1歳児天使の異世界生活!

春爛漫

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闇魔法の本 2

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 冒険者ギルドに着いた。
 カウンターに行き、サチの冒険者証、特級ギルド証を見せる。
 受付の人が調べて未処理の素材に気づいたようだ。

「魔物の解体が終わってますので、解体場へご案内します」

 解体場に行くと一区画にゴルダンの肉が山盛り積んであったので全て収納に収める。
 どれくらいの肉があったんだ。

 受付の人とカウンターに戻る。

「肉以外の素材は買い取りですので、金貨1枚と大銀貨6枚になります」

 お金とギルド証を受け取って、お礼を言ってギルドから出る。

 次は本屋だ!

「えりぇにゃ、ほんやにいきましゅ」

「はい! 本屋ですね」

 エレナは自分の本を買うのを知っているから、うきうきしている。
 エレナは冒険者ギルドに戻って本屋の場所を聞いている。

 出てきて先導して歩いてくれる。

 朝早いから道がすいている。
 この街の道って広かったんだなぁ。

 富裕層のお店の通りに出た。
 門番が立っている場所が本屋のようだ。
 みんな教会の服を着ているから扉の前で止められないで本屋の中に入る。

「いらっしゃいませ。どのような本をお探しですか?」

 店に入るなり店員さんが話しかけてきた。

「やみまほうのほんを、しゃがしていましゅ」

 店員はサチが答えたことに驚いたようだが、さすがプロ、笑顔で案内してくれる。

 闇魔法の本は、上・中・下と3冊ある。
 ラズに3冊とも持ってもらい、会計する。
 金貨3枚と大銀貨6枚払った。
 日本円で160万円だ。
 やっぱり本は高い。

 本屋から出て教会に帰ることにする。
 富裕層の住まいだから教会まで近い。

 帰ると部屋にこもった。

 収納から闇魔法の本を出してエレナに渡す。

「もう、えりぇにゃにょほんでしゅ。しゅきにちてくだしゃい」

「ありがとうございます! サチ様! 闇魔法が使えるように頑張ります!」

 エレナが本をぎゅっと抱きしめている。
 よきかな、よきかな。

 おうちを出して中に入る。
 お昼までどうするかな?

 あ、カイザー?
 よくわからない顔で空気になっていたよ。
 お仕置き中だからね。

 ◇◇◇

 昼食が終わって、大司教様の部屋に行く。

 大司教様は正装をしていた。
 創造神様から加護を貰ったのは、それほど重要なお話だということだ。

 大司教様にサチは抱っこされて一緒に馬車に乗り、聖騎士に護衛されながらモルート領主館への道を進む。

「誠、創造神様には感謝です。若返ったおかげで身体の調子が良いですぞ。サチ様にも感謝ですな」

「わたちは、だいしきょしゃまを、しゃしょっただけでしゅ」
 (大司教様を誘っただけ)

「それがありがたいのですよ。創造神様のお姿を拝見出来て、天にも昇る気持ちです!」

 大司教様がとても嬉しそうだ。
 整った顔がゆるゆるである。
 でも、若くなった大司教様、結婚相手にと女性に狙われたり苦労があるだろうな。
 いや、なんか男性にも狙われそうな顔に見えてきた。
 大司教様は老けていた事で自身の身を守っていたのかもしれない。

 そんな大司教様には守りの宝石を贈ろう。
 青紫のタンザナイト。
 『神秘、冷静、誇り高い』という石言葉がある。
 大司教様にぴったりだ。
 カラット数は50ctにするかな? チェーンはミスリルで。

 〈いでよ! タンザナイトのネックレス!〉

 すぐにサチの手の中に現れた。
 大司教様に身に着けてもらう為に、大司教様の顔の前でネックレスをひらひらと見せる。

「だいしきょしゃま、まもりのほうしぇきでしゅ。みにちゅけていてくだしゃい。たんざにゃいとといって、しんぴ・りぇいしぇい・ほこりたかいという、いしことばがありましゅ」
 (大司教様、守りの宝石です。身につけてください。タンザナイトと言って、神秘・冷静・誇り高いという、石言葉があります)

「ありがとうございます。大切にします。石言葉に恥じないように頑張ります」

 難解なサチ語を理解した大司教様が、やんわりと抱きしめてきた。
 真夏だから暑い。
 車内がひんやりとするよう能力をに使う。

「おや? サチ様ですかな? 心地よい空気です。ありがとうございます」

 汗かいてる大司教様は嫌だからね。
 イケメンを眺めるのは良いけど、臭いのは嫌だ。

 馬車内でのんびりしていると、外から声がかかった。

『大司教様! 領主館に到着いたしました!』

「着いたようです。行きましょう」

 サチは大司教様に抱っこされて馬車から降りる。
 馬車の中でもずっと大司教様の膝の上に座っていたが。

 領主館に聖騎士に護衛されて入る。
 門は顔パスで、屋敷の入り口には執事らしき男性がいた。

「大司教様、ようこそおいでくださいました。わたくし、執事のシェパードと申します。我が主の元へ、ご案内いたします」

 執事のシェパードさん。
 名前が犬みたいでかわいいね。

 屋敷の中に入り、そんなに歩かないで目的地に着いた。
 警備兵が扉の前に立っている。

「大司教様をお連れしました!」

『入れ!』

「どうぞ、お入りください」

 扉を開けて促してくれる。応接間の中に入った。

 サチは思った。
 大声を出して入室許可をするのは雰囲気ぶち壊しだと。

「ようこそ、大司教様ぁ!?」

 領主と領主の息子が部屋にいたが、大司教様の若返った顔を見て、目を剥いて驚いている。

 あ! 息子さんがダイヤモンドのペンダントを着けてくれている。
 嬉しいな。

 結婚の儀式の後に問い合わせがあり、守りのペンダントである事、ダイヤモンドという石で石言葉も教えたら「家宝にします!」と言われた。
 サチは「家宝多いな」と思った。

 落ち着きを思い出したように平静を保つことに成功した領主が大司教様に話しかけた。

「大司教様、若くなりましたな。理由をお聞きしてもよろしいですか?」

 大司教様は若返っても重ねた歳の分落ち着いている。

「まずは座っても?」

「おお! 申し訳ありません。お座りください」

 両者、立ったままだったので、大司教様と領主達がソファに座る。
 サチはちょこんと大司教様の膝の上だ。

「その事でお話があるのです。昨夜、礼拝堂で創造神様から加護をいただきました。それにより、若返ってしまったのです」

 さっそく大司教様と領主の話し合いが始まった。
 お茶を用意する人が少し焦っている。
 普通の応接の作法と違うのだろう。

「なんと! 創造神様に! 大司教様は神から神託と加護まで凄いですな!
 して、創造神様はいかがでしたか?結婚の儀式と同じお声でしたか?」

「そうですね、同じでしたが、本物はもっと威厳と重厚感のあるお声でした。それに、お姿も大きくまさに想像以上の創造神様でしたな」

 領主は外聞も忘れたようにソファから背を浮かせて大司教様に詰め寄るように身を乗り出している。
 息子の目もキラキラとしている。

「なんと! お姿も拝見されたのですか!? どっ、どうでしたか!?」

「礼拝堂の天井に届くほど大きく、お恥ずかしながら私は気絶してしまいました」

 「気絶した」と言ったところは少し恥ずように言った大司教様だが、イケメンが照れると破壊力が抜群だ。

 しかし、話に気を取られている既婚者の領主には攻撃力が無かったようだ。
 話に感心している。

「それほどですか。いや、素晴らしい!
 おお、サチ様もお久しぶりですな。旅に出られたと聞きましたがお戻りだったのですね」

「はい、いちじきたくちゅうでしゅ」

「ははっ! 一時帰宅ですか。帰る場所と認識してくれて嬉しいですな!」

 領主が笑って告げた。
 そうだ、いつのまにかモルートの教会がサチの帰る場所になっていた。
 居心地が良くて。

 タイミングを見てメイドさんがお茶を持ってきてくれた。
 なんか熱い視線を感じる。
 何故だ?

 チラッと見てみると領主と息子が期待に満ちた目でサチを見つめていた。
 これは、あれだ、お菓子! スイーツを出せと視線が言っている。

 よーし! 出してやろうじゃないか!
 某喫茶店の豪華フルーツのパフェを!
 前世で子供の頃に食べて感動したんだ。
 メロンも飾り切りしてあるし、りんごやいろんな果物が一緒に入ってるのに盛り付けが芸術的で。

 〈いでよ! 某喫茶店の豪華パフェ!〉

 領主と息子の目がキラキラと輝いた。

「どうじょ、ぱふぇでしゅ」

「ぱふぇと言うのですか? 素晴らしいね。この透明な器に宝石のようだ!」

 長いスプーンとフォークも一緒に出してあるから大丈夫だろう。
 大司教様と私の分もあるよ! 当然!

 サチは一人前を食べる気満々だ。

 大司教様の膝の上に座って、カトラリーを自然に能力で動かして食べる。
 う~ん! 美味しい!

 それを驚いて見たのは初見の領主様と息子だ。
 大司教様は驚いていない。

「サチ様、なんと美しいんだろうね。いただくよ」

 大司教様もパフェを食べた。
 口元が緩む。
 おいしいよね!

 口の中が冷たくなったら、あったかいお茶を飲む。
 ほ~、落ち着く。

 アイスが溶けて口から落ちるといけないから、パフェの器を浮かせて、あごの下に持ってくる。

 それを見た領主達が驚いているが、今さら隠すことなんて無い。
 サチは自由に生きると決めた。

 夏で暑いので部屋を少し涼しくする。
 冷気がさらっと頬を撫でるのが気持ちいい。

 部屋が幸せに満たされた。
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