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2章 帝国の呪い
2-64 悪意ある者に鉄槌を
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「じゃあ、次に行こうか」
部屋長の言葉に、ぶわりと緊張の空気が頭のてっぺんまでのぼる。
嫌な予感が体全体を支配する。
今、俺に向かって言いましたか?
「つ、次?」
「シエルド様と話がついたら、次があるだろ」
部屋長が当然のように俺を見ながらソファから立ち上がった。
シエルド様が座ったまま。
「うーん、それ、私は付き合わなくてもいいよね」
「シエルド様が?俺たちにご一緒する気持ちが微かにでもあったのですか?」
「、、、微かにでもなければ、一応確認しないよね。なんか話が拗れる危険性を感じたから」
「拗れますかねえ、話」
「、、、うん、武力行使になったら立場上とめなくちゃいけなくなるから、私はいない方が良いね。私が仲裁しない方が良い方向に転がるに違いないよ」
、、、あの、次、どこに行く予定なんですかね?
物騒なことを言われた気がするんですけど。
話が終わった後の、シエルド様の表情は穏やかになった。
目がお金のマークになっている気はするけど。どれだけ儲けられるか試算している気がするけど。
シエルド様がテーブルの書類をまとめ始めた。
シエルド様は部屋長がどこに向かうかご存じなんですか?
察しているか、知っているから、この会話なんですよね。
話の中で出てましたっけ?
俺、聞き逃しました?いつのまに?それとも、気絶してましたかね?
「ええっと、部屋長はセリムさんとデートしなくても良いんですか?」
怖いので、つい聞いてしまった。
何が怖いのか?
すべてが。
「話が終わったらイチャつくよ」
「へいへい、お帰りはあちらですー」
シエルド様が立ち上がり、扉に手を向けた。
穏やかそうなお顔だったのに。
「そんなに他人の幸せが疎ましいのなら、心の慰めに、クリムゾンにクーリミオンそっくりに人化してもらったらどうだ?」
部屋長がシエルド様に言い放った。
んんっ?
「クリムゾン、、、って、ああ、赤い瞳の彫刻の人外か。あちらも人化できるのか」
ん゛ん゛っ?
クリムゾンと名付けたのって今日のことだったよな。
部屋長、シエルド様に報告なんかしていたか?
あの薬部屋、盗聴されていたりして。。。
嫌なほど可能性が思い当たるっ。
「まあ、美味しい甘いお菓子を貢いだら、瓜二つに化けてくれるだろうけど、お触りできるかは貢ぎ物が気に入るかどうかだろうなあ」
「ふむ、そうか。そういうことなら、クリムゾンの入室も許可しておこう」
シエルド様の機嫌が直ったようだ。
アジュールはセリムさんに似ているが、瓜二つとまではいかない。だから、クリムゾンに頼むのか?もしかすると、アジュールはファン以外どうでもいいからかもしれないが。
人外の怖さは耳にしているので、俺はあまり接触したくないのだが、この薬部屋は最強の魔導士である部屋長がいるので大丈夫だろう。
だが、トータの相手はどうするのか?クリムゾンがシエルド様に取られたら泣かないか?
「じゃあ、行こう」
部屋長に引っ張られ、俺の意志とは関係なく連れ出された。
「おっ、クロウっ、お前も飲みに来たのか」
うっ。
「クロウさんっ、セリムさんっ、いらっしゃいっ。新しい人もいらっしゃいっ」
おお、元気のいい店員の少年だ。
賑やかだが、薄暗い居酒屋の店内。
「ヒセ、俺たちはいつもので。そういや、ギノは酒を飲めるのか」
「多少は。あまり飲みませんが」
「じゃあ、何頼む?」
うーん、これは酒を飲む流れか。
お茶とか頼んだら場をしらけさすかな。
ヒセ少年に値段を聞いてから注文する。
「クロウっ、無視するなっ」
「チッ」
おおーい、舌打ちの音が大き過ぎる。
部屋長、この人の正体知っているくせに、よくまあそんな態度を取れるのか。
いや、敵国の捕虜なのだから、その態度は当然なのか?前は剣を振り回していたし。
まさか、部屋長はこの人に会いに来たのか?
次はこの人なのか?
