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結婚の儀式の相談 1
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サチは自然に目が覚めた。
大きなあくびをしてゴロゴロする。
もうちょっとだけまどろんでいたい。
小さな、ほんとに小さな笑い声が聞こえた。
むにむにと起き上がったらラズがいた。
ラズが笑ったの?
「サチ様、おはようございます。良い天気ですよ」
「りゃず、おはようごじゃいましゅ。しょとにいけましゅね」
柔らかかったラズの顔が困り顔になった。
まだ、お出かけに忌避感があるか。
昨日で記憶の上書きはできなかったか。
ラズが首に守りのネックレスをつけてくれている。
嬉しいな。
チェーン部分はイメージしなかったからプラチナだと思うんだけどな。
ラズの前に飛んで行ってネックレスに手をかざす。
〈ラズを守ってくれますように〉
「サチ様?」
「かおをありゃいましゅ」
机に飛んで水で口をすすいでから、顔を洗う。
ラズが布を渡してくれたので、顔を拭く。
鐘の音が聞こえた。
1の鐘だ。
みんなが目を覚ます。
「朝食に行きますか?」
「いきましゅ」
飛んでいる私をラズが捕まえて抱っこした。
過保護め。
ラズの胸に顔を埋める。
うん、男の人。
柔らかくない。
幼児の身体が乳を求める。
母性がね、欲しいんだ。
父性もいいけどね。
食堂に着いたら、いつもより人が少なかった。
鐘が鳴ったばかりだからだろう。
大司教様が来た。
大司教様はいつも朝が早い。
今日の大司教様は機嫌が良さそうだ。
「おはようございます、サチ様。いい朝ですな」
「だいしきょしゃま、おはようごじゃいましゅ」
「今日は一緒に食事が出来ますな。嬉しいです」
「いっしょでしゅ」
食事を持ってラズが来た。
ラズも大司教様に挨拶している。
今日のごはんはすいとん? 食べてみればわかるか。
「サチ様、あーん」
「あーん」
小麦粉を練った物だろう。
もっちもっちしてて美味しい。
「サチ様、今日の午後は礼拝堂で結婚の儀式の練習をしましょう。大丈夫。すぐに覚えられます」
「もちゃもちゃごくん。わかりました。りぇんしゅうしましゅ」
「勤勉でよろしいですな」
「サチ様、あーん」
「あーん」
朝食を食べたら礼拝堂で大司教様とラズとなむなむとお祈りする。
大司教様のお祈りはいつも長い。
私よりもずっと使徒みたい。
だから創造神様も近くに落としてくれたのかな? 実際に神託を大司教様は賜った。
まぁ、私が孤児院にいたからだけど。
午前は先生とお勉強。
休憩にラズと先生と3人でチーズケーキを食べる。
ふわっとしたのじゃないよ。
しっとりぺったりしたの。
おいしいんだ。
先生とラズも「新しい味だ」と食べていたよ。
もちろんホールだから、腹に溜まる。
昼食を食べたら、大司教様と礼拝堂へ。
信者の方々が、大司教様を見て「ありがたや。ありがたや」ってしてた。
すみません、ちょっとお邪魔します。
私はちゃんと翼を隠す為にマントを着てるよ。
「はじめはですな、結婚の儀式を受ける2人と親類縁者がそこのあたりに立っています。主役の2人だけ祭壇の前に来るので、そこでサチ様の出番です。祭壇に出て『神に誓うは結婚の儀。そこに偽りはあらんや』と問いかけます。主役の2人はそれぞれに誓いの言葉を述べます。それを『許す。汝らに幸あれ』と締めくくります。流れはいいですか?」
「たぶん」
「ちょっと難しかったですかな? それでは言葉の練習をしましょう。『神に誓うは結婚の儀』はい、言ってください」
「かみにちかうはけっこんのぎ」
「そうです。『そこに偽りはあらんや』はい」
「しょこにいちゅわりはありゃんや」
「ちょっとだけ、頑張ってみましょうか。『そこに偽りはあらんや』はい」
「そ! こにいつ! わりはあら!んや」
「う~ん、それでいいでしょう。『許す。汝らに幸あれ』です。はい」
「ゆりゅしゅ。にゃんじりゃにしゃちありぇ」
「う~ん、難しかったですか。もうちょっと噛まずに言えますか?」
「ゆ!る!す!な!ん!じ!ら!に!はぁ、さ!ち!あ!れ!」
「う~ん、惜しい。もうちょっとですな。あとは入場の練習をしましょうか。私とラズが主役の2人をしますから」
入場と退場の練習をした。
が、これは安請け合いをしてしまったかもしれない。
言葉を噛まずに話せないぞー!
