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第二章
第97話 ヒデさんのあられもない姿
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翌日。
乗り合い馬車での移動が長かったせいか、メイスに起こされるまで一度も目を覚まさなかった。
それはヒデさんも同じだったようで、私が身支度を整えて起こしに行くと、寝ぐせがついたままのヒデさんが眠そうに目を擦りながら部屋の扉を開けて現れた。
「おはよう。ヒデさんも今日はお寝坊さんだね」
「……おはよう」
苦笑交じりに声をかけたが、寝起きのせいかヒデさんの反応が遅い。
『おねえちゃんおはよう!』
ブロンがヒデさんの脇をすり抜けて、元気な声と共に飛びついてきた。
私は咄嗟にブロンの体を抱きとめて、もふもふの毛並みに顔を埋める。
お日様の匂いに心が癒されていく。
顔を上げてブロンと視線を合わせると微笑む。
「おはよう。ブロンは朝から元気だね」
尻尾を振って全身で喜びを表すブロンが最高に可愛い。
よしよしとブロンの頭を撫でていたら、ようやく意識が覚醒したヒデさんが慌て始めた。
「あっ!ユーリさん!おはようございます!」
さっき挨拶したんだけどなと思いつつ、再び挨拶を返す。
「おはよう。目、覚めた?実は私もさっき起きたばっかりなの。お腹が空いたしそろそろ朝食にしない?」
そう声をかけられたヒデさんがハッとして、勢いよく後ろを振り返るなり叫んだ。
「わっ!明るい!寝坊した!?」
サーレーンを出発してからというもの、乗り合い馬車での移動は地味に体に堪えた。
今日くらい寝坊しても誰も文句を言うはずがない。
それなのに、こちらに振り向き直ったヒデさんの表情が申し訳ないを通り越して、まるで途轍もない事を仕出かしてしまったとでも言わんばかりの罪悪感を滲ませている。
別にそこまで落ち込まなくても良いのに。
ヒデさんは根が真面目過ぎるのだろう。
私は笑みを浮かべて明るく言った。
「ずっと乗り合い馬車での移動は辛かったよねぇ。私もついさっき起きたんだけど、日が高くてびっくりしちゃった。……あとさぁ、服、着替えたら?」
私に指摘されたヒデさんは、そろ~と視線を落として自分の姿を確認して驚愕する。
「っ!!」
Tシャツにトランクスというあられもない格好に、一気にヒデさんの顔が耳まで赤く染まる。
ま、私の中身は成人しているし、ヒデさんは息子、いや、弟のようなものだから特に気にしていないけど、確かに身内でも異性から指摘されたら恥ずかしいだろう。
そっと視線を逸らしたのと同時に、ヒデさんのテンパった声が頭上から降り注ぐ。
「あっ!い、急いで着替えてくる!じ、じゃあ!」
かなり慌てていたようで、私の鼻先を掠めて勢いよく扉が閉まる。
中からは、ガツッとかゴンとか何かにぶつかる音が聞こえてくる。。
廊下に取り残された私達は、しばらくそこでヒデさんの着替えが終わるのを静かに待った。
それからものの五分と経たずに、荒く息を上げたヒデさんが扉を開けて現れた。
……寝ぐせ直ってないじゃん。
ピコンと跳ねた寝ぐせが気になって、生活魔法の一つである清浄魔法をかけて口を開く。
「寝ぐせ、跳ねていたからついでに魔法をかけておいたよ。準備は整った?」
私に問いかけられたヒデさんは服装と持ち物を確認した後、気恥ずかしそうに俯き加減で頷いた。
耳まで赤くなっていたが、私はスルーしてヒデさんが口を開くのを待った。
「……ありがとう。着替えは済んだし、忘れ物は無いと思う」
恥ずかしそうに呟いたヒデさんに向かって、私は内心母親のような心境で柔らかく微笑んだ。
それから、背中を軽く叩いて食堂へと促す。
「お腹空いちゃった。早く朝ご飯にしよう。さ、行くよ」
その言葉にいち早く反応したブロンが元気に応えた。
『ごは~ん!早く食べたい!』
気まずい空気をものともしないブロンの能天気な声に、私もヒデさんも自然と笑顔になる。
「ふふ。そうだね。早くご飯にしよう」
