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1章 敵国の牢獄
1-62 思いを馳せて
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「コーダはリンク王国で無事でやっているだろうか」
食堂でポツリと呟く。
「無責任に大丈夫だと言えないところが辛いですね、ナーズ隊長」
私の言葉を拾って、前の席に着いたのはルッツ副隊長。
この頃、彼は早朝にクロウとの食事をしなくなった。
すでに人はまばらの遅めの朝食。
副隊長は私よりまだまだ若いとはいえ、明け方まで帝国軍人の相手をしている。
本当なら遅くまで寝ていたいのが正直なところだっただろう。
今は代わりにセリムが頑張って早起きしている。
「副隊長、やはりそう思うか」
何度か同じ会話を繰り返している。
内容を忘れたわけではないのだが、心配でつい口に出てしまう。
閉ざされた牢獄に居るので、基本的に彼の情報は入って来ない。
ただ、ほんの少しだけ漏れ聞こえるものがあることは確かだ。
「仕方なかったと割り切るしかありません。今の我々にできることは何もないのですから」
副隊長は朝食を食べ始める。
捕虜としての生活が日常になってしまった。
リンク王国の騎士としての誇りなど、すでにどこかに消えてしまった。
日々の訓練時間は取られているので剣の腕は鈍っていないが、騎士としての心構えなどどうでもいい気がする。
我々は主君に見捨てられた者たちなのだ。
ここでは栄養バランスの取れた食事なので体調もいい。
夢を諦めてしまえば、快楽を与えられる居心地がいい場所と化してしまった。
「、、、クロウとセリムはまた今日も大教会での修繕作業だな」
私は別の話題を副隊長に振る。
クロウは魔導士として修繕作業に協力し、セリムはその護衛である。
護衛まで必要なのは、本当に修繕作業としての手伝いなのかと疑問が残る。
セリムは帝国軍人から人気があるのだが、昼間の労役からは外されている。
それだけ帝国がクロウを重要視している証みたいなものだ。
「護衛は私ではダメだったのでしょうか」
副隊長の力なき言葉に、私はパンを落としそうになる。
「別に二人はデートしに行っているわけじゃないぞ」
「そうでしょうけど、護衛をセリムにしたのはクロウの意志でしょう。なら、」
「もちろんクロウの意志だが、クロウの意志だけで俺も許可したわけじゃないぞ」
心の中で、うっと呻いた。
急に声をかけてきたのは、帝国の皇帝だ。
庶民的な格好をしながら、質が良すぎる生地を使用しているので上流階級だとすぐに誰しもが察せられる。
どこかに隠し扉があるかのように、この牢獄にもいきなり現れることが多い。
「ええっと、それではどのように決定されているか聞いても?」
皇帝は私の横の椅子に座る。
威圧感が半端ないのは、皇帝だと知っているからか。
そうではないと感じる。
彼自身の圧。
皇帝という肩書ではなく、存在自体が。
これがオルド帝国の頂点と素直に思わせる。
「セリムはクロウに危害を加えないからなあ」
「捕虜を護衛にすることができるのなら、私でも」
副隊長はすべてを言い終わらない内に言葉が途切れた。
皇帝の目が副隊長を見据えている。
「お前ではクロウを守れない。それに、クロウはお前を信用してないから、背中を預けきれない」
副隊長の心を直球でえぐってくる。
端整な副隊長の顔が悔しそうに歪んでいる。
ということは、逆にクロウはセリムを信用し、背中を預けているということだ。
「騎士の実力ではルッツとセリムはほぼ変わりませんが、クロウはなぜそこまでセリムを信用しているのでしょうか」
私は尋ねる。
皇帝は彼らをどうとらえているのか。
「、、、」
皇帝は私を真顔で見た後。
「それ聞いちゃう?」
ニヤリと笑う皇帝。
「え、ええ、貴方からの視点での考えを、できれば教えていただけたらと」
「ははっ、クロウが命令でなく守りたいと思える存在になるのは難しくない。けれど、それは他人から正解を教えてもらったとバレたら、クロウからしたらお前らは永遠にお貴族様になるんだろうなあ」
うっ、と思った。
思ったが。
「クロウが守りたい?」
クロウを守りたいではなく?
