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モツ美味しい
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昼食を食べる店を探して、武器屋の店主に聞いた店に入ると人で賑わっていた。
人気店のようだ。
4人座れる席に案内してもらって、メニューを見るけど、料理名を見ても全然どんな料理かわかんない。
「サチ様は何を食べますか?」
「てんしゅのおしゅしゅめで」
「店主のおすすめですね。ちょっと! そこの方! 注文いいですか?」
エレナが勢いよく女性店員さんに声をかけてくれる。
「はいよ!」
机にメニューを聞きに来てくれた女性に、結局みんな『店主のおすすめ』メニューにしたらしい。
一般的に外れ料理が無いからだって。
少しの間待っていると、料理が出来上がっていたのでは? 思うほど早くに料理が来た。
「はい! おまちぃ!」
威勢のいい掛け声に合わせて料理が次々に置かれると、ゴロゴロといろんな野菜とモツが煮込まれたモツ煮がドンドンドンと置かれた。
もちろんだがサチの料理も一人前だ。
……全部の料理を食べられるのだろうか?
いつも子供用に用意された料理ばかりだったから。
サチはそんなの関係ねぇ! とばかりに「おお! 多い! それにパンがついてる」と、キラキラした目でパタパタと飛んで料理を眺めた。
幸いにも、店の中の人達は自分達の世界に入っていて周りを気にしていないようだ。
サチは熱々のモツ煮をカトラリーを能力で浮かせながら食べる。
おーいしー! この世界でもモツって食べられるんだ。
スプーン5つ用意して冷ましながら順番にサチが食べていると、店内の客が気づいた。
男が仲間に驚いたように告げている。
「おい! スプーンが浮いてるぞ! 魔法か?」
「本当だ、浮いてる」
「すげー」
隣の席の男性達から伝播したように客や店員が気がつき始めた。
わぁお、大注目!
幼い私の口に入るスプーンに、客が気軽に「誰がやってんだよ?」と聞いてきたから、サチはイタズラでスプーンを客の顔に飛ばした。
もちろん寸止めだ。
でも客にはそれで十分だったらしい。
「能力のこと聞くのは御法度だよな。すまん」と謝ってくれた。
本当は良い人なんだろな。
こちらこそ私がやったと言えんですまん。
それからは静かに食べた。
美味しいから店主と料理の持ち帰りの交渉をしたいとラズに伝える。
食べ終わったカイザーが代わりに交渉してくれるそうだ。
まかせたぞ、カイザー、旅の食事は君にかかっている。
いや、大司教様にお願いして教会で作ってくれた料理もあるけどね。
サチは結局、大人1人分ぺろりと食べてしまってラズにお腹の心配をされた。
まん丸でぽんぽこりんだけど大丈夫!
それよりもトイレに行きたい。
店主に場所を借りておうちを出す。
4人みんなでついでにトイレに行く。
私はおまるで、みんなは用を済ませて早く出て来た人に服の着脱を手伝ってもらう。
幼児だからね。
スッキリした私達は食事のお代を支払って、明日からなら鍋1つ多めに作るから代金と引き換えに料理を作ってくれるって。
やったね! 五日分の鍋の割符を5枚貰って先払いする。
こういう注文がお店にたまにあるんだって。
「ご馳走様」を全員で言って店を出た。
今から、店主に聞いた「作り置き」してくれる料理屋をまわってみるつもり。
旅の食事は楽しみでっせ。
◇◇◇
10軒ほどまわって、全部作ってくれるって。
嬉しい嬉しい。
料理の受け取りはマジックバッグを持ったカイザーに任せることに。
今からは冒険者ギルドに行く。
カイザーとエレナが倒した魔物と私が倒したゴルダン4匹の買い取りをしてもらうためだ。
あの村の森にいたゴリラみたいなのの子供4体ね。
あとは車の運転中に出てきた魔物をカイザーとエレナが倒したり轢いたりしたから、それもね。
大きい冒険者ギルドに入ると冒険者が3組ほどいた。
昼間なので他の冒険者はまだ仕事だろう。
カウンターに行って素材の買い取りをラズにお願いしてもらう。
それと、素材を分けて金銭を獲物ごとに欲しいとも言ってもらう。
カイザーとエレナが倒した魔物の分は2人のお金になるからね。
狩った獲物が大きいし多いと説明すると解体場に案内される。
まずはカイザーの狩った魔物を出す。
次はエレナの狩った魔物を纏めて、最後にゴルダンを出したいのだけれど、解体場に入らない。
「かいたいじょうに、はいりましぇん」
サチは「どうしよう?」と困った顔をした。
かわええ。
「えっ! 本当ですか?」
解体主さんは飛んでいる幼児の言った事を馬鹿にせずに真面目に聞いてくれた。
「にかいにょいえほどありゅ、ごる!だんが4匹ありましゅ」
「2階建ての家ほどあるゴルダンが4匹あるそうです」
ラズ、いつも通訳をありがとうねぇ。
「はあ、それじゃあ裏に出してください」
解体場の裏側にも魔物を出せるスペースがあるらしい。
「ごりゅだん、たべりぇましゅか?」
「は、はい、食べれます。珍しい肉ですよ。まったりもったりしています」
さすが解体のプロだ。
味の説明までしてくれる。
「にくはひきとりましゅ」
「はあ、そうですか。残念ですね」
美味しいの? ゴルダン?
