【読者への挑戦状あり!】化け物殺人事件~人狼伝説・狼の哭く夜~

あっちゅまん

文字の大きさ
27 / 62
第3日目

第22話 到着3日目・昼その5

しおりを挟む




 ダイニングルームに集まったみなさんの視線がイーロウさんに集まっていた。

 イーロウさんはエラリーンさんと交際していたのは周知の事実だったのですが、アネノさんが昨夜イーロウさんと一晩を一緒に過ごしたと告白したのです。

 そんな中、イーロウさんが、やれやれと言った表情で肩をすくめてみせた。



 「まぁ……。バレちゃあ仕方がないですね。そうですよ! たしかに俺は、昨夜はアネノさんと一緒でしたよ。」

 「ほう? 認めるんだな? イーロウさん。それが本当なら、何時から一緒にいたんだね?」

 ジェニー警視が聞く。



 「深夜……、1時過ぎにアネノさんが俺の部屋を訪ねてきました。それから……、朝まで一緒でしたよ。」

 「そうよ! 朝、みなさんが事件を発見して騒ぎになった時に、私たちも起きましたの。それから部屋を出て、着替えてからここに集まりましたのよ。」

 アネノさんも追従する。


 どうやら、本当のようですね。

 そして、それが事実なら、アネノさん、イーロウさんはお互いのアリバイを証明しているので、容疑から外れるということになります。

 それはコンジ先生もわかっているようで、なにか考えている様子で黙ったままでした。


 「ふん……。それが本当ならアネノさんはアリバイがあるということになるな。」

 ビジューさんが冷静に発言をした。



 「ま……、まぁ、この際、アネノ。そのぉ……、イーロウさんとのことは置いておくとして、アネノは人狼ではないと証明されたということね?」

 ママハッハさんが、娘であるアネノさんとイーロウさんの交際の是非はともあれ、アネノさんの容疑が晴れたことに関して言及した。


 「まあ、そうなりますね。エラリーンさんとカンさんの死亡推定時刻は深夜2時から4時まで。この間ずっと、アネノさんとイーロウさんはお互い一緒だったと証言しているんですからね。」

 コンジ先生もそこははっきりと認められました。

 「他の方々の行動をまとめると……。」



※第2日目の夜のアリバイ



 ジェニー警視のまとめによると、シンデレイラ家の方々はアネノさん以外はアリバイなし。

 パパデスさん、ママハッハさん、ジジョーノさんは自室でずっと寝ていたとおっしゃってますが、証言者はいません。

 スエノさんは1時過ぎにアネノさんに目撃されてから、3時頃まではジニアスさんと一緒だったと証言されています。

 ……ですが、3時過ぎ以降、ジニアスさんの部屋を出られてからは自室に戻ったと本人の証言があるのみです。



 メッシュさんの昨夜の行動は、夕食の後片付けをした後は自室で就寝され、朝5時にキッチンへ行き、朝食の支度をされていて、その後、6時過ぎにカンさんの死体を発見した。

 シープさんは、昨夜シュジイさんと一緒にパパデスさんのシャワーの付き添いの後、コンジ先生を呼びに行き、パパデスさんの部屋で警備体制の相談をした後、自室に戻ったと。その後は、朝まで自室で就寝されていて、朝6時ごろ、イーロウさんがエラリーンさんの死体を発見した際、コンジ先生、ジェニー警視、私が現場に駆けつけた後、顔を見せています。

 シュジイさんはシープさんと同様に昨夜はパパデスさんの部屋でシャワー付き添いをし、その後自室で就寝。やはし、朝まで眠られていて、朝、エラリーンさんの部屋に、シープさんの後に姿を見せていました。



 他の方は、イーロウさんはジニアスさん、ビジューさん、イーロウさんとともにシャワーを浴びられた後に、深夜1時過ぎまで自室で過ごし、アネノさんとその後朝まで一緒だったと言うことで、完全にアリバイありですね。

 アレクサンダー神父は昨夜に引き続き、『左翼の塔』で祈祷されていて、アリバイは完璧ですね。

 ビジューさんはシャワーの後は自室にいたということでアリバイ証言はなし。

 ジニアスさんはシャワーの後、スエノさんと深夜1時過ぎから3時頃まで過ごし、その後は、朝、現場にシュジイ医師の後に顔を見せていました。



 私とコンジ先生、ジェニー警視は似たようなもので、昨晩、自室に戻ってからはアリバイなし。朝、イーロウさんの叫び声で、現場にいち早く駆けつけました。

 犠牲者のエラリーンさんは自室で眠る前にはイーロウさんと一緒だったそうです。

 イーロウさんは、朝になってエラリーンさんの様子を見に行かれたところで、死体を発見したという……。



 また、カンさんはキッチンで後片付けを手伝った後、自室に戻ったそうです。

 メッシュさんが最後を見たそうです。

 どちらの被害者も最後に見た人が第一発見者とは皮肉なものですね。




 つまり、深夜2時から4時までの間の時間、アリバイがあるのは……。


 アレクサンダー神父、イーロウさん、アネノさんの3名。

 他の方はアリバイなしとなりますが……。



 「スエノに化けているんだわ! 人狼は!」

 アネノさんがふたたび、スエノさんに疑惑の目を向ける。


 「そ……そんなっ!? ち……違います!」

 スエノさんも同じく否定する。



 「化けの皮を剥がしてあげるわ!」

 そう言ってアネノさんが嘱託を掴み、その蝋燭の火をスエノさんに近づけた!


