深刻な女神パワー不足によりチートスキルを貰えず転移した俺だが、そのおかげで敵からマークされなかった

ぐうのすけ

文字の大きさ
64 / 113
安い時に買って高くなったら売る。それが出来れば金持ちだ

4貴族最強のマネック

しおりを挟む
 俺がベッドから出ると、ウサットが話しかけてきた。

「ジュン様、4貴族最後の1人、マネック殿が訪ねて来ました。もう3時間ほど待っておられます」
「そんなに待っていたのか。すぐに会おう」

 俺とみんなであれな事をしている間ずっと待たせていたか。
 マナ・リース・ラビイはしばらく起きないだろう。

「待たせて悪かった」
「いえ、それより最後の4貴族の件を報告します。名前はマネックで、ジョブはものまね士です。本人は器用貧乏と言っているようですが、今の経営状態を見るに領地運営で見れば間違いなく4貴族最強でしょう。他の3貴族と比べ、別格と言っていいですな」

「ウサットにそこまで言わせるか」
「しかも色々調べてみましたが、悪い噂を聞かないのです。情報操作に優れる可能性もあり、心して挑むべきでしょう」

「分かった」




 俺がマネックに近づくと、マネックは満面の笑顔で頭を下げた。

「初めまして、僕の名はマネックです。ものまね士の器用貧乏ですが、よろしくお願いします」
「ジュンだ。それで?用件を聞きたい」

「お隣の領主へのご挨拶と、領地の見学をさせて欲しいのです」
「分かった」

 俺とウサットはマネックに領地の案内をした。



「なるほど。住宅・食事・服・入浴、そしてポーションの値段は安くしているのですね。領民に負担をかけない為の方針でしょうか?」
「そうだな。最低限の生活だけは安く済むようにしている。その分高級品や嗜好品は自由に競争させている」

 こいつ、質問が的確で頭が良い。
 本質だけをついてくる!
 どこが器用貧乏なんだ?
 優秀じゃないか。

「そうだ、もしよろしければ僕の領地も視察に来ませんか?僕だけが視察をするのは不平等でしょう」
「今から行ってもいいか?」
「もちろん」

 俺とマネックの話を聞いてウサットが素早く動く。

「すぐに護衛の手配をいたします」

 ウサットはかなり警戒しているようだ。
 最悪敵の領地で包囲される可能性もある。
 悪い事をすれば幸運値は下がるが油断はしない。



 俺達がマネックの領地に入ってすぐに確信した。
 良い統治をしている。
 民の顔を見れば分かる。
 笑顔の者が多いのだ。

「案内するほど大きな領地ではありませんが、僕の屋敷に案内します。と、言ってもギルドを兼ねていまして、豪華ではありません」

 ギルド兼屋敷に着くと冒険者や手続きをする者が並ぶ。
 屋敷に豪華さは無く、機能性を重視した作りになっていた。

 マネックは確かに4貴族最強だ。
 領民が逃げ出すほどの圧政はしていないようだ。
 マネックが贅沢をしている様子もない。
 目立ったところは無いが、スキも無い。

 きっちり民を守る為の兵を配備し、物の値段も良心的だ。
 無理に領地を拡大する事もせず、じっくりと堅実に領地を安定させている。
 お互いの領地視察は何事もなく終わった。




 俺は5幹部と食事を摂りつつマネックの事を話した。

「……って感じだった。とにかくスキがない」

「やはりマネックは4貴族最強、なのです」
「リース、マネックの領地を監視してくれないか?」
「分かったにゃあ。シャドウ!」

 黒いリースがマネックの領地に向かって行った。
 そこに帰ってきたウッドゴーレムがラビイに魔石を渡す。

「助かるのです……」
「どうした?」
「うらやましいのです」

「ゴーレム、欲しいのです」
「ゴーレムカーを作っていたじゃないか」
「シャドウやウッドゴーレムのような完全自立型ゴーレムを作りたいのです」

 そういえば前言っていたな。
 二足歩行のゴーレムを作りたいと。
 二足歩行は難易度が高いんだった。

 最近ラビイには建築とポーション作りを続けさせている。
 ラビイの自由を制限しすぎた。
 正直に言えば今はポーションを作って欲しい。
 ポーションの値段が高騰しているのとポーションが不足しているからだ。
 だが、ラビイのしたいようにさせたい。

「ラビイ、やってみるか?」
「いいですか?」
「ああ、ゴーレムを作ってみてくれ」

 ラビイが俺に抱きついてきた。

「皆も何かやりたいことは無いか?」
「私は、今が十分に幸せですが、もう少し筋肉をつけたいですな」
「魔物狩りで体を動かせばいいか?」

「はい、ですがそれをするにはマネックの件の決着がついてからですな」
「そうか、ほかのみんなは何かないか?」

「エチエチ、する」
「私も一緒に寝るにゃあ」

 9人のメイドも声を上げる。
「最近私達してないよ」
「次は私じゃない?」

「わ、私もするのです!」
「わ、私は何もありません。ごちそうさまでした」

 フィルは逃げ出すように部屋を出て行った。
 12人を相手にするのはきつ……いけるな。
 俺達はベッドに向かった。




 ベッドでリースが言った。

「気づかれたにゃあ」
「何がなのです?」
「シャドウがマネックに気づかれたにゃあ」

「マネックか。強いな」
「これからは近くで監視することは出来ないにゃあ。マネックは斥候の能力を覚えているにゃあ」

 ものまね士は様々なジョブの能力をある程度再現することが出来る。
 各ジョブよりスキルの精度は落ちる。
 マネックは自分の事を器用貧乏だと言っていた。
 器用貧乏?万能型じゃないか。

 斥候の能力を使う事で気配を感知されたんだろう。
 監視がバレたら明日にでも難癖をつけられるかもしれない。




 そして次の日、マネックがやってきた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?

宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。 栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。 その彼女に脅された。 「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」 今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。 でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる! しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ?? 訳が分からない……。それ、俺困るの?

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。

みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。 勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。  辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。  だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件

マサタカ
青春
 俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。 あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。   そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。 「久しぶりですね、兄さん」 義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。  ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。 「矯正します」 「それがなにか関係あります? 今のあなたと」  冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。    今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人? ノベルアッププラスでも公開。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...