意味が俺にはまったくわからないけど。
「ははっ、サザさんにそんな態度を取れるのは、てえした度胸じゃねえか」
、、、この声は。
「グランツ師匠っ?」
少々薄汚れた魔導士の法衣を着た師匠がサザさんの隣に座っていた。
暗かったから気づかなかった、というより、皇帝陛下がいることにより視野が狭くなっていた。
視界が皇帝陛下だけで占められるのも帝国では無理からぬことだ。
「お前の帰りが遅えから出かけたら、厄介なヤツにつかまっちまったのよ」
ええ、厄介でしょうとも。
グランツ師匠はサザさんが皇帝ってこと知っているのか?
すでにグラスを片手に飲んでいる。
頬が少し赤くなっている。
で。。。
何ですか、この席順。
なぜか一緒の円卓に座ったのだが、俺は部屋長に皇帝の隣に座らされた。何で?どして?
サザさん、俺、部屋長、セリムさん、グランツ師匠の並びでぐるりと囲む。
俺、グランツ師匠の隣で良くね?
酒を注文させておいて、飲ませないつもりなんでしょうか?
明日も仕事だから、飲まない方が最適だとは思いますが。
「ギノ、この人はサザさんの正体を知っているよ」
部屋長が俺の疑問に答えてくれる。
ん?
え?
その疑問、俺、口にしてましたか?
「サザさんより少々年上だが、皇帝直属の精鋭部隊の元隊員だ」
「皇帝直属の精鋭部隊、、、って、グランツ師匠があっ」
おっと、口を押える。
あまりにも大声過ぎた。驚き過ぎたせいだが。
居酒屋の客が騒がしいので、周囲は特にこちらに注目もしていない。
ただの酔っ払いと思われたか。
良かった、良かった。
「おんやぁー、サザさん、俺のこと話したのかー?」
「いんや、一言も話したことはない。俺は、コイツの薬部屋にいる魔導士見習がお前の弟子だという報告を密偵たちから受けてはいたが、コイツがお前のことを知っていたとは露ほども知らん」
「へいっ、飲み物の注文お待ちっ」
ヒセ少年がテーブルに酒をドドンっと置いていく。
それぞれ手にしてから。
「俺たちは夕食をすでに済ませてきたから軽いツマミでいいけど、ギノ、お腹空いているならいろいろ注文していいぞ。サザさんにタカるから」
ここの支払いは皇帝なんですかーーーーっ。
部屋長、貴方何者なんですかーーーーっ。
ただの捕虜じゃないでしょ。
いや、ただの捕虜じゃないことはすでにわかりきっていることだけど。
「この状況で固形物が喉を通る気しません」
「そうか?じゃあ、ちょっとおつまみとは程遠いが、スープとか雑炊とか頼んでおくか」
気遣いはありがたいがそうじゃないっ。
ああっ、すでに注文されてしまった。
「胃を痛めてるのか?身体を大切に労われよ。まあ、グランツにしろ、クロウにしろ厄介なヤツの下で働くのは気苦労しかなさそうだからな」
皇帝陛下が優しいっ。
一介の魔導士見習にかけていい言葉じゃないっ。
感動してしまうっ。
「よいしょっと」
部屋長が俺の後ろで地面を踏みつけた気がした。
ゴキブリでも出たのだろうか?
「お前、今、コイツの鎖を踏み潰しやがったな」
「はははー、どこからでもニョイニョイ現れる鎖なんか叩き潰すに限りますよー。根拠のない皇帝陛下様様なんて許すまじ。拡大鏡はもう見つかりましたー?ナナキさんを寝る時間もないほどコキ使っているくせに、貴方はこんなところで酒飲んではしゃいで、良い身分ですよね?」
「くうっ、グランツっ、こういうヤツなんだっ。俺を慰めてくれっ」
サザさんがグランツ師匠に抱き着く。
元精鋭部隊なら仲は良かったのだろうけど。
グランツ師匠はグラスを傾けながら、静かに部屋長を見ている。
「なあ、お前さん、今夜は俺に用があってここまで来たんじゃねえのか」
「ああ、察してくれてましたか」
ぐはっ。
次というのはグランツ師匠だったのかっ。
部屋長がグランツ師匠に何の話をするんだろう。
訓練の話かな?
シエルド様にも訓練の話をしていたからなあ。
「まだるっこしい話は好きじゃねえ。どうせコイツのことだろ」
グランツ師匠は俺を見た。
「そう言ってくれて助かります。では単刀直入に」
「あ、コレ、グランツ死んだわ。クロウの話はまだるっこしい位が幸せだ」
サザさんはグランツ師匠を手放し、できる限りグランツ師匠から距離を取る。
距離を取る、ということは、俺の横にベッタリと張り付くことになるのだが。。。
冷ややっこなら食べれるかー、と勧めてくれる。
くっ、皇帝から勧められたら断れないじゃないか。
部屋長の言葉に、ぶわりと緊張の空気が頭のてっぺんまでのぼる。
嫌な予感が体全体を支配する。
今、俺に向かって言いましたか?
