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第四章
91話 逃げられない悪夢から逃げる方法
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少女の姿をした竜は、今立っている場所から湖面まで小さな大理石を幾つも作る。
一定の距離で存在するそれはまるで階段のようだった。
「階段のようじゃなく、階段じゃ。貴様は浮いて移動しろと言っても無理であろう?」
「確かに、夢の世界とは言え難しいかもしれない」
「フン、本当に手間のかかる厄介者よ」
そう言いながらエレクトラはフワフワと何もない空間をゆっくりと落ちていく。
俺は焦りつつ彼女が作ってくれた即席階段を使った。
一段一段湖面へと近付くほど閉じ込められている人間たちの姿が詳細に見えてくる。
皆目を閉じているが苦し気な表情をしている。女性の中には悲鳴を上げそうな様子の者もいた。
「これだけ隔離されてたからの、見つけた時から気になってたんじゃ」
エレクトラが薄紅の水面に手をかざすと、同色の結晶に囲まれた裸体が出てきた。
それは黒髪の華奢な少年だった。
繊細で整った顔立ちをしているが裸なので性別は間違えない。
「この子は……?」
「性別しか変わってないのに気づかないとは愚か者よ。これだから人間はダメじゃな」
知竜に心底呆れたように言われ、俺は思考を一瞬停止する。
その後彼女の発言を脳内で繰り返す。
性別しか変わってない。つまり元の性別は女性ということか。
つまり今浮かんでいるこの男の子の正体は黒髪で華奢な美少女。
そして俺の知っている人物である。
「あっ」
それがクロノだと分かった瞬間俺は自らの手で両目を覆った。
「なななななんで裸なんだよっ!!」
「知らん。あの女魔族の趣味じゃろ」
慌てながら俺は自分の上着を脱いでクロノにかけようとする。
しかし目を閉じていても水晶に阻まれてそれが無理だということはわかった。
「本当に阿保じゃな」
「ど、どうにかできないか。裸なんて可哀想だ」
「ふむ、貴様の目を潰すことならできるが」
物騒なことを言われながら竜の少女に尻を蹴飛ばされる。
「大体今の体つきは貴様と同じじゃろう、いちいち恥じらうでないわ」
遊んでいる場合ではない。さっさと目を開けろ。
そう言われ俺は覚悟を決めて手を両眼から離した。
確かにエレクトラの発言の通り今のクロノは男の体をしている。
「どうして……」
「恐らく女魔族が見せる悪夢のせいだろうよ」
うんざりしたような口ぶりで答えられ、俺は自分がさっきまで見ていた夢の内容を思い出す。
「確かに地獄みたいな夢だったが、男になりたくなるようなものか……?」
「それは貴様が男だからじゃ」
エレクトラは苦い薬を飲まされたような表情で続ける。
「女の場合は人型の魔物に変えられた上で人間の男たちに嬲り尽くされる」
討伐対象の魔物だからと体を切り刻まれ引きちぎられながら凌辱され続けるのだ。
幼い少女の唇から出た言葉は俺の心臓を凍り付かせた。
「そして男の場合は愛する女が魔物で人間たちに嬲り殺される、大体同じ内容じゃな」
続いて告げられた内容には心当たりがあった。
この場合男と女、どちらがより辛いのだろう。考えることすら頭が拒む。
「醜悪にも程があるが人に人を憎ませるには効率的なのかもしれん」
「だからって……!」
「しかしこの者、精神体とはいえ男になることで凌辱の悪夢から逃れるとは驚いたぞ」
他の女子は皆助けを求め続けるか耐えるかだったからな。
そう言われ湖の中にいるミアンたちを思わず見ようとする。
けれどそれも尊厳を傷つけることになる気がして視線をエレクトラに戻した。
「彼女たちを、いや捕まっている人間を全員この悪夢から出してやりたい」
少しでも早く。そう俺が口にすると竜の少女はわかっていると返す。
「我だってこんなけったくその悪い夢、垣間見るだけでも嫌じゃ」
「なら……」
「だが神竜としての力を使うわけにはいかぬ。そうすれば魔王の封印も無かったことになる」
「どういうことだ」
エレクトラは辺りを見回すような仕草をしてから俺に向き直る。
死んでも他言無用じゃぞと念押しをされ俺は頷いた。
「この世界には神竜が数体いる。その半分を同じ者が殺せば上位神自らがその者を封印する」
「封印……」
「そう、単独で強過ぎる力を持つ存在は世界の均衡を崩す脅威となるからだ」
