2 / 16
1話
しおりを挟む
「王太子レオナルド殿下。
いや、王国の秘宝を私欲で盗んだ大罪人レオナルド!
本来なら死刑にするところだが、王太子であったので命は取らない。
王太子の地位を剥奪して平民に落とし、追放刑とする。
だがその罪は広く周知しなければいけない。
よって顔に罪人に焼印を押して追放刑とする。
それでよろしいですね、国王陛下」
「通常では修道院送りにするのではないか?」
「いえ、それでは甘すぎます。
王家に残る魔法薬を勝手に使おうとするなど、絶対に許されません。
あの魔法薬は、後継者のいない国王が重体になった時にだけ使うモノです。
魔力を失った世界では、何物にも代えがたい秘宝です。
それを自分の婚約者の顔の傷を治すのに盗むなど、絶対に許せません。
魔法薬を使うというのとは、陛下の命を奪うのに等しいのです。
修道院送りでは甘すぎます」
「そうか、では追放刑は仕方がないとして、焼印は残虐過ぎるのではないか」
「いいえ、そんな事はありません。
そもそもこの件に関しましては……」
駄目です。
誰も王太子殿下を庇いません。
皆、第二王子のネイサンに脅迫されたり懐柔されたりしています。
これがネイサンの仕掛けた罠、冤罪度だと知っているのに!
それでも誇り高い貴族ですか!
許し難い惰弱で強欲な連中です。
必ず思い知らせてやります。
「やれ!
遠慮するな!
国王陛下の命を危険にさらしたのだ。
思い知らせてやれ!」
ネイサンが邪悪な愉悦に顔を歪めています。
ネイサンのしつこい要求に、国王は全てを認めてしまいました。
ネイサンの思惑通りです。
国王は誰も愛していないのです。
王太子殿下だけでなく、ネイサンを含めた王子王女の誰も愛していません。
ネイサンはそれを見越して今回の暴挙に及んだのです。
しつこく要求すれば、面倒になった国王が認めると。
そう予測して動いたのです。
そしてその通りになっています。
しかも国王は、自分が承認したことの結果を見る事を拒否したのです。
この場にいないのです。
一国の国王として無責任過ぎます。
ジュウウウウウウ!
ああ、レオナルド様の顔が焼かれてしまいました!
赤く熱せられた焼鏝が額に押し当てられてしまいました。
私は、義母に顔を酸で焼かれた時の痛みを、まざまざと思いだしました。
その場で倒れそうになりましたが、意志を総動員して踏みとどまりました。
眼を背けてはいけません!
逃げ出してもいけません!
この場にいる連中を、いえ、この場いなくても、レオナルド様を陥れた連中の顔をこの目に焼き付けるのです。
そして何を失っても復讐するのです!
いや、王国の秘宝を私欲で盗んだ大罪人レオナルド!
本来なら死刑にするところだが、王太子であったので命は取らない。
王太子の地位を剥奪して平民に落とし、追放刑とする。
だがその罪は広く周知しなければいけない。
よって顔に罪人に焼印を押して追放刑とする。
それでよろしいですね、国王陛下」
「通常では修道院送りにするのではないか?」
「いえ、それでは甘すぎます。
王家に残る魔法薬を勝手に使おうとするなど、絶対に許されません。
あの魔法薬は、後継者のいない国王が重体になった時にだけ使うモノです。
魔力を失った世界では、何物にも代えがたい秘宝です。
それを自分の婚約者の顔の傷を治すのに盗むなど、絶対に許せません。
魔法薬を使うというのとは、陛下の命を奪うのに等しいのです。
修道院送りでは甘すぎます」
「そうか、では追放刑は仕方がないとして、焼印は残虐過ぎるのではないか」
「いいえ、そんな事はありません。
そもそもこの件に関しましては……」
駄目です。
誰も王太子殿下を庇いません。
皆、第二王子のネイサンに脅迫されたり懐柔されたりしています。
これがネイサンの仕掛けた罠、冤罪度だと知っているのに!
それでも誇り高い貴族ですか!
許し難い惰弱で強欲な連中です。
必ず思い知らせてやります。
「やれ!
遠慮するな!
国王陛下の命を危険にさらしたのだ。
思い知らせてやれ!」
ネイサンが邪悪な愉悦に顔を歪めています。
ネイサンのしつこい要求に、国王は全てを認めてしまいました。
ネイサンの思惑通りです。
国王は誰も愛していないのです。
王太子殿下だけでなく、ネイサンを含めた王子王女の誰も愛していません。
ネイサンはそれを見越して今回の暴挙に及んだのです。
しつこく要求すれば、面倒になった国王が認めると。
そう予測して動いたのです。
そしてその通りになっています。
しかも国王は、自分が承認したことの結果を見る事を拒否したのです。
この場にいないのです。
一国の国王として無責任過ぎます。
ジュウウウウウウ!
ああ、レオナルド様の顔が焼かれてしまいました!
赤く熱せられた焼鏝が額に押し当てられてしまいました。
私は、義母に顔を酸で焼かれた時の痛みを、まざまざと思いだしました。
その場で倒れそうになりましたが、意志を総動員して踏みとどまりました。
眼を背けてはいけません!
逃げ出してもいけません!
この場にいる連中を、いえ、この場いなくても、レオナルド様を陥れた連中の顔をこの目に焼き付けるのです。
そして何を失っても復讐するのです!
214
あなたにおすすめの小説
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
愛のない結婚をした継母に転生したようなので、天使のような息子を溺愛します
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
目が覚めると私は昔読んでいた本の中の登場人物、公爵家の後妻となった元王女ビオラに転生していた。
人嫌いの公爵は、王家によって組まれた前妻もビオラのことも毛嫌いしており、何をするのも全て別。二人の結婚には愛情の欠片もなく、ビオラは使用人たちにすら相手にされぬ生活を送っていた。
それでもめげずにこの家にしがみついていたのは、ビオラが公爵のことが本当に好きだったから。しかしその想いは報われることなどなく彼女は消え、私がこの体に入ってしまったらしい。
嫌われ者のビオラに転生し、この先どうしようかと考えあぐねていると、この物語の主人公であるルカが声をかけてきた。物語の中で悲惨な幼少期を過ごし、闇落ち予定のルカは純粋なまなざしで自分を見ている。天使のような可愛らしさと優しさに、気づけば彼を救って本物の家族になりたいと考える様に。
二人一緒ならばもう孤独ではないと、私はルカとの絆を深めていく。
するといつしか私を取り巻く周りの人々の目も、変わり始めるのだったーー
[完結]出来損ないと言われた令嬢、実は規格外でした!
青空一夏
恋愛
「おまえなど生まれてこなければ良かったのだ!」そうお父様に言われ続けた私。高位貴族の令嬢だったお母様は、お父様に深く愛され、使用人からも慕われていた。そのお母様の命を奪ってこの世に生まれた私。お母様を失ったお父様は、私を憎んだ。その後、お父様は平民の女性を屋敷に迎え入れ、その女性に子供ができる。後妻に屋敷の切り盛りを任せ、私の腹違いの妹を溺愛するお父様は、私を本邸から追い出し離れに住まわせた。私は、お父様からは無視されるか罵倒されるか、使用人からは見下されている。そんな私でも家庭教師から褒められたことは嬉しい出来事だった。この家庭教師は必ず前日に教えた内容を、翌日に試験する。しかし、その答案用紙さえも、妹のものとすり替えられる。それは間違いだらけの答案用紙で、「カーク侯爵家の恥さらし。やはりおまえは生まれてくるべきじゃなかったんだな」と言われた。カーク侯爵家の跡継ぎは妹だと言われたが、私は答案用紙をすり替えられたことのほうがショックだった。やがて学園に入学するのだがーー
これは父親から嫌われたヒロインが、後妻と腹違いの妹に虐げられたり、学園でも妹に嫌がらせされるなか、力に目覚め、紆余曲折ありながらも幸せになる、ラブストーリー。
※短編の予定ですが、長編になる可能性もあります。
(完)婚約解消からの愛は永遠に
青空一夏
恋愛
エリザベスは、火事で頬に火傷をおった。その為に、王太子から婚約解消をされる。
両親からも疎まれ妹からも蔑まれたエリザベスだが・・・・・・
5話プラスおまけで完結予定。
(完結)私より妹を優先する夫
青空一夏
恋愛
私はキャロル・トゥー。トゥー伯爵との間に3歳の娘がいる。私達は愛し合っていたし、子煩悩の夫とはずっと幸せが続く、そう思っていた。
ところが、夫の妹が離婚して同じく3歳の息子を連れて出戻ってきてから夫は変わってしまった。
ショートショートですが、途中タグの追加や変更がある場合があります。
婚約者に突き飛ばされて前世を思い出しました
天宮有
恋愛
伯爵令嬢のミレナは、双子の妹キサラより劣っていると思われていた。
婚約者のルドノスも同じ考えのようで、ミレナよりキサラと婚約したくなったらしい。
排除しようとルドノスが突き飛ばした時に、ミレナは前世の記憶を思い出し危機を回避した。
今までミレナが支えていたから、妹の方が優秀と思われている。
前世の記憶を思い出したミレナは、キサラのために何かすることはなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる