【本編完結】転生令嬢、目指すはスローライフ〜イベント企画担当者ではないのよ!

ブラウン

文字の大きさ
102 / 141
本編

第95話 説教されるジェイシス様

しおりを挟む
 ジェイシス様の部屋に食事が運ばれてきた。
 マーガレット様の言伝をファーガソンから聞いた。

 "一緒に食べたかったのに"

 自分からジェイシス様にも告白したあとの状況はものすごく恥ずかしい成り行きになっているので、ジェイシス様のご両親に顔を合わせることができない。

 でも、ジェイシス様と2人きりもまた恥ずかしい。食事が並べられている間、どこにいるかというとジェイシス様の膝の上で横抱きにされ待っている状態です。これをメイドたちに見られていることに恥ずかしさを感じ俯いてしまう。前回もそうだったが、メイドたちは見えないものとしているのか、普通に食事を並べている。ジェイシス様は堂々と私を触ってますが、わたしはどうしたらいいのよ。

「ジェイシス様、食事の用意ができました。椅子は隣同士に並べております。アイリ様、ごゆっくりおくつろぎください」

 どの状態を言ってお寛ぎくださいなのよ?ものすごく恥ずかしい。

「アイリ、食事しよう」

「ジェイシス様、あの降ろしていただくとありがたいのですが。このままでは食べにくいです。料理長の料理をきちんと味わいたいです」

「今日は仕方ないか」
 いや、今日以前にずっとダメです。きちんとご飯は食べたほうがいい。

 とりあえず隣に座り、食事を堪能した。

「スタンフォート公爵邸の料理長は料理が美味しいです。素材を活かした調理方法でとても美味しいです」

「料理長に伝えておくよ、あ、いや料理長にアイリを紹介するよ。料理長もアイリに会いたいと言っていたのだよ。料理長を呼ぼう」

 ファーガソンに伝え、料理長ロペスが来た。

「ジェイシス様、お呼びと伺いましたが、何か不手際がございましたでしょうか?番様に何かご迷惑をお掛けしてしまいましたでしょうか?」
 平身低頭されてしまった。怒っていないですよ。お礼を言いたかっただけなのよ。

「顔をあげてください。料理長。私、アイリと申します。料理長にいつも美味しい料理をありがとうと伝えたかったのです。本当に顔をあげてください」

 私は立ち上がって料理長の手を取った。
 いつも美味しい料理ありがとうございます、と伝えた。

「番様に感謝されるなんて。番様の料理もとても美味しいです。今度教えていただきたいです」

「もちろんです。今度一緒に作りましょう。ジェイシス様のお昼ご飯とか作って持たせればたべていただけますか?」

 ジェイシス様に投げかけると嬉しそうな顔をした。

「もちろん、持っていきますよ。楽しみですね」
ジェイシス様は仕事に没頭して食べないことがあると言っていたから、持っていかせよう。そのために料理長と相談していかないとね。

「では、料理長と一緒にレシピ考えましょうね」

「は、はい。喜んで」

 料理長にもう一度お礼を言って、食事を継続した。ジェイシス様と話しながら食事をしていく。今度、モンテスキュー領はどういうところか、食事は嫌いなものとかあるのかなど色々ジェイシス様自身のことを聞いた。

「アイリ、それが終わったら、我が領地にも来て欲しい。領地の者たちにもお披露目したい。労働祭のあたりに一緒に行きたい。どうだろうか?」

 労働祭は、王城で働く人たちが自分の領地に強制的に帰らなければいけない行事。領地の仕事もほったらかしにせずきちんと管理しなさいということらしい。

「はい、伺いたいです。他の領地の特産とかジェイシス様が育ったところがどういうところか知りたいです」

 帰る時間になり、泊まるようにマーガレット様に言われたが、明日商会の仕事があるため帰ることを主張した。すみません。

 そこで、マーガレット様は私の首筋に跡があることに気づきジェイシス様を叱りつけた。

「ジェイシス、あなた、アイリちゃんが夜会のためにここに泊まりにきた時は接触禁止です。夜会前に、首筋に跡をつけたり、寝不足で目の下にくまなど作られたら、肌に良くないわ。あなたは接触禁止です。わかりましたか」

「えっ、それはちょっと。節度ある行動をするので接触禁止はやめてください。少しぐらいは、いいではないですか」
  真っ赤な顔をして主張していた。私も恥ずかしかった。首筋に跡がついていたなんて。母親に指摘されることは恥ずかしいわね、ジェイシス様。って他人事ではないわね。すごく恥ずかしい。

 家に帰って、ミリーにバレるのよ。まずいわ。

 馬車に乗り、ジェイシス様は夜会までは節度ある態度を取るよう努力すると約束してくれた。だから今はいいですか?と言って抱きしめてきた。

「アイリが我が家に泊まりに来てくれるのに、一緒に添い寝できないなんて残念だ。一緒のベットで寝ることを楽しみにしていたのにな」

 ??なんだか、おかしなことを言っているような気がする??一緒に寝る?添い寝する?

「ジェイシス様、あの添い寝などをしようとしていたのですか?一緒に添い寝したらドキドキして寝られないではないですか。本当に目の下にクマ作りますよ」

「ダメですか?」
 またショボンとした仕草であざといぞ。ダメですかではない。絶対寝られないことが予想できる。

「あ、あの、首筋などに跡をつけたり、添い寝などしなければ、少しぐらいは大丈夫?だと思いますがどうですか?」

 ありがとう、と言われて口づけがはじまる。もうお互いの意思は確認しあっているので、ジェイシス様はタガが外れてしまったようだ。行き過ぎは注意よ。その手!

「モンテスキュー領では一緒にいたい。時間をいっぱい取ってほしい。夜は一緒にいられないか?」

「なるべく一緒にいられるようにします。王太子夫妻以外がいらっしゃるとそれなりに対応しないといけないと思うのですが、なんとかします。楽しみですね」

「ああ、楽しみだ」
 
 マーガレット様がジェイシス様に進言してくれてよかった。本当に身が持たないわ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

転生皇女セラフィナ

秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。 目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。 赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。 皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。 前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。 しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。 一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。 「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」 そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。 言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。 それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。 転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。 ※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

処理中です...