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二度目のお出かけ 1
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あの後、手の空いていた聖騎士1人が警備隊の詰所に行って、警備兵を連れて来て場を納めたらしい。
私は泣いてたからね。
事情聴取をして、聖騎士だから疑われはしなかったけど、母親の出血量で生きているのが奇跡だと言われて、ラズが神聖魔法を使って母子を治したことにしたらしい。
嘘つかせて、ごめんね、ラズ。
警備隊に感謝されて教会に帰ったものの、ラズの足元と男を取り押さえた聖騎士の鎧と服に血痕がついていたらしく、すわ何事かと騒ぎになりかけた。
主に大司教様が。
私はすっかりと泣き疲れて寝ていたのだけど、起きたら凄い大司教様に心配された。
「もう、出掛けてはいけません」と言われたが「わたちはじゆうでしゅ」と言ったら引き下がってくれた。
過保護な父親みたいだよ。
でも、心配してくれて、ありがとう。
ラズも「泣かせてしまい申し訳ありませんでした」と跪いて、なかなか顔を上げてくれなかった。
私が勝手に泣いたんだよと言っても、真面目なラズは自分の中で納得できなかったみたいだ。
なんだか、初めの頃のラズに戻ってしまったみたい。
責任なんて感じなくていいんだよ。
そんな晩から一夜明けて次の日。
私は1の鐘で目を覚ました。
起き上がると部屋に控えていたラズが挨拶してくれた。
「おはようございます。サチ様」
「おはようごじゃいましゅ。りゃず」
昨日の場面がよぎって、健やかな目覚めとはいかなかった。
ラズが目が私を探るように見てくる。
水が置いてある机まで飛んで行って、口をすすいで顔を洗う。
うん、私は元気だ! 大丈夫! 昨日の母子も助けられた! うん! いい事をしたんだ。
横にいたラズに抱きつく。
ラズが身体を固くした。
「りゃず、きにょうはありがとう、ごじゃいましゅた。みんにゃげんきでいきてましゅ。わたちたちは、いいことをちたんでしゅ。わりゅいことじゃありましぇん。だからわりゃってくだしゃい。しぜんにゃりゃずがしゅきでしゅよ」
(ラズ、昨日はありがとうございました。みんな元気で生きてます。私達は、良いことをしたんです。悪い事じゃありません。だから笑ってください。自然なラズが好きですよ)
私の言葉を聞いて、ラズは顔をくしゃっと歪ませた。
「いいえ、私は、私は、サチ様のお心を守れませんでした。貴女に消えない傷を残してしまった。許されないことです。あの家に行かなければよかった。お止めするべきだったのです。私は自分が許せません」
「ちがいましゅよ、りゃず。わたちはあにょおやこをたすけりぇて、うりぇちかったのでしゅ。みごりょちにしてたりゃこうかいしましゅた。きにょうはありぇで、しぇいかいだったのでしゅ。だりぇもわりゅくありまちぇん。わりゅいのは、あにょ、おとこだけでしゅ。あとはみんにゃじぇんにん(善人)でしゅ。いいことをしましゅた。わたちもすこしおとにゃににゃりましゅた。りゃずもしぇいちょうしたにょでしゅ。みんにゃおとにゃになりました。こりぇでよかったのでしゅ。りゃずはわりゅくありまちぇんよ。いいこでしゅ。わたちはしっていましゅ。いいこ、いいこ、いいこでしゅ。きにょうはありがとうごじゃいました」
(違いますよ、ラズ。私はあの親子を助けれて、嬉しかったのです。見殺しにしていたら後悔してました。昨日はあれで、正解だったのです。誰も悪くありません。悪いのは、あの、男だけです。あとはみんな善人です。良いことをしました。私も少し大人になりました。ラズも成長したのです。みんな大人になりました。これで良かったのです。ラズは悪く有りませんよ。いい子です。私は知っています。いい子、いい子、いい子です。昨日はありがとうございました)
抱きしめているラズから水が落ちて来た。
見上げると、ラズがボロリと泣いていた。
私が大泣きしたから、自分が悪いと責めていたんだ。
また雫が落ちてきた。
ラズの頭を抱きしめる。
「いいこ、いいこでしゅ。りゃずはいいこでしゅ。いいこはほめりゃれましゅ。りゃずはりっぱでしゅた。いいこ、いいこでしゅ」
ラズの喉からぐうっと音が聞こえた。
「いいこ、いいこでしゅ。りゃずはいいこでしゅ。いいこ」
ラズが泣き止むまで頭を抱きしめていた。
◇◇◇
「申し訳ありませんでした。胸をお借りしてしまって」
私は真っ平で無い胸を見る。
仕方がない幼児だから。
「わたちのむにぇにゃりゃ、いつでもかちましゅ。えんりょにゃくいってくだしゃい」
「いえ、そうそう高貴なお胸をお借り出来ません。気持ちだけいただきます」
私は、また自分の平らな胸を見る。
高貴?
