1歳児天使の異世界生活!

春爛漫

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二度目のお出かけ 4

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 知らない宝石を複製し終わったら、宝石の原石の支払いをした。
 んー、手持ちのお金が少なくなっちゃった。
 また、宝石、売ろうかな?

 よし、このお店の名前でもある『アレキサンドライト』を売ろう。
 不思議だなぁ。
 この世界にもアレキサンドライトがあるのかなぁ。

 アレキサンドライトは1ct・1000万もする宝石だ。
 それなら50ctぐらいでいいかな?

 〈いでよ! 50ctのアレキサンドライト!〉

 大きな宝石が手の中に現れた。
 綺麗だ。
 私も欲しい。
 いやいや、帰ってからにしよう。

「てんしゅ、ほうしぇきを、うりたいにょでしゅが、いいでしゅか?」

「もちろんですとも! いや、以前もっていらした宝石が素晴らしかったので、実はちょっと期待していたのですよ。
 鑑定士を呼びますので、少しお待ちください」

 そそくさと店主が奥に行った。

 お姉さんがお茶とお菓子を持って来てくれた。

 お礼を言うと、また、にこりと微笑んで去って行った。

 お菓子を手に取る。
 クッキーだ。
 小さな体だと、普通のクッキーが大きく見える。
 バリッと食べると少し硬いが美味しい。
 自然の味だ。
 ラズにも食べるように勧める。
 遠慮しながらも食べてくれた。
 歩いて疲れてるだろうからね。
 聖騎士達の分は無いのだ。
 ごめんよ。

 ぼりぼりと食べてると鑑定士のステラさんが来た。

「失礼します。鑑定士のステラ・ウィルです。鑑定の準備をしますので、しばしお待ちください」

 この間のように準備しだした。
 宝石を鑑定してみて分かったのは、宝石名と値段、産出国などは分かるけども、宝石についている傷はあまり考慮されない。
 きっと顕微鏡などを作る技術が発達して無いから、肉眼で見えるキズしかわからないのだろう。

 私が作ったアレキサンドライトを鑑定してみるが、名前も産出国も価値も出ない。
 この世界でまだ認められていないからだろう。
 だからピジョンブラッドを売った時に名前を聞いてきたんだ。
 だから、あの宝石の価値はステラさんがつけたってこと。
 それが、この世界に認められて価値になった。
 そういうことだと思う。

 でも、不思議。
 この店の店名、誰がつけたんだろうか?

「準備が出来ました。宝石はどなたがお持ちでしょうか?」

 ラズに渡してから、ステラさんに渡してもらう。
 ステラさんが驚いたように宝石を見る。
 アレキサンドライトは特殊な光を当てて見る角度で色が変わる宝石だ。
 面白いだろう。

 ステラさんが布で磨いてまた見る。
 不思議そうだ。

「失礼します。私の知識に無い宝石ですので、名前を教えていただけますでしょうか?」

「ありぇ……。あ! れ! き! さ! ん! ど! ら! い! と! でしゅ。ふーっ、ちゅかれた」

 あ、気が抜けて幼児言葉がでてしまった。
 ステラさんは驚愕した顔をしている。
 店名と同じだったからかな? 宝石を慎重に机の上にある布に置いて、店の奥を振り返った。

「失礼します! 店主を呼んで参ります!」

 凄い慌てて、店の奥に行った。
 すぐに店主とステラさんが来た。

「アレキサンドライトの宝石が見つかったと!? おお! これが!」

 店主が感動したように宝石を手に取って眺める。
 その顔はとても眩しい物を見る目だ。
 店主の目から涙がひとすじ流れた。

「おお、失礼しました。先祖が残した手記にアレキサンドライトの特徴が書かれていて、そのままだと感激してしまいました。ステラ、鑑定をお願いします」

「はい!」

 この世界には無かったはずのアレキサンドライトを知っていて店名にした。
 私みたいな地球人が過去に居たのかもしれないな。

 ステラさんも興奮したように鑑定している。
 また汗が出てる。
 汗っかきなのかもしれないな。

 硬いクッキーのお菓子をぼりぼりと食べる。
 私の歯、頑丈だな。
 ラズはそんな凄い宝石なのかって目で見てる。
 そうなんだよ。
 希少なんだよ。
 私は作れちゃうけどね。