今、話しているのは、クロウの護衛なのだからクロウを守る力があるかどうか、ではないのか。
「なるほど。」
皇帝が口の端で笑った。
「だから、お前は第四王子部隊の隊長なのか」
それは身分ではなく、私自身の評価。
死ぬためだけの特攻隊の隊長。
子爵家だから選ばれた隊長。
高位貴族の子弟は絶対に選ばれない隊長。
そう思っていたが。
気づかされる。
その言葉に。
私は隊員のことを観察できていない。
何も見えていない。
「お前らは死ぬまで帝国の捕虜をやる気か」
それを敵国の皇帝が言うのか。
帝国が捕虜を解放する気が本当にあるのか。
いや、そもそも。
想いは複雑だ。
自分にこの泥濘から這い出す気はあるのか。
ここは自分の身分を考えなくていい。
帝国の捕虜となり、クロウの救われた命を粗末に扱わないために、生き延びようと思った。
だが、ただ生きているだけになったと言っても過言ではない。
日々流されながら、ここにいる。
「ところで、本当にクロウの護衛をしたいのか?」
先ほどとは違い、軽い口調だ。
「あ、はい」
「あ、私もしてみたいです」
皇帝は副隊長だけに聞いたのかもしれないが、私も手をあげてみる。
何かが変わるきっかけが得られる可能性があるならば。
「ふーん、そうかー」
この反応はただ聞いただけなのか?
副隊長はほんの少し期待する瞳をしているが、実際はどうなのだろう。
クロウの護衛にしてくれる可能性は少なからずあるのだろうか。
「皇帝陛下から聞きましたけど、」
夕食時、すでに食べ始めているクロウが私を見つけ話しかけてきた。
「大教会の修繕をする俺の護衛をやってくれるとか」
「あ、ああ、クロウの助けになるのなら」
「、、、隊長、実際の業務内容、詳細な説明を受けましたか?」
一段と低い声になっているのはセリム。
牽制だろうか。
クロウの横をとるな、クロウを守るのは俺だ、と。
「クロウの護衛をするんだろ」
私が言ったら、セリムが変な顔になった。
それと同時に、クロウが営業スマイルを浮かべた。
この反応で、普通の護衛でないことを私でも悟った。
「ええ、まぎれもなく俺の護衛です」
クロウのこの笑顔が絶対に何かあると伝えている。
笑顔に隠された思惑が限りなく黒い。
「隊長も副隊長も身体強化の魔法は使えますからね。ちょうど良かった」
ちょうど良かった?
口調からも、顔の向きからも、この言葉はセリムに言っている。
「、、、クロウ、何も知らない者には酷だと思うが」
「セリムは酷いことをされていると思っていたのか?」
「俺はクロウと一緒にいられるだけで幸せだし、この上なく嬉しい。しかし、ただ外に出たいと望むだけの者なら、護衛というのは真実を表していないから期待を裏切る行為なのではないか」
こらこら、私の前でイチャつくな。
クロウを口説くのはよそでやりなさい。
「ああ、もちろん、外に出たいがために申し出たことではない。クロウが協力している仕事に対してどのようなものか心配もしているし、それを手伝いたい気持ちも本当だ。ただ、護衛が多ければ多いほどいいとされるような仕事をクロウが任されているとするなら、私はその仕事をきちんと把握して、帝国を見定めたいと思っている」
「なら、俺は帝国が許可を出したのなら特に問題ないと思いま、ん?」
ナナキ料理長が無言でクロウにメモを渡して去っていった。
「ええっと、とりあえず隊長と副隊長は交互に護衛としてつけるそうです」
「つまり、護衛とは名ばかりの護衛を二人体制にするということか。確かに慣れてなければ一日ごとにした方が安全」
おい、セリム、今、護衛とは名ばかりの護衛と言わなかったか?
お前は護衛と称していったい何をしているんだ?
