62 / 465
想い続けた幼馴染編
ep62 タケゾー「初デートを始めよう」
しおりを挟む
デートする前段階ですでに色々あったが、俺と隼はようやく街中のショッピングモールまでやって来た。
それまでに電車に乗ったり、大通りを歩いたりもしたのだが、その時にどうしても気になったことがあって――
「ねえ、タケゾー。なんだか、アタシ達を見る人の目が多くなかった?」
「多かったな……。多分、今の隼の姿が原因だ」
――清楚お嬢様系美人へと変貌した隼に対し、周囲の輝く視線が集まりっぱなしなのだ。
それはそうだろう。今の隼は道行く人も思わず振り返り、その姿を確認したくなるほどの美貌とカリスマ性を携えている。
俺も自分の彼女が羨望の眼差しで見られるのは、妙な妬ましさを覚えつつも、同時に誇らしくある。
『俺の彼女が羨ましいだろ?』などと、見栄の一つも張りたくなる。
――ただ、隼をここまで変貌させたおふくろに対しては、異様だが純粋な恐怖を覚えてしまう。
「ね~ね~? そこの綺麗で清楚な彼女~? 俺らと一緒にお茶しな~い?」
「そっちの男装でスレンダーな彼女も一緒にさ~?」
さらには厄介なことに、隼のことを狙ってナンパする輩まで現れた。
確かに今の隼をちょっとチャラい系の若い男が見れば、放っておくはずがない。
――てか、俺も女性に見られてないか?
確かに女っぽい顔立ちとはよく言われるけど、流石に男からナンパされるのは勘弁なんだけど?
「なーに馬鹿なことを言ってんだい。こいつはアタシの彼氏だっての」
「え? あ、ああ。それは失礼。じゃあさ、そっちの彼女の方だけで、俺らと楽しく――」
「嫌なこった! アタシはこいつの彼女なんだ! タケゾーのことは渡さないぞ!」
「い、いや……。俺らはお姉さんの方をナンパしてるのであって、男に興味はなくて……」
そんなナンパ男二人に対しても、隼は頑なにその要求を拒んでくれる。
俺としても、嬉しいのは嬉しい。隼が俺の腕を掴んで胸を押し当ててくる仕草も、それはそれで嬉しい。
――だが、隼は俺のことで遊んでないか? ナンパされてるのはお前であって、俺じゃないんだぞ?
ナンパ男二人もそんな隼の言葉を聞いて、逆に態度に困っている。
「で、でもさ? そんな女みたいな彼氏より、俺らの方が男っぽくて――」
「あー!? タケゾーのことを馬鹿にしたなー!? だったら教えてやんよ! タケゾーの好印象ポイントなんだけど、まずは子供にもすんなり好かれる優しさと、アタシみたいな面倒な女のことも理解してくれる器の広さと――」
「おい、隼!? もういいだろ!? 俺のことまで巻き込まないでくれ! 頼むから!」
さらには俺のことまで隼は巻き込み、もうこれではどっちから話を仕掛けたの分からない状態。
俺のことを慕ってくれるのは嬉しいが、こんな公衆の面前で声を大にして語るのはやめてくれ。
俺も片手で顔を隠して必死に恥ずかしさを堪え、ナンパ男ではなく隼を止めに入らざるを得ない。
「……彼氏さん。あんたも苦労してそうだな」
「余計な茶々を入れて悪かった。彼女さんとお幸せにな……」
「なんで彼氏の俺が、彼女をナンパしてきた男二人に慰められるんだよ……!?」
そんな隼の態度を見て、ナンパ男二人もどこか憂いを帯びた顔をしながら、俺の肩に手を置いて慰めの言葉をかけてくれる。
――何だこの状況? ナンパを追い払うどころか、ナンパに慰められる男なんて聞いたことがないぞ?
隼と一緒にいると、本当に奇妙なことには事欠かない。
■
その後、ナンパ男二人とも別れた俺達は、適当にショッピングモールの中をうろつく。
その間にも隼は五回、俺は二回、チャラそうな男達からナンパされた。
隼がナンパされるのは分かるが、どうして一緒にいる俺までナンパされるのだ? もしかして、隼の彼氏と思われてないとか?
