結界守護者の憂鬱なあやかし幻境譚 ~平凡な高校生だったのに、人外たちに囲まれて世界を救うことになりました~

「選ぶのはお前だ」
――そう言われても、もう引き返せない。

​ごく普通の高校生・奏太(そうた)は、夏休みのある日、本家から奇妙な呼び出しを受ける。

そこで待っていたのは、人の言葉を話す蝶・汐(うしお)と、大鷲・亘(わたり)。

彼らに告げられたのは、人界と異界を隔てる結界を修復する「守り手」という、一族に伝わる秘密の役目だった。

​「嫌なら断ってもいい」と言われたものの、放置すれば友人が、家族が、町が危険に晒される。

なし崩し的に役目を引き受けた奏太は、夜な夜な大鷲の背に乗り、廃校や心霊スポットへ「出勤」することに!

​小生意気な妖たちに絡まれ、毒を吐く蛙と戦い、ついには異世界「妖界」での政変にまで巻き込まれていく奏太。

その過程で彼は、一族が隠し続けてきた「残酷な真実」と、従姉・結(ゆい)の悲しい運命を知ることになる――

​これは、後に「秩序の神」と呼ばれる青年が、まだ「ただの人間」だった頃の、始まりの物語。
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