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最終話 クリスマス + あとがき
しおりを挟むクリスマスは今年もやってくる~。
俺の今までのクリスマスの過ごし方は、沙耶が家に遊びに来ていたんだけど今年は一気に人が増えて大人数になりそうだ。
そんな今はクリスマスの準備。家の飾り付け最中だ。
プレゼントも準備しており、婚約者である三人にはネックレスを贈る予定だ。全員バラバラの物を選んでもよかったんだけど今後のプレゼント選びが難航しそうなので…。
美麗辺りはネックレスより大きいぬいぐるみのが喜びそうってのもあるんだけどね。そういうのは誕生日に渡そうかなって。
ちなみに、身近な人達にもちょっとしたプレゼントにはなるがクッキーを作った。
沙耶に教えてもらいながらではあるが、俺も一緒に真心を込めて作ったので喜んでくれるといいな。
サキも飾り付けを手伝ってくれているので、帰りに龍宮寺家のみんなに渡してもらう予定だ。
一応。一応ね?サキにもプレゼントは用意してある。普段から運転やら身の回りのこととか色々とお世話になっているからな。
みんなとお揃いのネックレスは流石に「え?」って婚約者の三人が思うだろうしやめておいた。
そこでプレゼントするのはかんざしだ。龍宮寺家のメイドだからか、普段は落ち着いた装飾・色のバレッタを使っている。
俺の家に居る間とか出掛ける時にでも使ってくれると嬉しいな。
サキは少しだけ赤みがかった髪色をしているので、金色の装飾がされたかんざしが似合うと思って買っちゃった。完全に俺の好みの物なので気に入ってくれるか不安ではある。
「達也~。最後にこれツリーの上におねがい~。」
「はいよぉ~」
なんて考え事をしていると沙耶に呼ばれたのでツリーの飾り付けの最後に呼ばれたので渡された星をツリーに飾った。
まあ、サキのプレゼント選びの時に沙耶も一緒に居て太鼓判を押してくれてたから大丈夫か。
「がんばってね!」
「ん、なにが?」
「あれぇ?今回は大丈夫そうだね。よかった。」
なんだかよくわからないが、沙耶から大丈夫判定を貰った。
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クリスマス仕様に模様替えが終わり、外は寒いし人混みがと言い訳をしてコタツでゴロゴロしているといい時間になったのでクスリマスパーティだ!
「あれ?今日はサキか、珍しいというか初じゃないか?」
いつもの席に着くと隣にサキが座ったので声を掛ける。
普段であれば、婚約者の三人のローテで隣に座るので不思議に思ってな。
「今日は私じゃないとと皆さまから」
周りのみんなも頷いてるのでいいのだろう。俺は特に気にしてないし、席順なんかは全部任せっきりだしな。
「そうなのか。よろしく?」
「はい。旦那様。」
うん。旦那呼びはもう諦めたよ。
その後は美味しいご馳走を堪能し、落ち着いてからプレゼント交換会が開催された。
「プレゼント交換会~!まずは私から!はい達也。」
沙耶に先手を取られたっ!俺から渡したかったんだけどな。
「ありがとう!---開けていい?」
「どうぞ!」
クリスマス仕様の綺麗な梱包をされた赤い箱に入っていたのは手袋だ。
「おぉーあったけえ!ありがとう沙耶!」
そう言いながら、手袋をしたまま沙耶の顔をぷにぷにしながらお礼を言う。
「喜んでくれてよかったよぉ」
「しかも、これ手作りか?すごいな!」
「えへへ、がんばった!」
肌触りも良さそうだ。喋りながらもぷにぷにを止めてないからな。しつこいほどやってやるつもりだったんだけど、そろそろやめておくか。
「それじゃあ次いこっか!美麗ちゃん!」
「はいですの!」
開ける許可をもらい、今度は黄色の大きめの箱を丁寧に開ける。
「おぉ!まさかこれも手作り!?すごいな。」
箱の中身はマフラーだった。しかも、結構長いな。一人用…?
「裁縫は得意ですの!」
ドヤ顔気味の美麗に近づき、くるくると一緒にマフラーを巻く。
一人用には長いと思った。これ二人いけるじゃん!
「あったけえ!ありがとう!」
「夢でしたの…。」
一緒にマフラーをしてる為、ぴったりくっついてるから照れてる美麗が至近距離で見れる。これいいな。
何とも言えない甘い空気感の中、ようやく気付いたのか美麗が小さい声で「あっ、つぎ朱莉さんですの。」と次を促したのでターン終了!
「はい!次は私!」
「なにこれ!?すげえ!!!」
梱包も無く、素で出されたそれらを見る。
「これ俺か!?かわいいなんだこれ!!」
「フェルト人形ね!ほらこっちのもあげる!」
「沙耶だ!こっちは美麗でこれは朱莉!サキもあるじゃん!」
「どうせだったらってみんなの作った!」
「すごいな。早く飾りたいわ!----それにしても、朱莉にこんな特技があるとは。意外だな。」
「どうゆう意味?」
そう言うと朱莉がジト目に切り替わったので、おだててとにかく褒め殺ししたらすぐになんとかなった。チョロい。
「旦那様。次は私のプレゼントを。」
「え、サキもあるのか!ありがとう。---------なにも持ってるように見えないが?」
「私です。」
「なにが?」
「プレゼントは私です。」
「………。」
「………。」
ジッと見つめていると段々と赤みを増していく頬。
「照れるなよ!こっちにもくるわ!」
「私です。」
「はいはい。それじゃ俺からな?」
いつまでも進まないと思ったので、仕方なく俺からのプレゼントを先に渡すことにした。
「開けてみても?」
「おう。」
そうして、箱に施された綺麗な梱包材から出てきたかんざし専用の桐箱を見て一瞬止まってから覚悟を決めたようにかんざしを取り出した。
反応がないので様子を見ていると、ん?
「えっ、泣いてる…?」
思っていた反応じゃないので、周りを見渡すと沙耶はうんうん頷いてるし、美麗は心配そうにオロオロしてるし、朱莉は抱きしめろってジャスチャーを送ってきている。
とりあえず朱莉を信じて抱きしめていると、いつの間にかサキと抱き合う俺だけに見える位置に移動していた沙耶がテレビで見るカンペのようにスケッチブックを掲げてた。
なになに?かんざし=プロポーズ。
先に教えてね?まあ、普段からの俺の反応で大丈夫と判断したんだろうけど…。不意打ちすぎん?
まあ、でもさっきまで俺が知らなかったの気付いてなかったっぽいし、しょうがないのか…?
こうして流されつつも、四人目の婚約者を迎える高校一年生の冬を終えた。
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下記 あとがき
あとがき
小説を書くのも初めてで、拙い部分の多い作品になりました。お楽しみいただけましたら幸いです。
今後も書き進めていきたいストーリーとかも浮かんではいるのですが、一旦完結として区切らせて頂けたらと思います。
後日談とかじゃなく、普通にまた書き進めたい気持ちがありますが…。
先輩ヒロイン、後輩ヒロイン。色々書きたくはあったのですが、難しいものですね。
話の流れのテンポの良さを主軸で考えていたので、細かい描写がなかなか出来てなかったなとか色々と本当に勉強になりました。
あまりダラダラと語りすぎてもと思いますので、ここらで失礼致します。
また次回作もお付き合いいただけましたら、幸いです。
大寒波
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