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ニンジンの花言葉は「幼い夢」2
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「でもウサギ小屋には科夫と一緒に行ってもらいたいんだわ」
壮絶なツッコミも空しく受け流されたがウサギの交流の件は忍先生も無下にできない内容だったらしい。
「どうしてですか?」
「さっき言った通り小学生たちにウサギを飼育させているんだが今日は新しい飼育委員たちへのお披露目会があって基本は飼育委員たちと一緒にやるんだがウサギの数も数でな。秀専学園で色々な行事を把握している写真部にお役が周ったんだわ。今、自由に動ける部員は科夫だけだから一応補佐という名目でお前らにも来て欲しいんだ」
蒼汰が気に成り質問するといつもふざけた忍先生にしては真っ当な答えが出てきた。
「そんなにたくさんのウサギさんがいるの?」
「ああ、一年の山羽だっけ?一年生の音楽部活期待の新星って呼ばれてたけど本人が乗り気じゃないのならしょうがないわな」
「うん、今は蒼汰君のために……ううん私のために時間を使いたい」
「自分の行動を人任せにしないことはいいことだな。いいことだぞ、高校生の内から自立する気があるのは」
「自立?」
「何も親だけじゃない。最終的な決定権を決めるにあたって他人に相談する分にはいいが最初から他人に頼るのは自分の人生を他人に任せているようなモノだからな。こうやって自分で物事を決めることが大切なんだよ。ただでさえうちの学園は親から習ったことそのままに行動する奴が多いからな。最近になってそれを変えさせようとする一環として特待生制度を導入したけどあまり良い成果は出てないんだよな」
嘆くように言う忍先生。
「基本年寄りどもの弊害なんだよ。自立自立ばっか言ってるくせにやたらと選択肢を提示して誘導してきやがる。ただの責任逃れの誘導しかできないクソ爺どもが社会にのさばっているから変な自立しかできないのによう。ああすまん昼に愚痴ばっか言って気分悪くさせちまったな。ほれ詫びと放課後来てもらうことも兼ねての報酬前払いだ」
さらっとバケツいっぱいにある野菜スティクを差し出された。マヨネーズを添えて…
「「おいコラ!」」
蒼汰と科夫の声が重なる。
「なんだ?私の数少ない給料で作った野菜スティックだぞ」
「それでもこれ明らかに1人で食う量でも無いし完全にウサギの餌やり用の奴パクって来たでしょう!」
「そうですよニンジン多めだし!どうせ忍先生の実家から持って来たんでしょう!」
蒼汰も科夫も抗議するように話すが水を差す2人が居た。
「蒼汰さん根田さんこの野菜良く見てください」
「そうだよ蒼汰君この野菜凄く美味しいよ?」
パリポリと食べる女子が2人抗議をしていた。
2人に言われ渋々食べる蒼汰と科夫
「こ、これは……甘い。しかもニンジン特有の青臭さが一切無いのに程よい苦味がある」
「なんだこのキュウリは身がギュッと詰まっている!」
「ニンジンは氷点下に近い温度で土付きのまま保存することでこの味を出している。このキュウリは私が蒼汰君のために持ってきた野菜と同じ栽培方法を使っていると思う」
「山羽の言う栽培方法は判らんがニンジンに関しては正解で収穫した後に高地の洞窟に放り込んである。キュウリに関してはほったからしにして育てたな」
たかが野菜スティックだというのに止まらない。
「来夢さんお弁当は大丈夫?」
「は…今食べる」
夢中になって食べていたところを蒼汰に見られていたのに気づいたのか顔を赤くしてお弁当を並べる。
来夢さんのお弁当の中身は漬物にニンジンの肉巻きにピーマンの肉詰めなど茶色いながらも野菜をなるべく入れようとしている弁当だった。
「へえ美味しそう」
「食べる?」や
「うんじゃあこのピーマンの肉詰めを」
ひょいと一つ食べると今度は甘夏さんからお声が掛かった。
「蒼汰さん今朝は作れなかったのでお弁当の方は私が作りましたから思う存分食べてください!」
「うんありがとう。あと来夢さんこのピーマンの肉詰めって鯖だよねしかもタマネギを入れるなんて凄い大変だったよね」
「大丈夫だよ今は文明の利器があるしね」
「蒼汰さん早く私の作ったお弁当の感想を!」
甘夏さんにせがまれて甘夏さんの弁当を開けるとそこには揚げ物のオンパレードにグラッセにされた野菜たちがあった。
グラッセ……主に砂糖煮やバター煮などで艶出しをさせた料理の総称。
ただでさえ茶色いおかずだというのにグラッセまで入ってしまってはカロリーオーバーな気もする。
「甘夏さんこれ全部食べて大丈夫?」
「大丈夫ですよ蒼汰さんのために全部作りましたから」
そうじゃないと叫びたかった。
助けを求めるように周りを見渡す。
「ん?ああなるほどな。蒼汰一応生活習慣病にはならんから安心しとけ」
「へ?」
「私の給料全額賭けてもいいぞ」
そういわれて恐る恐る食べると
「あ、これは揚げてない?」
「ええきちんとカロリーのことは考えて揚げないで尚且つ保存が利くように少量の油でオーブンで焼き上げました」
「それにグラッセも……」
「なるべく野菜の味が活きるようにバターは控えめに、でも塩分に物足りなさが無いように発酵バターを使ってみましたがどうでした?」
「美味しいよ。きちんと全体的に僕好みに成ってる。比べるのは良くないけど来夢さんの和食みたいに素材の味を生かしつつ健康も気遣ってくれる良い家庭料理だと思うよ」
