61 / 106
第一部
61.
しおりを挟む
私がアベニウス公爵夫人になって一週間程経過した。
「奥様、大変お美しいです」
「有難う」
待ちに待っていた新品のドレスに袖を通した私は微笑む。
目の前の鏡に映る私は確かに誉めたくなる容姿をしていた。
ペールブルーを基調としたシンプルなドレスは落ち着いているが爽やかだ。
エリカの水色の髪ともマッチしている。
異母姉ローズから押し付けられた毒々しい赤色のドレスたちとは大違いだった。
「やっと自分に合うドレスを着ることが出来て嬉しく思うわ」
そうお針子の女性に言うと、気の毒そうな顔をされた。
彼女の名前はウルスラ。アベニウス公爵家が贔屓にしていたドレスメーカーの従業員だ。
私の「派手過ぎず若過ぎず古過ぎず上品で動きやすい物を」という漠然としてる上に多い注文を嫌な顔せず受け、見事に応えてくれた。
今身に着けているドレスは本当に体を動かしやすい。
異母姉のお下がりと違ってサイズが私にぴったりと合っているのが何よりも嬉しい。
「一週間程度でここまでのものを仕上げて頂けるなんて、公爵家お抱えの職人さんは素晴らしいわね」
「奥様のドレス姿が見たくて張り切ってしまいました。今後も御贔屓頂ければ幸いです」
にっこりと返され、私も笑顔で頷く。
贅沢するつもりは無いが公爵夫人の立場ならドレスが一二着程度で済む筈が無いのはわかっていた。
「そうね、家で過ごす用を後数着、他に軽い外出用と、公爵夫人として表に出る時の物もそれぞれ頂きたいわね」
「はい、かしこまりました」
「家用と外出着を優先でお願い。でも今回程急ぎで無くて良いわ」
私はそう告げる。
ブラウスとロングスカートも仕立てて貰ったので暫くはそれで着回せるだろう。
ドレスを一着欲しかったのは、使用人に公爵夫人アピールを強くしたい時用だ。
私が試着したドレスの最終チェック終え新たな注文を受けたウルスラは帰り支度を始める。
しかし思い出したように小さく声を上げた。
「奥様、こちらお譲りいただいたドレスのお代になります。お渡しするのが遅くなり申し訳ございません」
そう言いながら布に包まれた硬貨を渡してくる。私はそれを受け取った。
「金額は引き取る時に提示させて頂いた物に金貨二枚を足しております」
「あら、そんなに」
「どれも生地は上等な物でしたので」
ウルスラは嬉しそうに微笑む。
彼女に私が引き渡したのは姉のドレスだった。
着るものが無いので仕方なく着ていたが代わりが来たなら完全に用済みだ。
クローゼットの肥やしにするのもどうかと思い、ドレスの打ち合わせに来たウルスラに相談したのだ。
すると彼女は古着として買い取りたいと言い出し、私はそれに応じた。
「確かに染みやほつれはありましたけれど、手直しすれば欲しがる令嬢やご婦人はおりますので」
「そういうものなのね」
貴族と言う物は舞踏会やお茶会の場で同じドレスを頻繁に着るのは恥らしい。
なんなら毎回新しいドレスを身に着けるのが望ましいらしいが、そんな贅沢が出来る者は限られている。
下位貴族などは一度着たドレスを売り、そして又ドレスを買うのも珍しくないそうだ。
扇やアクセサリーなども似たようなことが行われているらしい。
非効率極まりないがそういう文化なのだろう。
前世では付き合いで少し茶道を齧ったことはあるが似たような感じのことは有った。
ウルスラの所は買い取ったドレスをそのまま売るのではなくリメイクしてほぼ別物として売るので人気らしい。
(まあ、そうしないとドレスの出所に気付く人もいるでしょうし)
その場合売った側も買った側も恥をかくだろう。
「では、ご注文が出来上がりましたら又お届けに参ります」
「お願いね」
私はそう返事をするとアイリにウルスラの見送りを命じた。
そして一人になった部屋で姿見に映る己を見る。
顔は「一輪の花は氷を溶かす」のエリカそのものだ。けれど雰囲気が違う。
漫画では無垢な愛らしさが目立っていたが、鏡に映る女性はそれらを失った代わりに落ち着きを備えているように見えた。