 ラズに大人用のカップに入っているお茶をおねだりする。
 ゆっくりと飲ませてくれた。
 むふん、いいですなぁ。
 優雅だ。

 ステラさんは心ゆくまで眺めたのだろう。
 満足そうな顔をしている。
 宝石を布の上に置いた。

「素晴らしい宝石でした。カットに石の価値。何処に出しても劣らないでしょう。お値段、ミスリル貨7枚の値をつけたいと思います。いかがでしょうか?」

 驚いた。
 地球より高い価値をつけてくれた。
 こちらはそれで満足だ。

「しょれで、おにぇがいしましゅ」

「かしこまりました。金銭の準備をして参ります。しばらくお待ちください」

 店主が店の奥に行った。
 ステラさんは、まだ宝石を見ている。
 本当に宝石が好きなんだなぁ。
 親近感を覚える。

 同じ鑑定士として、宝石の価値を間違わずに鑑定出来るその心と信頼と宝石愛にこの宝石を送ろう。
 正しい行いをしたら守ってくれる。

 〈いでよ! エメラルドのネックレス! チェーンはミスリルでね。〉

 石は10ctぐらい。
 石言葉は幸福・誠実。
 私公認の鑑定士に渡そうかな? ペンダントのうらには白い翼。
 私の印だ。
 その下に『ステラ』の名前。
 持ち主が分かるように。

「しゅてりゃしゃん。す! て! ら! しゃん、こりぇあげましゅ。わたち、こうにんのかんていしにょ、あかしでしゅ。いしことばは、こうふく・せ!いじつでしゅ」

 どこで言葉を噛むのか、大体わかってきたぞ。

「わ、私にですか!? もったいない。大丈夫ですよ。気を使っていただかなくても」

「サチ様、公認の鑑定士の証を受け取れないとでも?」

 ラズが冷たく睨みをきかせる。
 サチには見えないが聖騎士も睨みをきかせている。

「ひぇえ、い、いただきます! ありがとうございます!」

 サチは、むふーっと満足の鼻息が出た。

 あ、自分勝手な押し付けだって?
 ちみぃ、ちょっと考えてくれたまえよ?
 『創造神の使徒』が創造した『エメラルドのネックレス』だよ?
 家族が困った時に売ったら、それは凄い鑑定結果と値段になると思わないかい? 私なら思う。
 もうね、教会にでも売ったらひと財産稼げるよ?
 これはね、いざと言う時の保険だから良いのだよ。

 初めは恐々としていたステラだったが、だんだんと宝石に魅入られてきた。
 また興奮している。
 血圧は大丈夫だろうか?

 ネックレスをしまうケースも創造して、ラズに渡してもらう。
 ステラさんは、いそいそとケースにネックレスをしまった。

 店の奥から店主が来た。

「お待たせいたしました。ミスリル貨7枚でございます。お確かめくださいませ」

「ちょうどあります。さ、サチ様、お金をしまってください」

 収納にしまう。
 お茶もお菓子も無くなった。

「ありがとうごじゃいましゅ。りゃず、かえりましゅ」

「はい、帰りましょう。それでは、帰ります。失礼します」

 ラズが私を抱っこしてくれた。
 重くないかな?

「はい! ありがとうございました! アレキサンドライトは家宝にいたします! またのお越しをお待ちしております」

 アレキサンドライトが家宝になった。
 凄い出世だ。

 聖騎士に先導されて店を出て、教会に帰る。
 今日も楽しかった。
 明日はどうしようかな?

 ちょっと、うとっとしたら、教会に着いていた。
 礼拝堂をラズに抱っこされて移動していると、ものすごい勢いでダッシュした人がいた。
 危ないよ。
 あれは司教の服だな。
 混んでいる風呂場を過ぎて、居住区を進んで行くと、息をきらせた大司教様が来た。
 ん? なんか、用事だったかな?

「はぁはぁ、サチ様、はぁ、今日の外出はいかがでしたかな?」

 大司教様が息を荒げながらも平静を保とうとして、微妙な顔になっている。

「たにょしかったでしゅ」

「そうですか。何もトラブルはなかったか? ラズ」

「何事もなく帰ってまいりました」

「それはよかった。サチ様、一般の人が帰りましたら、今日は女湯にお入り下さい。5の鐘がなりましたら風呂が空きますので」

「わかりましゅた」

「それでは失礼します」

 大司教様は去って行った。
 ふあーあぁ。
 でかいあくびがでちゃった。
 あ、トイレいきたい。
 部屋まで我慢だ。

「りゃず、といりぇにいきたいでしゅ」

「それでは、急いで部屋に帰りましょう」

 無事に何事もなく帰って来た。
 お風呂を先に入ろうか? 夕食を食べようか悩むなぁ。
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