「つ、次?」
「シエルド様と話がついたら、次があるだろ」
部屋長が当然のように俺を見ながらソファから立ち上がった。
シエルド様が座ったまま。
「うーん、それ、私は付き合わなくてもいいよね」
「シエルド様が?俺たちにご一緒する気持ちが微かにでもあったのですか?」
「、、、微かにでもなければ、一応確認しないよね。なんか話が拗れる危険性を感じたから」
「拗れますかねえ、話」
「、、、うん、武力行使になったら立場上とめなくちゃいけなくなるから、私はいない方が良いね。私が仲裁しない方が良い方向に転がるに違いないよ」
、、、あの、次、どこに行く予定なんですかね?
物騒なことを言われた気がするんですけど。
話が終わった後の、シエルド様の表情は穏やかになった。
目がお金のマークになっている気はするけど。どれだけ儲けられるか試算している気がするけど。
シエルド様がテーブルの書類をまとめ始めた。
シエルド様は部屋長がどこに向かうかご存じなんですか?
察しているか、知っているから、この会話なんですよね。
話の中で出てましたっけ?
俺、聞き逃しました?いつのまに?それとも、気絶してましたかね?
「ええっと、部屋長はセリムさんとデートしなくても良いんですか?」
怖いので、つい聞いてしまった。
何が怖いのか?
すべてが。
「話が終わったらイチャつくよ」
「へいへい、お帰りはあちらですー」
シエルド様が立ち上がり、扉に手を向けた。
穏やかそうなお顔だったのに。
「そんなに他人の幸せが疎ましいのなら、心の慰めに、クリムゾンにクーリミオンそっくりに人化してもらったらどうだ?」
部屋長がシエルド様に言い放った。
んんっ?
「クリムゾン、、、って、ああ、赤い瞳の彫刻の人外か。あちらも人化できるのか」
ん゛ん゛っ?
クリムゾンと名付けたのって今日のことだったよな。
部屋長、シエルド様に報告なんかしていたか?
あの薬部屋、盗聴されていたりして。。。
嫌なほど可能性が思い当たるっ。
「まあ、美味しい甘いお菓子を貢いだら、瓜二つに化けてくれるだろうけど、お触りできるかは貢ぎ物が気に入るかどうかだろうなあ」
「ふむ、そうか。そういうことなら、クリムゾンの入室も許可しておこう」
シエルド様の機嫌が直ったようだ。
アジュールはセリムさんに似ているが、瓜二つとまではいかない。だから、クリムゾンに頼むのか?もしかすると、アジュールはファン以外どうでもいいからかもしれないが。
人外の怖さは耳にしているので、俺はあまり接触したくないのだが、この薬部屋は最強の魔導士である部屋長がいるので大丈夫だろう。
だが、トータの相手はどうするのか?クリムゾンがシエルド様に取られたら泣かないか?
「じゃあ、行こう」
部屋長に引っ張られ、俺の意志とは関係なく連れ出された。
「おっ、クロウっ、お前も飲みに来たのか」
うっ。
「クロウさんっ、セリムさんっ、いらっしゃいっ。新しい人もいらっしゃいっ」
おお、元気のいい店員の少年だ。
賑やかだが、薄暗い居酒屋の店内。
「ヒセ、俺たちはいつもので。そういや、ギノは酒を飲めるのか」
「多少は。あまり飲みませんが」
「じゃあ、何頼む?」
うーん、これは酒を飲む流れか。
お茶とか頼んだら場をしらけさすかな。
ヒセ少年に値段を聞いてから注文する。
「クロウっ、無視するなっ」
「チッ」
おおーい、舌打ちの音が大き過ぎる。
部屋長、この人の正体知っているくせに、よくまあそんな態度を取れるのか。
いや、敵国の捕虜なのだから、その態度は当然なのか?前は剣を振り回していたし。
まさか、部屋長はこの人に会いに来たのか?
次はこの人なのか?
意味が俺にはまったくわからないけど。
「ははっ、サザさんにそんな態度を取れるのは、てえした度胸じゃねえか」
、、、この声は。
「グランツ師匠っ?」
少々薄汚れた魔導士の法衣を着た師匠がサザさんの隣に座っていた。
暗かったから気づかなかった、というより、皇帝陛下がいることにより視野が狭くなっていた。
視界が皇帝陛下だけで占められるのも帝国では無理からぬことだ。
「お前の帰りが遅えから出かけたら、厄介なヤツにつかまっちまったのよ」
ええ、厄介でしょうとも。
グランツ師匠はサザさんが皇帝ってこと知っているのか?
すでにグラスを片手に飲んでいる。
頬が少し赤くなっている。
で。。。
何ですか、この席順。
なぜか一緒の円卓に座ったのだが、俺は部屋長に皇帝の隣に座らされた。何で?どして?
サザさん、俺、部屋長、セリムさん、グランツ師匠の並びでぐるりと囲む。
俺、グランツ師匠の隣で良くね?
酒を注文させておいて、飲ませないつもりなんでしょうか?
明日も仕事だから、飲まない方が最適だとは思いますが。
「ギノ、この人はサザさんの正体を知っているよ」
部屋長が俺の疑問に答えてくれる。
ん?
え?
その疑問、俺、口にしてましたか?
「サザさんより少々年上だが、皇帝直属の精鋭部隊の元隊員だ」
「皇帝直属の精鋭部隊、、、って、グランツ師匠があっ」
おっと、口を押える。
あまりにも大声過ぎた。驚き過ぎたせいだが。
居酒屋の客が騒がしいので、周囲は特にこちらに注目もしていない。
ただの酔っ払いと思われたか。
良かった、良かった。
「おんやぁー、サザさん、俺のこと話したのかー?」
「いんや、一言も話したことはない。俺は、コイツの薬部屋にいる魔導士見習がお前の弟子だという報告を密偵たちから受けてはいたが、コイツがお前のことを知っていたとは露ほども知らん」
「へいっ、飲み物の注文お待ちっ」
ヒセ少年がテーブルに酒をドドンっと置いていく。
それぞれ手にしてから。
「俺たちは夕食をすでに済ませてきたから軽いツマミでいいけど、ギノ、お腹空いているならいろいろ注文していいぞ。サザさんにタカるから」
ここの支払いは皇帝なんですかーーーーっ。
部屋長、貴方何者なんですかーーーーっ。
ただの捕虜じゃないでしょ。
いや、ただの捕虜じゃないことはすでにわかりきっていることだけど。
「この状況で固形物が喉を通る気しません」
「そうか?じゃあ、ちょっとおつまみとは程遠いが、スープとか雑炊とか頼んでおくか」
気遣いはありがたいがそうじゃないっ。
ああっ、すでに注文されてしまった。
「胃を痛めてるのか?身体を大切に労われよ。まあ、グランツにしろ、クロウにしろ厄介なヤツの下で働くのは気苦労しかなさそうだからな」
皇帝陛下が優しいっ。
一介の魔導士見習にかけていい言葉じゃないっ。
感動してしまうっ。
「よいしょっと」
部屋長が俺の後ろで地面を踏みつけた気がした。
ゴキブリでも出たのだろうか?
「お前、今、コイツの鎖を踏み潰しやがったな」
「はははー、どこからでもニョイニョイ現れる鎖なんか叩き潰すに限りますよー。根拠のない皇帝陛下様様なんて許すまじ。拡大鏡はもう見つかりましたー?ナナキさんを寝る時間もないほどコキ使っているくせに、貴方はこんなところで酒飲んではしゃいで、良い身分ですよね?」
「くうっ、グランツっ、こういうヤツなんだっ。俺を慰めてくれっ」
サザさんがグランツ師匠に抱き着く。
元精鋭部隊なら仲は良かったのだろうけど。
グランツ師匠はグラスを傾けながら、静かに部屋長を見ている。
「なあ、お前さん、今夜は俺に用があってここまで来たんじゃねえのか」
「ああ、察してくれてましたか」
ぐはっ。
次というのはグランツ師匠だったのかっ。
部屋長がグランツ師匠に何の話をするんだろう。
訓練の話かな?
シエルド様にも訓練の話をしていたからなあ。
「まだるっこしい話は好きじゃねえ。どうせコイツのことだろ」
グランツ師匠は俺を見た。
「そう言ってくれて助かります。では単刀直入に」
「あ、コレ、グランツ死んだわ。クロウの話はまだるっこしい位が幸せだ」
サザさんはグランツ師匠を手放し、できる限りグランツ師匠から距離を取る。
距離を取る、ということは、俺の横にベッタリと張り付くことになるのだが。。。
冷ややっこなら食べれるかー、と勧めてくれる。
くっ、皇帝から勧められたら断れないじゃないか。
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