15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~

深冬 芽以

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9.16年目もずっと

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 愛華ちゃんのお母さんは確かに妊娠していて、診察に訪れた産婦人科で元カレに再会し、前の妊娠から十年以上も間隔があることや年齢のことなんかを相談した。その時、愛華ちゃんも一緒だった。

 それが旦那さんに知られ、よりによって元カレの診察を受けるなんてと喧嘩になった。

 そこへ、実家から電話があり、妊娠初期に飛行機移動するなと止める旦那さんを振り切るように実家に帰った。

 実紗ちゃんのお母さんに見られたのがいつかはわからないけれど、誰に見られてもおかしくないような場所で会っていたし、やましいことはないと愛華ちゃんのお母さんは笑って言った。

「愛華ちゃんのお母さんて、柚葉より年上だろ?」と、家に帰ってスーツを脱ぎながら和輝が言った。

 私はウォークインクローゼットの中でスーツを脱ぎ、ハンガーにかけていく。

「うん。二つ……か三つ? 旦那さんは十歳くらい年上じゃなかったかなぁ」

「五十過ぎで三人目か……」

「びっくりだよね」

「俺らも作る? 三人目」

「えっ!?」

 びっくりして振り返ると、和輝がスーツをかけたハンガーを持って立っている。

 私はそれを受け取り、ポールにかけた。

 正直に言って、三人目なんて考えもしなかった。

 確かに年齢的には産めるだろうけれど、今の我が家に赤ん坊がいる生活が想像できない。

『二人で十分』と答えようとひゅっと息を吸い込んで、ハタと止めた。

 過去を繰り返してはいけない。

 振り返り、ベッドに腰かけてワイシャツのボタンを外している夫を見た。

「……欲しいの?」

「いや? けど、もしデキたら産んでくれるか?」

「え?」

「避妊は絶対じゃないだろ?」

 ラブホテルに泊まった日からセックスはしていない。

 久し振りの行為で、私も夫も二、三日は腰が怠かった。

 もちろん、和輝がそうなのは気づいていても言っていない。そこは、男のプライドを守ってあげなければ。

 でも、今までベッドの間に置いてあって、ベッドをくっつけた時に和輝側に移動されたローチェストの引き出しに、新しいコンドームが入っていることは知っている。

 見つけた時、夫がこれからも私に触れようとしてくれていることが嬉しかった。

 同時に、子供たちの目に触れないように気をつけなければとも思った。

「そうね」

 もし、本当に子供を望まないのであれば、私もピルを飲むとか、避妊の確立を上げる方法はあるだろう。

 けれど、夫が望んでいるのはそうじゃない。

「避妊していてもデキたら、産む」



 だって、愛する人の子供だもの。



 愛し合う、と言えば美しいけれど、その結果に望まない妊娠もある。それでも愛し合うのをやめられないのは、人間としての性だろうか。

 発情期とか、子孫を残す本能とか、そんな動物的ではないセックスをするのは、きっと人間だけだと思う。

 妊娠、出産を選択できるのも、きっと人間だけ。

 だから私は選ぶと思う。
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