ラズは遠慮しいだな。私の胸なんて安い安い。
ぼいんになるまで18年はあるんだぞ。
自慢のぼいんは今は無いけど。
「りゃず、しょくじにいきましゅ」
「はい、行きましょう」
ラズが抱っこしてくれた。
いつもは飛んでいくけど、今日はこれでいいや。
ラズの体温が温かい。
生きている証拠だ。
私も反省しなきゃな。
聖騎士に危ない場面を全部任せてしまった。
刃物を持った男に突っ込ませてしまった。
自分の行動の結果の責任をとれていない。
聖騎士にも結界が必要だった。
次からは聖騎士にも結界のネックレスをつけてもらおう。
食堂のお誕生日席に座らせてもらうとラズが食事を取りに離れていく。
温かな体温が離れて寂しいと思っちゃう。
幼児の身体はままならないものだな。
心をしっかりと持たないと。
ラズが帰って来て、朝食を食べさせてもらう。
いつもの朝だ。
幸せってこんな時。
平和が1番だ。
大司教様がやって来て私の斜め右の椅子に座ってきた。
ちょっとの間、無言で見つめられる。
視線が痛いくらいだ。
「おはようございます、サチ様」
「ごくん。おはようごじゃいましゅ。だいしきょしゃま」
「サチ様は、つ、つ、つ、次は、いつ、出かけ、られるのですか、な?」
大司教様の顔が引き攣っていて、無理矢理、大丈夫そうな顔を貼り付けているが失敗している。
昨日の事件を引きずっている人が、ここにもいた。
「きょうのおひりゅかりゃ、でかけましゅ」
「きょう!? んんっ! 失礼しました。ご、ご無事の、お帰りをお待ち、しております! 失礼します!」
大司教様はこらえきれない! というふうに去って行った。
大司教様は昨日の事がトラウマになってそうだ。
心配症の父ちゃんだなぁ。
あ、お土産渡し忘れた。
芋だけど。
買った時はいいかなぁと思ったけど、大司教様に芋はないかなぁ。
あげるのやーめた。
「サチ様は、今日も、出かけられるのですか?」
あー。
こっちも拗らせてるようだな。
新しい記憶で上書きするのが一番だ!
「でかけましゅ。てはいをよりょしく、おにぇがいしましゅ」
「かしこまりました。サチ様、あーんです」
「あーん」
朝食を食べ終わったらお風呂に入ることにした。今日は男湯だ。
脱衣所に入るとアメニティグッズが1つも無い。
補充だ! 補充! タオルも無いとはどういう事だ!?
もう、いらん! と言われるぐらいアメニティグッズを詰め込んだ。
これで安心だ。
あ、ラズが裸だ。
私も服を脱がしてもらおう。
シャワーで、まるっと綺麗に洗われたら、昨日の血臭が落ちた気がした。
浴槽に浸かる。
と言うか、翼で浮かぶ。
ふぃー。
ごくらく、ごくらく。
ラズが入ってきたので、隣に並ぶ。
カポーンと音がしたら完璧だったな。
〈ラズを癒せ。ラズを癒せ。〉
「サチ様、何かしましたか?」
「んーん、にゃにもしてにゃいよ」
とぼけてみる。
さて、露天風呂に行くかな。
飛ぼうとしたら、ラズに抱っこされて露天風呂に行く。
は、裸の付き合いじゃー! きゃー!
露天風呂に着いたらお湯に浮かされた。
何がしたかったんだ? ラズは。
バタ足をしてみる。
短い足じゃ溺れているようにしか見えないな。
やめよ。
朝風呂、良い。
ふよふよしてると、また抱っこされた。
もう上がるのかな?
身体を拭かれる。
いつもより丁寧な感じがする。
いつも丁寧だけど。
服を着せてもらったら、鏡の前に行きドライヤーを両手で構える。
いつでもいらっしゃーい、ラズ。
素直に椅子に座っていい子よのう。
温風じゃ!
ラズも慣れてきたのか自分で髪をとかしている。
余裕だな。
髪が乾いたら交代。
あー、頭皮を触られるのって何で気持ちいいんだろ。
あー。
私は泣いてたからね。
事情聴取をして、聖騎士だから疑われはしなかったけど、母親の出血量で生きているのが奇跡だと言われて、ラズが神聖魔法を使って母子を治したことにしたらしい。
嘘つかせて、ごめんね、ラズ。
警備隊に感謝されて教会に帰ったものの、ラズの足元と男を取り押さえた聖騎士の鎧と服に血痕がついていたらしく、すわ何事かと騒ぎになりかけた。
主に大司教様が。
私はすっかりと泣き疲れて寝ていたのだけど、起きたら凄い大司教様に心配された。
「もう、出掛けてはいけません」と言われたが「わたちはじゆうでしゅ」と言ったら引き下がってくれた。
過保護な父親みたいだよ。
でも、心配してくれて、ありがとう。
ラズも「泣かせてしまい申し訳ありませんでした」と跪いて、なかなか顔を上げてくれなかった。
私が勝手に泣いたんだよと言っても、真面目なラズは自分の中で納得できなかったみたいだ。
なんだか、初めの頃のラズに戻ってしまったみたい。
責任なんて感じなくていいんだよ。
そんな晩から一夜明けて次の日。
私は1の鐘で目を覚ました。
起き上がると部屋に控えていたラズが挨拶してくれた。
「おはようございます。サチ様」
「おはようごじゃいましゅ。りゃず」
昨日の場面がよぎって、健やかな目覚めとはいかなかった。
ラズが目が私を探るように見てくる。
水が置いてある机まで飛んで行って、口をすすいで顔を洗う。
うん、私は元気だ! 大丈夫! 昨日の母子も助けられた! うん! いい事をしたんだ。
横にいたラズに抱きつく。
ラズが身体を固くした。
「りゃず、きにょうはありがとう、ごじゃいましゅた。みんにゃげんきでいきてましゅ。わたちたちは、いいことをちたんでしゅ。わりゅいことじゃありましぇん。だからわりゃってくだしゃい。しぜんにゃりゃずがしゅきでしゅよ」
(ラズ、昨日はありがとうございました。みんな元気で生きてます。私達は、良いことをしたんです。悪い事じゃありません。だから笑ってください。自然なラズが好きですよ)
私の言葉を聞いて、ラズは顔をくしゃっと歪ませた。
「いいえ、私は、私は、サチ様のお心を守れませんでした。貴女に消えない傷を残してしまった。許されないことです。あの家に行かなければよかった。お止めするべきだったのです。私は自分が許せません」
「ちがいましゅよ、りゃず。わたちはあにょおやこをたすけりぇて、うりぇちかったのでしゅ。みごりょちにしてたりゃこうかいしましゅた。きにょうはありぇで、しぇいかいだったのでしゅ。だりぇもわりゅくありまちぇん。わりゅいのは、あにょ、おとこだけでしゅ。あとはみんにゃじぇんにん(善人)でしゅ。いいことをしましゅた。わたちもすこしおとにゃににゃりましゅた。りゃずもしぇいちょうしたにょでしゅ。みんにゃおとにゃになりました。こりぇでよかったのでしゅ。りゃずはわりゅくありまちぇんよ。いいこでしゅ。わたちはしっていましゅ。いいこ、いいこ、いいこでしゅ。きにょうはありがとうごじゃいました」
(違いますよ、ラズ。私はあの親子を助けれて、嬉しかったのです。見殺しにしていたら後悔してました。昨日はあれで、正解だったのです。誰も悪くありません。悪いのは、あの、男だけです。あとはみんな善人です。良いことをしました。私も少し大人になりました。ラズも成長したのです。みんな大人になりました。これで良かったのです。ラズは悪く有りませんよ。いい子です。私は知っています。いい子、いい子、いい子です。昨日はありがとうございました)
抱きしめているラズから水が落ちて来た。
見上げると、ラズがボロリと泣いていた。
私が大泣きしたから、自分が悪いと責めていたんだ。
また雫が落ちてきた。
ラズの頭を抱きしめる。
「いいこ、いいこでしゅ。りゃずはいいこでしゅ。いいこはほめりゃれましゅ。りゃずはりっぱでしゅた。いいこ、いいこでしゅ」
ラズの喉からぐうっと音が聞こえた。
「いいこ、いいこでしゅ。りゃずはいいこでしゅ。いいこ」
ラズが泣き止むまで頭を抱きしめていた。
◇◇◇
「申し訳ありませんでした。胸をお借りしてしまって」
私は真っ平で無い胸を見る。
仕方がない幼児だから。
「わたちのむにぇにゃりゃ、いつでもかちましゅ。えんりょにゃくいってくだしゃい」
「いえ、そうそう高貴なお胸をお借り出来ません。気持ちだけいただきます」
私は、また自分の平らな胸を見る。
高貴?
ラズは遠慮しいだな。私の胸なんて安い安い。
ぼいんになるまで18年はあるんだぞ。
自慢のぼいんは今は無いけど。
「りゃず、しょくじにいきましゅ」
「はい、行きましょう」
ラズが抱っこしてくれた。
いつもは飛んでいくけど、今日はこれでいいや。
ラズの体温が温かい。
生きている証拠だ。
私も反省しなきゃな。
聖騎士に危ない場面を全部任せてしまった。
刃物を持った男に突っ込ませてしまった。
自分の行動の結果の責任をとれていない。
聖騎士にも結界が必要だった。
次からは聖騎士にも結界のネックレスをつけてもらおう。
食堂のお誕生日席に座らせてもらうとラズが食事を取りに離れていく。
温かな体温が離れて寂しいと思っちゃう。
幼児の身体はままならないものだな。
心をしっかりと持たないと。
ラズが帰って来て、朝食を食べさせてもらう。
いつもの朝だ。
幸せってこんな時。
平和が1番だ。
大司教様がやって来て私の斜め右の椅子に座ってきた。
ちょっとの間、無言で見つめられる。
視線が痛いくらいだ。
「おはようございます、サチ様」
「ごくん。おはようごじゃいましゅ。だいしきょしゃま」
「サチ様は、つ、つ、つ、次は、いつ、出かけ、られるのですか、な?」
大司教様の顔が引き攣っていて、無理矢理、大丈夫そうな顔を貼り付けているが失敗している。
昨日の事件を引きずっている人が、ここにもいた。
「きょうのおひりゅかりゃ、でかけましゅ」
「きょう!? んんっ! 失礼しました。ご、ご無事の、お帰りをお待ち、しております! 失礼します!」
大司教様はこらえきれない! というふうに去って行った。
大司教様は昨日の事がトラウマになってそうだ。
心配症の父ちゃんだなぁ。
あ、お土産渡し忘れた。
芋だけど。
買った時はいいかなぁと思ったけど、大司教様に芋はないかなぁ。
あげるのやーめた。
「サチ様は、今日も、出かけられるのですか?」
あー。
こっちも拗らせてるようだな。
新しい記憶で上書きするのが一番だ!
「でかけましゅ。てはいをよりょしく、おにぇがいしましゅ」
「かしこまりました。サチ様、あーんです」
「あーん」
朝食を食べ終わったらお風呂に入ることにした。今日は男湯だ。
脱衣所に入るとアメニティグッズが1つも無い。
補充だ! 補充! タオルも無いとはどういう事だ!?
もう、いらん! と言われるぐらいアメニティグッズを詰め込んだ。
これで安心だ。
あ、ラズが裸だ。
私も服を脱がしてもらおう。
シャワーで、まるっと綺麗に洗われたら、昨日の血臭が落ちた気がした。
浴槽に浸かる。
と言うか、翼で浮かぶ。
ふぃー。
ごくらく、ごくらく。
ラズが入ってきたので、隣に並ぶ。
カポーンと音がしたら完璧だったな。
〈ラズを癒せ。ラズを癒せ。〉
「サチ様、何かしましたか?」
「んーん、にゃにもしてにゃいよ」
とぼけてみる。
さて、露天風呂に行くかな。
飛ぼうとしたら、ラズに抱っこされて露天風呂に行く。
は、裸の付き合いじゃー! きゃー!
露天風呂に着いたらお湯に浮かされた。
何がしたかったんだ? ラズは。
バタ足をしてみる。
短い足じゃ溺れているようにしか見えないな。
やめよ。
朝風呂、良い。
ふよふよしてると、また抱っこされた。
もう上がるのかな?
身体を拭かれる。
いつもより丁寧な感じがする。
いつも丁寧だけど。
服を着せてもらったら、鏡の前に行きドライヤーを両手で構える。
いつでもいらっしゃーい、ラズ。
素直に椅子に座っていい子よのう。
温風じゃ!
ラズも慣れてきたのか自分で髪をとかしている。
余裕だな。
髪が乾いたら交代。
あー、頭皮を触られるのって何で気持ちいいんだろ。
あー。
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