深刻な女神パワー不足によりチートスキルを貰えず転移した俺だが、そのおかげで敵からマークされなかった

ぐうのすけ

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投資はコツコツ続ける地味な作業だ

投資家の企み

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 俺がダンジョンから帰ると、すぐにウサットが報告する。

「株式投資の制度が整いました」
「ついに来たか。前の話通りで、有限会社から徐々に株式会社に変えていくってことでいいんだよな?」

「そのようです」


 ついに株式投資が始まった。
 口角を釣り上げる。

 すでにどこに投資をするかは決まっている。
 中級ダンジョン周りの開拓企業を優先する。
 今建設業が熱い。

 中級ダンジョン前に堂々と構えるギルドは王家の管轄だ。
 ここは納得だし変えることが出来ない。
 変えるのはその周りだ。

 例えば、ダンジョン近くのうさぎ族マークのパン屋は行列が出来ている。
 レジを増やしてもいいし店自体を増やす案もある。
 金の許す限り行う。

 更にうさぎ族のラビイが立ち上げたうさぎ族系列の会社はブランド化されている。
 従業員はうさぎ族以外も居て、決してうさぎ族の独占というわけではない。

 だがブランド化されているのは大きい。
 ここで買えば魔道具は壊れにくいし食べ物も間違いがないとな。

 ここで買えば間違いがないと思ってもらえている。
 これはでかい。

 同じ商品が2つあり値段が同じだとしてもブランドイメージが高い製品の方が買われやすい。

 そしてこの中級ダンジョンの周りの区画は早いもの勝ちで開拓が可能だ。
 王の方針で早く発展させたいのと、平等に発展のチャンスを与える方針だからだ。

 だが他の貴族は今様子を見ている。
 遅い!
 動きが遅い!

 俺は領主として運営にも携わっている。
 どこがどのくらい伸びるかは予想可能だ。

 株式投資は事業者の感覚を持っている者が有利だ。
 そして俺は次の発展が予想出来ている。

 元の世界では他の者が知らない情報を利用して不正に株式などで利益を上げてはいけない事になっている。
 インサイダー取引ってやつだ。

 だがこの国は株式の未開地でもある。
 そこまで細かく制度は整っていない。
 つまり合法的に知っている情報を使って利益を上げて良いのだ。

 今まで領地の運営はしてきたが、それはあくまで領地の資金で俺の金じゃない。
 だが、戦闘力500の力で取って来た魔石は俺のものだ。

 自分の資金として自由に株式投資をしたかった。
 俺は安い時に買ってずっと持っておくスタイルだ。
 一気に魔石すべてを株式に投入する!

「所で、エルウィン王国とビッグ王国からの手紙はまだだよな?」
「はい、使者を両国に送っているようですが、距離が遠いのです。魔物の警戒をしつつ進むとなればそれなりの時間を要します」

「手紙より使者の方が判断は早くなると思うけど、それでもしばらくかかりそうか?」
「恐らくはそうでしょう」

「丁度いい、今の内に投資を始める。ラビイがどこに居るか分かるか?一緒にギルドに行きたい」
「すぐに呼んでまいります」
「頼む」


 ウサットは走って遠くに行った。
 筋肉の隆起が酷くなっている気がする。
 ギルドに行くか。


 ギルドに着くと受付のお姉さんに個室に案内された。

「王より、このように対応するよう仰せつかっています」
「株式投資の株券販売は順調かな?」

 お姉さんはすっと目を落とした。

「いえ、ですがジュン様の株式投資で投資の呼び水になればと王は期待しています」
「この魔石全部を使って株券を買いたい」

 俺はストレージから魔石を出した。

「こ!これは全部高レベルの魔物の魔石ですか!?」
「全部レベル30の魔石だ」

「しょ、少々お時間を頂きます」
「待つのです!」

 パアン!
 勢いよく扉が開けられ、そこにはラビイが居た。

「は!やはり大量の魔石なのです!私の勘は正しかったのです」
「今からうさぎ族の建築に株式投資をするつもりだった」
「ま、魔石払いにするのです!」

「え、ちょ!」

 受付のお姉さんが圧倒される。

「実はプランは用意してある」
「今聞くのです」

 俺は紙の束を取り出す。
 1枚の紙に1件のプランを書き込んでいる。
 更に優先順位順に番号を振ってある。
 ラビイが紙を見る。

「パン屋の新店舗と今のパン屋の改築、なるほどなのです」
「出来れば新店舗のオープンと同時に今のパン屋の改築を行って欲しい」

「ふむふむ」
「宿屋の需要も大きいだろう。それに武具の販売も行けるはずだ」

「ふふふ、一気に中級ダンジョンの周りの土地を抑えるですよ。魔石があればできるです」
「そうだ、一気に発展させたい」

「飲み屋の優先度はこんなに低くて良いのです?」
「合ってる。まずは冒険者が生活する導線の確保だ。娯楽施設は後回しにしている」
「え?あの」

 お姉さんが圧倒され続けている。



 ◇



「……というわけだ」
「納得したです」

「……あの、手続きを進めてよろしいですか?」
「すまない、頼む」

 こうして、ラビイの魔石を使った建築により、中級ダンジョンの周りににょきにょきと生えるように建物が立って行った。

 店に並ぶ列は緩和され、冒険者は中級ダンジョンの周りに住むようになった。
 冒険者の少なくなったロングスパン領に移民待ちの領民が入り、用意してあったように宿屋は下宿に変わった。
 この国は更なる発展のうねりを見せた。

 俺は不労所得の株券を手に入れ、次の日にはまたダンジョンに戻った。



 ギルドに居あわせた冒険者はジュンがとてつもない事をしている事に気づき始めた。











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