持参金が用意できない貧乏士族令嬢は、幼馴染に婚約解消を申し込み、家族のために冒険者になる。

克全

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第二章貴族偏

属性竜連戦

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 残り二頭の属性竜と連戦するには、残りの属性竜牙骨真銀槍の数が少ないです。
 さっきの属性竜との戦いを考えれば、一本目の槍は溶かされて終わりです。
 残り数の多い、亜竜牙骨真銀槍を使う方がいいでしょう。
 先程使った二本目と三本目は残っていますが、歪みと欠けがあります。
 修理に出さないと、完全な能力を発揮する事はできません。
 
 完璧な状態の亜竜牙骨真銀槍の方が貫通力と破壊力があるのか、歪みと欠けがあっても属性竜牙骨真銀槍の方が貫通力と破壊力があるのか。
 その判断を間違ったら、私は死ぬかもしれません。
 一瞬でそれを判断し、亜竜牙骨真銀槍をブレスを放とうとしている属性竜の口に叩きこみました。

 同時に機動して、属性竜の耳から脳を貫通破壊させるように、亜竜牙骨真銀槍を全力で放とうとしましたが、あまりに力と速さが自分の感覚と違っていたので、修正して八分の力でしか投げられませんでした。。
 そして今度は新品の属性竜牙骨真銀槍を取り出して、先程の属性竜を斃した後方からの一撃に備えました。

 ですが、その必要はありませんでした。
 私の感覚と実際にできる事が、著しくかけ離れていたために、最初のブレスで溶かされる覚悟で放った亜竜牙骨真銀槍が、属性竜がブレスを発生させる前に届いてくれたのです。
 届いただけでなく、口蓋を破壊して頭蓋底骨を貫き、脳を破壊したのです。

 二本目の亜竜牙骨真銀槍も、属性竜の耳から入って頭蓋骨を貫き脳を破壊してくれましたが、蛇足でしかありませんでした。
 いえ、蛇足でありませんね。
 自分の命がかかっているので、安全に二手三手四手先を読んで攻撃すべきです。
 属性竜の鱗と皮と頭蓋骨を破壊するために、亜竜牙骨真銀槍が駄目になってしまいましたが、命には代えられません。

 三頭目の属性竜が近づいてくるのが分かります。
 先程の属性竜を斃した事で、私が単独で斃した属性竜は三頭になりました。
 たぶん、また身体強化しています。
 以前の感覚のままですから、また強化された身体を上手く使う事ができません。
 確実に斃すのなら、接近戦で戦う事ですが、それでは危険です。

 安全に狩るためには、遠距離からの投擲です。
 安全圏から亜竜牙骨真銀槍を投擲するのがいいでしょう。
 もしかしたら、今の私なら、魔獣素材の槍でも属性竜を斃せるかもしれませんが、節約して死んでしまったら愚か者でしかありません。
 完成するまでに時間は必要ですが、今回斃した多数の亜竜種で、大量の亜竜牙骨真銀槍を作ることができます。
 素材を無駄にするかもしれませんが、的を絞らずに、属性竜の胴体を狙う!
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