無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ

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第33話

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「カケル!カノンとリコがキリヤに追い詰められて大穴に入った!」
「カノンちゃんを助けてくれ!」
「カケル君!2人が大変なの!」

 走って来たみんなが騒ぐ。

「え?どういう事だ?2人は今どの大穴に入った?」

 みんなが俺にスマホを向けた。

 ネコリコチャンネルで配信されている。

「オッドアイとキリヤが戦って、キリヤが殺されそうになっている!きゅう、ここがどこか分かるか?」
「きゅうううう」
「分からないか」

 大穴は似たような通路がいくつもある。
 2人の場所が分からない。

「くそ!」

「カケル君!行かないで!スピード違反で捕まっちゃう!」
「そうだ!助けに行って悪者になるぞ!」
「危ない!オッドアイは100人のトップハンターが挑んで返り討ちに合って逃げ帰っているんだ!」

「行ったらカケル君が殺されるよ!」
「そうよ、行かないで!」
「行ってももう間に合わないぞ!やめとけ!」

『カケル!2人を助けてくれ!』
『頼む!カケル!助けてくれ!』
『リコちゃんを助けてくれ!』
『カノンちゃんを助けてくれ!』

『カケル、お前しかいないんだ!』
『カケルがもし捕まっても俺は全力で市に圧力をかける!頼む!動いてくれ!」

「せめて場所さえわかれば!きゅう、分からないか?」
「きゅうううう」

 く、きゅうでも分からない。
 どこに行けばいいかさえ分からないか!

『3分後に、お、大穴の入り口を爆破します!く、繰り返します!後3分で大穴を爆破します!みんな!逃げてください!』

 街の放送がの様子がおかしい。
 いつもと違い焦っており余裕が無い事が伝わって来た。

『3分後に大穴の入り口を爆破します!すぐに避難してください!』

 会場のモニターにもネコリコチャンネルの様子が映し出された。
 2人が大虫に包囲されそうになりながら通路を抜けて大部屋に出た。

「きゅう!」
「きゅう、場所が分かるのか」
「きゅう!」
「走るぞ!」

「そんな!カケル君、警察に掴まっちゃうよ!」
「爆破に巻き込まれる!もう無理だ!」
「危ない!行くな!ここにいてくれ!」

 警察が走って来た。

「カケル!今すぐ止まりなさい!」
「市民を危険に晒す訳には行かない!止まってくれ!」
「危険です!行かないで!」

 俺は警察の言葉を無視した。

『カケル!リコちゃんを助けてくれ!』
『カケル!頼む!走ってくれ!』
『走れ!カケル!』
『今すぐに走ってくれ!』

 俺はきゅうを頭に乗せた。

「やめとけ!危ない!」
「カケル君が悪者になってしまう!」
「オッドアイに殺されるぞ!」
「カケル君!行かないで!」

「俺は、走って殴るしか出来ないから、きゅう全力で走るぞ!」
「きゅう!!」

「にゃああああ!!」
「スナイプはお留守番だ!行くぞ!」

 きゅうが俺の頭にへばりつくように密着した。

 俺は走ってお祭り会場を後にする。

 止めるみんなを無視して走る。

『カケル!信じてたぞ!』
『行けえええええ!カケル!』
『走れえええええ!』
『カケル!あんた男だよ!』

 背の低いビルに飛び乗ってビルに飛び移りながら走る。

 すぐに人通りが少なくなりビルが無くなると道路を走った。
 前を走る車を追い越して、きゅうのナビ通りに進む。

 犯罪者?関係ない!
 俺は全力で走る。

 爆破される?
 関係ない!

 オッドアイに2人が殺されるのは嫌だ。
 何もしないで見ているなんてできない!

 道路を走り速度を上げると音速の壁が俺を捕えた。

「くそ!速く!早く!もっと速く!」

 音速の壁が俺を邪魔する。

「走れ!走れ!走れ!」

 音速の壁が俺の加速を止める。
 今だけでいい!
 しばらく動けなくなってもいいんだ!

 今だけはもっと速く走らせてくれ!
 俺は音速の壁にぶつかるように加速した。

「このおおおおお!」


 その瞬間に、時間の流れが遅く感じた。

 走る景色が色あせ、白と黒の世界に変わる。

 まるで、走馬灯のように昔の事を思い出す。










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