1歳児天使の異世界生活!

春爛漫

文字の大きさ
69 / 70

商業ギルド 1

しおりを挟む
 商業ギルドに着いたので中に入り、空いている受付に行ってサチの商業ギルド証を出す。
 受付嬢が話しかけてきた。

「今日のご用件は何でしょうか?」

 サチの変わりにラズが答える。

「品物の価値が知りたい。それか販売ですね」

「受付いたします。2階にある10番のお部屋でお待ちください」

 商業ギルドの階段を登って2階に行くと番号が振られた部屋があった。10番の部屋を探して入る。

 部屋の中は誰もいない。
 エレナが魔道具の照明を付けて部屋に入りラズと私がソファに腰掛ける。
 部屋の中を一通り見たエレナとカイザーはソファの後ろに立つ。

 サチは見てもらう見本品を持っていないので、見せる商品を創造(想像)する。
 まずはあの酒屋さんに渡した鞄に似たようなマジックバッグを創造する。
 時間停止に不壊、容量はお店くらい。
 酒屋さんだから結構広かったよね。
 樽がそこら中に置いてあるんだもん。
 鞄はワイバーンの皮で。
 何が鞄の皮に良いかわからないからね。

 それと『特殊な温泉の湯』の容器を複製して温泉の湯を入れる。
 蓋をしめてこれもよし!

 あとはフェイスタオル。
 安物とブランド物。
 安物は1年使うとヨレるけど、ブランド品は何年も使える。
 実際使ったことあるから違いが分かる。
 バー◯リーなんて10年はかるく使えると思ったね。
 それくらい丈夫。

 他には鏡かな? 化粧で使えるほどの鏡の大きさ。
 後は可愛い持ち運び鏡も。
 蓋と本体がマグネットでピッタリ張り付くの。

 あっ!あとは村長にあげた綿100%の反物。
 色はバリエーションを揃えよう。

 あとは櫛! 豚の体毛を使った艶が良くなる櫛。
 いくらで売れるかな~。

 あ! あと、樽酒の松◯梅! これ升で塩を乗せて飲むとお酒が甘くなるの! 飲んだ時20歳そこそこだったけど、こんなに美味しいんだと感心したことがある。
 唇にちょっと塩をつけて日本酒を飲むとキリッとしたお酒が口の中で甘くなる。
 樽と升の香りも良いんだー。

 さて、担当者はまだ来ない。
 おやつでも食べよう。

 無添加アイスクリームをワッフルコーンに乗せて夢の3段重ね! トリプルだ!
 バニラとチョコとイチゴになっておりまーす。
 私が持ってると重いから、ラズとエレナとカイザーに素早く渡す。
 私はバニラのシングルコーンで。
 ラズの膝の上でちょびちょび食べますよ。
 おいしー! こっちに氷菓子って無いんだよね。
 今、真夏だからピッタリ! 部屋の空気を冷やしてひんやりしておこう。


 部屋がノックされた。
 ヤベ。
 アイス食べ始めたところなのに。

「はーい」

 とりあえず返事をすると扉を開けて中に入ってくる商業ギルドの担当者2人。
 男性が2人だね。
 何か食べてる私達を見て固まっちゃった。
 仕方ない。
 デザートの押し売りをしよう。
 コーン立てを創造して私の食べかけをさす。

 ラズの膝から翼を出して飛び立ち、トリプルコーンを創造して担当者に突き出す。

「はい! おじちゃん!」

 サチがバランス悪くトリプルコーンを差し出すと戸惑ったように受け取ってくれた。

「あ、え? あ、ありがとう?」

「たべにゃいとおちりゅよ」

 担当のおじさんに注意してから、もう1人のお兄ちゃんにも渡す。

「はい! おにいちゃんも!」

 今度は若いお兄ちゃんが躊躇わずに受け取ってくれた。

「はい、ありがとうございます」

「はやくたべてにぇ」

 どうやら、早く食べないといけないのは理解したようで、私が飛んでいることには突っ込まれずにアイスに集中している。

「これは、なんて冷たい。おいしい。もぐ」

「ば、バランスが、大切、もぐ」

 ラズの膝の上に戻り、私も残りのアイスを食べる。
 コーンが好きなんだ。コーンが。

 だんだん、ごりかりと音が聞こえてきた。
 みんなコーンにたどりついたな。

 部屋が涼しいのと、冷たいアイスを食べて汗がひいてきた面々。

 最後まで食べ終わると、全員、何事も無かったように動き出した。

 サチ達の向かいの席に座っているおじさんが話し始めた。
 背筋がピシッと伸びている。

「担当者になりましたヒノ・グリーと申します」

 苗字があるから貴族だね。
 傍流かな?

「わたくし、補佐のケイトと申します。よろしくお願いします」

 お兄ちゃんは平民と。

「ご用向きは品質の価値を調べる事と、販売ですね。机の上のこちらで全てですか?」

「はい!」

 私が返事すると不思議なものを見る顔をされる。

「サチ・スメラギ様はどちらで?」

「はい! さち・しゅめりゃぎでしゅ!」

 おじさん、ヒノ・グリー氏が間抜け顔になってサチを見つめてくる。

「は?」

「こそっ、グリー鑑定官! 正気に戻ってください! 商業ギルド証に年齢制限はありませんよ!」

 補佐のケイトの言葉に正気に戻るグリー鑑定官。

「はっ! 失礼しました、スメラギ様。今から鑑定させてもらいます」

「よりょしくおにぇがいしましゅ」

「はい!」

 グリー鑑定官は真面目な顔で机の上に置かれた品物を見ている。
 プロだ。
 補佐も言われた内容を書き留めている。

 ひんやりとしている部屋とアイスを食べた事により、サチがもじもじとする。

 サチは甘い口の中をリセットする為にストローマグで麦茶を飲んだ。
 そう、トイレに行きたくなってきたのだ。

「りゃず、といりぇにいきましゅ」

 サチは恥ずかしげもなく宣言した。

 いや、生理現象だから恥ずかしくないのは当たり前なんだけどね?



しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

ギルドの受付嬢はうごかない ~定時に帰りたいので、一歩も動かず事件を解きます~

ぱすた屋さん
ファンタジー
ギルドの受付嬢アイラは、冒険者たちから「鉄の女」と呼ばれ、畏怖されている。 絶世の美貌を持ちながら、常に無表情。そして何より、彼女は窓口から一歩も動かない。 彼女の前世は、某大手企業のコールセンター勤務。 営業成績トップを走り抜け、最後には「地獄のクレーム処理専門部署」で数多の暴言を鎮めてきた、対話術の怪物。 「次の方、どうぞ。……ご相談ですか?(クローズド・クエスチョン)」 転生した彼女に備わったのは、声の「真偽」が色で見える地味な能力。 だが、彼女の真の武器は能力ではなく、前世で培った「声のトーン操作」と「心理誘導」だった。 ある日、窓口に現れたのは「相棒が死んだ」と弔慰金をせしめようとする嘘つきな冒険者。 周囲が同情し、ギルドマスターさえ騙されかける中、アイラは座ったまま、静かにペンを走らせる。 「……五秒だけ、沈黙を差し上げます。その間に、嘘を塗り直すおつもりですか?」 戦略的沈黙、オウム返し、そして逃げ場を塞ぐイエス・セット。 現代のコールセンター術を叩きつけられた犯人は、自らその罪を吐き散らし、崩れ落ちる。 「あー、疲れた。一五分も残業しちゃった。……マスター、残業代三倍でお願いしますね」 これは、一歩も動きたくない受付嬢が、口先だけで悪を断罪し、定時退勤を目指す物語。

夢で出会ったモブ令嬢を王太子は絶対に手放さない

恋愛
異世界に転生した元大学生のセレナは、病弱な伯爵令嬢として第二の人生を歩むことに。 もう目立ちたくない。結婚も社交もごめん。 ひっそりスローライフを送るはずが──なぜか王太子の夢に出ていたらしく、彼の執着対象に!? 平穏を望むモブ令嬢の、溺愛され系異世界ライフ。 小説家になろうにも投稿しています。

元社畜悪役令嬢、辺境のボロ城を全自動ボタニカル美容スパに大改造して引きこもる ~前世コスメで冷徹公爵を完治させたら溺愛されました~

季未
恋愛
「貴様のような悪逆非道な女は、極寒の辺境へ追放だ!」 建国記念の夜会で王太子から婚約破棄を突きつけられた公爵令嬢シャルロッテ。 しかし、彼女の中身は前世でブラック企業に殺された過労で過労死したマーケターだった! (激務の王妃ルート回避!? しかも辺境は誰にも邪魔されないブルーオーシャン! 最高のフリーランス生活の始まりじゃない!) 理不尽な追放を究極のホワイト・スローライフへのパスポートだと歓喜した彼女は、あてがわれた辺境のボロ城を、前世の「DIY・スマートホーム知識」と「土・水魔法」を駆使して爆速で大改造! 隙間風の吹く部屋は、一瞬で「床暖房完備の全自動温水スパ」へ。 辺境に自生する雑草からは「極上ボタニカルコスメ」を開発し、自らも絶世の美女へと変貌していく。 さらに「お前には干渉しない」と白い結婚を突きつけてきたはずの、呪いで顔に火傷を負った氷の公爵に特製マッサージと美肌治療を施したところ……。 「お前が作ったこの空間と、お前自身が……俺のすべてだ」 冷徹だったはずの公爵様が、極上の癒やし空間と彼女の手技で完全に骨抜きにされ、異常なまでの過保護・溺愛モードに突入!? 現代マーケティングと美容チートで辺境を超高級スマート・リゾートへと再生させ、かつて自分を追放した王太子たちを大後悔させる! 爽快&極甘な、異世界リゾート経営×溺愛ファンタジー、堂々開幕!

魔力食いの令嬢は魔力過多の公爵に執着される

三園 七詩
恋愛
この国は魔力がある世界、平民から貴族まで誰もが魔力を持って生まれる。 生活にも魔法はが使われていた。 特に貴族は魔力量が多かった。 単純に魔力が高いと戦力になる、戦場で功績をあげれば爵位が上がる。 こうして魔力量を維持して地位を維持していた。 そんな国で魔力量の少ない娘が生まれた。 しかし彼女は人の魔力を吸う力があった。

異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆1/19〜1/27まで、予約投稿を1話ずつ行います。 農家の四男に転生したルイ。   そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。  農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。  十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。   家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。   ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる! 見切り発車。不定期更新。 カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

転生幼子は生きのびたい

えぞぎんぎつね
ファンタジー
 大貴族の次男として生まれたノエルは、生後八か月で誘拐されて、凶悪な魔物が跋扈する死の山に捨てられてしまった。  だが、ノエルには前世の記憶がある。それに優れた魔法の才能も。  神獣の猫シルヴァに拾われたノエルは、親を亡くした赤ちゃんの聖獣犬と一緒に、神獣のお乳を飲んで大きくなる。  たくましく育ったノエルはでかい赤ちゃん犬と一緒に、元気に楽しく暮らしていくのだった。  一方、ノエルの生存を信じている両親はノエルを救出するために様々な手段を講じていくのだった。 ※ネオページ、カクヨムにも掲載しています

異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。 しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。 やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。 そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。 そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。 これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。

処理中です...