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探索組VS待機組
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探索組の方々が順番にシャワー室を使い、私たち待機組は探索組が取ってきた食材を調理します。鮎を木の棒に刺して焼き、海水を水魔法で薄めて土鍋でキノコのスープを作り、木の実やフルーツは私が作った土鍋?に盛りつけます。せっかくクリス様に出してもらった鉄板は残念ながら出番がありませんでした。
マリー様は好物の鮎が食べられるとはしゃいでます。この鮎はエルヴィン殿下が殆ど捕まえたのだとテオフィル様から聞きました。口喧嘩ばかりに見えても実は思い合っているのがわかるマリー様とエルヴィン殿下の関係がとても羨ましいです。
クリス様は岩魔法でカトラリーが作れないかひたすら試してたのですが、今は岩魔法で出したナイフで木を削りスプーンを作ってます。岩魔法のカトラリーは諦めたようです。トラウさんは切り出した木を彫って人数分のお椀を作っています。私もトラウさんと一緒にお椀を作ります。
土器を作る時にお椀も作れば良かったですね。もしも明日も救助が来なかった時はお椀も作ろうと心に決めます。
そこへシャワーを浴びたベティーナ様がきました。
「ベティーナさん、手は大丈夫ですか?」
「痛いけど我慢してるわ」
「私、包帯を巻いて固定することで痛みを和らげる方法を習ったことがあって、これはさっき洗ったばかりの清潔なハンカチなんです。巻かせていただいて良いですか?」
手の手当てをしようと声をかけたのですが、ベティーナ様はその手に王家の紋章の刺繍が入ったハンカチを持っています。
「お昼にハル様がこのハンカチで巻いてくれたんだけど、さっきシャワーで解いちゃったの。でも後でハル様に巻き直してもらおうと思ってて、だから大丈夫」
ここは「さすが、ハルトムート様」って思わないといけないところなはずなのに、悲しくて、悔しくて、羨ましくて、泣きそうです。私は別にハルトムート様から粗末に扱われているわけではありません。でも、私にもベティーナ様にするように普通に会話してほしいし、私以外の女性に優しくしているのを見たくないなと思ってしまうのです。
そこへ、マリー様がベティーナ様へ声をかけました。
「ベティーナさん、この木の実を割るのを手伝ってもらえる?」
「私手が痛いのに。ひどぉ~い」
「どうした?」
マリー様、ベティーナさん、エルヴィン殿下の3人です。なんか一悶着起こりそうな嫌な予感がします。
「エル様、私が悪いの。大変な時に手を痛めてるから」
「アンネマリー、ベティは怪我をしているんだ。思いやれないのか?」
「何よ!私は手伝ってもらえるか確認しただけよ!」
マリー様はエルヴィン殿下とベティーナさんを残し、私の方へきます。なぜかクリス様までこちらへきました。
「ロミーちゃん、クリス、聞いて!エルヴィン様がひどいの!」
「マリーそこは“ひどぉ~い”でしょ」
クリス様が煽り、エルヴィン殿下がマリー様を追いかけてこちらに来ます。
「“クリス”と“マリー”だと?お前、俺以外の男を愛称で呼んで、しかも俺が呼んでない愛称をクリスに許したのか?」
「何よ、エルヴィン様だって“ベティ”“エル様”ってベティーナさんと呼び合ってるじゃない」
「なんだ嫉妬か?」
2人ともお腹が空いてイライラしているのでしょう。喧嘩はやめてほしいです。
「アンネマリー嬢とロミルダ嬢、ベティは手を痛めているのだ。ベティを責めないでもらいたい」
そこへ、ベティーナさんに声をかけた後にこちらに来たテオフィル様が、私とマリー様を睨み付けながら言い放ちました。まさしく火に油です。
「テオは何を言ってるの?マリーもロミーもベティーナ嬢を責めたりなんてしてないよ」
「クリス、ベティが2人から責められて悲しいと言ったんだ。いじめは加害者に自覚がないこともあると聞く。加害者にはちゃんと注意しないといけない」
「なんでその女が悲しんでるってだけでこっちが加害者になるんだよ」
マリー様とエルヴィン殿下だけでなく、クリス様とテオフィル様まで一触即発の佇まいになります。次期王妃としてここを丸く収めないととは思いますが、私が注意しても聞かない気がして尻込みしてしまいます。
「皆、争いはやめろ。夕飯にしよう」
ハルトムート様の一言で皆喧嘩を中断します。雰囲気は悪いままですが、とりあえず危機は乗り越えました。
「兄上、ごめんなさい」
エルヴィン殿下は本当にハルトムート様が好きなのですよね。大好きな兄の婚約者である私に反発してこない事が不思議なくらいです。
そこへ、シャワーを浴びている間に危機一髪で大げんかを免れた事など知らないカスパル様が来ました。1人遅れてきた彼はテーブルの上に並んだ食べ物を見て、空気も読まずに特大の火種を投下したのです。
「えっこんな土鍋で作ったスープを食べるのですか?しかもお椀は木だし。こんな汚いもの口に入れるのは無理です」
そう、トイレとシャワー室を見たカスパル様に「1人1つじゃないのか」と言われた時点で嫌な予感はしていたのです。皆矛を収めたばかりだというのに、これはまずい。
「私たちが一生懸命作った土鍋を汚いだなんて、ひどぉ~い。嫌なら食べなきゃいいじゃない!木のお椀がダメなら木に刺さった鮎も無理ね。カスパル様の鮎は私が食べてあげるわ。カスパル様はリスみたいに木の実だけ齧っていたらいいのだわ」
「おい、そんな言い方はないだろう!カスパルはお前と違って繊細なんだ」
「繊細じゃなくて悪かったわね!でも、繊細すぎて船にも乗れないのなら、私はがさつで良かったと思うわ!」
やはりマリー様とエルヴィン殿下が言い争いを始めてしまいました。さりげなくベティーナさんのモノマネを入れてるあたり、ベティーナさんへの苛立ちも収まっていないようです。
「カスパル、無理に食べろとは言っていない。食べられる物だけ黙って食べろ。疲れているのはわかるが、何もなかった状態から試行錯誤してここまでしてくれた待機組への感謝がない。“衣食足りて礼節を知る”という言葉がある意味を考えるように。……皆、緊急事態だからこそ思いやりの心を忘れないように」
ハルトムート様の言葉を受けてカスパル様、マリー様、エルヴィン殿下が黙りました。皆、だまって黙々と食べ始めます。お通夜みたいな雰囲気ですが、船で朝食を取ってから水しか飲んでなかったおかげか鮎もキノコのスープも木の実もフルーツもとっても美味しく感じます。でも、贅沢を言うならば皆で和気藹々と食べたかったです。
マリー様は好物の鮎が食べられるとはしゃいでます。この鮎はエルヴィン殿下が殆ど捕まえたのだとテオフィル様から聞きました。口喧嘩ばかりに見えても実は思い合っているのがわかるマリー様とエルヴィン殿下の関係がとても羨ましいです。
クリス様は岩魔法でカトラリーが作れないかひたすら試してたのですが、今は岩魔法で出したナイフで木を削りスプーンを作ってます。岩魔法のカトラリーは諦めたようです。トラウさんは切り出した木を彫って人数分のお椀を作っています。私もトラウさんと一緒にお椀を作ります。
土器を作る時にお椀も作れば良かったですね。もしも明日も救助が来なかった時はお椀も作ろうと心に決めます。
そこへシャワーを浴びたベティーナ様がきました。
「ベティーナさん、手は大丈夫ですか?」
「痛いけど我慢してるわ」
「私、包帯を巻いて固定することで痛みを和らげる方法を習ったことがあって、これはさっき洗ったばかりの清潔なハンカチなんです。巻かせていただいて良いですか?」
手の手当てをしようと声をかけたのですが、ベティーナ様はその手に王家の紋章の刺繍が入ったハンカチを持っています。
「お昼にハル様がこのハンカチで巻いてくれたんだけど、さっきシャワーで解いちゃったの。でも後でハル様に巻き直してもらおうと思ってて、だから大丈夫」
ここは「さすが、ハルトムート様」って思わないといけないところなはずなのに、悲しくて、悔しくて、羨ましくて、泣きそうです。私は別にハルトムート様から粗末に扱われているわけではありません。でも、私にもベティーナ様にするように普通に会話してほしいし、私以外の女性に優しくしているのを見たくないなと思ってしまうのです。
そこへ、マリー様がベティーナ様へ声をかけました。
「ベティーナさん、この木の実を割るのを手伝ってもらえる?」
「私手が痛いのに。ひどぉ~い」