「ドレスと化粧のお陰ね」
私は自分の頬に触れる。
詳しくないと前置きしながら、それでもアイリが施してくれた化粧に私は満足していた。
カーヴェルも公爵夫人として違和感無いと太鼓判を押してくれたので安心だ。
意外なことに彼は、ファッションのことでも力になってくれた。
王宮勤めで高位で華やかな女性を見慣れた彼はファッションチェック役としてうってつけだったのだ。
流石にこのドレスにはこのメイクが合いますよとか、今年の流行色はこちらですとアドバイスはしてこないが。
(世間的におかしくないかどうかを確認できるだけでも助かるのよね)
図書室にあるその手の本を読み漁ってもいるがファッション雑誌みたいなのは流石に無かった。
マナー本は五十年前の物しか無かったし、出版日が新しめで貴族令嬢が出てくる小説を中心に読んで文化や空気感を理解しようとしてるけど効率が悪い。
紙が潤沢にあって印刷も発達しているし新聞も複数ある世界なのだからもう一声欲しいところだ。
「絶対需要はあると思うのよね……」
私はウルスラに貰った金貨を布越しに握りながら呟いた。
中身を机に取り出す。数えると平民が贅沢をしなければ五ヶ月は暮らせる額だった。
「まあ、貴族小説の知識だから本当かわからないけれど」
異母姉のドレス五着分の値段だが高いのか安いのかわからない。
ただ私には無価値どころかお荷物だったのでそれが金貨になったのは純粋に嬉しくなる。
何より現金があるというのはとても心強いものだ。異母姉に初めて感謝したくなった。
私は布に包み直した金貨を引き出しの奥にしまい鍵をかけた。
「そうだ、カーヴェルにドレスを確認して貰おうかしら」
私は呟くと部屋を出る。すると元気な子供の声が聞こえた。
「おい、カーヴェル!鯉を見に行くから供をしろ!!」
「かしこまりました、レオ様」
声を頼りに歩くと玄関ホールにレオとカーヴェルがいる。
レオは無邪気な顔でカーヴェルの執事服を引っ張っていた。
この一週間で私の予想以上にレオはカーヴェルに対し打ち解けた。
多分もうマレーナよりカーヴェルの方に懐いていると思う。
「その後は宿題をしてやるから、お前は隣で見ていろよ!!」
「はい」
笑顔で甘えた命令をする幼い公爵令息と、それに穏やかに応じる青年家令。
一見微笑ましい光景だ。
だがレオがカーヴェルを気に入り過ぎて、カーヴェルを従者のように占有したがっている。
なのでホルガーやブライアンに家令の仕事をかなり多く分担して貰っている状態だった。
(……あれもどうにかしないと駄目ね)
私は溜息を吐くと階下へと足を運んだ。
「奥様、大変お美しいです」
「有難う」
待ちに待っていた新品のドレスに袖を通した私は微笑む。
目の前の鏡に映る私は確かに誉めたくなる容姿をしていた。
ペールブルーを基調としたシンプルなドレスは落ち着いているが爽やかだ。
エリカの水色の髪ともマッチしている。
異母姉ローズから押し付けられた毒々しい赤色のドレスたちとは大違いだった。
「やっと自分に合うドレスを着ることが出来て嬉しく思うわ」
そうお針子の女性に言うと、気の毒そうな顔をされた。
彼女の名前はウルスラ。アベニウス公爵家が贔屓にしていたドレスメーカーの従業員だ。
私の「派手過ぎず若過ぎず古過ぎず上品で動きやすい物を」という漠然としてる上に多い注文を嫌な顔せず受け、見事に応えてくれた。
今身に着けているドレスは本当に体を動かしやすい。
異母姉のお下がりと違ってサイズが私にぴったりと合っているのが何よりも嬉しい。
「一週間程度でここまでのものを仕上げて頂けるなんて、公爵家お抱えの職人さんは素晴らしいわね」
「奥様のドレス姿が見たくて張り切ってしまいました。今後も御贔屓頂ければ幸いです」
にっこりと返され、私も笑顔で頷く。
贅沢するつもりは無いが公爵夫人の立場ならドレスが一二着程度で済む筈が無いのはわかっていた。
「そうね、家で過ごす用を後数着、他に軽い外出用と、公爵夫人として表に出る時の物もそれぞれ頂きたいわね」
「はい、かしこまりました」
「家用と外出着を優先でお願い。でも今回程急ぎで無くて良いわ」
私はそう告げる。
ブラウスとロングスカートも仕立てて貰ったので暫くはそれで着回せるだろう。
ドレスを一着欲しかったのは、使用人に公爵夫人アピールを強くしたい時用だ。
私が試着したドレスの最終チェック終え新たな注文を受けたウルスラは帰り支度を始める。
しかし思い出したように小さく声を上げた。
「奥様、こちらお譲りいただいたドレスのお代になります。お渡しするのが遅くなり申し訳ございません」
そう言いながら布に包まれた硬貨を渡してくる。私はそれを受け取った。
「金額は引き取る時に提示させて頂いた物に金貨二枚を足しております」
「あら、そんなに」
「どれも生地は上等な物でしたので」
ウルスラは嬉しそうに微笑む。
彼女に私が引き渡したのは姉のドレスだった。
着るものが無いので仕方なく着ていたが代わりが来たなら完全に用済みだ。
クローゼットの肥やしにするのもどうかと思い、ドレスの打ち合わせに来たウルスラに相談したのだ。
すると彼女は古着として買い取りたいと言い出し、私はそれに応じた。
「確かに染みやほつれはありましたけれど、手直しすれば欲しがる令嬢やご婦人はおりますので」
「そういうものなのね」
貴族と言う物は舞踏会やお茶会の場で同じドレスを頻繁に着るのは恥らしい。
なんなら毎回新しいドレスを身に着けるのが望ましいらしいが、そんな贅沢が出来る者は限られている。
下位貴族などは一度着たドレスを売り、そして又ドレスを買うのも珍しくないそうだ。
扇やアクセサリーなども似たようなことが行われているらしい。
非効率極まりないがそういう文化なのだろう。
前世では付き合いで少し茶道を齧ったことはあるが似たような感じのことは有った。
ウルスラの所は買い取ったドレスをそのまま売るのではなくリメイクしてほぼ別物として売るので人気らしい。
(まあ、そうしないとドレスの出所に気付く人もいるでしょうし)
その場合売った側も買った側も恥をかくだろう。
「では、ご注文が出来上がりましたら又お届けに参ります」
「お願いね」
私はそう返事をするとアイリにウルスラの見送りを命じた。
そして一人になった部屋で姿見に映る己を見る。
顔は「一輪の花は氷を溶かす」のエリカそのものだ。けれど雰囲気が違う。
漫画では無垢な愛らしさが目立っていたが、鏡に映る女性はそれらを失った代わりに落ち着きを備えているように見えた。
「ドレスと化粧のお陰ね」
私は自分の頬に触れる。
詳しくないと前置きしながら、それでもアイリが施してくれた化粧に私は満足していた。
カーヴェルも公爵夫人として違和感無いと太鼓判を押してくれたので安心だ。
意外なことに彼は、ファッションのことでも力になってくれた。
王宮勤めで高位で華やかな女性を見慣れた彼はファッションチェック役としてうってつけだったのだ。
流石にこのドレスにはこのメイクが合いますよとか、今年の流行色はこちらですとアドバイスはしてこないが。
(世間的におかしくないかどうかを確認できるだけでも助かるのよね)
図書室にあるその手の本を読み漁ってもいるがファッション雑誌みたいなのは流石に無かった。
マナー本は五十年前の物しか無かったし、出版日が新しめで貴族令嬢が出てくる小説を中心に読んで文化や空気感を理解しようとしてるけど効率が悪い。
紙が潤沢にあって印刷も発達しているし新聞も複数ある世界なのだからもう一声欲しいところだ。
「絶対需要はあると思うのよね……」
私はウルスラに貰った金貨を布越しに握りながら呟いた。
中身を机に取り出す。数えると平民が贅沢をしなければ五ヶ月は暮らせる額だった。
「まあ、貴族小説の知識だから本当かわからないけれど」
異母姉のドレス五着分の値段だが高いのか安いのかわからない。
ただ私には無価値どころかお荷物だったのでそれが金貨になったのは純粋に嬉しくなる。
何より現金があるというのはとても心強いものだ。異母姉に初めて感謝したくなった。
私は布に包み直した金貨を引き出しの奥にしまい鍵をかけた。
「そうだ、カーヴェルにドレスを確認して貰おうかしら」
私は呟くと部屋を出る。すると元気な子供の声が聞こえた。
「おい、カーヴェル!鯉を見に行くから供をしろ!!」
「かしこまりました、レオ様」
声を頼りに歩くと玄関ホールにレオとカーヴェルがいる。
レオは無邪気な顔でカーヴェルの執事服を引っ張っていた。
この一週間で私の予想以上にレオはカーヴェルに対し打ち解けた。
多分もうマレーナよりカーヴェルの方に懐いていると思う。
「その後は宿題をしてやるから、お前は隣で見ていろよ!!」
「はい」
笑顔で甘えた命令をする幼い公爵令息と、それに穏やかに応じる青年家令。
一見微笑ましい光景だ。
だがレオがカーヴェルを気に入り過ぎて、カーヴェルを従者のように占有したがっている。
なのでホルガーやブライアンに家令の仕事をかなり多く分担して貰っている状態だった。
(……あれもどうにかしないと駄目ね)
私は溜息を吐くと階下へと足を運んだ。
1,485
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
『外見しか見なかったあなたへ。私はもう、選ぶ側です』
鷹 綾
恋愛
「お前のようなガキは嫌いだ」
幼く見える容姿を理由に、婚約者ライオネルから一方的に婚約を破棄された
公爵令嬢シルフィーネ・エルフィンベルク。
その夜、嫉妬に狂った伯爵令嬢に突き落とされ、
彼女は一年もの間、意識不明の重体に陥る――。
目を覚ました彼女は、大人びた美貌を手に入れていた。
だが、中身は何ひとつ変わっていない。
にもかかわらず、
かつて彼女を「幼すぎる」と切り捨てた元婚約者は態度を一変させ、
「やり直したい」とすり寄ってくる。
「見かけが変わっても、中身は同じです。
それでもあなたは、私の外見しか見ていなかったのですね?」
静かにそう告げ、シルフィーネは過去を見限る。
やがて彼女に興味を示したのは、
隣国ノルディアの王太子エドワルド。
彼が見ていたのは、美貌ではなく――
対話し、考え、異論を述べる彼女の“在り方”だった。
これは、
外見で価値を決められた令嬢が、
「選ばれる人生」をやめ、
自分の意思で未来を選び直す物語。
静かなざまぁと、
対等な関係から始まる大人の恋。
そして――
自分の人生を、自分の言葉で生きるための物語。
---
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
頑張らない政略結婚
ひろか
恋愛
「これは政略結婚だ。私は君を愛することはないし、触れる気もない」
結婚式の直前、夫となるセルシオ様からの言葉です。
好きにしろと、君も愛人をつくれと。君も、もって言いましたわ。
ええ、好きにしますわ、私も愛する人を想い続けますわ!
五話完結、毎日更新
いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
婚約者様への逆襲です。
有栖川灯里
恋愛
王太子との婚約を、一方的な断罪と共に破棄された令嬢・アンネリーゼ=フォン=アイゼナッハ。
理由は“聖女を妬んだ悪役”という、ありふれた台本。
だが彼女は涙ひとつ見せずに微笑み、ただ静かに言い残した。
――「さようなら、婚約者様。二度と戻りませんわ」
すべてを捨て、王宮を去った“悪役令嬢”が辿り着いたのは、沈黙と再生の修道院。
そこで出会ったのは、聖女の奇跡に疑問を抱く神官、情報を操る傭兵、そしてかつて見逃された“真実”。
これは、少女が嘘を暴き、誇りを取り戻し、自らの手で未来を選び取る物語。
断罪は終わりではなく、始まりだった。
“信仰”に支配された王国を、静かに揺るがす――悪役令嬢の逆襲。
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる