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第二話 拾われた2
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「ここが僕の家」
「……うわぁ」
どこまで続いているのか見上げれば首が痛くなるほどの高層住宅、いわばタワマンだ。
オーナーは30歳前後に見える。……はちゃめちゃに荒稼ぎしたのだろうか。それとも実家が太いのだろうか。どちらにしろ自分が想像できないほど離れた世界にいる人間ということを実感した。
公共施設でも無いのについているエスカレーターを横目に一階から建物内に入るとこれまた高そうな内装のエレベーターホールがある。壁の石って大理石とかいうやつなんじゃ無いだろうか……。
というかエレベーター何台あるんだろう。普通一棟につき一台だろ。いやこんな高層まであると一台じゃ足りなくなるのか。
「一階は駐車場とかあって狭いから、エントランスは二階にあるんだ」
エントランスがあるのか。もしかしなくても受付の人とかいる感じか。というか居住区は何階からなんだ。
渚は初めて見る都会の高いマンションを目にし、ここから逃げられるとは一体どんな特殊性癖野郎なのかと恐れ慄いた。
「ぼ~っとしてないでちゃんと着いてきて」
手を引かれエレベーターに乗り込む。いつの間に呼んでいたのだろうか。
内装は黒を基調としていて、手すりと鏡と大量のボタンがある。
「うちは62階。最上階だよ」
最上階といえばお金持ち。
本当にこのオーナーについては金持ってそうという感想しか抱けない。オーナーらしい、といえばもっと彼の雰囲気を語れるだろうか。
自分とは違う次元に暮らしている人間という感じがした。
本当に自分のような「ペット」を飼いそうな人である。
「ペット」そのものには深く執着しないのがまたそれらしい。
精々飽きるまで遊ばれておこうと思う。
「降りるよー」
少し暗く感じる内廊下を手首を引かれて歩く。
白い壁に黒いカーペット。一定間隔に並んだ暖色の照明に木目のような柄のドア。
やはりホテルみたいだった。
「6208号室。ここが僕の部屋だよ」
「……おじゃまします」
片付いているというより生活感のない部屋だった。
散らばったゴミ、片付けられていない洗濯物、洗われていない食器。そういった類のものが一切見当たらなかった。広々とした部屋の中にぽつりぽつりと家具が置かれているだけで、モデルルームの一室だと言われても納得できそうな殺風景さだ。
「何か飲む? コーヒーかホットミルクかチャイなら出せるよ」
「ホットミルク」
「りょーかい。すぐ作るから、ソファー座ってて」
「わかった」
チャイがあることにつっこむ気力も起きず、ソファーに沈み込む。
人の家ではしたないとは思ったが、どうにもできず横に倒れ込む。
なぜだか身体が重くて動かなかった。風邪や筋肉痛から来る疲労とは違った無気力感に襲われて指一本動かすのさえ辛くなった。
思えばとっくのとっくに限界が来ていたのだろう。
ギリギリなんとか動いていたのが、ここに来て緊張の糸がゆるんで力尽きた感じだ。
もう、今にも瞼が落ちてきそうだ。
ふと台所へ視線を向けるとオーナーさんが牛乳に蜂蜜を入れて混ぜていた。
その光景が懐かしくて暖かくて幸せで、このまま眠ってしまいたくなる。
「あ、寝ちゃだめ。死ぬよ。……仕方ないな。《こっちを見て》」
渚自身の意思とは反して勝手に目が開きオーナーさんの方を見る。身体の制御権が強制的に奪われている。
「うん、《よくできました》。君はやっぱりSubなんだね」
オーナーさんにそう言われた瞬間、多幸感も眠気も消え失せて、あっという間に元通りの無力感に飲み込まれてしまった。
頭をくしゃくしゃと撫でる手を振り払う気も起きない。
「そういう貴方はDomか。都合の良いSubが欲しかったのか」
「間違ってはないかな」
やはり自分は物でしかないと渚は思い直した。
DomとSub、そしてNormal。人間を分類する、もう一つの性別だ。
