91 / 212
本文
混沌
しおりを挟む
「これはひどいな」
「はい。このような状態は見たことはありません」
ルイとダイは、エルフ族の結界奥深くに入っていったが、その中央は何とも言えない状態であった。
木々どころか大地も空もなくなり、いや、無くなったというよりは全てが無秩序に混じり合って溶け合っている状態で、色も極彩色から灰色まで混じり合っていた。
よく見れば巻き込まれたエルフ族が木々や土地と混じり合い、一部は溶けて液体とも気体とも言えない物質となり、無くなったと思えばまた現れると言った状態であった。
「早く助けるのだ!」
「まて! 無暗に近づくと取り込まれてしまうぞ。ここから魔法で何とかするのだ」
「なんとかとはなんだ!」
「それが分かればとうにやっている!」
どうやら助けに入ったエルフ族も巻き込まれてしまったようで、周りにいるエルフ族も手の施しようがないようだ。
「お父様、いったい何が起こったのですか?!」
「老師たちが魔境を創り出す実験をしていたのだが、力の制御を失敗したようだ」
「そんなことはない! おじいさまが失敗する事などない」
「愚か者! 今目の前にあるモノを認められない者は愚者でしかない! その傲慢な性格がこのような惨状を創り出したのがまだ分からぬか!」
「く!」
傲慢なエルフ族の中には、未だに自分たちがしでかした悪夢のような現実を認めない者が多くいるようだが、中には冷静に対処法を探そうとしている者もいるようだ。
「なんとかできると思うか?」
「そうでございますね。何らかの魔法でこのような事が引き起こされているのなら、解除の魔法を組み込むことも可能だとは思いますが、魔法の仕組みを解き明かすのに長い時間が必要だと思われます」
「それに問題は、あのように成り果ててしまったエルフを元に戻せるかだな」
「あらゆる物質と融合してしまった状態なので、今すぐ解除の魔法を使えたとしても、あの状態のまま固まるだけかと思われます」
「それは死ぬと言う事だな」
「はい。土や木と混じり合ったまま生きていけるとは思えません」
「そうだな。だがあの状態をコントロールできるのなら、キメラを創り出すことも可能だな」
「さようでございますね。猪と鷲を融合させてクリューサーオールを創り出すことも、馬と鷲を融合させてペーガソス創り出すことも可能でしょう」
「万が一我々があの魔法で攻撃されたときは、どう対処すべきだと思う?」
「防御魔法で防げるものならよいのですが、そのような事が叶わない、全く別の魔法とも言えない現象だったとすれば、自分自身を強く持って、他な物資と混ざらない事だと思います」
「ダイもそう思うか」
「はい。ですから今巻き込まれているエルフたちも、自分を強く持って、今混じっている物と自分を峻別すれば、あの中から分かれて出てこられると思われます」
「そうだな。それしかないな」
「おい! あれはなんだ?!」
「なんだ? 何のことを言っている?!」
「あの中央にいるモノのことだ!」
「エルフたちも気付いたようだね」
「はい。若様」
混沌
「はい。このような状態は見たことはありません」
ルイとダイは、エルフ族の結界奥深くに入っていったが、その中央は何とも言えない状態であった。
木々どころか大地も空もなくなり、いや、無くなったというよりは全てが無秩序に混じり合って溶け合っている状態で、色も極彩色から灰色まで混じり合っていた。
よく見れば巻き込まれたエルフ族が木々や土地と混じり合い、一部は溶けて液体とも気体とも言えない物質となり、無くなったと思えばまた現れると言った状態であった。
「早く助けるのだ!」
「まて! 無暗に近づくと取り込まれてしまうぞ。ここから魔法で何とかするのだ」
「なんとかとはなんだ!」
「それが分かればとうにやっている!」
どうやら助けに入ったエルフ族も巻き込まれてしまったようで、周りにいるエルフ族も手の施しようがないようだ。
「お父様、いったい何が起こったのですか?!」
「老師たちが魔境を創り出す実験をしていたのだが、力の制御を失敗したようだ」
「そんなことはない! おじいさまが失敗する事などない」
「愚か者! 今目の前にあるモノを認められない者は愚者でしかない! その傲慢な性格がこのような惨状を創り出したのがまだ分からぬか!」
「く!」
傲慢なエルフ族の中には、未だに自分たちがしでかした悪夢のような現実を認めない者が多くいるようだが、中には冷静に対処法を探そうとしている者もいるようだ。
「なんとかできると思うか?」
「そうでございますね。何らかの魔法でこのような事が引き起こされているのなら、解除の魔法を組み込むことも可能だとは思いますが、魔法の仕組みを解き明かすのに長い時間が必要だと思われます」
「それに問題は、あのように成り果ててしまったエルフを元に戻せるかだな」
「あらゆる物質と融合してしまった状態なので、今すぐ解除の魔法を使えたとしても、あの状態のまま固まるだけかと思われます」
「それは死ぬと言う事だな」
「はい。土や木と混じり合ったまま生きていけるとは思えません」
「そうだな。だがあの状態をコントロールできるのなら、キメラを創り出すことも可能だな」
「さようでございますね。猪と鷲を融合させてクリューサーオールを創り出すことも、馬と鷲を融合させてペーガソス創り出すことも可能でしょう」
「万が一我々があの魔法で攻撃されたときは、どう対処すべきだと思う?」
「防御魔法で防げるものならよいのですが、そのような事が叶わない、全く別の魔法とも言えない現象だったとすれば、自分自身を強く持って、他な物資と混ざらない事だと思います」
「ダイもそう思うか」
「はい。ですから今巻き込まれているエルフたちも、自分を強く持って、今混じっている物と自分を峻別すれば、あの中から分かれて出てこられると思われます」
「そうだな。それしかないな」
「おい! あれはなんだ?!」
「なんだ? 何のことを言っている?!」
「あの中央にいるモノのことだ!」
「エルフたちも気付いたようだね」
「はい。若様」
混沌
0
あなたにおすすめの小説
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
婚約破棄で追放された悪役令嬢、前世の便利屋スキルで辺境開拓はじめました~王太子が後悔してももう遅い。私は私のやり方で幸せになります~
黒崎隼人
ファンタジー
名門公爵令嬢クラリスは、王太子の身勝手な断罪により“悪役令嬢”の濡れ衣を着せられ、すべてを失い辺境へ追放された。
――だが、彼女は絶望しなかった。
なぜなら彼女には、前世で「何でも屋」として培った万能スキルと不屈の心があったから!
「王妃にはなれなかったけど、便利屋にはなれるわ」
これは、一人の追放令嬢が、その手腕ひとつで人々の信頼を勝ち取り、仲間と出会い、やがて国さえも動かしていく、痛快で心温まる逆転お仕事ファンタジー。
さあ、便利屋クラリスの最初の依頼は、一体なんだろうか?
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
