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第1章
夜の森と異変
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薬の調合を終えて、店じまいのために表の看板をひっくり返す。今日も客は来なかったなと思いながらも、調合した薬を店先で売らずとも隣町に行けば買い取ってもらえるので問題はない。
ヴィオラが店を継いでからというもの、客足は遠のく一方だ。未だにヴィオラには「妹を虐げる姉」だというレッテルを貼られているからだ。
小さな村は結束力が強く、家族だけでなく周囲からも冷遇されることは30歳の大人の意識があるとはいえ、なかなか心にくるもがあった。
人に会うのが嫌で、何とか自活できるよう森をうろついていた時に師匠と出会ったのだ。
師匠は子供に優しい大人ではなかったが、公正で現実主義だった。
ヴィオラが役に立つことを証明すると、見習いとして引き取られることになり、それからずっと森の中で暮らしている。
おかげで家族を含め村人と顔を合わせる機会は随分と減って、ヴィオラはようやく息が出来るような気がしたものだ。
とはいえ他人と一緒に住んで上手くやっていけるだろうか、そんな不安が全くないわけではなかった。
しかし師匠は口数が少なく仕事に関しては厳しかったが、優しく思いやりのある人だということはすぐに分かった。
薬を購入する村人がヴィオラの悪評を吹き込んでも師匠は適当にあしらい相手にしなかったし、ヴィオラを理不尽に貶めようとした相手には薬を売らないこともあった。
血の繋がりもなくほぼ初対面だったヴィオラを引き取り、一人で生きていけるように薬草の知識や薬の作り方、そして生活に必要な知識を全てヴィオラに教えてくれたのだ。
『いつかヴィオラを大切にしてくれる人が現れるからね』
師匠は亡くなる前、ヴィオラに言い聞かせるようにそんな言葉をよく繰り返していた。ヴィオラのというよりもヴィーの不安を見抜いていたのだろう。
直接尋ねられることはなかったが、師匠はヴィオラの中にいるヴィーに気づいていた節がある。それでも聞かなかったのはヴィオラが話さなかったからであり、師匠の優しさからだろう。
(師匠に相談しておけばよかったかな……)
ヴィーのためにとやってきたことが本当に正しかったのか。傷つき悲しみに沈んでいたヴィーが外の世界に興味を持ち始めた時、ヴィオラは役割を終えてヴィーに身体の主導権を返すべきだったのかもしれない。
少しずつ慣れていけばいいと考えていたものの、ヴィーは自分が表に出ることでヴィオが消えてしまうのではないかと恐れを抱くようになった。
視覚と聴覚は共有できても味や匂いをヴィーは感じることが出来ない。それでもヴィーは今のままでいいと考えているようだ。
ヴィーのことやこれからのことを考えていると目が冴えてしまい、なかなか寝付けそうにない。
月明りに誘われるようにヴィオラはベッドから下りて身支度を整えた。どうせ眠れないのなら夜にしか手に入らない素材を調達することにしたのだ。
採集道具の入った鞄を手にしたヴィオラは静かな夜の森へと向かった。
もちろんぬいぐるみを持っていくことも忘れない。
師匠と一緒に街に出掛けた時、どうしても気になって目を逸らせず、師匠が購入してくれたものだ。
『ありがとう』
自分の声なのに勝手にこぼれ出た言葉に驚いたものの、これは本来の身体の持ち主である少女の声なのだと直感した。
それからというもののヴィオラは頻繁に話しかけ、長い時間を掛けてヴィーとヴィオと呼び合うほどになった。
ぬいぐるみはヴィーにとって安心感を得るものであるらしく、ぬいぐるみを持っているとヴィーとの会話がしやすいことに気づいてからは、ヴィーと話すときは必ずぬいぐるみを抱いている。
夜の森は静かだが、深い闇には危険も多い。
師匠と一緒であれば何も怖くなかったのに、今は少し緊張と不安で鼓動が早くなる。それでも夜の森はとても美しかった。
周囲に気を配りながら目当ての薬草や薬効のある花を摘み取っていくうちに、ヴィオラの中の不安感が薄れていく。
甘い香りに周囲を見渡すと、小さな花弁の紫色の花が目に入った。
(あ、カイル王子の瞳と同じ色……)
とろりと蕩けるような甘い眼差しを思いだして、顔が熱くなる。あの時は言葉だけでなく表情や態度でひたむきに好意を伝えてくるカイルに困惑したものの、嬉しくないわけではなかった。
(だって、あんな風に愛していると言われたのは初めてだったし……)
今は表立って冷遇されているわけではないが、村人たちのヴィオラに対する態度は決して好意的ではない。明るく無邪気な妹が村人たちに愛されているからこそ、ヴィオラを許さないのだ。
かつては誤解を解こうと必死に行動したこともあったが、今ではもう諦めている。久しぶりの好意に簡単に舞い上がってしまうのは仕方がないだろう。
尤もあくまでも番なのはヴィーであり自分ではないのだけど。
(カイル王子は私のことを知らないけど、私もカイル王子のことを知らないのよね)
カイルの望むとおりにロドリニア国に行くのは怖いが、この村を出る良い機会だという気はしている。師匠との思い出が残る家から離れるのは寂しくないと言えば嘘になる。だがヴィーがこのまま村に残り続けることが幸せだとは思わない。
まずは相手のことを知らなければ何かを決めることなど出来ないだろう。
薬は毒に毒は薬にもなるように、危ないからと遠ざけていては魔女の仕事は務まらない。
気掛かりなことはたくさんあるものの、まだヴィオラはカイルと碌に会話も交わしていない。自分の代わりにヴィーを託せる相手なのかどうかまずは見極めることが大切だ。
(明日カイル王子に会ったら色々聞いてみようかな)
そう考えれば気持ちも軽くなり、ヴィオラは家に戻ることにした。そろそろ睡眠を取らないと明日に差し支える。だがそんな気分はあっという間に吹き飛ぶことになった。
家まであと数分ほどのところでヴィオラは異変に気付いた。最初に焦げ臭さを感じ、次に夜にそぐわない不穏な明かりが木々の合間から見え隠れしている。
逸る気持ちを抑えながら足早に向かい、森を抜けたヴィオラはその光景に絶句した。
「嘘……」
師匠が残してくれた家が燃えていた。パチパチと音を立てて燃え盛る炎は既に屋根まで届いており、消火など間に合わないと一目で分かる。
(何で……今日は竈なんて使っていないのに……)
師匠の形見も大切な仕事道具も貴重な薬草も全てが炎に呑み込まれていく。
喉が引きつって声を上げることもできずに、ただ呆然と立ち尽くすヴィオラだったが、悲鳴のようなヴィーの声に我に返った。
『ヴィオ!誰かいる』
動揺しながらも木の陰に隠れて、そっと様子を窺う。
炎が逆光になって輪郭しか見えなかったものの、人だと分かる。それを認識した途端、全身に悪寒が走った。
(もしも、森に出掛けてなければ今頃……)
恐怖に声が漏れないよう片手で口元を覆いながら、慎重に足音を立てないよう森へと引き返す。
家が見えなくなってから、一刻も早く遠くに逃げなければと必死に足を動かした。
家の中から火が出たのではなければ、誰かが外から火をつけたということだ。何のためにと考えれば、恐らくヴィオラを始末するために火を放った可能性が高い。
顔は熱くて呼吸が苦しいのに、身体は恐怖のため寒気を感じながらヴィオラは懸命に夜の森を走り続けた。
ヴィオラが店を継いでからというもの、客足は遠のく一方だ。未だにヴィオラには「妹を虐げる姉」だというレッテルを貼られているからだ。
小さな村は結束力が強く、家族だけでなく周囲からも冷遇されることは30歳の大人の意識があるとはいえ、なかなか心にくるもがあった。
人に会うのが嫌で、何とか自活できるよう森をうろついていた時に師匠と出会ったのだ。
師匠は子供に優しい大人ではなかったが、公正で現実主義だった。
ヴィオラが役に立つことを証明すると、見習いとして引き取られることになり、それからずっと森の中で暮らしている。
おかげで家族を含め村人と顔を合わせる機会は随分と減って、ヴィオラはようやく息が出来るような気がしたものだ。
とはいえ他人と一緒に住んで上手くやっていけるだろうか、そんな不安が全くないわけではなかった。
しかし師匠は口数が少なく仕事に関しては厳しかったが、優しく思いやりのある人だということはすぐに分かった。
薬を購入する村人がヴィオラの悪評を吹き込んでも師匠は適当にあしらい相手にしなかったし、ヴィオラを理不尽に貶めようとした相手には薬を売らないこともあった。
血の繋がりもなくほぼ初対面だったヴィオラを引き取り、一人で生きていけるように薬草の知識や薬の作り方、そして生活に必要な知識を全てヴィオラに教えてくれたのだ。
『いつかヴィオラを大切にしてくれる人が現れるからね』
師匠は亡くなる前、ヴィオラに言い聞かせるようにそんな言葉をよく繰り返していた。ヴィオラのというよりもヴィーの不安を見抜いていたのだろう。
直接尋ねられることはなかったが、師匠はヴィオラの中にいるヴィーに気づいていた節がある。それでも聞かなかったのはヴィオラが話さなかったからであり、師匠の優しさからだろう。
(師匠に相談しておけばよかったかな……)
ヴィーのためにとやってきたことが本当に正しかったのか。傷つき悲しみに沈んでいたヴィーが外の世界に興味を持ち始めた時、ヴィオラは役割を終えてヴィーに身体の主導権を返すべきだったのかもしれない。
少しずつ慣れていけばいいと考えていたものの、ヴィーは自分が表に出ることでヴィオが消えてしまうのではないかと恐れを抱くようになった。
視覚と聴覚は共有できても味や匂いをヴィーは感じることが出来ない。それでもヴィーは今のままでいいと考えているようだ。
ヴィーのことやこれからのことを考えていると目が冴えてしまい、なかなか寝付けそうにない。
月明りに誘われるようにヴィオラはベッドから下りて身支度を整えた。どうせ眠れないのなら夜にしか手に入らない素材を調達することにしたのだ。
採集道具の入った鞄を手にしたヴィオラは静かな夜の森へと向かった。
もちろんぬいぐるみを持っていくことも忘れない。
師匠と一緒に街に出掛けた時、どうしても気になって目を逸らせず、師匠が購入してくれたものだ。
『ありがとう』
自分の声なのに勝手にこぼれ出た言葉に驚いたものの、これは本来の身体の持ち主である少女の声なのだと直感した。
それからというもののヴィオラは頻繁に話しかけ、長い時間を掛けてヴィーとヴィオと呼び合うほどになった。
ぬいぐるみはヴィーにとって安心感を得るものであるらしく、ぬいぐるみを持っているとヴィーとの会話がしやすいことに気づいてからは、ヴィーと話すときは必ずぬいぐるみを抱いている。
夜の森は静かだが、深い闇には危険も多い。
師匠と一緒であれば何も怖くなかったのに、今は少し緊張と不安で鼓動が早くなる。それでも夜の森はとても美しかった。
周囲に気を配りながら目当ての薬草や薬効のある花を摘み取っていくうちに、ヴィオラの中の不安感が薄れていく。
甘い香りに周囲を見渡すと、小さな花弁の紫色の花が目に入った。
(あ、カイル王子の瞳と同じ色……)
とろりと蕩けるような甘い眼差しを思いだして、顔が熱くなる。あの時は言葉だけでなく表情や態度でひたむきに好意を伝えてくるカイルに困惑したものの、嬉しくないわけではなかった。
(だって、あんな風に愛していると言われたのは初めてだったし……)
今は表立って冷遇されているわけではないが、村人たちのヴィオラに対する態度は決して好意的ではない。明るく無邪気な妹が村人たちに愛されているからこそ、ヴィオラを許さないのだ。
かつては誤解を解こうと必死に行動したこともあったが、今ではもう諦めている。久しぶりの好意に簡単に舞い上がってしまうのは仕方がないだろう。
尤もあくまでも番なのはヴィーであり自分ではないのだけど。
(カイル王子は私のことを知らないけど、私もカイル王子のことを知らないのよね)
カイルの望むとおりにロドリニア国に行くのは怖いが、この村を出る良い機会だという気はしている。師匠との思い出が残る家から離れるのは寂しくないと言えば嘘になる。だがヴィーがこのまま村に残り続けることが幸せだとは思わない。
まずは相手のことを知らなければ何かを決めることなど出来ないだろう。
薬は毒に毒は薬にもなるように、危ないからと遠ざけていては魔女の仕事は務まらない。
気掛かりなことはたくさんあるものの、まだヴィオラはカイルと碌に会話も交わしていない。自分の代わりにヴィーを託せる相手なのかどうかまずは見極めることが大切だ。
(明日カイル王子に会ったら色々聞いてみようかな)
そう考えれば気持ちも軽くなり、ヴィオラは家に戻ることにした。そろそろ睡眠を取らないと明日に差し支える。だがそんな気分はあっという間に吹き飛ぶことになった。
家まであと数分ほどのところでヴィオラは異変に気付いた。最初に焦げ臭さを感じ、次に夜にそぐわない不穏な明かりが木々の合間から見え隠れしている。
逸る気持ちを抑えながら足早に向かい、森を抜けたヴィオラはその光景に絶句した。
「嘘……」
師匠が残してくれた家が燃えていた。パチパチと音を立てて燃え盛る炎は既に屋根まで届いており、消火など間に合わないと一目で分かる。
(何で……今日は竈なんて使っていないのに……)
師匠の形見も大切な仕事道具も貴重な薬草も全てが炎に呑み込まれていく。
喉が引きつって声を上げることもできずに、ただ呆然と立ち尽くすヴィオラだったが、悲鳴のようなヴィーの声に我に返った。
『ヴィオ!誰かいる』
動揺しながらも木の陰に隠れて、そっと様子を窺う。
炎が逆光になって輪郭しか見えなかったものの、人だと分かる。それを認識した途端、全身に悪寒が走った。
(もしも、森に出掛けてなければ今頃……)
恐怖に声が漏れないよう片手で口元を覆いながら、慎重に足音を立てないよう森へと引き返す。
家が見えなくなってから、一刻も早く遠くに逃げなければと必死に足を動かした。
家の中から火が出たのではなければ、誰かが外から火をつけたということだ。何のためにと考えれば、恐らくヴィオラを始末するために火を放った可能性が高い。
顔は熱くて呼吸が苦しいのに、身体は恐怖のため寒気を感じながらヴィオラは懸命に夜の森を走り続けた。
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