過酷な場所で生き抜く為に──食物連鎖の頂点が巨大モンスターの世界で死ぬ気で生き抜きます

こーぷ

文字の大きさ
302 / 492
第8章

301話 異種族会議

しおりを挟む
 ステージ中央では、エルフ族代表のシャレとドワーフ族代表のキルが中央に立っていた。

 そして、二人の目の前には綺麗に半分に分かれてエルフとドワーフが客席で二人が話すのを黙って見ていた。

 すると、シャレが一歩前に出て話始める。

「ドワーフ族達よ──今回同盟を組んでくれる事を感謝する!」

 シャレの手紙で集まったドワーフ達に一度感謝の意を表す。

「既にキルから聞いていると思うが、これから約一年後に人間族達との戦争が起きる──忌々しい事だが、我々エルフ族だけでは到底勝てる相手では無い!」

 シャレの言葉にエルフ達だけでは無くドワーフ達ですら忌々しそうな表情を作っていた。

 そして、俺は気になった事をリガスに質問する。

「エルフ族は分かるけど、なんでドワーフ族も人間族を恨んでいるんだ? ──武器だって売っているんだろ?」
「ふむ。理由はエルフと同じですな──ドワーフ達の場合は、武器や防具製造の技術が欲しいが為に奴隷にされています」
「なるほど……」

 シャレはそんなエルフやドワーフ達に向かって話し続ける。

「今回は、そんな戦力差を埋める為に同盟を組む事にした──だが、ハッキリ言って我々エルフ族とドワーフ族を合わせても、到底勝てる見込みは無い……」

 シャレの言葉に分かっていた事だが、皆が暗い顔をする。

「しかし、今獣人族を始め、色々な種族に声を掛けている──だから我々は残された、この一年間で戦争の準備に全力を出したいと思う! ──その為には皆の力が必要なのだが協力してくれるだろうか?」

 その言葉に一斉に返事をするエルフやドワーフ達──その声は門の外にいるフィール達にも聞こえただろう。

 すると、シャレの横に居たキルが次に話し出した。

「まず、手始めにワシらドワーフ達は、人間族に一切の武器製造をしない事を誓おう!」

 キルの言葉にドワーフ達が頷く。

「あたりめぇーだ! ──あんな奴らに作る武器なんてねぇーよ!」
「今まで作った武器を回収してーくらいだ」

 続いて、シャレが話す。

「我々エルフ族の方はエルフで作っている薬草などを全面的に売らない様にする」

 シャレの言葉に次はエルフ達が頷く。

「シャレ様の言う通りよ!」
「私は、前々から人間族なんかに売るのは反対だったよ!」

 人間族とういう悪に皆が怒りを覚えている様子だ。

「クソ、考えれば考える程人間族がウゼェー! 次見たらぶち殺してやる!」

 ドワーフ族達がそう言い放っているのが聞こえる。

「……な、なぁ──俺帰っていいか?」

 二種族の怒りが人間族に向いている事に恐怖を覚えた俺は今直ぐにでもステージを降りてフィール達の所に合流したい気分であった。

 すると、少し静まり返った所でシャレが一瞬こちらを向いてコクリと頷き再び前を向いた。

 ──ま、待て。今のコクリは何の了承だ?! 

 何やら良い予感が一切しない、この状況に俺は無意識に身体が震えている。

「皆聞いてくれ」

 シャレが全員に話し掛ける様に大声を上げる。

「今回の戦争で我々に協力してくれる者を紹介したいと思う!」

 大体の者が、この場で紹介するくらいだから、とんでもなく強い奴が現れると期待している様子が見て伺える。

 しかし、エルフ族に関しては既に以前の会議で話を聞いていた為、殺意の篭った目で俺の方を向いていた。

 や、やめてくれよな……こんなタイミングで紹介なんかしたら、どうなるか分かるだろ……やっぱりシャレは天然なのか?

