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モルート領都にお出かけ 2
焼き鳥を食べ終えた後、また、ふんふんと機嫌良く飛んでいくと、水飴みたいなモノを売っている店があった。
「こりぇ、ふたちゅ、くだしゃい!」
顔を上げて威勢のいい声をあげた女性が驚いた声を出した。
「あいよ! ひぇ! 飛んでる!」
飛んでいるのを見られた瞬間、凄い怯えられたけど、手は動いてる。
壺から木の枝に水飴らしきものをつけて渡してくれる。
「だ、大銅貨1枚です」
ラズに水飴を持ってもらって、お金を払う。
ちょうどだ。
「ありがとうございましゅた」
「へい、まいど」
隅に寄って、ラズから1組貰う。
ねりねりすると白くなってきた。
ねりねり、ねりねり。
「サチ様、こちらはどうなさいますか?」
ラズに、もう1組の水飴を差し出された。
「りゃずにあげましゅ」
驚いていたが、ラズもねりねり。
水飴垂れるもんね。
真っ白になったら舐める。
麦芽糖かな? 素朴で甘くて美味しい。
ラズと2人で舐め舐めするけど、聖騎士がすぐ側にいるから注目される。
だって、銀色? 鈍色? に光る鎧を着ているからね。
動きにくくないかな?
思ったよりスマートだけど。
夏は暑そう。
別の服を着るのかな?
護衛用に紙コップにスポドリを創造して渡す。
きっと汗かいてるよね。
どんぐり飴を無理矢理口に突っ込まれた件で学んだのか、普通に受け取ってくれた。
素直でよいのだよ。
「冷たい」
「美味しい」
「新しい味だ」
喜んで飲んでくれた。
男だけかと思ったら、女性もいるんだよ、聖騎士。
舐め終わった枝を水飴屋のゴミ箱に入れて、またふらふらと飛ぶ。
すると大通りの正面から豪華な馬車がゆっくりと来たので、聖騎士に「こちらへ」と誘導されて隅っこに寄る。
周りに聞き耳を立てると、どうやら領主の息子の嫁(予定)が来たらしい。
ふ~ん、結婚の儀式をする人か。
馬車の中は見えなかった。
馬車が去ったら元の喧騒が戻ってきた。
またふらふらと飛ぶ。
あっちこっち見ていると時期外れだけど、さつまいもに似たふかし芋があった。
この世界では旬なのかな?
「しゅみましぇん。みっちゅくだしゃい」
「飛んでる! あ、ありがとね。大銅貨1枚と銅貨2枚だよ」
やっぱり、初めは驚かれるけど、私の幼児語にツッこむ人はいない。
優しいね。
「大銅貨3枚でおねがいしましゅ」
「銅貨8枚のお返しね。芋は熱いよ。大丈夫かい?」
「だいじょうぶでしゅ。ありがとうごじゃいましゅ」
1個は収納にしまった。
1本を半分にする。
能力でスパッと切れた。
純粋に切れ味が怖いくて腕が少し震えた。
切った芋の半分をラズに渡す。
何か諦めたように貰ってくれた。
うん! ほくほく!
さつまいもみたいかと思ったけど、里芋みたいだ。
美味しい。
もっちゅもっちゅと食べる。
お腹がぽっこりしてきた。
もうそろそろ食べるのやめようかな?
「りゃず、まんじょくしましゅた。かえりましゅ」
「そうですか。帰りましょう」
ラズがホッとした顔で言った。
そんなに出かけるのがストレスだったかな?
それなら、私1人で出かけるのに。
「こんど、でかけりゅときは、りゃずはきょうかいにいて、いいでしゅよ?」
なんか「凄いショックを受けました」みたいな顔でラズが見てくる。
どうしてだろう? ストレスだったんじゃないの?
「私はいりませんか?」
「りゃずはついてきたいでしゅか?」
「はい!」
「じゃあ、つぎもいっちょに、いきましょう」
「はい!」
途端に嬉しそうな顔になった。
教会にいる時より幼く見える。
その方が自然体でいいよラズ。
聖騎士に先導されて帰る。
ふらふら来たから帰り道がわからないからね。
住宅街に入った。
何処からか子供の火がついたような泣き声が聞こえる。
とても悲痛な泣き声だ。
サチの直感が『異常』だと伝えてくる。
これは子守りをした人にしかわからないかもしれない。
「まってくだしゃい。こどもにょにゃきごえのとこりょに、いきましゅ」
みんな戸惑っていたけど、聖騎士が何かを察してくれたのか警戒しながら先導してくれる。
泣き声を聞き分けて、1軒の家の前まで来た。
ずっと子供の泣き声はこの中から聞こえて、泣き止む様子はない。
聖騎士が扉を開けようとするが開かない。
〈扉よ開け!〉
と、能力を使うと、かちゃん、と音が聞こえた。
鍵が取れたので、扉がスムーズに開く。
まずは、異常に蒸れた異臭がした。
家の中は薄暗かったが、そこには血だらけの子供とこれまた血だらけの母親だろう髪の長い倒れた女の人に、血のついた刃物を持った男がいた。
女性の聖騎士がとっさに、飛んで中を見ていた私を抱っこして抱え込んで、もう2人の聖騎士が男を捕らえに家の中に押し入った。
けたたましい音がする。
家の壁に強くぶつかるような音だ。
女性聖騎士が私の目をふさぐ。
きっと惨状を見せない為だろうけど、刺された人を助けなきゃ。
私には創造神様がくれた『何でもできる』能力がある!