 「熱っ……!」


 スエノさんは腕を押さえた。

 少し赤くなって見える。やけどしたのかもしれない。



 「何をするんだっ!?」

 ジニアスさんが叫んでアネノさんを制止した。


 「アレクサンダー神父! 人狼は昼間は人間に完璧に化けているのでしたわよね?」

 アネノさんが神父さんに質問をした。



 「オオ……。ソレは間違いありまセン! 記憶までコピーしているのデス! 見破る手段はないデショウ!」

 アレクサンダー神父が断言する。


 「ならば、このスエノを閉じ込めておけばいいわ! それなら、もう被害に遭うことはないはずよっ!!」

 「そ……、そうよ! スエノを閉じ込めておけばいいのよ!」

 「そうね。一番怪しいのはスエノ。あなたよ。怪しい者を拘束しておけば、わたくしたちの身の安全も図れるわ!」



 ジジョーノさんもママハッハさんもアネノさんに賛成のようです。


 「し……しかし、閉じ込めておくと言っても、いったいどこにだね?」

 パパデスさんはがおどおどと言う。


 ああ、どうもパパデスさんのこのシンデレイラ家での立場は低いようですね。

 女性陣が強い……。

 そうか。スエノさんだけ母親が違うということでしたね。

 すると、浮気の子がスエノさんなのか。

 どうりでみなさんのスエノさんへの当たりがきついと思ったわ。



 「スエノお嬢様が……? カンのヤツを……? 信じられない……。」

 メッシュさんがぶつぶつとつぶやいている。


 「さしでがましいようですが、ワタクシが聞いておりますところでは、『右翼の塔』には地下の部屋があるということですなぁ。そこにかの巨匠レオナルホド・ダ・ビュッフェの『モナリザの最後の晩餐』が保管されているとか……?」

 ビジューさんがここで口を挟んできた。


 あわよくば、『モナリザの最後の晩餐』を拝みたいという下心がミエミエなんですよ!

 しかし、このビジューさんの発言により、その地下室へ鍵をかけてスエノさんを閉じ込めておけば良いのでは? という空気になったのでした。



 「お父様! その部屋にスエノを閉じ込めておいていいですよね?」

 「あなた? その絵画は金庫に入っているのでしょ? ならその部屋にスエノを入れておくだけならよろしいのでは?」

 「美術品の保管をしているのですから、空調も万全ですわね?」


 ああ、この女性陣たちの怒涛の猛攻にあわれパパデスさんは反論の余地はないようでした。



 それに、スエノさんもこう言ってのけたのです。


 「それで……。お姉さまたちが納得されるのなら、私はかまいません。」


 「スエノさん! そんな! それで本当にいいのかい!?」

 ジニアスさんは最後までかばっておいででいらっしゃいましたが……。



 「コンジ先生……? 本当にスエノさんなんでしょうか?」

 「うーむ。まだ僕にも断定はできないし、否定もできない。だが、もし、スエノさんが犯人でなかったなら、逆にスエノさんの身は安全だろうね……。」

 「あ……! そっか。」


 そうです。スエノさんを閉じ込めておくと言っても逆にその部屋に誰も入れないということ。

 つまり、スエノさんの身は守られるということにもなるのですね。



 あとでこっそり、ジニアスさんに教えて差し上げましょうか。

 彼もそうしたら、安心されるとは思います。




 まだこの雪で閉ざされた館に、惨劇は続くのでしょうか?

 それは狼だけが知っているのでしょう……。





 ~続く~





しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

『お兄ちゃんのオタクを卒業させてみせるんだからね❤ ~ブラコン妹と幼馴染オタク姫の果てしなき戦い~』

本能寺から始める常陸之介寛浩
青春
「大好きなはずなのに……! 兄の『推し活』が止まらない!?」 かつて、私は信じていた。 優しくて、頼もしくて、ちょっと恥ずかしがり屋な── そんな普通のお兄ちゃんを。 でも── 中学卒業の春、 帰ってきた幼馴染みの“オタク姫”に染められて、 私のお兄ちゃんは**「推し活命」**な存在になってしまった! 家では「戦利品だー!」と絶叫し、 年末には「聖戦(コミケ)」に旅立ち、 さらには幼馴染みと「同人誌合宿」まで!? ……ちがう。 こんなの、私の知ってるお兄ちゃんじゃない! たとえ、世界中がオタクを称えたって、 私は、絶対に── お兄ちゃんを“元に戻して”みせる! これは、 ブラコン妹と 中二病オタク姫が、 一人の「兄」をめぐって 全力でぶつかり合う、果てしなき戦いの物語──! そしていつしか、 誰も予想できなかった 本当の「大好き」のカタチを探す、 壮大な青春ストーリーへと変わっていく──。

​『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』

月神世一
SF
​【あらすじ】 ​「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」 ​ 坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。  かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。  背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。 ​ 目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。  鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。 ​ しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。  部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。 ​ (……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?) ​ 現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。  すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。  精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。 ​ これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

処理中です...