「我々に協力してくれるのはこの四人だ!」

 シャレは勢い良く手を俺達に向かって掲げる。

 すると、ドワーフ達は不思議そうな表情をしていた。

「おい、人間族が一人いるぞ?」
「盛り上げの為にこの場で殺す用だろ?」

 などと、恐ろしい事を言っている者が居た。

 だが、シャレはしっかりと説明する。

「ここにいる、人間族も我々の協力者であり、私が頭を下げて協力を申し込んだ」

 シャレの言葉を聞いた瞬間ドワーフ達は烈火の如く怒り始めた。

「ふざけんな! これから人間族と戦争するのに、人間族の力を借りる気なのか?!」

 ごもっともな意見だ……

「そんな奴の協力なんていらねぇーよ!」
「そうだ! てか、ソイツを寄越せ俺がぶち殺す」
「いや、待て俺にやらせろ!」

 人間族である、俺を否定していた筈が、いつの間にか誰が俺を殺すかの話に切り替わっていた。

 そして、エルフ達は、そんなドワーフ達の反応を見て喜んでいた。

「はぁ……シャレ──協力はしたいがコレじゃ無理じゃないか?」

 俺の言葉に、またもや慌てるシャレ。

「ま、待ってくれ! 直ぐ納める!」

 アワアワして、どうするか考えているシャレ。
 そんなシャレを横で見ていたキルが一度ため息吐いてから大声を上げる。

「静まれ!」

 その声は凄く通り皆が静かになる。

「ワシからも言っとこう」

 周りが静まり返り皆がキルに注目している所でキルは俺の方に向き、頭を下げた。

「アトス、我々に力を貸してくれ──頼む」

 その姿にドワーフ達は唖然としていた。
 まさか、ドワーフ代表のキルが人間族なんかに頭を下げるなんて信じられないのだろう。

 そして、キルに続いてシャレも俺に向かって頭を下げる。

「アトスよ、私からもお願いだ協力してくれ」

 シャレがキル同様に頭を下げた事に次はエルフ達も驚いた表情になる。

 そして、二人が暫くの間頭を下げ続ける……
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~

アトハ
ファンタジー
【短いあらすじ】 普通を勘違いした魔界育ちの少女が、王都に旅立ちうっかり無双してしまう話(前世は病院少女なので、本人は「超健康な身体すごい!!」と無邪気に喜んでます) 【まじめなあらすじ】  主人公のフィアナは、前世では一生を病院で過ごした病弱少女であったが……、 「健康な身体って凄い! 神さま、ありがとう!(ドラゴンをワンパンしながら)」  転生して、超健康な身体(最強!)を手に入れてしまう。  魔界で育ったフィアナには、この世界の普通が分からない。  友達を作るため、王都の学園へと旅立つことになるのだが……、 「なるほど! 王都では、ドラゴンを狩るには許可が必要なんですね!」 「「「違う、そうじゃない!!」」」  これは魔界で育った超健康な少女が、うっかり無双してしまうお話である。 ※他サイトにも投稿中 ※旧タイトル 病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~

スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う

シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。 当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。 そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。 その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~

さとう
ファンタジー
生まれながらにして身に宿る『召喚獣』を使役する『召喚師』 誰もが持つ召喚獣は、様々な能力を持ったよきパートナーであり、位の高い召喚獣ほど持つ者は強く、憧れの存在である。 辺境貴族リグヴェータ家の末っ子アルフェンの召喚獣は最低も最低、手のひらに乗る小さな『モグラ』だった。アルフェンは、兄や姉からは蔑まれ、両親からは冷遇される生活を送っていた。 だが十五歳になり、高位な召喚獣を宿す幼馴染のフェニアと共に召喚学園の『アースガルズ召喚学園』に通うことになる。 学園でも蔑まれるアルフェン。秀な兄や姉、強くなっていく幼馴染、そしてアルフェンと同じ最底辺の仲間たち。同じレベルの仲間と共に絆を深め、一時の平穏を手に入れる これは、全てを失う少年が最強の力を手に入れ、学園生活を送る物語。

処理中です...