「リーウセンも前線に追加してもらったからありがたいよな。これでさくさく攻略できる」
「リーウセンも帝国に来て、本当に良かったのかわかりかねるが」
セリムのため息まじりの沈む発言。
「良かったんじゃないか?ネルタ副班長が帝国に戻ってきたら血の雨が降りそうだが」
それに対して、クロウの発言が物騒な内容なのに、あまりにも軽い口調だった。
食堂でポツリと呟く。
「無責任に大丈夫だと言えないところが辛いですね、ナーズ隊長」
私の言葉を拾って、前の席に着いたのはルッツ副隊長。
この頃、彼は早朝にクロウとの食事をしなくなった。
すでに人はまばらの遅めの朝食。
副隊長は私よりまだまだ若いとはいえ、明け方まで帝国軍人の相手をしている。
本当なら遅くまで寝ていたいのが正直なところだっただろう。
今は代わりにセリムが頑張って早起きしている。
「副隊長、やはりそう思うか」
何度か同じ会話を繰り返している。
内容を忘れたわけではないのだが、心配でつい口に出てしまう。
閉ざされた牢獄に居るので、基本的に彼の情報は入って来ない。
ただ、ほんの少しだけ漏れ聞こえるものがあることは確かだ。
「仕方なかったと割り切るしかありません。今の我々にできることは何もないのですから」
副隊長は朝食を食べ始める。
捕虜としての生活が日常になってしまった。
リンク王国の騎士としての誇りなど、すでにどこかに消えてしまった。
日々の訓練時間は取られているので剣の腕は鈍っていないが、騎士としての心構えなどどうでもいい気がする。
我々は主君に見捨てられた者たちなのだ。
ここでは栄養バランスの取れた食事なので体調もいい。
夢を諦めてしまえば、快楽を与えられる居心地がいい場所と化してしまった。
「、、、クロウとセリムはまた今日も大教会での修繕作業だな」
私は別の話題を副隊長に振る。
クロウは魔導士として修繕作業に協力し、セリムはその護衛である。
護衛まで必要なのは、本当に修繕作業としての手伝いなのかと疑問が残る。
セリムは帝国軍人から人気があるのだが、昼間の労役からは外されている。
それだけ帝国がクロウを重要視している証みたいなものだ。
「護衛は私ではダメだったのでしょうか」
副隊長の力なき言葉に、私はパンを落としそうになる。
「別に二人はデートしに行っているわけじゃないぞ」
「そうでしょうけど、護衛をセリムにしたのはクロウの意志でしょう。なら、」
「もちろんクロウの意志だが、クロウの意志だけで俺も許可したわけじゃないぞ」
心の中で、うっと呻いた。
急に声をかけてきたのは、帝国の皇帝だ。
庶民的な格好をしながら、質が良すぎる生地を使用しているので上流階級だとすぐに誰しもが察せられる。
どこかに隠し扉があるかのように、この牢獄にもいきなり現れることが多い。
「ええっと、それではどのように決定されているか聞いても?」
皇帝は私の横の椅子に座る。
威圧感が半端ないのは、皇帝だと知っているからか。
そうではないと感じる。
彼自身の圧。
皇帝という肩書ではなく、存在自体が。
これがオルド帝国の頂点と素直に思わせる。
「セリムはクロウに危害を加えないからなあ」
「捕虜を護衛にすることができるのなら、私でも」
副隊長はすべてを言い終わらない内に言葉が途切れた。
皇帝の目が副隊長を見据えている。
「お前ではクロウを守れない。それに、クロウはお前を信用してないから、背中を預けきれない」
副隊長の心を直球でえぐってくる。
端整な副隊長の顔が悔しそうに歪んでいる。
ということは、逆にクロウはセリムを信用し、背中を預けているということだ。
「騎士の実力ではルッツとセリムはほぼ変わりませんが、クロウはなぜそこまでセリムを信用しているのでしょうか」
私は尋ねる。
皇帝は彼らをどうとらえているのか。
「、、、」
皇帝は私を真顔で見た後。
「それ聞いちゃう?」
ニヤリと笑う皇帝。
「え、ええ、貴方からの視点での考えを、できれば教えていただけたらと」
「ははっ、クロウが命令でなく守りたいと思える存在になるのは難しくない。けれど、それは他人から正解を教えてもらったとバレたら、クロウからしたらお前らは永遠にお貴族様になるんだろうなあ」
うっ、と思った。
思ったが。
「クロウが守りたい?」
クロウを守りたいではなく?