「どうした?」
マリー様、ベティーナさん、エルヴィン殿下の3人です。なんか一悶着起こりそうな嫌な予感がします。
「エル様、私が悪いの。大変な時に手を痛めてるから」
「アンネマリー、ベティは怪我をしているんだ。思いやれないのか?」
「何よ!私は手伝ってもらえるか確認しただけよ!」
マリー様はエルヴィン殿下とベティーナさんを残し、私の方へきます。なぜかクリス様までこちらへきました。
「ロミーちゃん、クリス、聞いて!エルヴィン様がひどいの!」
「マリーそこは“ひどぉ~い”でしょ」
クリス様が煽り、エルヴィン殿下がマリー様を追いかけてこちらに来ます。
「“クリス”と“マリー”だと?お前、俺以外の男を愛称で呼んで、しかも俺が呼んでない愛称をクリスに許したのか?」
「何よ、エルヴィン様だって“ベティ”“エル様”ってベティーナさんと呼び合ってるじゃない」
「なんだ嫉妬か?」
2人ともお腹が空いてイライラしているのでしょう。喧嘩はやめてほしいです。
「アンネマリー嬢とロミルダ嬢、ベティは手を痛めているのだ。ベティを責めないでもらいたい」
そこへ、ベティーナさんに声をかけた後にこちらに来たテオフィル様が、私とマリー様を睨み付けながら言い放ちました。まさしく火に油です。
「テオは何を言ってるの?マリーもロミーもベティーナ嬢を責めたりなんてしてないよ」
「クリス、ベティが2人から責められて悲しいと言ったんだ。いじめは加害者に自覚がないこともあると聞く。加害者にはちゃんと注意しないといけない」
「なんでその女が悲しんでるってだけでこっちが加害者になるんだよ」
マリー様とエルヴィン殿下だけでなく、クリス様とテオフィル様まで一触即発の佇まいになります。次期王妃としてここを丸く収めないととは思いますが、私が注意しても聞かない気がして尻込みしてしまいます。
「皆、争いはやめろ。夕飯にしよう」
ハルトムート様の一言で皆喧嘩を中断します。雰囲気は悪いままですが、とりあえず危機は乗り越えました。
「兄上、ごめんなさい」
エルヴィン殿下は本当にハルトムート様が好きなのですよね。大好きな兄の婚約者である私に反発してこない事が不思議なくらいです。
そこへ、シャワーを浴びている間に危機一髪で大げんかを免れた事など知らないカスパル様が来ました。1人遅れてきた彼はテーブルの上に並んだ食べ物を見て、空気も読まずに特大の火種を投下したのです。
「えっこんな土鍋で作ったスープを食べるのですか?しかもお椀は木だし。こんな汚いもの口に入れるのは無理です」
そう、トイレとシャワー室を見たカスパル様に「1人1つじゃないのか」と言われた時点で嫌な予感はしていたのです。皆矛を収めたばかりだというのに、これはまずい。
「私たちが一生懸命作った土鍋を汚いだなんて、ひどぉ~い。嫌なら食べなきゃいいじゃない!木のお椀がダメなら木に刺さった鮎も無理ね。カスパル様の鮎は私が食べてあげるわ。カスパル様はリスみたいに木の実だけ齧っていたらいいのだわ」
「おい、そんな言い方はないだろう!カスパルはお前と違って繊細なんだ」
「繊細じゃなくて悪かったわね!でも、繊細すぎて船にも乗れないのなら、私はがさつで良かったと思うわ!」
やはりマリー様とエルヴィン殿下が言い争いを始めてしまいました。さりげなくベティーナさんのモノマネを入れてるあたり、ベティーナさんへの苛立ちも収まっていないようです。
「カスパル、無理に食べろとは言っていない。食べられる物だけ黙って食べろ。疲れているのはわかるが、何もなかった状態から試行錯誤してここまでしてくれた待機組への感謝がない。“衣食足りて礼節を知る”という言葉がある意味を考えるように。……皆、緊急事態だからこそ思いやりの心を忘れないように」
ハルトムート様の言葉を受けてカスパル様、マリー様、エルヴィン殿下が黙りました。皆、だまって黙々と食べ始めます。お通夜みたいな雰囲気ですが、船で朝食を取ってから水しか飲んでなかったおかげか鮎もキノコのスープも木の実もフルーツもとっても美味しく感じます。でも、贅沢を言うならば皆で和気藹々と食べたかったです。
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