俺と隼の容姿がカップルとして釣り合ってなくて、俺の方は『ボーイッシュな男装麗人』とでも思われてるとか?
――だとしたら、俺も俺でもうちょっとファッションに気を遣おう。
今の隼に釣り合いそうな俺の恰好なんて想像もつかないけど、そこは事の発端であるおふくろに押し付けよう。
「ねえねえ、タケゾー。これって、アタシに似合いそうかねぇ?」
「いや……。『饂飩饅頭』なんてデカデカと書かれたTシャツ、誰にも似合わないっての……」
そんな俺達は現在、まずは試しとばかりにファッションショップへ入ってみた。
一応はおふくろから隼の外着を見繕ってもらったとはいえ、俺からも何か服のプレゼントぐらいはしたい。外着が一着だけというのも不安だ。
とりあえずは隼にも服を選ばせてみたのだが、こいつのファッションセンスは壊滅していた。
選ぶものはことごとくダサT。しかも、異様に難しい漢字が並んでいる奇抜な奴。
そんなもの、海外の観光客が『なんか面白そう』ぐらいの感覚で買うものであって、外着で買うようなものではない。
隼の見た目も相まってか、さっきから店員も『あのお嬢さん、世間知らずなのかしら?』みたいな顔で、こちらの様子を伺ってくる。
――確かに世間知らずではある。何せ、普段着として作業着しか持ってないような奴だ。
ファッションセンスなんて言葉、庭の穴にでも埋めてしまったのだろう。
「だったらさ~、タケゾーはどんなのが似合うと思うわけよ?」
「うーん……。俺も正直、おふくろと同じぐらいのセンスで服は選べない……」
「なんだよ~? タケゾーだって、全然選べてないじゃんか~?」
そんな隼なのだが、俺にも服選びをせがんでくる。
とはいえ、俺もあまり人のことは言えない。外着なんて、パーカーやジャケットぐらいでいいと思ってるレベルだ。
ただ、俺もおふくろレベルとは行かずとも、何か彼氏らしいものを選ぶぐらいは――
「お? これとか良さそうだな」
「これって――わわっ!?」
――そう思って目についた商品を、隼の頭の上に乗せてみる。
清楚なお嬢様風ワンピースとくれば、ツバが大きめの丸い帽子が似合うだろう。
白を基調とした色合いもワンピースと同じで、俺から見ると全体的にもバランスが取れている。
まさに花畑にでもいそうな優雅なお嬢様。中身は全く逆だけど。
「どうだ? この帽子とか似合うんじゃないか?」
「おおー!? これはアタシ的にもいいチョイスじゃないかなー!? なんだか、タケゾーのお母さんのセンスに乗っかってる感じではあるけど」
「ほっとけ。お前のダサTを選ぶセンスよりはマシだ」
隼も一言余計なことを言ってくるが、帽子自体は気に入ってくれている。
なら、これで決まりとしよう。服の方は結局選べなかったが、それはまた今度にすればいいか。
――最悪、おふくろの古着と同じデザインのもので行こう。
おふくろのハードルが異様に高すぎるのだ。
「お? ねえねえ、タケゾー。これ、記念に買わない?」
「ん? キーホルダーか?」
そうして俺が選んだ帽子を持ってレジに向かっていると、隼がレジの前に飾ってあった商品に目を向けて尋ねてきた。
そこにあったのは、いかにも『最後にちょっと見て行ってください』的な空色の宝石のようなキーホルダー。
値段も手頃ではあるが、ハッキリ言って安っぽい。本物の宝石というわけでもないし、初デートでの彼女へのプレゼントとしては少々味気ない。
「こんなのよりも、もっといいものを買ってやってもいいぞ?」
「いんや、アタシはこれがいい。これを二つ買って、タケゾーとお揃にしない?」
「まあ、恋人同士で同じものを持ってるってのも、よくある話ではあるが……」
「値段じゃないんだよ。安っぽくてもいいさ。それに、空色なんてアタシにピッタリじゃない?」
「まあ、確かにピッタリではあるが……」