九割以上の人間はなんの特徴もないNormalとして生まれる。しかし一部の人間にはDomまたはSubの性と逃れられない格差が付与される。
Domには支配者としてSubに命令と褒美を与える力が、Subには被支配者としてDomの命令に逆らえないという制約があるのだ。
DomとSubは平等ではない。Domには力がある。だからDomにとってSubは物でしかない。
物扱いされるのには元いた場所で慣れている。今更どうってことはない。
ただ、一度気分が上がったのに落とされるのは流石の渚でも少しキツいものがあった。
オーナーさんにもバレない程度に小さく溜息をついてから彼の顔を見る。
「僕はね、僕から逃げないSubが欲しかったんだ。だから行く宛がない君は都合が良かった」
「そう。俺は貴方の事情なんて知らないし興味もない。好きなように使えば良い」
「ほんと? ならお構いなく」
元いた場所は中々な環境だったと思う。無茶な命令ばかりしてくるし、従えなければすぐ殴ったり蹴ったりしてくるし、かと思ったら急に綺麗にして人に見せびらかしたりなんかして。
だから何が来ようとも怖くはない。
それにこの人は「食事」に付き合えば良いといっていた。
ゲテモノを食わされることは覚悟しているが、いわばその程度。
あのお綺麗な手では人を殴ることだってあまりしないだろうと分析する。
「隣失礼するよ」
オーナーさんはソファーの前にある木製のローテーブルにお盆ごとホットミルクを置くと、渚の隣に座った。
「やっぱ顔色悪いね。本当はもうちょっと話してからの方がいいんだけど……仕方ないな。これ、《受け取って》」
そういい、パンダの柄のマグカップを手渡された。
オーナーさんはパンダが好きなのだろうか。
興味をそそられたが、ひとまず受け取った。
ここで少しでも反抗的な態度を見せるのは良くないと渚はよく知っていた。
「《OK》。そしたらそれ全部《飲んで》。一口ずつゆっくり飲むんだよ」
言われた通りに少しずつ口に含む。
温かくて、蜂蜜のおかげでほんのり甘くて、とても美味しい。
変な味もしないのでクスリを混競られている訳でもなさそうだ。まあそもそもクスリを混ぜたなら一気飲みするよう命じそうだが。
ただずっと飲むところを見られていることが気になる。いつの間にかサングラスの外された目でじっと注視されている。
特に渚が嚥下する時の喉の一瞬の動きさえも見逃さんとばかりに執拗に見られている。
首は人間の急所の一つだ。
首の骨には大事な神経が通っているらしいし、首の血管はかなり太かったはずである。気道だって首にある。
骨を折られても血管を切られても気道を絞められても死んでしまう。
あまりそこを見つめられると落ち着かない。
「さっきからじろじろ……何かあんのか?」
「んー可愛いなって思って」
可愛い……?
こいつは一体何を言っているんだ?
渚は本気で困惑した。
まず俺は可愛いと言われる容姿はしていない。痩せ型猫背の不健康極まりない体格だ。
やわらかさどころか丸みのない骨張った男に可愛いはないだろう。
ただ、そこは何にでも可愛いという人間がいるということで理解を示してみよう。渚とは全く違った感性の持ち主はこの世にごまんといる。
だが可愛いという感想から出力される行動が「喉元を見つめる」なのは流石によくわからない。獲物を狙う野生動物のようではないか。
あのお人よしが言っていた悪趣味とはこのことだったか。
殺意は感じるがまだ手を出されないだけマシだろう。
「ものを飲み込む姿が可愛いんだよね。あと、僕が与えたものを食べて、知らないもので構成された君の中に知ってるものが増えるのが可愛い」
前言撤回。全然マシでない。普通に怖い。
背筋がゾワっとした。変な汗が出た。飲み終えたばかりのホットミルクを戻しそう。
背中側から恐怖が手の形をとって襲いかかってくる気がする。
一ミリも理解できそうにない思考が恐ろしい。
今すぐにでも逃げ出したいのに胃の中を大きなスプーンで混ぜられているような不快感のせいで動けない。
渚は震える手でマグカップを机に置く。
オーナーさんはそんな渚の様子を気にせず話す。
「お、全部飲めたね。《いい子いい子》。そのまま《寝ちゃいな》」