今、話しているのは、クロウの護衛なのだからクロウを守る力があるかどうか、ではないのか。
「なるほど。」
皇帝が口の端で笑った。
「だから、お前は第四王子部隊の隊長なのか」
それは身分ではなく、私自身の評価。
死ぬためだけの特攻隊の隊長。
子爵家だから選ばれた隊長。
高位貴族の子弟は絶対に選ばれない隊長。
そう思っていたが。
気づかされる。
その言葉に。
私は隊員のことを観察できていない。
何も見えていない。
「お前らは死ぬまで帝国の捕虜をやる気か」
それを敵国の皇帝が言うのか。
帝国が捕虜を解放する気が本当にあるのか。
いや、そもそも。
想いは複雑だ。
自分にこの泥濘から這い出す気はあるのか。
ここは自分の身分を考えなくていい。
帝国の捕虜となり、クロウの救われた命を粗末に扱わないために、生き延びようと思った。
だが、ただ生きているだけになったと言っても過言ではない。
日々流されながら、ここにいる。
「ところで、本当にクロウの護衛をしたいのか?」
先ほどとは違い、軽い口調だ。
「あ、はい」
「あ、私もしてみたいです」
皇帝は副隊長だけに聞いたのかもしれないが、私も手をあげてみる。
何かが変わるきっかけが得られる可能性があるならば。
「ふーん、そうかー」
この反応はただ聞いただけなのか?
副隊長はほんの少し期待する瞳をしているが、実際はどうなのだろう。
クロウの護衛にしてくれる可能性は少なからずあるのだろうか。
「皇帝陛下から聞きましたけど、」
夕食時、すでに食べ始めているクロウが私を見つけ話しかけてきた。
「大教会の修繕をする俺の護衛をやってくれるとか」
「あ、ああ、クロウの助けになるのなら」
「、、、隊長、実際の業務内容、詳細な説明を受けましたか?」
一段と低い声になっているのはセリム。
牽制だろうか。
クロウの横をとるな、クロウを守るのは俺だ、と。
「クロウの護衛をするんだろ」
私が言ったら、セリムが変な顔になった。
それと同時に、クロウが営業スマイルを浮かべた。
この反応で、普通の護衛でないことを私でも悟った。
「ええ、まぎれもなく俺の護衛です」
クロウのこの笑顔が絶対に何かあると伝えている。
笑顔に隠された思惑が限りなく黒い。
「隊長も副隊長も身体強化の魔法は使えますからね。ちょうど良かった」
ちょうど良かった?
口調からも、顔の向きからも、この言葉はセリムに言っている。
「、、、クロウ、何も知らない者には酷だと思うが」
「セリムは酷いことをされていると思っていたのか?」
「俺はクロウと一緒にいられるだけで幸せだし、この上なく嬉しい。しかし、ただ外に出たいと望むだけの者なら、護衛というのは真実を表していないから期待を裏切る行為なのではないか」
こらこら、私の前でイチャつくな。
クロウを口説くのはよそでやりなさい。
「ああ、もちろん、外に出たいがために申し出たことではない。クロウが協力している仕事に対してどのようなものか心配もしているし、それを手伝いたい気持ちも本当だ。ただ、護衛が多ければ多いほどいいとされるような仕事をクロウが任されているとするなら、私はその仕事をきちんと把握して、帝国を見定めたいと思っている」
「なら、俺は帝国が許可を出したのなら特に問題ないと思いま、ん?」
ナナキ料理長が無言でクロウにメモを渡して去っていった。
「ええっと、とりあえず隊長と副隊長は交互に護衛としてつけるそうです」
「つまり、護衛とは名ばかりの護衛を二人体制にするということか。確かに慣れてなければ一日ごとにした方が安全」
おい、セリム、今、護衛とは名ばかりの護衛と言わなかったか?
お前は護衛と称していったい何をしているんだ?
「リーウセンも前線に追加してもらったからありがたいよな。これでさくさく攻略できる」
「リーウセンも帝国に来て、本当に良かったのかわかりかねるが」
セリムのため息まじりの沈む発言。
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