問題は暗礁に乗り上げた。
大司教様も微妙な顔してたし。
◇◇◇
部屋に戻ってベッドにダイブ。
靴はラズが脱がせてくれる。
分かりやすく落ち込んでいる私に、ラズは言葉もないようだ。
そら落ち込むよ! 何だよ最後の「にゃんじりゃにしゃちありぇ」って。
言葉かよ! 宇宙語だよ! 主役の2人が笑っちゃうよ。
それか儀式を台無しにしたって怒るよ!
一生に一度だよ? 後から思い出して泣くわ!
魔道具屋で買ってきたウサギちゃんを抱きしめる。
む~ん、癒し……。
ぐぅ。
◇◇◇
起きたら夕方だった。
明日やる事が出来た。
本番で失敗する訳にはいかない。
がんばるぞ! おー! ラズに根回ししておく。
◇◇◇
次の日の午後。
聖騎士に守られて馬車で走っております。
馬車に乗っているのは、ラズと私。
ラズの膝の上に、ちょこんと座っているよ。
振動が来ないように。
向かうは領主館。
たのもー!
ラズに先触れは出してもらったから大丈夫!
突撃! 領主館!
領主館の門を無事に通過して、領主館の前に馬車が停止する。
『使徒様! 領主館に到着でございます!』
外から声をかけられたので、ラズが馬車の鍵を外すと外からドアが開かれた。
ラズに抱っこされて馬車から降りる。
領主館の玄関には初老の男性が控えていて、私達に深々とお辞儀をしてくれた。
「ようこそいらっしゃいました、スメラギ様。我が主の元へご案内いたします」
「よろちくおにぇがいしましゅ」
「はい。それでは、わたくしについて来てくださいませ」
「はい!」
ラズが私を抱っこしたまま執事らしき男性について行く。
過保護がまだ発動しております。
どうしたラズ?
執事が一つの扉の前でノックした。
領主館の護衛が扉の前に立って、私達をじっと見ていた。
「スメラギ様がご到着いたしました! 入室してもよろしいでしょうか!?」
『よい! 入れ!』
「失礼します! さぁ、どうぞ、スメラギ様お入りくださいませ」
扉を開けて道を譲ってくれる執事らしき男性。
優しい。
でもね、扉越しの取り次ぎって叫ばないと聞こえないのね。
「ありがとうございましゅ」
さて、領主と相談だ。
大きなあくびをしてゴロゴロする。
もうちょっとだけまどろんでいたい。
小さな、ほんとに小さな笑い声が聞こえた。
むにむにと起き上がったらラズがいた。
ラズが笑ったの?
「サチ様、おはようございます。良い天気ですよ」
「りゃず、おはようごじゃいましゅ。しょとにいけましゅね」
柔らかかったラズの顔が困り顔になった。
まだ、お出かけに忌避感があるか。
昨日で記憶の上書きはできなかったか。
ラズが首に守りのネックレスをつけてくれている。
嬉しいな。
チェーン部分はイメージしなかったからプラチナだと思うんだけどな。
ラズの前に飛んで行ってネックレスに手をかざす。
〈ラズを守ってくれますように〉
「サチ様?」
「かおをありゃいましゅ」
机に飛んで水で口をすすいでから、顔を洗う。
ラズが布を渡してくれたので、顔を拭く。
鐘の音が聞こえた。
1の鐘だ。
みんなが目を覚ます。
「朝食に行きますか?」
「いきましゅ」
飛んでいる私をラズが捕まえて抱っこした。
過保護め。
ラズの胸に顔を埋める。
うん、男の人。
柔らかくない。
幼児の身体が乳を求める。
母性がね、欲しいんだ。
父性もいいけどね。
食堂に着いたら、いつもより人が少なかった。
鐘が鳴ったばかりだからだろう。
大司教様が来た。
大司教様はいつも朝が早い。
今日の大司教様は機嫌が良さそうだ。
「おはようございます、サチ様。いい朝ですな」
「だいしきょしゃま、おはようごじゃいましゅ」
「今日は一緒に食事が出来ますな。嬉しいです」
「いっしょでしゅ」
食事を持ってラズが来た。
ラズも大司教様に挨拶している。
今日のごはんはすいとん? 食べてみればわかるか。
「サチ様、あーん」
「あーん」
小麦粉を練った物だろう。
もっちもっちしてて美味しい。
「サチ様、今日の午後は礼拝堂で結婚の儀式の練習をしましょう。大丈夫。すぐに覚えられます」
「もちゃもちゃごくん。わかりました。りぇんしゅうしましゅ」
「勤勉でよろしいですな」
「サチ様、あーん」
「あーん」
朝食を食べたら礼拝堂で大司教様とラズとなむなむとお祈りする。
