深刻な女神パワー不足によりチートスキルを貰えず転移した俺だが、そのおかげで敵からマークされなかった

ぐうのすけ

文字の大きさ
65 / 113
安い時に買って高くなったら売る。それが出来れば金持ちだ

マネックの訪問

しおりを挟む
 俺の両サイドにウサットとラビイが並び、部屋にマネックが入って来る。

「今日は何の用だ?」
「僕に監視を付けるほど疑っていますか?」

 マネックは悲しそうな顔をした。

「確かに僕はインサイダー派の貴族で、インサイダーやその派閥貴族の事を考えれば、僕が信用できないのは分かります。なので本心を言いに来ました。僕を内政の英雄の派閥に入れて欲しいです」

「待ってくれ。なぜ今までインサイダー派に居たんだ?なぜロングスパン領の近くに領地を作ったんだ?」

 今までの行動は明らかにインサイダーの思惑通りの行動だ。

「インサイダー派なのは僕の前の代からの事でした。インサイダーの思惑に乗ったのは、僕の領に借金があり、ロングスパン領の近くに領地を建てれば借金を帳消しにする約束でした」

 借金があったからインサイダーの派閥を抜けられなかったのか?

「分からない。フィルにマネックの事を見てもらいたい。マネック、良いか?」
「分かりました」


 フィルが呼ばれるとマネックは緊張した顔でその場に立つ。

「マネック子爵、インサイダーと手を切ってジュンの派閥に入りたいと言う事でいいですね?」
「はい!」

「嘘は言っていないようです」
「マネック、インサイダーの事をどう思っている?」
「傲慢な人間だと思っています」

「俺達を利用しようとしていないか?」
「領地経営を学んで僕の領地の運営の役に立てようと思っています」
「他には?」
「ありません」

「何か隠していることは無いか?」
「インサイダーに帳消しにしてもらった借金の事で迷惑をかけるかもしれません」
「他には無いか?」
「ありません」

「嘘は言っていないのと、マネック子爵はまともな人間です」
「そ、そうなのか!」
「これは、私の早とちりでしたな。ジュン様を混乱させ、申し訳ございません」

 まずい、早速ウサットが俺の罪を被ろうとしている。
 俺の判断ミスだ。
 4貴族は皆癖が強く厄介だった。

 だがマネックだけはまともだったんだ!
 こういう時は。

「すいませんでした。今まできつい態度を取り、監視を付けてすいませんでした」
「僕も疑われる事をしてきました。話を進めましょう」

「……そうだな。マネックも普通に話をしよう」
「これが僕の素です。僕を派閥に入れてくれますか?」
「それについては俺の爵位の授与の時に王と話をしようか。インサイダーの事も話し合いたい」

「では、僕が直接王と事前に話をしてきます」
「私もお供しますぞ」

 ウサットとマネックは王都に向かって行った。

「フィル、時間を取らせてすまなかった」
「いえ、それでは失礼します」

 これで4貴族との争いは終わった。
 インサイダーが難癖をつけてくるだろうが、敵が絞られたことでやりやすくなった。
 爵位の授与が終わればしばらく落ち着くか。
 いや、インサイダーは何をしてくるか分からない。
 俺は考えを巡らせながら領内を歩いた。




 領地の隅でラビイとマナが倒れている。
 原因はすぐに分かった。
 木を材料にしてゴーレムを作ろうとしていたか。

 ラビイの作った木のゴーレムが何体も横たわっていた。
 マナも植物魔法でたくさん木を作ったせいか魔力切れですやすやと眠っている。
 2人の寝顔に癒される。
  
 ラビイが目を覚ます。
「ジュン?」
「起きたか」

「ゴーレムは難しいのです。やはり何体も作って試していくしかないのです」
「何か足りないものはあるか?」
「魔石が欲しいです」

 俺はストレージからすべての魔石を取り出した。

「ま!魔石なのです!こ、これだけあればいいのが出来るです。何度も試せるです!」
「なあ、最初は小さいゴーレムを作ったらどうだ?いきなり完成型を目指す必要は無いだろ?小さいゴーレムを思うように動かせるようになってから大きいのを作ったらどうだ?」


「確かに、思ったより難しいのですよ。小さいゴーレムならマナに何度もボディパーツを作って貰わなくても作れるです」
「城に戻るぞ」

 俺はマナとラビイを両腕で抱えて街に戻った。
 城に着く前に街で木材を買い、店の外に座って小さいゴーレムを作っていく。
 子供たちが面白がって集まってきた。
 マナは眠っている。

 2本足で立つのに苦戦し、何度も何度も作り直して歩けるようになるがまた転ぶ。
 4本足じゃなく2本足のゴーレムを作りたいようだ。
 そのペースならすぐに走って動けるようになるだろう。



「ラビイ、暗くなってきた。そろそろ帰ろう」
「く、時間切れなのです」

 ラビイは魔石の入った袋を抱きしめるように持ちながらにやにやと笑う。

「これだけあれば何度もゴーレムを作れるのです」
「無理せず行こう。魔石が無くなれば魔力を使い切って倒れるまでゴーレムを作るだろ?」
「確かに魔力は無いのです。今日はジュンと一緒に眠るです」

「ん?」
「魔力は枯渇気味なのです。でも体は動くのです。バランスを取るのです」

 マナが目覚める。

「エチエチ、する」

 しばらくマナとラビイはゴーレムを作り続けるだろう。
 爵位の授与が無事に終われば魔石を取って来るのもいいかもしれない。
 俺は王都に向かうまでラビイとマナと一緒に過ごした。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件

マサタカ
青春
 俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。 あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。   そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。 「久しぶりですね、兄さん」 義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。  ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。 「矯正します」 「それがなにか関係あります? 今のあなたと」  冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。    今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人? ノベルアッププラスでも公開。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。

四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……? どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、 「私と同棲してください!」 「要求が増えてますよ!」 意味のわからない同棲宣言をされてしまう。 とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。 中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。 無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。

エース皇命
青春
 高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。  そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。  最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。  陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。  以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。 ※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。 ※表紙にはAI生成画像を使用しています。

処理中です...