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第5日目
第39話 到着5日目・夕方~夜
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【訂正のお知らせ】
『第31話 到着5日目・昼その1』ですが、探偵コンジとジェニー警視、メッシュが見回りを行った描写ですが、下記の通り訂正がありましたのでご報告いたします。
(誤)ライフル銃 → (正)散弾銃
本編の謎には直接影響はありませんが、以前にライフル銃は紛失してしまっていて、探偵コンジたちの手元に残された武器は、ハンドガン、散弾銃でしたので訂正を致しました。
今後とも宜しくお願いします。
では本編をお楽しみください!
第39話 到着5日目・夕方~夜
※ダイニングルーム席順・夕方
赤=死亡 ピンク=行方不明 橙=部屋に籠もっている。
再び、私たちは、ダイニングルームに集まりました。
ママハッハさんとアネノさんは、ママハッハさんの部屋に閉じこもってしまって出て来ないという事でした。
アレクサンダー神父も、さすがに祈祷はせずに、ダイニングルームで神妙な面持ちで待っていました。
そして、今、おのおのが席に着きました。
シュジイ医師の話では、メッシュさんの怪我はそこまで深いものではなく、人狼に少し引っかかれた傷程度で、今はもう応急手当をしたとのことで、ダイニングルームに集まっています。
普段は使用人のメッシュさんが座る席はないのですが、今は、シュジイ医師の隣がエラリーンさん、イーロウさん、アイティさんの席が空いているため、イーロウさんが座っていたところに腰を掛けていた。
「ヤハリ、ミスター・ビジューは見つからなかったデスネ……。」
アレクサンダー神父が口を開いた。
みんな、黙って頷いた。
カンさんが管理していた警備室の裏口のドアの鍵が開いていたらしい。
もしかしたら、外へ逃げ出していったのかも知れない……。
コンジ先生がおもむろに口を開いた。
「だが、シープさんが誰を疑って『右翼の塔』の様子を見に行ったのかは、わかったぞ。」
「え!? それはいったい誰を……?」
「スエノさんだろうな……。おそらく、我々がいったん考慮したように、シープさんもその考えを思いついていたらしいな。」
「わ……、私を……、ですか?」
スエノさんがびっくりして聞き直した。
「そうですね。パパデスさんとイーロウさん……、そしておそらくはジジョーノさんも……ですが、その彼らが殺された状況で怪しむべき人物として、まず僕とジェニー警視が気にかかったのが、2名の人物でした。」
「ああ、そうだったな。キノノウくん。」
「あ!? あのとき言っていた……。」
「ああ。ジョシュア。君も覚えているだろう?」
「えぇ……。あ! シープさんですね!?」
「お……おぅ……。ジョシュア。君さ、シープさんが疑ってた相手がシープさんなら自分自身を疑ってたことになってしまうんだが……。」
「……。はっ! そうでした!」
「それで……!?」
「ああ。スエノさんだったんだよ。」
「ええ。その通りです。ジェニー警視。」
「でも私はあの夜は、『右翼の塔』の地下室に閉じ込められてたんですよ!? それがどうしてなんですか?」
「そうですよ! あのときはスエノ……、さんは、閉じ込められていたんですから容疑は晴れたはずじゃあなかったんですか!?」
スエノさんもジニアスさんも心外だと言わんばかりに聞いてきた。
「まあ、それはだね? 『右翼の塔』のちょうどパパデスさんの部屋の裏側に当たる箇所に扉がありますよね?」
「あ……、ありますが、それがなにか?」
「もし、どこかにマスターキーを隠し持っていたなら、パパデスさんの部屋には『右翼の塔』から入ることが出来たわけなんですよ。」
「そんな! 私がどこにマスターキーをどこに隠し持っていたっていうのですか?」
「いや。まあ、それはですね……。その……、言いづらいですが、何かの中に隠していて、ジニアスさんに持ってきてもらっていたとか……ね?」
二人はショックを受けた顔をしている……。
特にジニアスさんが真っ青な顔をしていた。
「ど……、どうして、僕が……、そ、そんな真似をしないといけないのですか? あれは行方不明のジジョーノさんの仕業じゃあないんですか!?」
ジニアスさんは、そう言いながらもなにか隠している……、そんな態度でした。
「でもそれはイーロウさん殺害の謎に説明が付かないので我々も今は疑っていませんよ……。そんなに怯えないでください。ジニアスさん?」
「ほ……、ほお……? そ、それなら、そうと言ってくださいよ! 人が悪いなぁ……。キノノウさん。」
「うむ。キノノウくんの言うとおり、私も最初、スエノさんを疑ったんだがな。」
「じゃあ、それをシープさんも考えたということですか?」
「……だと思いますね。それで、『右翼の塔』の地下室を確認しに行ったのではないかと僕は考えているんですよ……。」
スエノさんは、そこまでの話を聞いていましたが、まったく動じていらっしゃらないようでした。
最初に会ったときのおどおどしたスエノさんとは少し印象が違って見えたのは気のせいでしょうか……。
少しこの惨劇が続く中で、スエノさん自身も精神的に成長した……、そういうことでしょうかねぇ。
コンジ先生が話を続けました。
「……というわけで、シープさんは自ら『右翼の塔』に行かれて、その際に人狼に襲われたと見てます。そして、その後、ビジューさんに成り済ましたということは、ビジューさんも、おそらくどこかで犠牲になっている……。その可能性が非常に高いと考えています。」
「そ……、そうですよね……。コンジ先生。考えないようにしていましたが、ビジューさんに化けて逃亡を謀ったというのは、ビジューさん自身も餌食になったと考えるのが自然でしょう! そして、ビジューさんの遺体は発見されていない……。」
「ジジョーノさんに引き続き、ビジューさんも行方不明……、そういうことだな? キノノウくん。」
ジェニー警視もそのことを改めて言葉にして確認した。
「しかしデスネ! ジンロウは今、この館内に潜んではいないデショウ!? さきほどワタシたち全員でこの館を探索しましたカラ! そこで、今夜は、皆様の部屋の扉に、ジンロウ対策の『聖なる結界』を張っておきマショウ! といっても、『銀の粉』を扉の外側に振りかけるという単純なモノデス! だから、決して自分から部屋の外に出ない限り、ジンロウがマスターキーを使ってきても、嫌がって入って来られないデショウ……。」
へぇ……!
神父さん、何の役にも立たないと思いきや、そんなことできたんですね。
……つか、そういうことなら、もっと早くやっておきなさいよね!
「そうか……。人狼も苦手なものがあるのだな。じゃあ、今夜は各自、部屋にこもって、ヤツの夜の活動時間をやり過ごしましょう! 朝の光が差す頃には人狼はチカラを発揮できなくなりますからね……。それまでの辛抱ですよ?」
「わかりました!」
「もちろん、外に出たりしませんわ!」
「ああ……。あっしも気をつけますぜ。朝の光が差してから朝食と致しましょう!」
こうして、この日の夜、メッシュさんから簡単な食事を提供された後、早めの就寝となったのでした。
コンジ先生とも対策について話し合いましたが、今夜は安心して眠れそうです。
あ! ちょっとだけお夜食用に、パンを頂きましたが、なにか?
そして、コンジ先生は、謎の解明にいよいよその黄金の頭脳をフル回転させ始めたようでした……。
◇◇◇◇
~人狼サイド視点~
はぁ……。はぁ……。はぁ……。
頭が割れそうだ……。
またしても血の渇望が抑えられない。
そう……。やはり、自分は人狼なのだ。
今、この時、はっきりと覚醒している。
昼間はどこかおぼろげに覚えているが、その成り済ました人物に記憶も性格も委ねているので、はっきり認識はしていないのだ……。
だが、今は違う!
全身の細胞という細胞がわかっているのだ。
人間という種を……。
『喰らえ!!』
……と本能が訴えかけてくるのだ。
思えば、いつも比べられてきた……。
許してきた。
だが、今、我慢するべきことではないと、理解している。
今、成り代わったこの記憶と身体……、本物のほうはいずこに消えたのか?
私もわからない。
だが……。
もう比べられることもない!
