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17話
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優は、女の子を見つけた。
――ガチだった。
「危ない!!」
俺はタクシーを飛び出すように走り、そしてキャッチする。
危なかった。頭から落ちようとしていた。
大した高さはなかったけど、当たり方が悪ければ確実に危なかった。
「なんで……なんで、あなたがここにいるの? そしてどうして、助けたの?」
秋は涙を流す。
「……」
「私、あなたに酷いこと、たくさんした!! 家族も私のせいで酷い目にあった!! 嫌なこともたくさん言われた!!」
「……」
「分かってるよ。全部、私のせいだって!!」
「……」
「でも、こんなことになるなんて思ってなかった……!」
「……」
「私、バカすぎ……」
そうして秋は泣いた。
俺はそんな秋を抱きしめ続けた。
――少しして。
「……私、あなたに謝りたいの」
「……」
まだ抱きしめている。
「本当に……」
そして、パトカーの音が鳴る。
「……えっ?」
警察が来てくれた。
「え……どういうこと?」
「……」
秋は警察に運ばれていった。
――俺は疲れと、さっきの出来事のストレスから放心状態だった。
【分かってるよ。全部私のせいだって!!】
「ふぅーーーーーー!!」
優は大きく息を呑む。
そして、
「その通りだよーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
そう、優は全く秋のことなんて思っていなかった。
内心ではツッコミを入れたくて仕方がなかったのだ。
まず一つ、優は何も秋に言っていない。
勝手に自分で話して、勝手に辛いことが解消されたのである。
――そんな簡単に解消されるなら、自殺しようとするなよ。
二つ目は、早く帰ってやりたいことがあった。
優がずっと秋を抱きしめていたのは、ただ警察が来るまでの時間稼ぎである。
そして、また大きく息を呑む。
【私、バカすぎ】
「バカやろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
――ガチだった。
「危ない!!」
俺はタクシーを飛び出すように走り、そしてキャッチする。
危なかった。頭から落ちようとしていた。
大した高さはなかったけど、当たり方が悪ければ確実に危なかった。
「なんで……なんで、あなたがここにいるの? そしてどうして、助けたの?」
秋は涙を流す。
「……」
「私、あなたに酷いこと、たくさんした!! 家族も私のせいで酷い目にあった!! 嫌なこともたくさん言われた!!」
「……」
「分かってるよ。全部、私のせいだって!!」
「……」
「でも、こんなことになるなんて思ってなかった……!」
「……」
「私、バカすぎ……」
そうして秋は泣いた。
俺はそんな秋を抱きしめ続けた。
――少しして。
「……私、あなたに謝りたいの」
「……」
まだ抱きしめている。
「本当に……」
そして、パトカーの音が鳴る。
「……えっ?」
警察が来てくれた。
「え……どういうこと?」
「……」
秋は警察に運ばれていった。
――俺は疲れと、さっきの出来事のストレスから放心状態だった。
【分かってるよ。全部私のせいだって!!】
「ふぅーーーーーー!!」
優は大きく息を呑む。
そして、
「その通りだよーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
そう、優は全く秋のことなんて思っていなかった。
内心ではツッコミを入れたくて仕方がなかったのだ。
まず一つ、優は何も秋に言っていない。
勝手に自分で話して、勝手に辛いことが解消されたのである。
――そんな簡単に解消されるなら、自殺しようとするなよ。
二つ目は、早く帰ってやりたいことがあった。
優がずっと秋を抱きしめていたのは、ただ警察が来るまでの時間稼ぎである。
そして、また大きく息を呑む。
【私、バカすぎ】
「バカやろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
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