9 / 9
第9話
しおりを挟む
学長室
瑠衣は田所学長に呼ばれていた。
「田所学長、何か御用でしょうか?」
「蓼科教授、君はいつ見ても美しい、本学に咲く大輪の薔薇一輪と言ったところかな?」
「畏れ入ります。ただのアラフォーの医者ですので若い娘には敵いません」
「いや、蓼科教授にはしっとりとした大人の色気がある。私が既婚者でなければ結婚したいくらいだよ」
突然真顔になる田所。
「実は君に紹介したい奴がいてね?
私の医学生時代からの友人の息子なんだが、あの野崎総合病院の跡取りなんだが嫁を紹介してくれと頼まれてね? それで真っ先に蓼科先生のことが浮かんだわけなんだ。どうだろう? 彼は私も認める優秀で人柄もいい。
そして何より金持ちだ。どうだね? 私の顔を立てると思って一度でいいから会ってもらえないだろうか?」
「もったいないお話ですが、私は誰とも結婚するつもりはありません」
「そうか、まあ無理にとは言わんよ、考えておいてくれたまえ。
それから真田外科部長の後任に君を推薦しようと考えているんだ。
蓼科先生なら外科医としても申し分ないし人望もある。
よろしく頼むよ」
「私より適任者は大勢おります。私は外科部長の器ではありません」
「まあそれは私が決める事だよ。学長であるこの私がね?」
田所学長は不適なな笑みを浮かべた。
瑠衣は田所学長に呼ばれていた。
「田所学長、何か御用でしょうか?」
「蓼科教授、君はいつ見ても美しい、本学に咲く大輪の薔薇一輪と言ったところかな?」
「畏れ入ります。ただのアラフォーの医者ですので若い娘には敵いません」
「いや、蓼科教授にはしっとりとした大人の色気がある。私が既婚者でなければ結婚したいくらいだよ」
突然真顔になる田所。
「実は君に紹介したい奴がいてね?
私の医学生時代からの友人の息子なんだが、あの野崎総合病院の跡取りなんだが嫁を紹介してくれと頼まれてね? それで真っ先に蓼科先生のことが浮かんだわけなんだ。どうだろう? 彼は私も認める優秀で人柄もいい。
そして何より金持ちだ。どうだね? 私の顔を立てると思って一度でいいから会ってもらえないだろうか?」
「もったいないお話ですが、私は誰とも結婚するつもりはありません」
「そうか、まあ無理にとは言わんよ、考えておいてくれたまえ。
それから真田外科部長の後任に君を推薦しようと考えているんだ。
蓼科先生なら外科医としても申し分ないし人望もある。
よろしく頼むよ」
「私より適任者は大勢おります。私は外科部長の器ではありません」
「まあそれは私が決める事だよ。学長であるこの私がね?」
田所学長は不適なな笑みを浮かべた。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
すみません、こちらは非公開でお願い致します。
今年もお世話になりました。
体調の影響で特に後半は感想欄にお邪魔することができませんでしたが、数々の世界に触れさせていただき、とても充実した時間を過ごすことができました。いつも、本当にありがとうございます。