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第2章
距離感
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「おはよう、ヴィオ」
「おはようございます……レイお父様」
アスタン公爵家に滞在して、一週間。旅の間は気安い話し方をしていたが、格式高い公爵邸では似合わない。無理はしなくていいと言われていたものの、義兄であるセオドアもレイには敬語を使っていたこともあり、そちらに合わせることにしたのだ。
少し気恥ずかしくはあるものの、公爵家でのレイは当主らしい立派な装いをしているので違和感はない。
むしろ違和感は自分のドレス姿にある。
事前にサイズに合わせたドレスを用意してくれており、どれも一人で着替えが出来るようになっているのはレイの気遣いだ。
(貴族令嬢なら通常は侍女に着替えを手伝ってもらうのだけど)
お風呂や身支度も通常であれば一人では行わないものだが、ヴィオラの意思を尊重してくれている。そればかりかヴィオラのために調合に必要な道具や材料も一式手配してくれていたのだから、至れり尽くせりの状態だ。
レイは養女になっても公爵令嬢になる必要はないという。それは良いとこ取りのようで申し訳なく思いつつも、貴族令嬢として生きるかどうかの選択肢を残しつつ自由にさせてくれるレイには感謝しかない。
(セオドア様が公爵家に迎え入れる必要がないと思うのも当然よね……)
アスタン公爵家に利をもたらさないのに、庇護を与える必要はない。いずれカイルに嫁ぐのであれば王家との繋がりを強固にするため養女にする意味はあるが、そうでないなら客人扱いでも充分過ぎるほどの高待遇だろう。
温かいスープに新鮮な卵や野菜や果物、ふんわり柔らかなパンに肉汁がぎゅっと詰まったソーセージ。美味しさに頬を緩めながらも、今日もセオドアの姿がないことに胸が詰まる。
仕事の関係で昼と夜はなかなか一緒に食事を摂ることは難しいことから、朝食は家族で摂るというのがレイの方針なのだという。
(朝食を抜くのはセオドア様の都合で、私のせいではないと言ってくれるけど)
ヴィオラが来てからセオドアは一度も朝食の席に現れていない。人を傷つける行為や過剰な要求でない限り、レイは子どもの行動にあまり制限を設けるつもりはないそうで、今回のセオドアの行動もしばらく様子を見るつもりらしい。
本来ならヴィオラが気を利かせて自室か他の場所で食事を摂れば、セオドアはレイと一緒に食事ができるのだが、それではレイは納得しないだろう。
家族団らんの時間を邪魔しているような罪悪感をパンと一緒に呑み込む。
「セオドアは少し頭が固いし言葉足らずなところがある。ヴィオには嫌な思いをさせてすまない」
初対面で拒絶されたあと、申し訳なさそうに告げたレイに気にしていないと答えたが、どうしたものかとずっと考えてはいる。
「ヴィオ、今日から三日ほど視察で留守にする。セオドアを残していくから何か困ったことがあればセオドアに相談するといい」
「……はい」
使用人はヴィオラをあからさまに嫌厭することはないが、レイが不在の時はどういう対応になるか分からない。数日家を空けるぐらいであればきっと問題ないだろうと思うものの、使用人の中には貴族出身の者も少なくないので、ぼんやりとした不安はある。
とはいえ、一番の懸念事項はセオドアだ。
「なるべく早く帰ってくるからな。お土産をたくさん買ってくるから楽しみにしておいてくれ」
「ありがとうございます。急がなくていいので気をつけて帰ってきてくださいね、レイお父様」
ヴィオラが笑顔でレイを見送ったその翌朝、朝食の席にはセオドアの姿があった。
「……おはようございます」
「おはよう」
ヴィオラを一瞥し淡々と挨拶を返すと、セオドアは手元の書類に視線を戻し沈黙が訪れる。気まずさと緊張を覚えながらもヴィオラはセオドアの様子を窺ったが、セオドアは視線を皿以外に向けることなく綺麗な所作で朝食を食べ終えると、そのまま部屋から出て行ってしまった。
(……何だったのかしら)
平民のヴィオラと一緒に食事を摂るのが嫌なのだと思っていたが、レイと顔を合わせたくないということだったのだろうか。だが執務で毎日会っていたはずなので、ヴィオラはその可能性を打ち消すが、他の理由が思いつかない。
もやもやした気持ちを抱えながらも、庭の奥に設置された小屋の中で、ヴィオラは一人で薬草をすり潰していた。
師匠と住んでいた家よりも新しくゆったりとした広さだったが、薬草特有の匂いが懐かしさと安心感を与えてくれる。
ヴィオラが作っているのは、護衛の報酬としてレイから提案された傷薬だ。レイからはあくまでも方便だったため気にしなくていいと言われていたが、そういうわけにはいかない。少しでもレイのために何かしたかったし、薬師として生きたいと元父親に告げた言葉は本心だった。
(何かを作ることが好きだし、一人で生きていく手段があるということは大切だわ)
