1歳児天使の異世界生活!

春爛漫

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詐欺

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 ラズとカイザーが戻ってきたので朝食だ。

 カトラリーを能力で浮かせて食べると、街の料理店の方が美味しかったなと思う。
 舌が肥えてしまった。
 いかんいかん、料理は美味しく食べなければ。
 教会の料理でも食べられるし十分美味しい。

 食事を食べ終わったら、礼拝堂でお祈りして部屋に帰る。

 今日はエレナの行きたい場所に行こうと思ったのだが、特に無いと言う。
 じゃあラズはと聞いたら「サチ様の行きたい場所がラズの行きたい場所です」と言われた。

 じゃあ私の行きたい場所に行くか。

 全員おうちでトイレを済ましたら、街へお出掛けだ。
 何事も無く教会を出る。

 カイザーに酒を買った店まで連れて行ってもらう。
 神に備えたキラー酒のことが気になっていたのだ。

 店まで来てカイザーとラズにキラー酒の出所を聞いてもらうと、あの酒は旅の行商人が置いていった物だそうで、味もイマイチで売れ残っていた所を私が買ったんだそうだ。

 ふーむ、製造元が分からん。
 まあ、また出会えたら買うか。
 人がマズイと思っても、神様達は大好物だったみたいだったからね。

 次は私の趣味の宝石店だ。
 どんな宝石があるかなー。

 私が飛んでいると今日も大注目!
 可愛い私を見るがいい!
 と思うも、自分で言うと恥ずかしいわ!
 控えめに飛んで行く。
 控えてもサチが飛んでるのに変わりはないので注目は変わらない。

 富裕層のお店の通りに出た。
 ここは人通りが少ない。
 注目はされるが。

 宝石店に着いた。
 入り口に護衛がいるが、こっちは教会の服を着てるから通してくれる。
 教会=金持ってるなのかな?

 店の中に入ると中はセレブな空間だった。
 カイザーの腰が引けている。

 カウンターのお姉さんが話しかけて来てくれた。

「いらっしゃいませ。宝石の購入でしょうか?」

「そうでしゅ。ほうしぇきをみしぇてくだしゃい」

「あら可愛い。ごほん。席に座ってお待ちください」

 先客が2組いるが、席の間に仕切りがあるので、これなら静かに落ち着いて宝石を見れそうだ。

 ラズと私がソファに座り、エレナとカイザーが後ろに控える。
 店員を待っているとお姉さんがお茶を持って来てくれた。
 お礼を言うとお辞儀をして去って行った。

 大人用のカップだからラズにお茶を飲ませてもらう。
 うん、ちょっとフルーティーな香りで美味しい。

 スポドリを紙コップに出して、エレナとカイザーに渡すと美味しそうに飲んでくれた。
 聖騎士の格好は暑いよね。

 アタッシュケースに似たバッグを持って中年の男の人が私たちの席に来てくれた。

 じゅ、獣人だーー! 耳がぴこぴこ動いて可愛い。
 それが中年のおっさんだとしても。
 耳だけ見ればいいんだよ。
 耳だけ。

「失礼いたします。私、担当のラクドと申します。よろしくお願いします。宝石をお持ちしましたので、ご覧ください」

 ケースを開いたらズラリと宝石が並んでいた。
 うわー! 石のパレードだ! 見た事ない宝石を探せ!複製して収納にしまう。
 ラズも私のズルに心得たものだ。

 獣人の人が石のいわくを話してくれる。
 それをふんふん聞くと楽しい。
 一見色付きの石にしか見えない宝石もあるけど、磨きが足りないのかな? 鑑定で見てみる。
 !びっくり! 本当に色付きの石だ! 価値は銅貨数枚の価値しかない。
 宝石商の人が騙されているのかな?

「しょにょいしは、にゃんでしゅか?」

「あ、ああ、これですね。ある貴族の方が手放した宝石ですよ。良い色味でしょう?」

 偽物だと知らないんだ。
 教えてあげないと。

「いしはにしぇもにょでしゅ。銅貨4枚のかちしかありましぇん」

 宝石商の人は私の言葉がわからなかったようで、ラズが通訳してくれる。

「その宝石は偽物だそうです。鑑定を持っているサチ様がおっしゃるので、間違いはありません」

「ええっ!? 本当ですか!? すみません! 失礼します!」

 獣人さんは慌ててケースを片付けて店の奥に戻って行った。


 【店の奥にて】

「オーナー! 偽物の宝石が紛れ込んでいました! 鑑定を持つお客様に指摘されました!」

 販売員が報告すると店のオーナーが椅子から立ち上がった!
 報告が本当だとすると、店の信用問題に関わってくるからだ。

「何!? 偽物だと! どれだ! これか!? 鑑定士を全員呼べ!」

 なんだ、なんだと呼ばれた鑑定士が3人集まって来た。

「この石を鑑定しなさい」

 オーナーの命令で鑑定士が順番に鑑定していく。
 オーナーはこの石を買い取りした、1人の女性に注目した。

「これは素晴らしい宝石ですわ! 貴方達もそうよね?」

 オーナーは脅すように女が他の鑑定士を見るのを目撃した。
 オーナーは決定的に告げる。

「その石は宝石の偽物だ! この店に損害を与えよって! 貴族と癒着しているな! 警備兵を呼べ! 犯罪だ!」

 オーナーが激昂して叫ぶと女が初めて慌てた態度をとった。
 犯罪者になってはたまらない。

「そ、そんな事ありませんわ! これは、この宝石は本物です!」

 顔を青くしながらも言い募る女鑑定師に、犯罪を認めさせる為にオーナーは他2人の鑑定士に告げる。

「他の鑑定士よ! 素直に鑑定結果を告げれば今回は見逃してやる! 素直に言え!」

 犯罪者にされそうだと震え上がったのか、他2人の鑑定士は白状した。

「そ、その石は宝石の偽物でございます! パジーに脅されておりました! 内緒にしなければ店に居られなくしてやると!」

「そうです! 偽物です! 1番店に信用されているからと脅されました!」

 オーナーは更に目を吊り上げた!

「警備! パジーを捕らえよ! 他にも偽物があったら正直に報告せい!」

 パジーと呼ばれた女鑑定士以外が今までの鬱憤と犯罪の証拠を突きつけるように協力した。

「ほ、他にもあります! パジーは貴族の愛人です! 権力に逆らえませんでした! 申し訳ありません!」

「貴方達! 嘘を言って! 許さないから!」

 パジーの激怒した大声に怯えたように鑑定士が縮こまる。

「くそ! なんて事だ! これは大変な事になるぞ」

 オーナーは貴族と癒着して犯罪を起こしたパジーと店のこれからを思って顔を手で覆った。

 貴族が関わっていたのだ。
 最悪店を潰される。
 幸いにも買い取りの関係書類は有るので、裁判官の真偽官が貴族と癒着していなければ、犯罪を立証出来れば貴族相手でも裁判での勝ちが見える。
 証拠は店の金庫にあるのだ。

 幸い相手は土地持ちの貴族ではなく、法衣貴族だ。
 頑張れば勝てるぞ!

 オーナーは自分を鼓舞した。
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