15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~

深冬 芽以

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9.16年目もずっと

 それはそうだが、随分と昔のことだ。

 私のほんの小さな気がかりの理由は、和葉の卒業式で明らかになった。

 私は和輝と出席した。

 和葉は愛華ちゃんと何枚も写真を撮った。

 愛華ちゃんの両親も揃って出席していた。

 仲が悪いどころか、驚くほど距離が近く、仲が良い。

 実紗ちゃんのお母さんは、どうして浮気だの家を出たなどの嘘を子供に話したのか。

 式の後、校門前で子供たちを待っている間、愛華ちゃんのお母さんが実紗ちゃんのお母さんに、デタラメを吹聴したことを抗議した。近くには他の父母もいて、注目されていた。

 実紗ちゃんのお母さんは全く悪びれない。

「私は、愛華ちゃんのママが男性と二人きりで会っていて、親密そうだったと事実を話しただけですよ? 誤解されるような真似をする方が――」

「――妻が男と二人きりで会ったことはないし、親密そうだったと言うのもあなたの価値観でしょう? ご存じかもしれませんが、妻は海外での生活経験もあるので、他人との距離感が近いと感じることもありますが、それがあなたに関係ありますか? その上、あなたの娘さんは他のお子さんに、妻が浮気して出て行ったと吹聴したと聞いています。私は小さい会社ながらも経営者です。業務に支障が出るようなことになれば、名誉棄損で訴えさせてもらう!」

 愛華ちゃんのお父さんが、お母さんを庇うように、実紗ちゃんのお母さんと対峙した。

 愛華ちゃんのお父さんは株とか買収関係の仕事で、規模は知らないが毎年数十億の利益を上げているはずだ。

 実紗ちゃんのお母さんに言ったことは、脅しじゃないだろう。

 いつも実紗ちゃんのお母さんと一緒にいるお母さんたちは、旦那さんと遠巻きに見ているだけだった。

 子供たちが先生とのお別れを済ませて出てきた。涙ぐんでいる子もいる。

 みんなで写真撮影をした。

 その時、誰かの声が聞こえてきた。

「実紗ちゃんのパパとママ、別居してるらしいよ」

「え? なんで?」

「最初は、パパはインフルエンザになったから、家族にうつさないようにお祖母ちゃん家にいる、とか言ってたらしいけど。実は女のところらしいって」

 一体、どこからそんな情報が洩れるのか。

 しかし、どこかで聞いた話だ。

「由輝も知ってるのかな、今の話」

 和輝も同じことを思ったらしい。

 まさか、私もインフルだと言って浮気してるだなんて心配したわけじゃないだろうか。

 まさか、だ。

「お母さん!」

 友達との別れを終えた娘が、満面の笑みで駆け寄ってくる。

「愛華のお母さん、赤ちゃんが出来たんだって!」

「えっ!?」

「はぁ!?」

 これには、私も和輝も驚いた。

 驚き過ぎて、当人に聞いてみた。
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