ヒデさんのあられもない姿を見て気まずい空気が流れたが、能天気なブロンのおかげでようやく朝の日常が戻ったことに内心安堵した私であった。
乗り合い馬車での移動が長かったせいか、メイスに起こされるまで一度も目を覚まさなかった。
それはヒデさんも同じだったようで、私が身支度を整えて起こしに行くと、寝ぐせがついたままのヒデさんが眠そうに目を擦りながら部屋の扉を開けて現れた。
「おはよう。ヒデさんも今日はお寝坊さんだね」
「……おはよう」
苦笑交じりに声をかけたが、寝起きのせいかヒデさんの反応が遅い。
『おねえちゃんおはよう!』
ブロンがヒデさんの脇をすり抜けて、元気な声と共に飛びついてきた。
私は咄嗟にブロンの体を抱きとめて、もふもふの毛並みに顔を埋める。
お日様の匂いに心が癒されていく。
顔を上げてブロンと視線を合わせると微笑む。
「おはよう。ブロンは朝から元気だね」
尻尾を振って全身で喜びを表すブロンが最高に可愛い。
よしよしとブロンの頭を撫でていたら、ようやく意識が覚醒したヒデさんが慌て始めた。
「あっ!ユーリさん!おはようございます!」
さっき挨拶したんだけどなと思いつつ、再び挨拶を返す。
「おはよう。目、覚めた?実は私もさっき起きたばっかりなの。お腹が空いたしそろそろ朝食にしない?」
そう声をかけられたヒデさんがハッとして、勢いよく後ろを振り返るなり叫んだ。
「わっ!明るい!寝坊した!?」
サーレーンを出発してからというもの、乗り合い馬車での移動は地味に体に堪えた。
今日くらい寝坊しても誰も文句を言うはずがない。
それなのに、こちらに振り向き直ったヒデさんの表情が申し訳ないを通り越して、まるで途轍もない事を仕出かしてしまったとでも言わんばかりの罪悪感を滲ませている。
別にそこまで落ち込まなくても良いのに。
ヒデさんは根が真面目過ぎるのだろう。
私は笑みを浮かべて明るく言った。
「ずっと乗り合い馬車での移動は辛かったよねぇ。私もついさっき起きたんだけど、日が高くてびっくりしちゃった。……あとさぁ、服、着替えたら?」
私に指摘されたヒデさんは、そろ~と視線を落として自分の姿を確認して驚愕する。
「っ!!」
Tシャツにトランクスというあられもない格好に、一気にヒデさんの顔が耳まで赤く染まる。
ま、私の中身は成人しているし、ヒデさんは息子、いや、弟のようなものだから特に気にしていないけど、確かに身内でも異性から指摘されたら恥ずかしいだろう。
そっと視線を逸らしたのと同時に、ヒデさんのテンパった声が頭上から降り注ぐ。
「あっ!い、急いで着替えてくる!じ、じゃあ!」
かなり慌てていたようで、私の鼻先を掠めて勢いよく扉が閉まる。
中からは、ガツッとかゴンとか何かにぶつかる音が聞こえてくる。。
廊下に取り残された私達は、しばらくそこでヒデさんの着替えが終わるのを静かに待った。
それからものの五分と経たずに、荒く息を上げたヒデさんが扉を開けて現れた。
……寝ぐせ直ってないじゃん。
ピコンと跳ねた寝ぐせが気になって、生活魔法の一つである清浄魔法をかけて口を開く。
「寝ぐせ、跳ねていたからついでに魔法をかけておいたよ。準備は整った?」
私に問いかけられたヒデさんは服装と持ち物を確認した後、気恥ずかしそうに俯き加減で頷いた。
耳まで赤くなっていたが、私はスルーしてヒデさんが口を開くのを待った。
「……ありがとう。着替えは済んだし、忘れ物は無いと思う」
恥ずかしそうに呟いたヒデさんに向かって、私は内心母親のような心境で柔らかく微笑んだ。
それから、背中を軽く叩いて食堂へと促す。
「お腹空いちゃった。早く朝ご飯にしよう。さ、行くよ」
その言葉にいち早く反応したブロンが元気に応えた。
『ごは~ん!早く食べたい!』
気まずい空気をものともしないブロンの能天気な声に、私もヒデさんも自然と笑顔になる。
「ふふ。そうだね。早くご飯にしよう」
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