SubはDomの命令には逆らえない。つまり急に襲いかかってきた睡魔に対抗する術がない。
このクソッタレDomと思いながら渚は眠りについた。
「……うわぁ」
どこまで続いているのか見上げれば首が痛くなるほどの高層住宅、いわばタワマンだ。
オーナーは30歳前後に見える。……はちゃめちゃに荒稼ぎしたのだろうか。それとも実家が太いのだろうか。どちらにしろ自分が想像できないほど離れた世界にいる人間ということを実感した。
公共施設でも無いのについているエスカレーターを横目に一階から建物内に入るとこれまた高そうな内装のエレベーターホールがある。壁の石って大理石とかいうやつなんじゃ無いだろうか……。
というかエレベーター何台あるんだろう。普通一棟につき一台だろ。いやこんな高層まであると一台じゃ足りなくなるのか。
「一階は駐車場とかあって狭いから、エントランスは二階にあるんだ」
エントランスがあるのか。もしかしなくても受付の人とかいる感じか。というか居住区は何階からなんだ。
渚は初めて見る都会の高いマンションを目にし、ここから逃げられるとは一体どんな特殊性癖野郎なのかと恐れ慄いた。
「ぼ~っとしてないでちゃんと着いてきて」
手を引かれエレベーターに乗り込む。いつの間に呼んでいたのだろうか。
内装は黒を基調としていて、手すりと鏡と大量のボタンがある。
「うちは62階。最上階だよ」
最上階といえばお金持ち。
本当にこのオーナーについては金持ってそうという感想しか抱けない。オーナーらしい、といえばもっと彼の雰囲気を語れるだろうか。
自分とは違う次元に暮らしている人間という感じがした。
本当に自分のような「ペット」を飼いそうな人である。
「ペット」そのものには深く執着しないのがまたそれらしい。
精々飽きるまで遊ばれておこうと思う。
「降りるよー」
少し暗く感じる内廊下を手首を引かれて歩く。
白い壁に黒いカーペット。一定間隔に並んだ暖色の照明に木目のような柄のドア。
やはりホテルみたいだった。
「6208号室。ここが僕の部屋だよ」
「……おじゃまします」
片付いているというより生活感のない部屋だった。
散らばったゴミ、片付けられていない洗濯物、洗われていない食器。そういった類のものが一切見当たらなかった。広々とした部屋の中にぽつりぽつりと家具が置かれているだけで、モデルルームの一室だと言われても納得できそうな殺風景さだ。
「何か飲む? コーヒーかホットミルクかチャイなら出せるよ」
「ホットミルク」
「りょーかい。すぐ作るから、ソファー座ってて」
「わかった」
チャイがあることにつっこむ気力も起きず、ソファーに沈み込む。
人の家ではしたないとは思ったが、どうにもできず横に倒れ込む。
なぜだか身体が重くて動かなかった。風邪や筋肉痛から来る疲労とは違った無気力感に襲われて指一本動かすのさえ辛くなった。
思えばとっくのとっくに限界が来ていたのだろう。
ギリギリなんとか動いていたのが、ここに来て緊張の糸がゆるんで力尽きた感じだ。
もう、今にも瞼が落ちてきそうだ。
ふと台所へ視線を向けるとオーナーさんが牛乳に蜂蜜を入れて混ぜていた。
その光景が懐かしくて暖かくて幸せで、このまま眠ってしまいたくなる。
「あ、寝ちゃだめ。死ぬよ。……仕方ないな。《こっちを見て》」
渚自身の意思とは反して勝手に目が開きオーナーさんの方を見る。身体の制御権が強制的に奪われている。
「うん、《よくできました》。君はやっぱりSubなんだね」
オーナーさんにそう言われた瞬間、多幸感も眠気も消え失せて、あっという間に元通りの無力感に飲み込まれてしまった。
頭をくしゃくしゃと撫でる手を振り払う気も起きない。
「そういう貴方はDomか。都合の良いSubが欲しかったのか」
「間違ってはないかな」
やはり自分は物でしかないと渚は思い直した。
DomとSub、そしてNormal。人間を分類する、もう一つの性別だ。
九割以上の人間はなんの特徴もないNormalとして生まれる。しかし一部の人間にはDomまたはSubの性と逃れられない格差が付与される。
Domには支配者としてSubに命令と褒美を与える力が、Subには被支配者としてDomの命令に逆らえないという制約があるのだ。
DomとSubは平等ではない。Domには力がある。だからDomにとってSubは物でしかない。
物扱いされるのには元いた場所で慣れている。今更どうってことはない。
ただ、一度気分が上がったのに落とされるのは流石の渚でも少しキツいものがあった。
オーナーさんにもバレない程度に小さく溜息をついてから彼の顔を見る。
「僕はね、僕から逃げないSubが欲しかったんだ。だから行く宛がない君は都合が良かった」
「そう。俺は貴方の事情なんて知らないし興味もない。好きなように使えば良い」
「ほんと? ならお構いなく」
元いた場所は中々な環境だったと思う。無茶な命令ばかりしてくるし、従えなければすぐ殴ったり蹴ったりしてくるし、かと思ったら急に綺麗にして人に見せびらかしたりなんかして。
だから何が来ようとも怖くはない。
それにこの人は「食事」に付き合えば良いといっていた。
ゲテモノを食わされることは覚悟しているが、いわばその程度。
あのお綺麗な手では人を殴ることだってあまりしないだろうと分析する。
「隣失礼するよ」
オーナーさんはソファーの前にある木製のローテーブルにお盆ごとホットミルクを置くと、渚の隣に座った。
「やっぱ顔色悪いね。本当はもうちょっと話してからの方がいいんだけど……仕方ないな。これ、《受け取って》」
そういい、パンダの柄のマグカップを手渡された。
オーナーさんはパンダが好きなのだろうか。
興味をそそられたが、ひとまず受け取った。
ここで少しでも反抗的な態度を見せるのは良くないと渚はよく知っていた。
「《OK》。そしたらそれ全部《飲んで》。一口ずつゆっくり飲むんだよ」
言われた通りに少しずつ口に含む。
温かくて、蜂蜜のおかげでほんのり甘くて、とても美味しい。
変な味もしないのでクスリを混競られている訳でもなさそうだ。まあそもそもクスリを混ぜたなら一気飲みするよう命じそうだが。
ただずっと飲むところを見られていることが気になる。いつの間にかサングラスの外された目でじっと注視されている。
特に渚が嚥下する時の喉の一瞬の動きさえも見逃さんとばかりに執拗に見られている。
首は人間の急所の一つだ。
首の骨には大事な神経が通っているらしいし、首の血管はかなり太かったはずである。気道だって首にある。
骨を折られても血管を切られても気道を絞められても死んでしまう。
あまりそこを見つめられると落ち着かない。
「さっきからじろじろ……何かあんのか?」
「んー可愛いなって思って」
可愛い……?
こいつは一体何を言っているんだ?
渚は本気で困惑した。
まず俺は可愛いと言われる容姿はしていない。痩せ型猫背の不健康極まりない体格だ。
やわらかさどころか丸みのない骨張った男に可愛いはないだろう。
ただ、そこは何にでも可愛いという人間がいるということで理解を示してみよう。渚とは全く違った感性の持ち主はこの世にごまんといる。
だが可愛いという感想から出力される行動が「喉元を見つめる」なのは流石によくわからない。獲物を狙う野生動物のようではないか。
あのお人よしが言っていた悪趣味とはこのことだったか。
殺意は感じるがまだ手を出されないだけマシだろう。
「ものを飲み込む姿が可愛いんだよね。あと、僕が与えたものを食べて、知らないもので構成された君の中に知ってるものが増えるのが可愛い」
前言撤回。全然マシでない。普通に怖い。
背筋がゾワっとした。変な汗が出た。飲み終えたばかりのホットミルクを戻しそう。
背中側から恐怖が手の形をとって襲いかかってくる気がする。
一ミリも理解できそうにない思考が恐ろしい。
今すぐにでも逃げ出したいのに胃の中を大きなスプーンで混ぜられているような不快感のせいで動けない。
渚は震える手でマグカップを机に置く。
オーナーさんはそんな渚の様子を気にせず話す。
「お、全部飲めたね。《いい子いい子》。そのまま《寝ちゃいな》」
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