建物の裏に案内された。
ゴルダンの胴体を4匹と、サチが吹っ飛ばした頭も4つ出す。
「これは! 凄いですよ! 身体の毛皮がまるまる取れます!」
解体主がゴルダンの首がない胴体を4つ見て興奮した声を出している。
かなり状態が良いようだ。
「かいたいは、いつできましゅか?」
「う~ん、明日の朝になりますね。それで他にはありますか?」
「にゃいでしゅ」
「では、戻りましょうか。待合室への帰り道は分かりますか?」
「わかる。私達が連れて行く」
「お願いします。私は解体責任者にゴルダンの事を伝えなければいけないですから」
解体の人と別れて付いていてくれた受付の人と戻る。
待合室に着いたら冒険者の人が増えていたので、邪魔にならないように椅子に腰掛けて、トモモの果汁ジュースを人数分サチの能力で出して各々、飲む。
受付の人は何か手続きをしに行った。
「冒険者ギルドに入ったのは初めてだな。エレナは?」
「私も初めてですね。もしかしてラズも?」
「初めてです。唯一の経験者がサチ様とは意外でしたね」
「むふー。にかいめでしゅ」
サチは本物の1歳児よりも小さな身体で威張る。
顔は得意気だ。
「なんかなー、いばられてもなー、可愛いだけだよな」
ちょっと雑なカイザーが突っ込む。
「むふー。かわいいでしゅ」
サチはこの地に降り立った時に鏡で自分を見ているので、1歳児の神が金髪でくりんくりんしていて自分の顔が可愛かったのを知っている。
「自覚しているのも何かなー」
「にゃんでしゅか!? かいじゃーは!?」
そこは肯定するところじゃないかとサチはカイザーに抗議する。
「んー、別にー?」
「ふむむ!」
「4番の方はいらっしゃいますかー!」
「私達です。行きましょう」
サチはカウンターまで飛んでいく。
受付さんの顔が引き攣った。
さっきの担当の人と違う人だから飛んでいるサチを見てどんな反応をしていいのか困ったようだ。
「魔物ごとにお金を分けてほしいとの事でしたので、内訳がこちらになります。お確かめください」
紙に書かれた小物の魔物の明細と、分けておいた魔物のお金が三等分されている。
「これは、かいじゃーでしゅ。こっちはえりぇにゃでしゅ。もりゃってくだしゃい」
サチが「受け取りなさい」とカイザーとエレナにお金を取るように促す。
「いいのか? サチ様?」
「いいんでしゅ」
「サチ様、ありがとう!」
カイザーとエレナは喜んでお金を受け取った。
臨時収入だ。
「あとのお預かりの魔物は明日の朝になります。また、おいでください」
「ありがとうごじゃいました」
仕切っていたのが飛んでいる幼児のサチだったので、不思議そうな顔で受付さんに見送られた。
サチ達は冒険者ギルドを出た。
夕方に差し掛かるいい時間だ。
教会に帰ろう。
「きょうかいに、かえりましゅ」
「そうですね。帰りましょうか」
カイザーとエレナが前後に着く。
飛んでいる私を見て驚く人達を見渡す。
これが、この街の日常か。
いや、私がいるから非日常かも。
明日もまたここに街に出る。
村の人を食べたゴルダンの肉は食べたくなかったが、その子供達だ。
どんな肉かな? と期待が高まる。
まったりもったりって、どんな味?
私達は教会に帰った。
人気店のようだ。
4人座れる席に案内してもらって、メニューを見るけど、料理名を見ても全然どんな料理かわかんない。
「サチ様は何を食べますか?」
「てんしゅのおしゅしゅめで」
「店主のおすすめですね。ちょっと! そこの方! 注文いいですか?」
エレナが勢いよく女性店員さんに声をかけてくれる。
「はいよ!」
机にメニューを聞きに来てくれた女性に、結局みんな『店主のおすすめ』メニューにしたらしい。
一般的に外れ料理が無いからだって。
少しの間待っていると、料理が出来上がっていたのでは? 思うほど早くに料理が来た。
「はい! おまちぃ!」
威勢のいい掛け声に合わせて料理が次々に置かれると、ゴロゴロといろんな野菜とモツが煮込まれたモツ煮がドンドンドンと置かれた。
もちろんだがサチの料理も一人前だ。
……全部の料理を食べられるのだろうか?
いつも子供用に用意された料理ばかりだったから。
サチはそんなの関係ねぇ! とばかりに「おお! 多い! それにパンがついてる」と、キラキラした目でパタパタと飛んで料理を眺めた。
幸いにも、店の中の人達は自分達の世界に入っていて周りを気にしていないようだ。
サチは熱々のモツ煮をカトラリーを能力で浮かせながら食べる。
おーいしー! この世界でもモツって食べられるんだ。
スプーン5つ用意して冷ましながら順番にサチが食べていると、店内の客が気づいた。
男が仲間に驚いたように告げている。
「おい! スプーンが浮いてるぞ! 魔法か?」
「本当だ、浮いてる」
「すげー」
隣の席の男性達から伝播したように客や店員が気がつき始めた。
わぁお、大注目!
幼い私の口に入るスプーンに、客が気軽に「誰がやってんだよ?」と聞いてきたから、サチはイタズラでスプーンを客の顔に飛ばした。
もちろん寸止めだ。
でも客にはそれで十分だったらしい。
「能力のこと聞くのは御法度だよな。すまん」と謝ってくれた。
本当は良い人なんだろな。
こちらこそ私がやったと言えんですまん。
それからは静かに食べた。
美味しいから店主と料理の持ち帰りの交渉をしたいとラズに伝える。
食べ終わったカイザーが代わりに交渉してくれるそうだ。
まかせたぞ、カイザー、旅の食事は君にかかっている。
いや、大司教様にお願いして教会で作ってくれた料理もあるけどね。
サチは結局、大人1人分ぺろりと食べてしまってラズにお腹の心配をされた。
まん丸でぽんぽこりんだけど大丈夫!
それよりもトイレに行きたい。
店主に場所を借りておうちを出す。
4人みんなでついでにトイレに行く。
私はおまるで、みんなは用を済ませて早く出て来た人に服の着脱を手伝ってもらう。
幼児だからね。
スッキリした私達は食事のお代を支払って、明日からなら鍋1つ多めに作るから代金と引き換えに料理を作ってくれるって。
やったね! 五日分の鍋の割符を5枚貰って先払いする。
こういう注文がお店にたまにあるんだって。
「ご馳走様」を全員で言って店を出た。
今から、店主に聞いた「作り置き」してくれる料理屋をまわってみるつもり。
旅の食事は楽しみでっせ。
◇◇◇
10軒ほどまわって、全部作ってくれるって。
嬉しい嬉しい。
料理の受け取りはマジックバッグを持ったカイザーに任せることに。
今からは冒険者ギルドに行く。
カイザーとエレナが倒した魔物と私が倒したゴルダン4匹の買い取りをしてもらうためだ。
あの村の森にいたゴリラみたいなのの子供4体ね。
あとは車の運転中に出てきた魔物をカイザーとエレナが倒したり轢いたりしたから、それもね。
大きい冒険者ギルドに入ると冒険者が3組ほどいた。
昼間なので他の冒険者はまだ仕事だろう。
カウンターに行って素材の買い取りをラズにお願いしてもらう。
それと、素材を分けて金銭を獲物ごとに欲しいとも言ってもらう。
カイザーとエレナが倒した魔物の分は2人のお金になるからね。
狩った獲物が大きいし多いと説明すると解体場に案内される。
まずはカイザーの狩った魔物を出す。
次はエレナの狩った魔物を纏めて、最後にゴルダンを出したいのだけれど、解体場に入らない。
「かいたいじょうに、はいりましぇん」
サチは「どうしよう?」と困った顔をした。
かわええ。
「えっ! 本当ですか?」
解体主さんは飛んでいる幼児の言った事を馬鹿にせずに真面目に聞いてくれた。
「にかいにょいえほどありゅ、ごる!だんが4匹ありましゅ」
「2階建ての家ほどあるゴルダンが4匹あるそうです」
ラズ、いつも通訳をありがとうねぇ。
「はあ、それじゃあ裏に出してください」
解体場の裏側にも魔物を出せるスペースがあるらしい。
「ごりゅだん、たべりぇましゅか?」
「は、はい、食べれます。珍しい肉ですよ。まったりもったりしています」
さすが解体のプロだ。
味の説明までしてくれる。
「にくはひきとりましゅ」
「はあ、そうですか。残念ですね」
美味しいの? ゴルダン?
建物の裏に案内された。
ゴルダンの胴体を4匹と、サチが吹っ飛ばした頭も4つ出す。
「これは! 凄いですよ! 身体の毛皮がまるまる取れます!」
解体主がゴルダンの首がない胴体を4つ見て興奮した声を出している。
かなり状態が良いようだ。
「かいたいは、いつできましゅか?」
「う~ん、明日の朝になりますね。それで他にはありますか?」
「にゃいでしゅ」
「では、戻りましょうか。待合室への帰り道は分かりますか?」
「わかる。私達が連れて行く」
「お願いします。私は解体責任者にゴルダンの事を伝えなければいけないですから」
解体の人と別れて付いていてくれた受付の人と戻る。
待合室に着いたら冒険者の人が増えていたので、邪魔にならないように椅子に腰掛けて、トモモの果汁ジュースを人数分サチの能力で出して各々、飲む。
受付の人は何か手続きをしに行った。
「冒険者ギルドに入ったのは初めてだな。エレナは?」
「私も初めてですね。もしかしてラズも?」
「初めてです。唯一の経験者がサチ様とは意外でしたね」
「むふー。にかいめでしゅ」
サチは本物の1歳児よりも小さな身体で威張る。
顔は得意気だ。
「なんかなー、いばられてもなー、可愛いだけだよな」
ちょっと雑なカイザーが突っ込む。
「むふー。かわいいでしゅ」
サチはこの地に降り立った時に鏡で自分を見ているので、1歳児の神が金髪でくりんくりんしていて自分の顔が可愛かったのを知っている。
「自覚しているのも何かなー」
「にゃんでしゅか!? かいじゃーは!?」
そこは肯定するところじゃないかとサチはカイザーに抗議する。
「んー、別にー?」
「ふむむ!」
「4番の方はいらっしゃいますかー!」
「私達です。行きましょう」
サチはカウンターまで飛んでいく。
受付さんの顔が引き攣った。
さっきの担当の人と違う人だから飛んでいるサチを見てどんな反応をしていいのか困ったようだ。
「魔物ごとにお金を分けてほしいとの事でしたので、内訳がこちらになります。お確かめください」
紙に書かれた小物の魔物の明細と、分けておいた魔物のお金が三等分されている。
「これは、かいじゃーでしゅ。こっちはえりぇにゃでしゅ。もりゃってくだしゃい」
サチが「受け取りなさい」とカイザーとエレナにお金を取るように促す。
「いいのか? サチ様?」
「いいんでしゅ」
「サチ様、ありがとう!」
カイザーとエレナは喜んでお金を受け取った。
臨時収入だ。
「あとのお預かりの魔物は明日の朝になります。また、おいでください」
「ありがとうごじゃいました」
仕切っていたのが飛んでいる幼児のサチだったので、不思議そうな顔で受付さんに見送られた。
サチ達は冒険者ギルドを出た。
夕方に差し掛かるいい時間だ。
教会に帰ろう。
「きょうかいに、かえりましゅ」
「そうですね。帰りましょうか」
カイザーとエレナが前後に着く。
飛んでいる私を見て驚く人達を見渡す。
これが、この街の日常か。
いや、私がいるから非日常かも。
明日もまたここに街に出る。
村の人を食べたゴルダンの肉は食べたくなかったが、その子供達だ。
どんな肉かな? と期待が高まる。
まったりもったりって、どんな味?
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