「「ありがとう」」
こうして昼休みは終わった。
「そういえば科夫は何で忍先生の実家のこと知ってるんだ?」
「あ、それ?まあすぐにわかるさ」
壮絶なツッコミも空しく受け流されたがウサギの交流の件は忍先生も無下にできない内容だったらしい。
「どうしてですか?」
「さっき言った通り小学生たちにウサギを飼育させているんだが今日は新しい飼育委員たちへのお披露目会があって基本は飼育委員たちと一緒にやるんだがウサギの数も数でな。秀専学園で色々な行事を把握している写真部にお役が周ったんだわ。今、自由に動ける部員は科夫だけだから一応補佐という名目でお前らにも来て欲しいんだ」
蒼汰が気に成り質問するといつもふざけた忍先生にしては真っ当な答えが出てきた。
「そんなにたくさんのウサギさんがいるの?」
「ああ、一年の山羽だっけ?一年生の音楽部活期待の新星って呼ばれてたけど本人が乗り気じゃないのならしょうがないわな」
「うん、今は蒼汰君のために……ううん私のために時間を使いたい」
「自分の行動を人任せにしないことはいいことだな。いいことだぞ、高校生の内から自立する気があるのは」
「自立?」
「何も親だけじゃない。最終的な決定権を決めるにあたって他人に相談する分にはいいが最初から他人に頼るのは自分の人生を他人に任せているようなモノだからな。こうやって自分で物事を決めることが大切なんだよ。ただでさえうちの学園は親から習ったことそのままに行動する奴が多いからな。最近になってそれを変えさせようとする一環として特待生制度を導入したけどあまり良い成果は出てないんだよな」
嘆くように言う忍先生。
「基本年寄りどもの弊害なんだよ。自立自立ばっか言ってるくせにやたらと選択肢を提示して誘導してきやがる。ただの責任逃れの誘導しかできないクソ爺どもが社会にのさばっているから変な自立しかできないのによう。ああすまん昼に愚痴ばっか言って気分悪くさせちまったな。ほれ詫びと放課後来てもらうことも兼ねての報酬前払いだ」
さらっとバケツいっぱいにある野菜スティクを差し出された。マヨネーズを添えて…
「「おいコラ!」」
蒼汰と科夫の声が重なる。
「なんだ?私の数少ない給料で作った野菜スティックだぞ」
「それでもこれ明らかに1人で食う量でも無いし完全にウサギの餌やり用の奴パクって来たでしょう!」
「そうですよニンジン多めだし!どうせ忍先生の実家から持って来たんでしょう!」
蒼汰も科夫も抗議するように話すが水を差す2人が居た。
「蒼汰さん根田さんこの野菜良く見てください」
「そうだよ蒼汰君この野菜凄く美味しいよ?」
パリポリと食べる女子が2人抗議をしていた。
2人に言われ渋々食べる蒼汰と科夫
「こ、これは……甘い。しかもニンジン特有の青臭さが一切無いのに程よい苦味がある」
「なんだこのキュウリは身がギュッと詰まっている!」
「ニンジンは氷点下に近い温度で土付きのまま保存することでこの味を出している。このキュウリは私が蒼汰君のために持ってきた野菜と同じ栽培方法を使っていると思う」
「山羽の言う栽培方法は判らんがニンジンに関しては正解で収穫した後に高地の洞窟に放り込んである。キュウリに関してはほったからしにして育てたな」
たかが野菜スティックだというのに止まらない。
「来夢さんお弁当は大丈夫?」
「は…今食べる」
夢中になって食べていたところを蒼汰に見られていたのに気づいたのか顔を赤くしてお弁当を並べる。
来夢さんのお弁当の中身は漬物にニンジンの肉巻きにピーマンの肉詰めなど茶色いながらも野菜をなるべく入れようとしている弁当だった。
「へえ美味しそう」
「食べる?」や
「うんじゃあこのピーマンの肉詰めを」
ひょいと一つ食べると今度は甘夏さんからお声が掛かった。
「蒼汰さん今朝は作れなかったのでお弁当の方は私が作りましたから思う存分食べてください!」
「うんありがとう。あと来夢さんこのピーマンの肉詰めって鯖だよねしかもタマネギを入れるなんて凄い大変だったよね」
「大丈夫だよ今は文明の利器があるしね」
「蒼汰さん早く私の作ったお弁当の感想を!」
甘夏さんにせがまれて甘夏さんの弁当を開けるとそこには揚げ物のオンパレードにグラッセにされた野菜たちがあった。
グラッセ……主に砂糖煮やバター煮などで艶出しをさせた料理の総称。
ただでさえ茶色いおかずだというのにグラッセまで入ってしまってはカロリーオーバーな気もする。
「甘夏さんこれ全部食べて大丈夫?」
「大丈夫ですよ蒼汰さんのために全部作りましたから」
そうじゃないと叫びたかった。
助けを求めるように周りを見渡す。
「ん?ああなるほどな。蒼汰一応生活習慣病にはならんから安心しとけ」
「へ?」
「私の給料全額賭けてもいいぞ」
そういわれて恐る恐る食べると
「あ、これは揚げてない?」
「ええきちんとカロリーのことは考えて揚げないで尚且つ保存が利くように少量の油でオーブンで焼き上げました」
「それにグラッセも……」
「なるべく野菜の味が活きるようにバターは控えめに、でも塩分に物足りなさが無いように発酵バターを使ってみましたがどうでした?」
「美味しいよ。きちんと全体的に僕好みに成ってる。比べるのは良くないけど来夢さんの和食みたいに素材の味を生かしつつ健康も気遣ってくれる良い家庭料理だと思うよ」
「「ありがとう」」
こうして昼休みは終わった。
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