そして、人狼は『塔』の裏側の扉を開けようとマスターキーを取り出した。
そう……。こちら側には、あの忌々しい神父の『聖なる結界』とやらは施されていないようだ……。
手抜きだった自分たちを恨むが良い。
カチャリ……
重い扉がゆっくりと開いていく……。
その部屋の中にはこれから餌食となるであろう人間が、すやすやと寝ている様子が、人狼の瞳に映っていたのであった-。
惨劇の『或雪山山荘』での宿泊は6日目の朝へと移る―。
~続く~
『第31話 到着5日目・昼その1』ですが、探偵コンジとジェニー警視、メッシュが見回りを行った描写ですが、下記の通り訂正がありましたのでご報告いたします。
(誤)ライフル銃 → (正)散弾銃
本編の謎には直接影響はありませんが、以前にライフル銃は紛失してしまっていて、探偵コンジたちの手元に残された武器は、ハンドガン、散弾銃でしたので訂正を致しました。
今後とも宜しくお願いします。
では本編をお楽しみください!
第39話 到着5日目・夕方~夜
※ダイニングルーム席順・夕方
赤=死亡 ピンク=行方不明 橙=部屋に籠もっている。
再び、私たちは、ダイニングルームに集まりました。
ママハッハさんとアネノさんは、ママハッハさんの部屋に閉じこもってしまって出て来ないという事でした。
アレクサンダー神父も、さすがに祈祷はせずに、ダイニングルームで神妙な面持ちで待っていました。
そして、今、おのおのが席に着きました。
シュジイ医師の話では、メッシュさんの怪我はそこまで深いものではなく、人狼に少し引っかかれた傷程度で、今はもう応急手当をしたとのことで、ダイニングルームに集まっています。
普段は使用人のメッシュさんが座る席はないのですが、今は、シュジイ医師の隣がエラリーンさん、イーロウさん、アイティさんの席が空いているため、イーロウさんが座っていたところに腰を掛けていた。
「ヤハリ、ミスター・ビジューは見つからなかったデスネ……。」
アレクサンダー神父が口を開いた。
みんな、黙って頷いた。
カンさんが管理していた警備室の裏口のドアの鍵が開いていたらしい。
もしかしたら、外へ逃げ出していったのかも知れない……。
コンジ先生がおもむろに口を開いた。
「だが、シープさんが誰を疑って『右翼の塔』の様子を見に行ったのかは、わかったぞ。」
「え!? それはいったい誰を……?」
「スエノさんだろうな……。おそらく、我々がいったん考慮したように、シープさんもその考えを思いついていたらしいな。」
「わ……、私を……、ですか?」
スエノさんがびっくりして聞き直した。
「そうですね。パパデスさんとイーロウさん……、そしておそらくはジジョーノさんも……ですが、その彼らが殺された状況で怪しむべき人物として、まず僕とジェニー警視が気にかかったのが、2名の人物でした。」
「ああ、そうだったな。キノノウくん。」
「あ!? あのとき言っていた……。」
「ああ。ジョシュア。君も覚えているだろう?」
「えぇ……。あ! シープさんですね!?」
「お……おぅ……。ジョシュア。君さ、シープさんが疑ってた相手がシープさんなら自分自身を疑ってたことになってしまうんだが……。」
「……。はっ! そうでした!」
「それで……!?」
「ああ。スエノさんだったんだよ。」
「ええ。その通りです。ジェニー警視。」
「でも私はあの夜は、『右翼の塔』の地下室に閉じ込められてたんですよ!? それがどうしてなんですか?」
「そうですよ! あのときはスエノ……、さんは、閉じ込められていたんですから容疑は晴れたはずじゃあなかったんですか!?」
スエノさんもジニアスさんも心外だと言わんばかりに聞いてきた。
「まあ、それはだね? 『右翼の塔』のちょうどパパデスさんの部屋の裏側に当たる箇所に扉がありますよね?」
「あ……、ありますが、それがなにか?」
「もし、どこかにマスターキーを隠し持っていたなら、パパデスさんの部屋には『右翼の塔』から入ることが出来たわけなんですよ。」
「そんな! 私がどこにマスターキーをどこに隠し持っていたっていうのですか?」
「いや。まあ、それはですね……。その……、言いづらいですが、何かの中に隠していて、ジニアスさんに持ってきてもらっていたとか……ね?」
二人はショックを受けた顔をしている……。
特にジニアスさんが真っ青な顔をしていた。
「ど……、どうして、僕が……、そ、そんな真似をしないといけないのですか? あれは行方不明のジジョーノさんの仕業じゃあないんですか!?」
ジニアスさんは、そう言いながらもなにか隠している……、そんな態度でした。
「でもそれはイーロウさん殺害の謎に説明が付かないので我々も今は疑っていませんよ……。そんなに怯えないでください。ジニアスさん?」
「ほ……、ほお……? そ、それなら、そうと言ってくださいよ! 人が悪いなぁ……。キノノウさん。」
「うむ。キノノウくんの言うとおり、私も最初、スエノさんを疑ったんだがな。」
「じゃあ、それをシープさんも考えたということですか?」
「……だと思いますね。それで、『右翼の塔』の地下室を確認しに行ったのではないかと僕は考えているんですよ……。」
スエノさんは、そこまでの話を聞いていましたが、まったく動じていらっしゃらないようでした。
最初に会ったときのおどおどしたスエノさんとは少し印象が違って見えたのは気のせいでしょうか……。
少しこの惨劇が続く中で、スエノさん自身も精神的に成長した……、そういうことでしょうかねぇ。
コンジ先生が話を続けました。
「……というわけで、シープさんは自ら『右翼の塔』に行かれて、その際に人狼に襲われたと見てます。そして、その後、ビジューさんに成り済ましたということは、ビジューさんも、おそらくどこかで犠牲になっている……。その可能性が非常に高いと考えています。」
「そ……、そうですよね……。コンジ先生。考えないようにしていましたが、ビジューさんに化けて逃亡を謀ったというのは、ビジューさん自身も餌食になったと考えるのが自然でしょう! そして、ビジューさんの遺体は発見されていない……。」
「ジジョーノさんに引き続き、ビジューさんも行方不明……、そういうことだな? キノノウくん。」
ジェニー警視もそのことを改めて言葉にして確認した。
「しかしデスネ! ジンロウは今、この館内に潜んではいないデショウ!? さきほどワタシたち全員でこの館を探索しましたカラ! そこで、今夜は、皆様の部屋の扉に、ジンロウ対策の『聖なる結界』を張っておきマショウ! といっても、『銀の粉』を扉の外側に振りかけるという単純なモノデス! だから、決して自分から部屋の外に出ない限り、ジンロウがマスターキーを使ってきても、嫌がって入って来られないデショウ……。」
へぇ……!
神父さん、何の役にも立たないと思いきや、そんなことできたんですね。
……つか、そういうことなら、もっと早くやっておきなさいよね!
「そうか……。人狼も苦手なものがあるのだな。じゃあ、今夜は各自、部屋にこもって、ヤツの夜の活動時間をやり過ごしましょう! 朝の光が差す頃には人狼はチカラを発揮できなくなりますからね……。それまでの辛抱ですよ?」
「わかりました!」
「もちろん、外に出たりしませんわ!」
「ああ……。あっしも気をつけますぜ。朝の光が差してから朝食と致しましょう!」
こうして、この日の夜、メッシュさんから簡単な食事を提供された後、早めの就寝となったのでした。
コンジ先生とも対策について話し合いましたが、今夜は安心して眠れそうです。
あ! ちょっとだけお夜食用に、パンを頂きましたが、なにか?
そして、コンジ先生は、謎の解明にいよいよその黄金の頭脳をフル回転させ始めたようでした……。
◇◇◇◇
~人狼サイド視点~
はぁ……。はぁ……。はぁ……。
頭が割れそうだ……。
またしても血の渇望が抑えられない。
そう……。やはり、自分は人狼なのだ。
今、この時、はっきりと覚醒している。
昼間はどこかおぼろげに覚えているが、その成り済ました人物に記憶も性格も委ねているので、はっきり認識はしていないのだ……。
だが、今は違う!
全身の細胞という細胞がわかっているのだ。
人間という種を……。
『喰らえ!!』
……と本能が訴えかけてくるのだ。
思えば、いつも比べられてきた……。
許してきた。
だが、今、我慢するべきことではないと、理解している。
今、成り代わったこの記憶と身体……、本物のほうはいずこに消えたのか?
私もわからない。
だが……。
もう比べられることもない!
そして、人狼は『塔』の裏側の扉を開けようとマスターキーを取り出した。
そう……。こちら側には、あの忌々しい神父の『聖なる結界』とやらは施されていないようだ……。
手抜きだった自分たちを恨むが良い。
カチャリ……
重い扉がゆっくりと開いていく……。
その部屋の中にはこれから餌食となるであろう人間が、すやすやと寝ている様子が、人狼の瞳に映っていたのであった-。
惨劇の『或雪山山荘』での宿泊は6日目の朝へと移る―。
~続く~
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