俺は思わず難色を示してしまうが、隼の方は興味津々といった様子。
空色の魔女としての顔を持つ隼には、この空色のキーホルダーも確かに似合う。
「彼女との初デート記念だと思ってさ、買ってくんないかな? なんだったら、お金はアタシが出すし」
「これぐらいのキーホルダーも買えないほど、俺も安月給じゃないさ。隼がそこまで言うなら、俺も買ってやるよ。今日のデートのお代ぐらい、俺に任せておけ」
「おお!? 随分と太っ腹じゃないか、タケゾー! 愛してるぞ!」
「ちょっとキーホルダーを追加したぐらいで、そんな大げさな反応をしないでくれ……」
結局、俺は隼の要望を断れるはずもなく、空色のキーホルダー二つも揃えてレジへと持って行く。
レジに並ぶ途中で愛を叫ばれたりして恥ずかしくもあったが、これで隼が喜んでくれるなら本当に安い買い物だ。
「ニシシ~! タケゾーとお揃い~!」
「……まあ、俺も隼と同じものを持っているってのは、どこか特別感はあるか」
「でしょでしょ~? これまでの幼馴染の関係から、一歩進んだ感じをさせるには十分っしょ!」
そんな喜ぶ隼の姿を見て思うに、こいつも俺との交際を機として、何か特別の証が欲しかったのだろう。
俺の思い上がりかもしれないが、隼も隼で俺に気があったからこそ、こうやって率先して関係を進めたがるのだろうか?
まあ、それは今になって考えることでもない。
――俺の傍に隼がいてくれて、こうして喜んでもらえている事実だけあればいい。
「おっ! さっきの彼氏さんと彼女さん、いい雰囲気じゃないの~!?」
「俺らも応援してるぜ! いい夢見なよ!」
そうやって想いにふけながら耳に入ってくるのは、一番最初のナンパ男二人の声。
偶然通りかかった俺と隼に対し、揃って励ましの言葉を述べてくれた。
――ありがたいのだが、余計なお世話でもある。
それまでに電車に乗ったり、大通りを歩いたりもしたのだが、その時にどうしても気になったことがあって――
「ねえ、タケゾー。なんだか、アタシ達を見る人の目が多くなかった?」
「多かったな……。多分、今の隼の姿が原因だ」
――清楚お嬢様系美人へと変貌した隼に対し、周囲の輝く視線が集まりっぱなしなのだ。
それはそうだろう。今の隼は道行く人も思わず振り返り、その姿を確認したくなるほどの美貌とカリスマ性を携えている。
俺も自分の彼女が羨望の眼差しで見られるのは、妙な妬ましさを覚えつつも、同時に誇らしくある。
『俺の彼女が羨ましいだろ?』などと、見栄の一つも張りたくなる。
――ただ、隼をここまで変貌させたおふくろに対しては、異様だが純粋な恐怖を覚えてしまう。
「ね~ね~? そこの綺麗で清楚な彼女~? 俺らと一緒にお茶しな~い?」
「そっちの男装でスレンダーな彼女も一緒にさ~?」
さらには厄介なことに、隼のことを狙ってナンパする輩まで現れた。
確かに今の隼をちょっとチャラい系の若い男が見れば、放っておくはずがない。
――てか、俺も女性に見られてないか?
確かに女っぽい顔立ちとはよく言われるけど、流石に男からナンパされるのは勘弁なんだけど?
「なーに馬鹿なことを言ってんだい。こいつはアタシの彼氏だっての」
「え? あ、ああ。それは失礼。じゃあさ、そっちの彼女の方だけで、俺らと楽しく――」
「嫌なこった! アタシはこいつの彼女なんだ! タケゾーのことは渡さないぞ!」
「い、いや……。俺らはお姉さんの方をナンパしてるのであって、男に興味はなくて……」
そんなナンパ男二人に対しても、隼は頑なにその要求を拒んでくれる。
俺としても、嬉しいのは嬉しい。隼が俺の腕を掴んで胸を押し当ててくる仕草も、それはそれで嬉しい。
――だが、隼は俺のことで遊んでないか? ナンパされてるのはお前であって、俺じゃないんだぞ?
ナンパ男二人もそんな隼の言葉を聞いて、逆に態度に困っている。
「で、でもさ? そんな女みたいな彼氏より、俺らの方が男っぽくて――」
「あー!? タケゾーのことを馬鹿にしたなー!? だったら教えてやんよ! タケゾーの好印象ポイントなんだけど、まずは子供にもすんなり好かれる優しさと、アタシみたいな面倒な女のことも理解してくれる器の広さと――」
「おい、隼!? もういいだろ!? 俺のことまで巻き込まないでくれ! 頼むから!」
さらには俺のことまで隼は巻き込み、もうこれではどっちから話を仕掛けたの分からない状態。
俺のことを慕ってくれるのは嬉しいが、こんな公衆の面前で声を大にして語るのはやめてくれ。
俺も片手で顔を隠して必死に恥ずかしさを堪え、ナンパ男ではなく隼を止めに入らざるを得ない。
「……彼氏さん。あんたも苦労してそうだな」
「余計な茶々を入れて悪かった。彼女さんとお幸せにな……」
「なんで彼氏の俺が、彼女をナンパしてきた男二人に慰められるんだよ……!?」
そんな隼の態度を見て、ナンパ男二人もどこか憂いを帯びた顔をしながら、俺の肩に手を置いて慰めの言葉をかけてくれる。
――何だこの状況? ナンパを追い払うどころか、ナンパに慰められる男なんて聞いたことがないぞ?
隼と一緒にいると、本当に奇妙なことには事欠かない。
■
その後、ナンパ男二人とも別れた俺達は、適当にショッピングモールの中をうろつく。
その間にも隼は五回、俺は二回、チャラそうな男達からナンパされた。
隼がナンパされるのは分かるが、どうして一緒にいる俺までナンパされるのだ? もしかして、隼の彼氏と思われてないとか?
俺と隼の容姿がカップルとして釣り合ってなくて、俺の方は『ボーイッシュな男装麗人』とでも思われてるとか?
――だとしたら、俺も俺でもうちょっとファッションに気を遣おう。
今の隼に釣り合いそうな俺の恰好なんて想像もつかないけど、そこは事の発端であるおふくろに押し付けよう。
「ねえねえ、タケゾー。これって、アタシに似合いそうかねぇ?」
「いや……。『饂飩饅頭』なんてデカデカと書かれたTシャツ、誰にも似合わないっての……」
そんな俺達は現在、まずは試しとばかりにファッションショップへ入ってみた。
一応はおふくろから隼の外着を見繕ってもらったとはいえ、俺からも何か服のプレゼントぐらいはしたい。外着が一着だけというのも不安だ。
とりあえずは隼にも服を選ばせてみたのだが、こいつのファッションセンスは壊滅していた。
選ぶものはことごとくダサT。しかも、異様に難しい漢字が並んでいる奇抜な奴。
そんなもの、海外の観光客が『なんか面白そう』ぐらいの感覚で買うものであって、外着で買うようなものではない。
隼の見た目も相まってか、さっきから店員も『あのお嬢さん、世間知らずなのかしら?』みたいな顔で、こちらの様子を伺ってくる。
――確かに世間知らずではある。何せ、普段着として作業着しか持ってないような奴だ。
ファッションセンスなんて言葉、庭の穴にでも埋めてしまったのだろう。
「だったらさ~、タケゾーはどんなのが似合うと思うわけよ?」
「うーん……。俺も正直、おふくろと同じぐらいのセンスで服は選べない……」
「なんだよ~? タケゾーだって、全然選べてないじゃんか~?」
そんな隼なのだが、俺にも服選びをせがんでくる。
とはいえ、俺もあまり人のことは言えない。外着なんて、パーカーやジャケットぐらいでいいと思ってるレベルだ。
ただ、俺もおふくろレベルとは行かずとも、何か彼氏らしいものを選ぶぐらいは――
「お? これとか良さそうだな」
「これって――わわっ!?」
――そう思って目についた商品を、隼の頭の上に乗せてみる。
