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令息の反省
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翌日、ヒーナが王宮で、祝福を受けるタイミングを狙って、私はフレッダリオ家を訪れていた。
もちろん、ギルガム様に会いに行くためである。
……ついこないだまでは、こうして、ギルガム様に会うためだけにここへ来るのが、普通だった。
一般的な、貴族の交際をしていたように思う。
……やめよう。もう、過ぎた話なのだから。
「入ってくれ」
「失礼します」
ギルガム様は、ベッドで横になっていた。
「リアスから聞きました。体調が優れないようで」
「そうなんだ……。全く、どうしたものだろう」
「……理由に、心当たりがあります」
「……本当かい?」
「きっと……。相性のせいです」
「相性? あぁ……。ヒーナから、少し聞いたような気がするよ。魂の相性だったっけ」
その程度の認識なのか……。
まぁ、ヒーナから聞かされているなら、それでも仕方ない。
きちんと、具体的に説明しないと。
「私と婚約した時にも、相性の話をしましたよ」
「あ、あぁ……。そうだったね」
……まるで覚えていない。
どうして二人とも、まともに聞こうとしないのだろう。
「二人の相性は、最悪なんてレベルじゃありません。即死レベルなのです。このままでは、どちらかが死んでしまう。そして……。実際に、ギルガム様は、体調を崩されているでしょう?」
「……偶然さ」
「違います。偶然なんかではありません。……ヒーナが魔法を使った時、より強い痛みを感じた。そういう経験があったでしょう?」
「……」
ギルガム様が、顔を背けた。
やっぱりそうだ……。
あれだけの魔法を、全く消耗することなく、使えた理由は……。
ギルガム様の魂を、犠牲にしていたから。
相性が悪いから、相手の魂を消耗させてしまう。
聖女の魔法は強力だ。
……それゆえに、このままでは、ギルガム様が。
「聞いてくれ。ミュシー」
「……なんですか?」
「僕は、君を裏切った。ヒーナに惚れて、ヒーナと結婚することを決めた」
「……」
「後悔はしてない。でも……。僕なりに、反省はしているよ」
ギルガム様が、弱々しく笑った。
「男っていうのはね。本当に馬鹿なんだ。一度惚れてしまえば、周りなんて見えなくなってしまう。所詮は動物の雄だよ。ヒーナを求め、ヒーナのために生きる、ただの雄」
「やめてください。聞きたくありません。そんな話」
「もう、僕のことは、そっとしておいてくれ」
「……いいのですか? このままでは、ギルガム様は」
「きっと、これが報いだったのさ」
「……」
「出て行ってくれ。ヒーナが帰って来てしまうよ?」
「……失礼します」
……自ら、死を選ぶというのか。
そんなに、ヒーナのことが好きなのか。
私は……。ちゃんと負けていた。
なんだって、ヒーナに勝っているつもりでいたけど。
そのことに、ヒーナが気が付くことができていれば、こうはならなかったのだろうか。
……いや、力を手に入れてしまった以上、どうせこうなっていたのかもしれない。
私は、自分の無力さを悔やみながら、フレッダリオ家を後にした。
もちろん、ギルガム様に会いに行くためである。
……ついこないだまでは、こうして、ギルガム様に会うためだけにここへ来るのが、普通だった。
一般的な、貴族の交際をしていたように思う。
……やめよう。もう、過ぎた話なのだから。
「入ってくれ」
「失礼します」
ギルガム様は、ベッドで横になっていた。
「リアスから聞きました。体調が優れないようで」
「そうなんだ……。全く、どうしたものだろう」
「……理由に、心当たりがあります」
「……本当かい?」
「きっと……。相性のせいです」
「相性? あぁ……。ヒーナから、少し聞いたような気がするよ。魂の相性だったっけ」
その程度の認識なのか……。
まぁ、ヒーナから聞かされているなら、それでも仕方ない。
きちんと、具体的に説明しないと。
「私と婚約した時にも、相性の話をしましたよ」
「あ、あぁ……。そうだったね」
……まるで覚えていない。
どうして二人とも、まともに聞こうとしないのだろう。
「二人の相性は、最悪なんてレベルじゃありません。即死レベルなのです。このままでは、どちらかが死んでしまう。そして……。実際に、ギルガム様は、体調を崩されているでしょう?」
「……偶然さ」
「違います。偶然なんかではありません。……ヒーナが魔法を使った時、より強い痛みを感じた。そういう経験があったでしょう?」
「……」
ギルガム様が、顔を背けた。
やっぱりそうだ……。
あれだけの魔法を、全く消耗することなく、使えた理由は……。
ギルガム様の魂を、犠牲にしていたから。
相性が悪いから、相手の魂を消耗させてしまう。
聖女の魔法は強力だ。
……それゆえに、このままでは、ギルガム様が。
「聞いてくれ。ミュシー」
「……なんですか?」
「僕は、君を裏切った。ヒーナに惚れて、ヒーナと結婚することを決めた」
「……」
「後悔はしてない。でも……。僕なりに、反省はしているよ」
ギルガム様が、弱々しく笑った。
「男っていうのはね。本当に馬鹿なんだ。一度惚れてしまえば、周りなんて見えなくなってしまう。所詮は動物の雄だよ。ヒーナを求め、ヒーナのために生きる、ただの雄」
「やめてください。聞きたくありません。そんな話」
「もう、僕のことは、そっとしておいてくれ」
「……いいのですか? このままでは、ギルガム様は」
「きっと、これが報いだったのさ」
「……」
「出て行ってくれ。ヒーナが帰って来てしまうよ?」
「……失礼します」
……自ら、死を選ぶというのか。
そんなに、ヒーナのことが好きなのか。
私は……。ちゃんと負けていた。
なんだって、ヒーナに勝っているつもりでいたけど。
そのことに、ヒーナが気が付くことができていれば、こうはならなかったのだろうか。
……いや、力を手に入れてしまった以上、どうせこうなっていたのかもしれない。
私は、自分の無力さを悔やみながら、フレッダリオ家を後にした。
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