本当は薬草採集も自分でしたかったが、流石に一人では行かせられないということで材料は手配してもらった。レイのお金でレイに薬を作るのは本末転倒という気もするが、そこまで我儘を言うわけにもいかない。
傷薬の材料の他に、いろんな種類の薬草や植物、薬に必要な様々な素材があり、せっかくなのでいくつかの薬を調合することにした。
久しぶりということもありひたすら作業に没頭していたヴィオラは、ノックの音に返事をして何も考えずに扉を開いてしまった。そこにセオドアが立っていることなど欠片も思わずに。
「っ……セオドア様!」
驚きのあまり大きな声を出してしまったヴィオラに僅かに眉を顰めたものの、出てきたのは叱責の言葉ではなかった。
「食事も摂らずに一日中閉じこもっていると使用人から聞いた。ついて来なさい」
「……え?」
ヴィオラの返事を待つことなく、そのまま歩き出したセオドアに呆然としたが、無視するわけにはいかない。慌ててセオドアの後を追いかけてたどり着いたのは、小さなガゼボだ。
テーブルの上にはケーキスタンドが置かれていて、待機していた侍女はお茶を淹れるとそのまま静かに下がり二人きりになる。
優雅に紅茶を口に運ぶセオドアの様子をしばらくうかがっていたヴィオラだったが、沈黙に耐え切れず口を開いた。
「あの、どうして私とお茶を……?」
「父上が不在の間、君のことを託されている。食事はちゃんと摂りなさい」
思いがけない返答にヴィオラはセオドアの言葉を反芻した。目の前の軽食や菓子類はヴィオラのために用意してくれたということなのだろう。
一定の距離を感じるものの、セオドアの感情のこもらない声に嫌悪はない。ヴィオラがレイの娘になることを反対していても、言いつけをきちんと守ろうとしている辺り、生真面目な性格のようだ。
朝食を一緒に取ったのも、レイから頼まれたのかもしれない。それでもこんなに気に掛けてくれるとは思わなかった。
「セオドア様を煩わせてしまって申し訳ございません。以後気を付けます」
使用人に指示すればよいだけなのに、わざわざ自らの目で確かめるのは誠実な人柄の表れだという気がする。
(嫌われてはいないのなら、もう少し話が出来たらいいな)
そんな風に考えてヴィオラが話しかけようとする前にセオドアが口を開いた。
「君は公爵令嬢に向いていないようだ。なるべく早く出て行ったほうがいい」
静かな指摘に冷水を浴びせられたような気分になった。反論しようにもヴィオラは貴族令嬢らしいマナーも教養も身に付けていないし、作業用として着替えた服はせいぜい使用人にしか見えないだろう。
紅茶を飲み終えたセオドアが席を立っても、ヴィオラはしばらくその場から動けなかった。
「おはようございます……レイお父様」
アスタン公爵家に滞在して、一週間。旅の間は気安い話し方をしていたが、格式高い公爵邸では似合わない。無理はしなくていいと言われていたものの、義兄であるセオドアもレイには敬語を使っていたこともあり、そちらに合わせることにしたのだ。
少し気恥ずかしくはあるものの、公爵家でのレイは当主らしい立派な装いをしているので違和感はない。
むしろ違和感は自分のドレス姿にある。
事前にサイズに合わせたドレスを用意してくれており、どれも一人で着替えが出来るようになっているのはレイの気遣いだ。
(貴族令嬢なら通常は侍女に着替えを手伝ってもらうのだけど)
お風呂や身支度も通常であれば一人では行わないものだが、ヴィオラの意思を尊重してくれている。そればかりかヴィオラのために調合に必要な道具や材料も一式手配してくれていたのだから、至れり尽くせりの状態だ。
レイは養女になっても公爵令嬢になる必要はないという。それは良いとこ取りのようで申し訳なく思いつつも、貴族令嬢として生きるかどうかの選択肢を残しつつ自由にさせてくれるレイには感謝しかない。
(セオドア様が公爵家に迎え入れる必要がないと思うのも当然よね……)
アスタン公爵家に利をもたらさないのに、庇護を与える必要はない。いずれカイルに嫁ぐのであれば王家との繋がりを強固にするため養女にする意味はあるが、そうでないなら客人扱いでも充分過ぎるほどの高待遇だろう。
温かいスープに新鮮な卵や野菜や果物、ふんわり柔らかなパンに肉汁がぎゅっと詰まったソーセージ。美味しさに頬を緩めながらも、今日もセオドアの姿がないことに胸が詰まる。
仕事の関係で昼と夜はなかなか一緒に食事を摂ることは難しいことから、朝食は家族で摂るというのがレイの方針なのだという。
(朝食を抜くのはセオドア様の都合で、私のせいではないと言ってくれるけど)
ヴィオラが来てからセオドアは一度も朝食の席に現れていない。人を傷つける行為や過剰な要求でない限り、レイは子どもの行動にあまり制限を設けるつもりはないそうで、今回のセオドアの行動もしばらく様子を見るつもりらしい。
本来ならヴィオラが気を利かせて自室か他の場所で食事を摂れば、セオドアはレイと一緒に食事ができるのだが、それではレイは納得しないだろう。
家族団らんの時間を邪魔しているような罪悪感をパンと一緒に呑み込む。
「セオドアは少し頭が固いし言葉足らずなところがある。ヴィオには嫌な思いをさせてすまない」
初対面で拒絶されたあと、申し訳なさそうに告げたレイに気にしていないと答えたが、どうしたものかとずっと考えてはいる。
「ヴィオ、今日から三日ほど視察で留守にする。セオドアを残していくから何か困ったことがあればセオドアに相談するといい」
「……はい」
使用人はヴィオラをあからさまに嫌厭することはないが、レイが不在の時はどういう対応になるか分からない。数日家を空けるぐらいであればきっと問題ないだろうと思うものの、使用人の中には貴族出身の者も少なくないので、ぼんやりとした不安はある。
とはいえ、一番の懸念事項はセオドアだ。
「なるべく早く帰ってくるからな。お土産をたくさん買ってくるから楽しみにしておいてくれ」
「ありがとうございます。急がなくていいので気をつけて帰ってきてくださいね、レイお父様」
ヴィオラが笑顔でレイを見送ったその翌朝、朝食の席にはセオドアの姿があった。
「……おはようございます」
「おはよう」
ヴィオラを一瞥し淡々と挨拶を返すと、セオドアは手元の書類に視線を戻し沈黙が訪れる。気まずさと緊張を覚えながらもヴィオラはセオドアの様子を窺ったが、セオドアは視線を皿以外に向けることなく綺麗な所作で朝食を食べ終えると、そのまま部屋から出て行ってしまった。
(……何だったのかしら)
平民のヴィオラと一緒に食事を摂るのが嫌なのだと思っていたが、レイと顔を合わせたくないということだったのだろうか。だが執務で毎日会っていたはずなので、ヴィオラはその可能性を打ち消すが、他の理由が思いつかない。
もやもやした気持ちを抱えながらも、庭の奥に設置された小屋の中で、ヴィオラは一人で薬草をすり潰していた。
師匠と住んでいた家よりも新しくゆったりとした広さだったが、薬草特有の匂いが懐かしさと安心感を与えてくれる。
ヴィオラが作っているのは、護衛の報酬としてレイから提案された傷薬だ。レイからはあくまでも方便だったため気にしなくていいと言われていたが、そういうわけにはいかない。少しでもレイのために何かしたかったし、薬師として生きたいと元父親に告げた言葉は本心だった。
(何かを作ることが好きだし、一人で生きていく手段があるということは大切だわ)
本当は薬草採集も自分でしたかったが、流石に一人では行かせられないということで材料は手配してもらった。レイのお金でレイに薬を作るのは本末転倒という気もするが、そこまで我儘を言うわけにもいかない。
傷薬の材料の他に、いろんな種類の薬草や植物、薬に必要な様々な素材があり、せっかくなのでいくつかの薬を調合することにした。
久しぶりということもありひたすら作業に没頭していたヴィオラは、ノックの音に返事をして何も考えずに扉を開いてしまった。そこにセオドアが立っていることなど欠片も思わずに。
「っ……セオドア様!」
驚きのあまり大きな声を出してしまったヴィオラに僅かに眉を顰めたものの、出てきたのは叱責の言葉ではなかった。
「食事も摂らずに一日中閉じこもっていると使用人から聞いた。ついて来なさい」
「……え?」
ヴィオラの返事を待つことなく、そのまま歩き出したセオドアに呆然としたが、無視するわけにはいかない。慌ててセオドアの後を追いかけてたどり着いたのは、小さなガゼボだ。
テーブルの上にはケーキスタンドが置かれていて、待機していた侍女はお茶を淹れるとそのまま静かに下がり二人きりになる。
優雅に紅茶を口に運ぶセオドアの様子をしばらくうかがっていたヴィオラだったが、沈黙に耐え切れず口を開いた。
「あの、どうして私とお茶を……?」
「父上が不在の間、君のことを託されている。食事はちゃんと摂りなさい」
思いがけない返答にヴィオラはセオドアの言葉を反芻した。目の前の軽食や菓子類はヴィオラのために用意してくれたということなのだろう。
一定の距離を感じるものの、セオドアの感情のこもらない声に嫌悪はない。ヴィオラがレイの娘になることを反対していても、言いつけをきちんと守ろうとしている辺り、生真面目な性格のようだ。
朝食を一緒に取ったのも、レイから頼まれたのかもしれない。それでもこんなに気に掛けてくれるとは思わなかった。
「セオドア様を煩わせてしまって申し訳ございません。以後気を付けます」
使用人に指示すればよいだけなのに、わざわざ自らの目で確かめるのは誠実な人柄の表れだという気がする。
(嫌われてはいないのなら、もう少し話が出来たらいいな)
そんな風に考えてヴィオラが話しかけようとする前にセオドアが口を開いた。
「君は公爵令嬢に向いていないようだ。なるべく早く出て行ったほうがいい」
静かな指摘に冷水を浴びせられたような気分になった。反論しようにもヴィオラは貴族令嬢らしいマナーも教養も身に付けていないし、作業用として着替えた服はせいぜい使用人にしか見えないだろう。
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