理屈はわかる気もするが、神ならばそんなバランスブレイカーをそもそも生み出さなければいいのに。
俺の心が読めている筈なのにエレクトラはそれに答えなかった。
「ある日そんな存在がこの洞窟に訪れ、我を殺そうとした。それが魔王よ」
急に魔王という単語を出されて一気に緊張する。
しかし次の台詞で体の強張りは一気に抜けた。
「そして同胞の半分近くが奴に殺害されたと知った我はまあ、死んだふりをしたわけだ」
目論見通り上位神が顕現し魔王はあっという間に倒され封じられた。
エレクトラが薄い胸を張って言う。それが開き直りなのか虚勢なのかは俺にはわからない。
「ズルじゃん」
「ズルではない、我は知を司る存在だから頭脳戦で勝利したまでのこと!」
「いやそれは……そう、なのか?」
「そうじゃ!」
「でも上位神にばれたら不味いんだろ。さっきの言葉は、つまり販促扱いで封印が無効化されるってことか」
「そうじゃ……」
だから傷も治さず湖の底でじっとし続けていた。
そう幼女の姿で言われると、元からそんなになかった責める気持ちは霧散する。
大体魔王の封印が無かったことにされて一番困るのは俺だ。
「まあ誰だって死にたくないものな。賢いと思うよ」
「そうじゃろ!」
「だから魔族に洞窟内で好き放題されてもじっとしていたのか」
「うむ、洞窟だけでなく湖まで汚され始めて不快極まりない」
この機会に一掃出来ればいいのじゃが。
ちらりとこちらを見ながら言われて俺は無言で首を振った。
まんまとキルケーに騙されて悪夢の中で彼女に好意を持ちかけてすらいたのだ。
「それができそうなのがこの童だが、精神体なのに中身が空なのじゃ」
凌辱の悪夢に耐え切れず男の体になった後、悪夢ごと魂が消えたようになった。
そう言われ俺は全身から血の気が引く。
「クロノの魂が消えた……?」
「いや消滅はしておらぬ筈じゃ。その場合精神体も消えるからな」
「つまり、クロノはどういう状態なんだ」
「この我にすら見えない場所に魂を隠したか、あるいは別の次元に存在しているか」
貴様には心当たりは無いか。そう問いかけられ俺は無言になった。
目の前で水晶に囚われている体に手を伸ばす。
女性のように整った顔だが確かに男のクロノだ。
本来俺がそうあれとデザインした姿。勇者となる運命を背負った無自覚の天才少年。
「でも、違うんだ」
俺が否定の言葉を発したと同時に水晶が内側から強く輝き始めた。
一定の距離で存在するそれはまるで階段のようだった。
「階段のようじゃなく、階段じゃ。貴様は浮いて移動しろと言っても無理であろう?」
「確かに、夢の世界とは言え難しいかもしれない」
「フン、本当に手間のかかる厄介者よ」
そう言いながらエレクトラはフワフワと何もない空間をゆっくりと落ちていく。
俺は焦りつつ彼女が作ってくれた即席階段を使った。
一段一段湖面へと近付くほど閉じ込められている人間たちの姿が詳細に見えてくる。
皆目を閉じているが苦し気な表情をしている。女性の中には悲鳴を上げそうな様子の者もいた。
「これだけ隔離されてたからの、見つけた時から気になってたんじゃ」
エレクトラが薄紅の水面に手をかざすと、同色の結晶に囲まれた裸体が出てきた。
それは黒髪の華奢な少年だった。
繊細で整った顔立ちをしているが裸なので性別は間違えない。
「この子は……?」
「性別しか変わってないのに気づかないとは愚か者よ。これだから人間はダメじゃな」
知竜に心底呆れたように言われ、俺は思考を一瞬停止する。
その後彼女の発言を脳内で繰り返す。
性別しか変わってない。つまり元の性別は女性ということか。
つまり今浮かんでいるこの男の子の正体は黒髪で華奢な美少女。
そして俺の知っている人物である。
「あっ」
それがクロノだと分かった瞬間俺は自らの手で両目を覆った。
「なななななんで裸なんだよっ!!」
「知らん。あの女魔族の趣味じゃろ」
慌てながら俺は自分の上着を脱いでクロノにかけようとする。
しかし目を閉じていても水晶に阻まれてそれが無理だということはわかった。
「本当に阿保じゃな」
「ど、どうにかできないか。裸なんて可哀想だ」
「ふむ、貴様の目を潰すことならできるが」
物騒なことを言われながら竜の少女に尻を蹴飛ばされる。
「大体今の体つきは貴様と同じじゃろう、いちいち恥じらうでないわ」
遊んでいる場合ではない。さっさと目を開けろ。
そう言われ俺は覚悟を決めて手を両眼から離した。
確かにエレクトラの発言の通り今のクロノは男の体をしている。
「どうして……」
「恐らく女魔族が見せる悪夢のせいだろうよ」
うんざりしたような口ぶりで答えられ、俺は自分がさっきまで見ていた夢の内容を思い出す。
「確かに地獄みたいな夢だったが、男になりたくなるようなものか……?」
「それは貴様が男だからじゃ」
エレクトラは苦い薬を飲まされたような表情で続ける。
「女の場合は人型の魔物に変えられた上で人間の男たちに嬲り尽くされる」
討伐対象の魔物だからと体を切り刻まれ引きちぎられながら凌辱され続けるのだ。
幼い少女の唇から出た言葉は俺の心臓を凍り付かせた。
「そして男の場合は愛する女が魔物で人間たちに嬲り殺される、大体同じ内容じゃな」
続いて告げられた内容には心当たりがあった。
この場合男と女、どちらがより辛いのだろう。考えることすら頭が拒む。
「醜悪にも程があるが人に人を憎ませるには効率的なのかもしれん」
「だからって……!」
「しかしこの者、精神体とはいえ男になることで凌辱の悪夢から逃れるとは驚いたぞ」
他の女子は皆助けを求め続けるか耐えるかだったからな。
そう言われ湖の中にいるミアンたちを思わず見ようとする。
けれどそれも尊厳を傷つけることになる気がして視線をエレクトラに戻した。
「彼女たちを、いや捕まっている人間を全員この悪夢から出してやりたい」
少しでも早く。そう俺が口にすると竜の少女はわかっていると返す。
「我だってこんなけったくその悪い夢、垣間見るだけでも嫌じゃ」
「なら……」
「だが神竜としての力を使うわけにはいかぬ。そうすれば魔王の封印も無かったことになる」
「どういうことだ」
エレクトラは辺りを見回すような仕草をしてから俺に向き直る。
死んでも他言無用じゃぞと念押しをされ俺は頷いた。
「この世界には神竜が数体いる。その半分を同じ者が殺せば上位神自らがその者を封印する」
「封印……」
「そう、単独で強過ぎる力を持つ存在は世界の均衡を崩す脅威となるからだ」
理屈はわかる気もするが、神ならばそんなバランスブレイカーをそもそも生み出さなければいいのに。
俺の心が読めている筈なのにエレクトラはそれに答えなかった。
「ある日そんな存在がこの洞窟に訪れ、我を殺そうとした。それが魔王よ」
急に魔王という単語を出されて一気に緊張する。
しかし次の台詞で体の強張りは一気に抜けた。
「そして同胞の半分近くが奴に殺害されたと知った我はまあ、死んだふりをしたわけだ」
目論見通り上位神が顕現し魔王はあっという間に倒され封じられた。
エレクトラが薄い胸を張って言う。それが開き直りなのか虚勢なのかは俺にはわからない。
「ズルじゃん」
「ズルではない、我は知を司る存在だから頭脳戦で勝利したまでのこと!」
「いやそれは……そう、なのか?」
「そうじゃ!」
「でも上位神にばれたら不味いんだろ。さっきの言葉は、つまり販促扱いで封印が無効化されるってことか」
「そうじゃ……」
だから傷も治さず湖の底でじっとし続けていた。
そう幼女の姿で言われると、元からそんなになかった責める気持ちは霧散する。
大体魔王の封印が無かったことにされて一番困るのは俺だ。
「まあ誰だって死にたくないものな。賢いと思うよ」
「そうじゃろ!」
「だから魔族に洞窟内で好き放題されてもじっとしていたのか」
「うむ、洞窟だけでなく湖まで汚され始めて不快極まりない」
この機会に一掃出来ればいいのじゃが。
ちらりとこちらを見ながら言われて俺は無言で首を振った。
まんまとキルケーに騙されて悪夢の中で彼女に好意を持ちかけてすらいたのだ。
「それができそうなのがこの童だが、精神体なのに中身が空なのじゃ」
凌辱の悪夢に耐え切れず男の体になった後、悪夢ごと魂が消えたようになった。
そう言われ俺は全身から血の気が引く。
「クロノの魂が消えた……?」
「いや消滅はしておらぬ筈じゃ。その場合精神体も消えるからな」
「つまり、クロノはどういう状態なんだ」
「この我にすら見えない場所に魂を隠したか、あるいは別の次元に存在しているか」
貴様には心当たりは無いか。そう問いかけられ俺は無言になった。
目の前で水晶に囚われている体に手を伸ばす。
女性のように整った顔だが確かに男のクロノだ。
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