私は聖騎士の腕の中から勢いよく能力のままに飛び上がった。
翼をだし、そのまま家の中に突撃する。
男は床取り押さえられていた。
それよりも倒れている血だらけの母親と子供だ!
子供は、まだ泣き喚く元気があるから、女の人からだ!
怪我よ治れ! 元気になれ! 健康になれ!
子供も怪我よ治れ! 元気になれ! 健康になれ!
民間療法しか知らないサチは、傷を治さないといけないとか、造血しないといけないとかの知識しか無く、その他はテレビの医療番組で見た知識があるだけだ。
単純だけど、健康=造血?
ぐらいの知識で能力を使っている。
ほわんと母子が金色の光に包まれた。
サチの小さな手を血だらけの女の人の首に当てる。
どくんどくんと脈拍の音がする。
生きてた、良かった。
子供も確認すると、女の人と同じで力強く脈を打っている。
子供は意識は有るが、顔が腫れてぱんぱんだ。
たくさん泣いた為か、それとも殴られたのか?
ふと、サチの喉が、ひくっとひくついた。
あ、やばい、泣く前兆だ。
泣くな。
現場の迷惑になる。
幼児の身体よ、我慢して。
心に反して、幼児の体は素直だったようだ。
ひくっ、ひくっ。
喉が。
ひくつく体を、抑えられない。
「うぎゃ~~ん! うわ~~ん!」
ラズが慌てて大声を出して泣いた私を抱っこしてくれる。
身体をゆすって宥めてくれるが、子供の身体は思うようにならない。
ショックな出来事に幼い体が驚いて、震えている。
私はただただ、泣いていた。
「こりぇ、ふたちゅ、くだしゃい!」
顔を上げて威勢のいい声をあげた女性が驚いた声を出した。
「あいよ! ひぇ! 飛んでる!」
飛んでいるのを見られた瞬間、凄い怯えられたけど、手は動いてる。
壺から木の枝に水飴らしきものをつけて渡してくれる。
「だ、大銅貨1枚です」
ラズに水飴を持ってもらって、お金を払う。
ちょうどだ。
「ありがとうございましゅた」
「へい、まいど」
隅に寄って、ラズから1組貰う。
ねりねりすると白くなってきた。
ねりねり、ねりねり。
「サチ様、こちらはどうなさいますか?」
ラズに、もう1組の水飴を差し出された。
「りゃずにあげましゅ」
驚いていたが、ラズもねりねり。
水飴垂れるもんね。
真っ白になったら舐める。
麦芽糖かな? 素朴で甘くて美味しい。
ラズと2人で舐め舐めするけど、聖騎士がすぐ側にいるから注目される。
だって、銀色? 鈍色? に光る鎧を着ているからね。
動きにくくないかな?
思ったよりスマートだけど。
夏は暑そう。
別の服を着るのかな?
護衛用に紙コップにスポドリを創造して渡す。
きっと汗かいてるよね。
どんぐり飴を無理矢理口に突っ込まれた件で学んだのか、普通に受け取ってくれた。
素直でよいのだよ。
「冷たい」
「美味しい」
「新しい味だ」
喜んで飲んでくれた。
男だけかと思ったら、女性もいるんだよ、聖騎士。
舐め終わった枝を水飴屋のゴミ箱に入れて、またふらふらと飛ぶ。
すると大通りの正面から豪華な馬車がゆっくりと来たので、聖騎士に「こちらへ」と誘導されて隅っこに寄る。
周りに聞き耳を立てると、どうやら領主の息子の嫁(予定)が来たらしい。
ふ~ん、結婚の儀式をする人か。
馬車の中は見えなかった。
馬車が去ったら元の喧騒が戻ってきた。
またふらふらと飛ぶ。
あっちこっち見ていると時期外れだけど、さつまいもに似たふかし芋があった。
この世界では旬なのかな?
「しゅみましぇん。みっちゅくだしゃい」
「飛んでる! あ、ありがとね。大銅貨1枚と銅貨2枚だよ」
やっぱり、初めは驚かれるけど、私の幼児語にツッこむ人はいない。
優しいね。
「大銅貨3枚でおねがいしましゅ」
「銅貨8枚のお返しね。芋は熱いよ。大丈夫かい?」
「だいじょうぶでしゅ。ありがとうごじゃいましゅ」
1個は収納にしまった。
1本を半分にする。
能力でスパッと切れた。
純粋に切れ味が怖いくて腕が少し震えた。
切った芋の半分をラズに渡す。
何か諦めたように貰ってくれた。
うん! ほくほく!
さつまいもみたいかと思ったけど、里芋みたいだ。
美味しい。
もっちゅもっちゅと食べる。
お腹がぽっこりしてきた。
もうそろそろ食べるのやめようかな?
「りゃず、まんじょくしましゅた。かえりましゅ」
「そうですか。帰りましょう」
ラズがホッとした顔で言った。
そんなに出かけるのがストレスだったかな?
それなら、私1人で出かけるのに。
「こんど、でかけりゅときは、りゃずはきょうかいにいて、いいでしゅよ?」
なんか「凄いショックを受けました」みたいな顔でラズが見てくる。
どうしてだろう? ストレスだったんじゃないの?
「私はいりませんか?」
「りゃずはついてきたいでしゅか?」
「はい!」
「じゃあ、つぎもいっちょに、いきましょう」
「はい!」
途端に嬉しそうな顔になった。
教会にいる時より幼く見える。
その方が自然体でいいよラズ。
聖騎士に先導されて帰る。
ふらふら来たから帰り道がわからないからね。
住宅街に入った。
何処からか子供の火がついたような泣き声が聞こえる。
とても悲痛な泣き声だ。
サチの直感が『異常』だと伝えてくる。
これは子守りをした人にしかわからないかもしれない。
「まってくだしゃい。こどもにょにゃきごえのとこりょに、いきましゅ」
みんな戸惑っていたけど、聖騎士が何かを察してくれたのか警戒しながら先導してくれる。
泣き声を聞き分けて、1軒の家の前まで来た。
ずっと子供の泣き声はこの中から聞こえて、泣き止む様子はない。
聖騎士が扉を開けようとするが開かない。
〈扉よ開け!〉
と、能力を使うと、かちゃん、と音が聞こえた。
鍵が取れたので、扉がスムーズに開く。
まずは、異常に蒸れた異臭がした。
家の中は薄暗かったが、そこには血だらけの子供とこれまた血だらけの母親だろう髪の長い倒れた女の人に、血のついた刃物を持った男がいた。
女性の聖騎士がとっさに、飛んで中を見ていた私を抱っこして抱え込んで、もう2人の聖騎士が男を捕らえに家の中に押し入った。
けたたましい音がする。
家の壁に強くぶつかるような音だ。
女性聖騎士が私の目をふさぐ。
きっと惨状を見せない為だろうけど、刺された人を助けなきゃ。
私には創造神様がくれた『何でもできる』能力がある!
私は聖騎士の腕の中から勢いよく能力のままに飛び上がった。
翼をだし、そのまま家の中に突撃する。
男は床取り押さえられていた。
それよりも倒れている血だらけの母親と子供だ!
子供は、まだ泣き喚く元気があるから、女の人からだ!
怪我よ治れ! 元気になれ! 健康になれ!
子供も怪我よ治れ! 元気になれ! 健康になれ!
民間療法しか知らないサチは、傷を治さないといけないとか、造血しないといけないとかの知識しか無く、その他はテレビの医療番組で見た知識があるだけだ。
単純だけど、健康=造血?
ぐらいの知識で能力を使っている。
ほわんと母子が金色の光に包まれた。
サチの小さな手を血だらけの女の人の首に当てる。
どくんどくんと脈拍の音がする。
生きてた、良かった。
子供も確認すると、女の人と同じで力強く脈を打っている。
子供は意識は有るが、顔が腫れてぱんぱんだ。
たくさん泣いた為か、それとも殴られたのか?
ふと、サチの喉が、ひくっとひくついた。
あ、やばい、泣く前兆だ。
泣くな。
現場の迷惑になる。
幼児の身体よ、我慢して。
心に反して、幼児の体は素直だったようだ。
ひくっ、ひくっ。
喉が。
ひくつく体を、抑えられない。
「うぎゃ~~ん! うわ~~ん!」
ラズが慌てて大声を出して泣いた私を抱っこしてくれる。
身体をゆすって宥めてくれるが、子供の身体は思うようにならない。
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私はただただ、泣いていた。
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