大司教様のお祈りはいつも長い。
私よりもずっと使徒みたい。
だから創造神様も近くに落としてくれたのかな? 実際に神託を大司教様は賜った。
まぁ、私が孤児院にいたからだけど。
午前は先生とお勉強。
休憩にラズと先生と3人でチーズケーキを食べる。
ふわっとしたのじゃないよ。
しっとりぺったりしたの。
おいしいんだ。
先生とラズも「新しい味だ」と食べていたよ。
もちろんホールだから、腹に溜まる。
昼食を食べたら、大司教様と礼拝堂へ。
信者の方々が、大司教様を見て「ありがたや。ありがたや」ってしてた。
すみません、ちょっとお邪魔します。
私はちゃんと翼を隠す為にマントを着てるよ。
「はじめはですな、結婚の儀式を受ける2人と親類縁者がそこのあたりに立っています。主役の2人だけ祭壇の前に来るので、そこでサチ様の出番です。祭壇に出て『神に誓うは結婚の儀。そこに偽りはあらんや』と問いかけます。主役の2人はそれぞれに誓いの言葉を述べます。それを『許す。汝らに幸あれ』と締めくくります。流れはいいですか?」
「たぶん」
「ちょっと難しかったですかな? それでは言葉の練習をしましょう。『神に誓うは結婚の儀』はい、言ってください」
「かみにちかうはけっこんのぎ」
「そうです。『そこに偽りはあらんや』はい」
「しょこにいちゅわりはありゃんや」
「ちょっとだけ、頑張ってみましょうか。『そこに偽りはあらんや』はい」
「そ! こにいつ! わりはあら!んや」
「う~ん、それでいいでしょう。『許す。汝らに幸あれ』です。はい」
「ゆりゅしゅ。にゃんじりゃにしゃちありぇ」
「う~ん、難しかったですか。もうちょっと噛まずに言えますか?」
「ゆ!る!す!な!ん!じ!ら!に!はぁ、さ!ち!あ!れ!」
「う~ん、惜しい。もうちょっとですな。あとは入場の練習をしましょうか。私とラズが主役の2人をしますから」
入場と退場の練習をした。
が、これは安請け合いをしてしまったかもしれない。
言葉を噛まずに話せないぞー!
問題は暗礁に乗り上げた。
大司教様も微妙な顔してたし。
◇◇◇
部屋に戻ってベッドにダイブ。
靴はラズが脱がせてくれる。
分かりやすく落ち込んでいる私に、ラズは言葉もないようだ。
そら落ち込むよ! 何だよ最後の「にゃんじりゃにしゃちありぇ」って。
言葉かよ! 宇宙語だよ! 主役の2人が笑っちゃうよ。
それか儀式を台無しにしたって怒るよ!
一生に一度だよ? 後から思い出して泣くわ!
魔道具屋で買ってきたウサギちゃんを抱きしめる。
む~ん、癒し……。
ぐぅ。
◇◇◇
起きたら夕方だった。
明日やる事が出来た。
本番で失敗する訳にはいかない。
がんばるぞ! おー! ラズに根回ししておく。
◇◇◇
次の日の午後。
聖騎士に守られて馬車で走っております。
馬車に乗っているのは、ラズと私。
ラズの膝の上に、ちょこんと座っているよ。
振動が来ないように。
向かうは領主館。
たのもー!
ラズに先触れは出してもらったから大丈夫!
突撃! 領主館!
領主館の門を無事に通過して、領主館の前に馬車が停止する。
『使徒様! 領主館に到着でございます!』
外から声をかけられたので、ラズが馬車の鍵を外すと外からドアが開かれた。
ラズに抱っこされて馬車から降りる。
領主館の玄関には初老の男性が控えていて、私達に深々とお辞儀をしてくれた。
「ようこそいらっしゃいました、スメラギ様。我が主の元へご案内いたします」
「よろちくおにぇがいしましゅ」
「はい。それでは、わたくしについて来てくださいませ」
「はい!」
ラズが私を抱っこしたまま執事らしき男性について行く。
過保護がまだ発動しております。
どうしたラズ?
執事が一つの扉の前でノックした。
領主館の護衛が扉の前に立って、私達をじっと見ていた。
「スメラギ様がご到着いたしました! 入室してもよろしいでしょうか!?」
『よい! 入れ!』
「失礼します! さぁ、どうぞ、スメラギ様お入りくださいませ」
扉を開けて道を譲ってくれる執事らしき男性。
優しい。
でもね、扉越しの取り次ぎって叫ばないと聞こえないのね。
「ありがとうございましゅ」
さて、領主と相談だ。
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