「おやすみ、スミレ」

 名残惜しげにガイナは自分の部屋へと帰って行った。ガイナが見えなくなるとスミレは部屋に入ったのだが、室内にはガイナとの愛の花がいっぱい飾ってあった。

 「どんだけ花を量産したんだよ」

 花の量に苦笑いし、今、ガイナに手渡された花も花瓶に挿した。

 スミレは花を飾る習慣は無いのだが、ガイナとの愛の花なら飾ってあっても悪くないと思う。

 侍女に入浴の手伝いを聞かれるが、1人で入れるから断る。しかし、寝巻きがフリルたっぷりの寝巻きだ。

 「誰の趣味だよ・・・」

 溜息をつきながら、着るものが無いので着るがかなり不本意だ。




 翌朝、着替えが終わるとガイナが朝食に誘いに来た。

 「ガイナ、暇なのか?」

 「元々番探しの旅の期間だから、特に予定は無いな。こないだは突然隣国のお姫様の相手をさせられたが。ああ、アイツは怒って国に帰ったぞ」

 「ガイナに執着してたな、いいのか?」

 「いいに決まってる。俺が愛してるのはスミレだけだよ」

 ガイナは優しく目を細め、スミレにキスする。

 「ちょ、ガイナっ!廊下でキスするなっ!人に見られるだろっ!?」

 恥ずかしいなっ!

 「俺は気にしない。むしろ見せびらかしたいくらいだ」

 「ガイナは硬派じゃなかったのか?」

 「だったが、スミレには我慢が効かないんだ。だから、俺に流されてくれ」

 そしてまたガイナは抱き寄せキスをした。
 



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