【読者への挑戦状あり!】化け物殺人事件~人狼伝説・狼の哭く夜~

あっちゅまん

文字の大きさ
28 / 62
第3日目

第23話 到着3日目・夜

しおりを挟む




 シンデレイラ家の方々が皆さん賛同したので、スエノさんは『右翼の塔』の地下室、宝物殿でもありますが、ここで過ごすことになりました。

 この部屋の鍵はパパデスさんが持っているものひとつしかなく、マスターキーでも開かないということなので、スエノさんが人狼であった場合は誰も犠牲になることはないでしょうし、スエノさんが人狼じゃなかった場合でもスエノさんは安全だと言えます。

 ジニアスさんもスエノさんが安全なら逆にありかもしれないと、渋々、了承したのです。



 昼食も夕食もスエノさんは『右翼の塔』の地下で済ますことになり、ジニアスさんとシープさんが付き添いで一緒に過ごされました。

 私たちはダイニングルームで遅い朝食、昼食かもしれませんが、それをいただきました。

 その後は自由に過ごし、またダイニングルームに集まり、夕食を済ませました。



 メッシュさんの料理は本当に美味しくて、こんな暗い雰囲気の中、一条の光と言えますね。

 新鮮なロブスターがたっぷりのったロブスターロールが本当に美味しかったですね。あの「赤毛のアン」で有名なプリンス・エドワード島の名物で、プリップリのロブスターは、一口食べると口の中ではじけるような食感で、もう最高!

 本当にこのロブスターを食べるととても元気になれました。



 また、この山荘のあるカナダは新鮮な魚介類の宝庫として知られており、特にサーモンは有名です。そんなシーフードをふんだんに使ったカナダ料理が美味なんですよね。

 カナダを代表する魚、サーモンのグリルがまた美味しかったのです。カナダのサーモンは日本とは違い養殖ではなくロイス湖で穫れた天然もので、そのため味がしっかりして肉厚があり、付け合わせのアスパラガスや、マッシュポテト、メッシュさんのオリジナルソースと一緒に食べると絶品でした。



 そして、今度は夜の過ごし方について検討がなされました。


 「各自が部屋に閉じこもるというので、問題ないのでは?」

 ジェニー警視もスエノさんを怪しんでいたようで、もう問題は起きないと思ってらっしゃるみたいです。



 「まあ。それしかないでしょう。」

 パパデスさんも賛同の意を示した。


 「念の為、本当に出ないでいただきたい。特に昨晩夜に部屋を出られた方……。アネノさん。あなたもですよ? 例外なくお願いしたい。」

 「わ……、わかったわよ。仕方ないわ。まあ、どうせスエノさえ閉じ込めておけば安心だと思いますけどね。」

 コンジ先生がアネノさんに釘を刺したみたいです。



 「ワタシは神に祈祷をしまショウ! 必ずや主は我らを救ってくださるデショウ!」


 アレクサンダー神父はまたお祈りを捧げに『左翼の塔』に閉じこもるようです。

 まあ、完璧に神父さんは容疑の外なんですけど、逆にそのお祈りも何の役にも立っていない気がするんですけど……。



 「さて、今日はワタクシもシャワーは遠慮して、部屋に戻らせてもらいますよ。」

 ビジューさんもさすがに人狼の存在を知って警戒をしているようです。


 「それでは、僕も……。部屋にいることにするよ。」

 ジニアスさんは元気がない様子でした。

 それもそっか。恋仲になったスエノさんが第一容疑者になっている状況なのですから。





 「じゃあ、俺も今日はおとなしくさせてもらうとしますよ。まあ、来る女性がいたら……。拒まないけどね?」

 「イーロウ!?」

 「おっと。冗談ですよ。冗談。」

 イーロウさんの軽口に、アネノさんも驚いて反応した。


 イーロウさんも今日はおとなしく部屋にいてくれればいいのですけど……。

 ホント、チャラいヤツ……っていうのがぴったりだわ。



 「私たちももちろん今日は部屋で過ごしますよ。ねぇ? アネノ?」

 「もう! ママったら。今日はおとなしくするってば。ねえ?ジジョーノも言っておやりなさい。」

 「そ……そうよ。おとなしく部屋にいますよ。姉さんもね?」

 「そうよ。そうよ。」

 「もちろん私もシュジイ医師に診てもらった後はすぐに寝るとするよ。」

 「はい。パパデス様。」


 パパデスさん、ママハッハさん、アネノさん、ジジョーノさん、シュジイ医師もそれぞれ部屋に戻っていった。



 メッシュさんとシープさんが夕食の後片付けをしていた。

 そこで、私はコンジ先生に聞いてみた。



 「コンジ先生。先生は本当にスエノさんが怪しいと思ってます?」

 「ジョシュア。君はどう思ってるんだい?」

 「うーん。たしかに深夜のエラリーンさん、カンさんの死亡推定時刻に、うろうろしていたのは怪しくは思いますけど……。それだけで犯人とは決めつけられないのかなぁ……って。」