清楚なお嬢様風ワンピースとくれば、ツバが大きめの丸い帽子が似合うだろう。
白を基調とした色合いもワンピースと同じで、俺から見ると全体的にもバランスが取れている。
まさに花畑にでもいそうな優雅なお嬢様。中身は全く逆だけど。
「どうだ? この帽子とか似合うんじゃないか?」
「おおー!? これはアタシ的にもいいチョイスじゃないかなー!? なんだか、タケゾーのお母さんのセンスに乗っかってる感じではあるけど」
「ほっとけ。お前のダサTを選ぶセンスよりはマシだ」
隼も一言余計なことを言ってくるが、帽子自体は気に入ってくれている。
なら、これで決まりとしよう。服の方は結局選べなかったが、それはまた今度にすればいいか。
――最悪、おふくろの古着と同じデザインのもので行こう。
おふくろのハードルが異様に高すぎるのだ。
「お? ねえねえ、タケゾー。これ、記念に買わない?」
「ん? キーホルダーか?」
そうして俺が選んだ帽子を持ってレジに向かっていると、隼がレジの前に飾ってあった商品に目を向けて尋ねてきた。
そこにあったのは、いかにも『最後にちょっと見て行ってください』的な空色の宝石のようなキーホルダー。
値段も手頃ではあるが、ハッキリ言って安っぽい。本物の宝石というわけでもないし、初デートでの彼女へのプレゼントとしては少々味気ない。
「こんなのよりも、もっといいものを買ってやってもいいぞ?」
「いんや、アタシはこれがいい。これを二つ買って、タケゾーとお揃にしない?」
「まあ、恋人同士で同じものを持ってるってのも、よくある話ではあるが……」
「値段じゃないんだよ。安っぽくてもいいさ。それに、空色なんてアタシにピッタリじゃない?」
「まあ、確かにピッタリではあるが……」
俺は思わず難色を示してしまうが、隼の方は興味津々といった様子。
空色の魔女としての顔を持つ隼には、この空色のキーホルダーも確かに似合う。
「彼女との初デート記念だと思ってさ、買ってくんないかな? なんだったら、お金はアタシが出すし」
「これぐらいのキーホルダーも買えないほど、俺も安月給じゃないさ。隼がそこまで言うなら、俺も買ってやるよ。今日のデートのお代ぐらい、俺に任せておけ」
「おお!? 随分と太っ腹じゃないか、タケゾー! 愛してるぞ!」
「ちょっとキーホルダーを追加したぐらいで、そんな大げさな反応をしないでくれ……」
結局、俺は隼の要望を断れるはずもなく、空色のキーホルダー二つも揃えてレジへと持って行く。
レジに並ぶ途中で愛を叫ばれたりして恥ずかしくもあったが、これで隼が喜んでくれるなら本当に安い買い物だ。
「ニシシ~! タケゾーとお揃い~!」
「……まあ、俺も隼と同じものを持っているってのは、どこか特別感はあるか」
「でしょでしょ~? これまでの幼馴染の関係から、一歩進んだ感じをさせるには十分っしょ!」
そんな喜ぶ隼の姿を見て思うに、こいつも俺との交際を機として、何か特別の証が欲しかったのだろう。
俺の思い上がりかもしれないが、隼も隼で俺に気があったからこそ、こうやって率先して関係を進めたがるのだろうか?
まあ、それは今になって考えることでもない。
――俺の傍に隼がいてくれて、こうして喜んでもらえている事実だけあればいい。
「おっ! さっきの彼氏さんと彼女さん、いい雰囲気じゃないの~!?」
「俺らも応援してるぜ! いい夢見なよ!」
そうやって想いにふけながら耳に入ってくるのは、一番最初のナンパ男二人の声。
偶然通りかかった俺と隼に対し、揃って励ましの言葉を述べてくれた。
――ありがたいのだが、余計なお世話でもある。
0
あなたにおすすめの小説
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる