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1章 敵国の牢獄
1-15 外に出たいなら
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「外に出たいとお考えですか?」
思い切って魔導士クロウに聞いてみた。
私はただの教会への案内役であるが、もしも魔導士様の要望をくみ取ることができれば。
祈りを捧げて満足げなご様子。
後ろの壁際に立って見守っていたが、彼は熱心に祈っていた。
信仰心はあまりないそうだが、そこまで神に祈りたいことがあったのなら。
その願い、帝国が叶えられるものなら、口に出して言ってみてはいかがだろうか。
お金、屋敷、身分、自由等、帝国が用意できるものは多い。
「必要な物が手に入れば、特にそこまでは。捕虜ですし、帝国のことはほとんど知りませんし、頼る知り合いもいないので、牢の外に出たところで迷い人になって野垂れ死にますよね」
なんという悲観主義者でしょう。
大魔導士なのだから、野垂れ死ぬことはない。
というか、帝国だって雇いたい魔導士なのだから、職に困らない。職に困らないということは金にも困らない。不要な散財をしたり、ギャンブルや貢ぐことをしなければ。
「けれど、牢の中では何かと不便でしょう。自由の身になりたいと思いませんか?」
「皆様には大変ご配慮いただいております。牢の中にあるベッドもリンク王国での寮の私の部屋に置いてあったベッドよりも良質の物ですし、リンク王国での王宮での食事は平民使用人用の食堂を使用していたので最低限のものでした。帝国では食事も大変美味しく温かいものをご用意いただけて感謝しかありません」
「ご、ご苦労なさったのですねえ」
涙なくては聞けない。
なぜ実力がある魔導士が、リンク王国ではここまで冷遇されているのか。
魔導士様がいる今の牢獄の食事は徹底管理されているから味や栄養バランスは悪くないはずである。だが、牢獄の食事よりひどい食事を使用人相手でもリンク王国は王宮で平気で出していたのか。
平民だから、で片付くリンク王国。
平民でも実力があれば、相応の地位につくのがオルド帝国。
広場は広いが、教会の外に出ればすぐに城壁が見える。
帰り道は短い。
初対面の自分に真意を伝えられるほど単純な想いではないだろう。
ただの案内役だからと思うと、悲しい。
それ以上の関係になれるわけもないのに。
関係のある任務がなければ、会うことさえ難しい存在。
一目惚れ、と言えるほど惚れたわけでもないと思うが、彼の役に立ちたいという気持ちが芽生えてしまっている。
彼の不遇さに同情したのか。
それとも、リンク王国へ対する憤りか。
帝国の軍人が誰でも帝城の敷地にある牢獄に出入りできるわけではない。
アレは審査に通った者しか入れない、今は皇弟が管理する牢獄だ。
軍人でも特に皇族に有能と認められ、忠誠を誓う者だけが利用できる。性欲というのも放っておくと暴走するのが若さ。それを利用するのも皇族である。
現皇帝陛下のご兄弟は末弟のみ生き残っている。
強い者しか生き残れないというのは皇族でも同じ。
皇弟が生き残っているのは、同腹で産まれた兄弟であるから、そして年齢が二十歳以上も離れていて後継争いに関わりもしなかったからだと言われている。
それでも、役に立たなければ生かされてはいないだろう。
皇帝陛下にとっては自分の息子たちの脅威になり得る存在なのだから。
皇弟は皇帝陛下の息子たちにリンク王国の第四王子を献上したと噂されている。皇太子の第一皇子以外は全員彼に夢中で遊んでいる。婚約者もいるのにも関わらず、婚約者放置で。
それがどんな意味をもたらすのかわからないほど幼くはないだろうに。
「今日はありがとうございました」
深々とお辞儀をされる。
すでに牢獄の入口前。
看守の一人がカチャリと重々しい扉の鍵をまわしている。
「あ、いえ、仕事ですから。ええっと、牢の生活環境のご確認をしてもよろしいですか」
クロウに向けた質問に対して、クロウは近くにいた看守を見た。
「ゴートナー様ならそのままお通ししても大丈夫だ」
牢獄前の詰所の窓に人影が映る。
誰かはわからないが。
「あっ、はい、わかりました。どうぞ」
若い看守がゆっくりと重量のある金属扉を開けて通してくれる。
無事に牢獄の内部に入れたが、自分の質問に反省する。
牢獄へ見学に入っていいかどうかは帝国が決めることである。
捕虜は返事をする権限を持っていない。
捕虜ではあるが、捕虜ではない彼に対してどのようにしたらいいかまだまだ模索中。
模索中ではあるが、次の機会はあるのだろうか。
また教会に行きたいと言われなければ、案内役に次はないのに。
「先ほども牢のことを言っていましたが、環境はどうですか?」
「特に不満はないですよ。生活するのに必要最小限の物は揃っていますし、食堂や大浴場もありますし」
「そうですか、、、えっと、、、」
横目で通り過ぎる牢の一つ一つの内装が豪華である。
鉄格子で区切られていなければ、貴族の部屋か?と勘違いするほどである。
ベッドや戸棚、机等の家具が一目見ただけでも高額なものとわかるし、床にはこれまた平民が踏むことはないと思われるほどの絨毯。
貴族であっても政治的意図がなければ豪華な牢を用意することはないのだが。
確か、第四王子部隊の騎士たちは魔導士クロウの人質としてこの地にとどめたはず。
それならば。
「あ、この牢が俺に宛がわれたものです」
他の捕虜の牢が煌びやかなのだから、帝国が囲いたい彼の牢はどんなに豪華絢爛なのか、と思って見たのだが。
「は?あ、えっと、、、普通の牢ですね」
小さい独房である個室には固そうなベッド、トイレ、小さな洗面台。
汚れていないし、捕虜としては無難な牢である。
捕虜の扱いとしては悪くはないが、むしろ捕虜としてはまあまあ良い方だと思うのだが。
だがしかしっ。
帝国はスカウトしたいのなら、彼の牢をもう少しどうにかしたらどうだ?
「他の牢との落差」
「他の皆様は貢がれる筋肉をお持ちですから」
「ということは、ここに来る軍人たちが貢いでいると?」
「ええ、私は貢がれる筋肉がないので標準装備のままです」
貢がれる筋肉って二度言うほど重要なことか?
「何か必要な家具があれば、私に言ってくだされば」
「いえいえ、平民にはこのままで充分だと強く思いますね」
強く思っちゃいますか。
もしかして、何らかの対価が必要かと勘繰られてしまいましたか?
ここで深追いしてしまうと、より疑心暗鬼になりかねない。
まずは信頼を育てなければならない。
「おやあ、ゴートナーくん、こんなところまで見送りかーい?牢獄の出入口まででいいと言われなかったかーい?」
嫌味な口調で現れたのは、食堂にいるはずの白いコックコートを着ているナナキ様。
髪を結び、無精ヒゲを生やし、腕まくりして、ワイルドさを演出しているということだ。上司が嘆いていたが。
「はっ、ナナキ様っ、送迎の際、牢のことが話題に出ておりましたので、現状確認に参りました」
ピシッと直立不動でナナキ様に応える。
その姿勢を見て、嫌そうな顔を向けられる。
「仕事熱心なのは悪いことじゃないけどねー。あー、クロウ、教会どうだったの?」
「建物も歴史を感じる素晴らしいものですが、荘厳な内部は祈りの場として最適です。可能であれば、また行きたいです」
「あれー、気に入っちゃった感じ?」
「クロウ様は熱心に祈っていました」
「あー、そうなんだ。じゃあ、次もこのゴートナーくんに案内を頼みたい?」
ナナキ様の瞳には深い意味がこめられている色が映る。
「ええ、お時間の都合が合うようでしたら是非お願いしたいです。あ、いえ、お仕事の都合上、他の方になっても不都合だとは言いませんけど」
クロウは慌てて言葉を付け足した。
捕虜の方が気遣いしている。
「クロウは本当にゴートナーくんのこと気に入ったんだ」
ナナキ様が意味深に呟いた後。
「ゴートナーくんはこの後、食堂に寄っていくよねー?」
蛇に睨まれたカエル状態になった。
その目が詳細を報告しろと言っていた。
思い切って魔導士クロウに聞いてみた。
私はただの教会への案内役であるが、もしも魔導士様の要望をくみ取ることができれば。
祈りを捧げて満足げなご様子。
後ろの壁際に立って見守っていたが、彼は熱心に祈っていた。
信仰心はあまりないそうだが、そこまで神に祈りたいことがあったのなら。
その願い、帝国が叶えられるものなら、口に出して言ってみてはいかがだろうか。
お金、屋敷、身分、自由等、帝国が用意できるものは多い。
「必要な物が手に入れば、特にそこまでは。捕虜ですし、帝国のことはほとんど知りませんし、頼る知り合いもいないので、牢の外に出たところで迷い人になって野垂れ死にますよね」
なんという悲観主義者でしょう。
大魔導士なのだから、野垂れ死ぬことはない。
というか、帝国だって雇いたい魔導士なのだから、職に困らない。職に困らないということは金にも困らない。不要な散財をしたり、ギャンブルや貢ぐことをしなければ。
「けれど、牢の中では何かと不便でしょう。自由の身になりたいと思いませんか?」
「皆様には大変ご配慮いただいております。牢の中にあるベッドもリンク王国での寮の私の部屋に置いてあったベッドよりも良質の物ですし、リンク王国での王宮での食事は平民使用人用の食堂を使用していたので最低限のものでした。帝国では食事も大変美味しく温かいものをご用意いただけて感謝しかありません」
「ご、ご苦労なさったのですねえ」
涙なくては聞けない。
なぜ実力がある魔導士が、リンク王国ではここまで冷遇されているのか。
魔導士様がいる今の牢獄の食事は徹底管理されているから味や栄養バランスは悪くないはずである。だが、牢獄の食事よりひどい食事を使用人相手でもリンク王国は王宮で平気で出していたのか。
平民だから、で片付くリンク王国。
平民でも実力があれば、相応の地位につくのがオルド帝国。
広場は広いが、教会の外に出ればすぐに城壁が見える。
帰り道は短い。
初対面の自分に真意を伝えられるほど単純な想いではないだろう。
ただの案内役だからと思うと、悲しい。
それ以上の関係になれるわけもないのに。
関係のある任務がなければ、会うことさえ難しい存在。
一目惚れ、と言えるほど惚れたわけでもないと思うが、彼の役に立ちたいという気持ちが芽生えてしまっている。
彼の不遇さに同情したのか。
それとも、リンク王国へ対する憤りか。
帝国の軍人が誰でも帝城の敷地にある牢獄に出入りできるわけではない。
アレは審査に通った者しか入れない、今は皇弟が管理する牢獄だ。
軍人でも特に皇族に有能と認められ、忠誠を誓う者だけが利用できる。性欲というのも放っておくと暴走するのが若さ。それを利用するのも皇族である。
現皇帝陛下のご兄弟は末弟のみ生き残っている。
強い者しか生き残れないというのは皇族でも同じ。
皇弟が生き残っているのは、同腹で産まれた兄弟であるから、そして年齢が二十歳以上も離れていて後継争いに関わりもしなかったからだと言われている。
それでも、役に立たなければ生かされてはいないだろう。
皇帝陛下にとっては自分の息子たちの脅威になり得る存在なのだから。
皇弟は皇帝陛下の息子たちにリンク王国の第四王子を献上したと噂されている。皇太子の第一皇子以外は全員彼に夢中で遊んでいる。婚約者もいるのにも関わらず、婚約者放置で。
それがどんな意味をもたらすのかわからないほど幼くはないだろうに。
「今日はありがとうございました」
深々とお辞儀をされる。
すでに牢獄の入口前。
看守の一人がカチャリと重々しい扉の鍵をまわしている。
「あ、いえ、仕事ですから。ええっと、牢の生活環境のご確認をしてもよろしいですか」
クロウに向けた質問に対して、クロウは近くにいた看守を見た。
「ゴートナー様ならそのままお通ししても大丈夫だ」
牢獄前の詰所の窓に人影が映る。
誰かはわからないが。
「あっ、はい、わかりました。どうぞ」
若い看守がゆっくりと重量のある金属扉を開けて通してくれる。
無事に牢獄の内部に入れたが、自分の質問に反省する。
牢獄へ見学に入っていいかどうかは帝国が決めることである。
捕虜は返事をする権限を持っていない。
捕虜ではあるが、捕虜ではない彼に対してどのようにしたらいいかまだまだ模索中。
模索中ではあるが、次の機会はあるのだろうか。
また教会に行きたいと言われなければ、案内役に次はないのに。
「先ほども牢のことを言っていましたが、環境はどうですか?」
「特に不満はないですよ。生活するのに必要最小限の物は揃っていますし、食堂や大浴場もありますし」
「そうですか、、、えっと、、、」
横目で通り過ぎる牢の一つ一つの内装が豪華である。
鉄格子で区切られていなければ、貴族の部屋か?と勘違いするほどである。
ベッドや戸棚、机等の家具が一目見ただけでも高額なものとわかるし、床にはこれまた平民が踏むことはないと思われるほどの絨毯。
貴族であっても政治的意図がなければ豪華な牢を用意することはないのだが。
確か、第四王子部隊の騎士たちは魔導士クロウの人質としてこの地にとどめたはず。
それならば。
「あ、この牢が俺に宛がわれたものです」
他の捕虜の牢が煌びやかなのだから、帝国が囲いたい彼の牢はどんなに豪華絢爛なのか、と思って見たのだが。
「は?あ、えっと、、、普通の牢ですね」
小さい独房である個室には固そうなベッド、トイレ、小さな洗面台。
汚れていないし、捕虜としては無難な牢である。
捕虜の扱いとしては悪くはないが、むしろ捕虜としてはまあまあ良い方だと思うのだが。
だがしかしっ。
帝国はスカウトしたいのなら、彼の牢をもう少しどうにかしたらどうだ?
「他の牢との落差」
「他の皆様は貢がれる筋肉をお持ちですから」
「ということは、ここに来る軍人たちが貢いでいると?」
「ええ、私は貢がれる筋肉がないので標準装備のままです」
貢がれる筋肉って二度言うほど重要なことか?
「何か必要な家具があれば、私に言ってくだされば」
「いえいえ、平民にはこのままで充分だと強く思いますね」
強く思っちゃいますか。
もしかして、何らかの対価が必要かと勘繰られてしまいましたか?
ここで深追いしてしまうと、より疑心暗鬼になりかねない。
まずは信頼を育てなければならない。
「おやあ、ゴートナーくん、こんなところまで見送りかーい?牢獄の出入口まででいいと言われなかったかーい?」
嫌味な口調で現れたのは、食堂にいるはずの白いコックコートを着ているナナキ様。
髪を結び、無精ヒゲを生やし、腕まくりして、ワイルドさを演出しているということだ。上司が嘆いていたが。
「はっ、ナナキ様っ、送迎の際、牢のことが話題に出ておりましたので、現状確認に参りました」
ピシッと直立不動でナナキ様に応える。
その姿勢を見て、嫌そうな顔を向けられる。
「仕事熱心なのは悪いことじゃないけどねー。あー、クロウ、教会どうだったの?」
「建物も歴史を感じる素晴らしいものですが、荘厳な内部は祈りの場として最適です。可能であれば、また行きたいです」
「あれー、気に入っちゃった感じ?」
「クロウ様は熱心に祈っていました」
「あー、そうなんだ。じゃあ、次もこのゴートナーくんに案内を頼みたい?」
ナナキ様の瞳には深い意味がこめられている色が映る。
「ええ、お時間の都合が合うようでしたら是非お願いしたいです。あ、いえ、お仕事の都合上、他の方になっても不都合だとは言いませんけど」
クロウは慌てて言葉を付け足した。
捕虜の方が気遣いしている。
「クロウは本当にゴートナーくんのこと気に入ったんだ」
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