 「ふむふむ。」



 「他にアリバイがない人もいますので、あ、もちろん、私やコンジ先生もですけど。」

 「そうだね。アレクサンダー神父、アネノさん、イーロウさんの三人以外には、機会は等しくあったろうね。」

 「ですよね。他にいるんじゃあないのかなって思いますけど。」

 「なるほどね。僕も実はジニアスさんやスエノさんは違うんじゃないかな……とは思ってる。」



 コンジ先生はスエノさん、ジニアスさんも違うと考えているのか……。


 「え? スエノさんもジニアスさんもですか?」

 「ああ。もし彼らのうちのどちらかが人狼だったとしたら、昨夜は互いを襲うのに絶好の機会だったと思わないか?」

 「ああ! たしかに!」



 言われてみればそうですよね。

 スエノさんが犯人なら、ジニアスさんを襲うことは簡単だったでしょうし、その逆もそうです。


 「でも、なぜ、それをおっしゃらなかったのですか?」

 「ああ。それはスエノさんの身は安全になるのは間違いないからね。それと……。他に人狼がいるのなら、今晩は動けないんじゃないかと踏んでいるんだ。」

 「え? どうしてですか?」

 「うん。まあそのためにも君には頼みたいことがあるんだ。同じことをシープさんにもさっき頼んだからね。」

 「何でしょう? 私にできることですか?」

 「まあね。」



 ボソボソ……


 「ええ!? それ、私がやるんですかぁ? コンジ先生やってくださいよー。」

 「いや、ほら。僕はちゃんと睡眠取らないと、頭脳が働かなくなるからね。君はいいだろう? どうせいつも働かない頭なんだから。」

 「いやいや。乙女の肌は徹夜に悪いんですからね!」

 「ん? 気にするな。どうせ君の肌なんて誰も気にしていないだろうから問題ない。」

 「いや! それ、ちょっと乙女心が傷つくんですけどぉ!」






 こうして私たちも部屋に戻り、私はだんだんと眠くなってきましたけど、コンジ先生に頼まれたことをしっかりやり通しますよ。

 ええ。もう、本当に助手使いが荒い先生ですこと。







 ◇◇◇◇





 ~人狼サイド視点~


 はぁ……。はぁ……。はぁ……。



 頭が割れそうだ。

 この心の奥底から湧き上がってくる欲望は……またか!?

 そして、血の渇望……。



 苦しい……。

 胸の鼓動がそして異常に大きく、心臓が張り裂けんばかりに叫んでいる。

 そして、全身の細胞という細胞が、それに応えるのだ……。




 『喰らえ!!』


 ……と。



 おのれの心から湧き上がるこの狂い悶そうな感情。

 これは愛……なのであろうか?

 結婚していたことはあったが、そこに愛はなかった。



 そして、知っためくるめく淫靡な時間。

 誰にも取られたくない。

 私だけのものにするのだ。



 「君は……!?」


 男は驚いた。彼女の顔を見て、欲情しているのだとすぐにわかった。


 「しかし……。そんなバカな…・・・!?」



 人狼は男にむさぼりついた。

 何度も何度も何度も……。




 いくほどか時間が経っただろうか?

 扉をノックする音が聞こえる。


 「ごめんなさい。来ちゃった……。」





 訪ねてきたのは女だった。

 すぐに男に化けた人狼は何食わぬ顔をして、その女を部屋に招き入れた。



 そして、女を抱きしめる。


 その手にはべっとりとさきほど喰らった男の血がついているのだったー。




 女は言った。


 「ああ……。幸せ……。」




 男に化けた人狼は言った。


 「ああ。幸せだね……。」





 そして、その牙の生えた口を大きく開いた。




 惨劇の『或雪山山荘』での宿泊は4日目へと移る―。





 ~続く~

※参照したお店と料理
レストランCactus Club Cafe (カクタスクラブ カフェ)の・GRILLED SALMON(グリルドサーモン)
また下記のサイトを参考にさせていただきました。
「TABIPPO」さんのカナダの絶品グルメ11選
https://tabippo.net/canada_gourmet/




しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】結界守護者の憂鬱なあやかし幻境譚 ~平凡な男子高校生、今日から結界を繕います~

御崎菟翔
キャラ文芸
​【平凡な高校生 × 妖従者たちが紡ぐ、絆と成長の主従現代和風ファンタジー!】 「選ぶのはお前だ」 ――そう言われても、もう引き返せない。 ​ごく普通の高校生・奏太(そうた)は、夏休みのある日、本家から奇妙な呼び出しを受ける。 そこで待っていたのは、人の言葉を話す蝶・汐(うしお)と、大鷲・亘(わたり)。 彼らに告げられたのは、人界と異界を隔てる結界を修復する「守り手」という、一族に伝わる秘密の役目だった。 ​「嫌なら断ってもいい」と言われたものの、放置すれば友人が、家族が、町が危険に晒される。 なし崩し的に役目を引き受けた奏太は、夜な夜な大鷲の背に乗り、廃校や心霊スポットへ「出勤」することに! ​小生意気な妖たちに絡まれ、毒を吐く蛙と戦い、ついには異世界「妖界」での政変にまで巻き込まれていく奏太。 その過程で彼は、一族が隠し続けてきた「残酷な真実」と、従姉・結(ゆい)の悲しい運命を知ることになる―― ​これは、後に「秩序の神」と呼ばれる青年が、まだ「ただの人間」だった頃の、始まりの物語。 ​★新作『蜻蛉商会のヒトガミ様』 この物語から300年後……神様になった奏太の物語も公開中! https://www.alphapolis.co.jp/novel/174241108/158016858

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

アガルタ・クライシス ―接点―

来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。 九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。 同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。 不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。 古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。

「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」

(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。 王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。 風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

サイレント・サブマリン ―虚構の海―

来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。 科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。 電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。 小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。 「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」 しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。 謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か—— そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。 記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える—— これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。 【全17話完結】

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

処理中です...